ミニチュアピンシャーの性格
- 活発
- 好奇心が強い
- 勇敢
- 人見知り
- 甘えん坊
ミニチュアピンシャーは非常に活発で好奇心旺盛なため落ち着きがないと捉えられることがありますが、飼いにくいということはありません。護衛犬や警察犬として活躍する資質も持ち合わせているため、きちんとした育て方をすれば利口で賢い犬です。飼い主には従順なので、勇敢さと甘えん坊のギャップがかわいいと人気が高まっています。
ミニチュアピンシャーの特徴
大きさ
体重 約4~6キログラム
体高 オスメスともに約26~32センチメートル
ミニチュアピンシャーの体長と体高はほぼ同じ長さで、スクエアな体型です。平均体重と平均体高から、サイズは小型犬に分類されます。
被毛
ミニチュアピンシャーの被毛は短毛のシングルコートで、光沢がありなめらかな毛質です。おもな毛色は「レッド」「ブラックタン」「チョコタン」となります。それ以外の毛色はレアカラーと呼ばれ、白の「ホワイトタン」や茶色の「イザベラ」の他、「ブルータン」や「グレータン」がいるそうです。
体の特徴
番犬の役割も果たすミニチュアピンシャーは適度な筋肉を持ち引き締まった体をしています。生まれてすぐに断尾、生後9~12週くらいに断耳をするのが一般的で、立った耳と短いしっぽが特徴です。
耳垂れを防止するための耳の立たせ方は、断耳の他にテーピングで矯正する方法もあります。ヨーロッパやオーストラリアなどの一部の国では、動物愛護の観点から断耳しないよう法律で禁止しています。
また、ハックニー歩様と呼ばれる前足を高く上げる歩き方もミニチュアピンシャー特徴の1つで、優雅で洗練された印象があります。
ミニチュアピンシャーの子犬の値段
ミニチュアピンシャーの子犬の相場価格は19万円程度です。スタンダードに近いかどうかや血統によって値段に幅があり、特にレアカラーの場合は販売しているところが少ないことから、30万円近くになることもあるようです。
ミニチュアピンシャーをブリーダーから迎えるには
ミニチュアピンシャーは人気が高くブリーダー数も多いので、母犬や兄弟犬と長く生活して社会性を身につけたブリーダー犬を迎える方がたくさんいます。ブリーダーサイトを利用すると様々なブリーダーや子犬の情報を見ることができます。
選び方は年齢や毛色の種類など人によって様々ですが、レアカラーの場合は遺伝的な問題があり飼育が大変なことも多いので、実際に見学し飼育状況や健康状態などを把握するとよいでしょう。
ミニチュアピンシャーの里親になるには
保護されたミニチュアピンシャーの里親になるには、保護施設や保護団体から引き取る方法があります。また、インターネットの里親募集サイトには子犬だけでなく、成犬や老犬を譲りますとしているところもあります。人見知りが強い犬種なので、大きくなった保護犬を引き取る場合は信頼関係を築くまでに時間と体力が必要になるかもしれません。
ミニチュアピンシャーの飼い方
環境
ミニチュアピンシャーは寒がりなので、室内で飼うことが多いです。冬場は防寒着としてロンパースなどの服を着せたりベッドに毛布を追加したりしてください。部屋の温度を上げるのも効果的です。洋服は肌着の他フード付きパーカーなども売られているので、季節や環境に応じたものを選んであげるとよいでしょう。
運動
運動能力と体力あるミニチュアピンシャーには、1日30~40分の散歩と運動が必要です。身軽でジャンプ力があるので、ドッグスポーツなどもよいかもしれません。ストレスが問題行動につながることもあるため、適度な運動量を確保してあげてください。
しつけ
警戒心が強く人見知りのあるミニチュアピンシャーは、見知らぬ人に無駄吠えをしたり攻撃を加えたりする可能性があります。散歩のときは首輪とリードをきちんとつけるか、ハーネスを利用して人に危害を加えない工夫をしてください。
初心者にはしつけが難しいと感じるかもしれませんが、吠え癖や噛み癖にはけじめのある態度で接しましょう。室内で飼うことが多いので、トイレのトレーニングも大切です。
留守番中や来客中に吠えることが多く鳴き声がうるさいときには、防音カーテンや防音ボードなどのグッズを活用するのもよいでしょう。
餌
ミニチュアピンシャーは運動量が多いため、骨格や関節をサポートする成分を含んだドッグフードを与えます。消化器官が弱く軟便になりやすいので、アレルギー防止のためにグレインフリーのものを選んだり、子犬のときは1日3回に分けたりするとよいでしょう。
体重や餌の種類にもよりますが、5キログラムの子犬の場合、1日の餌の量は120グラム程度が目安です。
お手入れ
抜け毛の多いミニチュアピンシャーのお手入れは日々のブラッシングで十分ですが、フケ防止と血行をよくするために定期的に行いましょう。臭いを抑えるためにも、時々シャンプーをして清潔にしてあげてください。
ミニチュアピンシャーの寿命
ミニチュアピンシャーの平均寿命は13歳前後、最高齢は18歳程度と言われています。基本的に丈夫な犬ですが、長生きをすると老化による病気やケガ、白髪なども出てくるので、日頃のスキンシップを通して体調の変化を見逃すことのないように心がけましょう。
ミニチュアピンシャーがかかりやすい病気
皮膚病
毛が短く皮膚が弱いミニチュアピンシャーは、皮膚病になりやすいと言われています。冬季の散歩では服着を着せる、散歩から帰ったらブラッシングをするなどして、肌の健康を保ってあげてください。
椎間板ヘルニア
ミニチュアピンシャーは、年齢と共に背骨や骨格が弱くなることで小型犬によく見られる椎間板ヘルニアになることがあります。手足のしびれや歩行がおぼつかないなどの症状が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼とは膝のお皿の骨が外れて正常な位置からずれてしまう病気です。ミニチュアピンシャーは膝関節を構成する組織の先天的な異常から膝蓋骨脱臼を起こすことがあります。軽症の場合はスキップのような歩き方をしたり後ろ足を蹴り出すような動きをしたりすることで自力で元に戻してしまうことがありますが、重症の場合は常に脱臼した状態となって膝を伸ばすことができなくなってしまいます。重度の脱臼や後ろ足に変形が見られる場合には早めに手術をする必要があるでしょう。
華奢な足を持つミニチュアピンシャーは、ソファからの飛び降りなどで脱臼や骨折をしやすいと言われています。高さのある物を置かない、階段には策をつけるなどの工夫をして、これらを予防するようにしましょう。
白内障
中高齢以降になると、目が白く濁る白内障を患うことも多くなります。多くはありませんが若齢性や先天性の白内障もあるので、ミニチュアピンシャーの目の濁りを感じたり餌の場所がわからずうろうろしていたりするときは、動物病院で治療を受けましょう。
ミニチュアピンシャーの歴史
ミニチュアピンシャーは中型のヘルピンシェルと、ジャーマンピンシャーやイタリアングレーハウンド、トイマンチェスターテリアなどの小型犬が由来となっています。
「ミニピン」という愛称で親しまれ、多少発音は異なるものの、英語圏でもそのように呼ばれています。ブラウンの毛色と小鹿(レイ)のような体つきから、ドイツではレイ・ピンシャーとも言われています。
他犬とのミックス犬には、チワワを親に持つ「チワピン」や、トイプードルとの交配でできた「ピンプー」、ダックスが親の「ダッピン」などがいます。
ミニチュアピンシャーに似た犬種とそれぞれの違い
ドーベルマンとの違い
体格や顔つきが似ているドーベルマンとミニチュアピンシャーには、最初に誕生した国がドイツという共通点があります。
一番の違いは大きさで、ドーベルマンは大型犬に分類されています。ドーベルマンはジャーマンピンシャーを基礎にロットワイラーやジャーマンシェパードなどを交配して作られた犬種ですが、ミニチュアピンシャーの方が歴史は古いようです。
イタリアングレーハウンドとの違い
イタリアングレーハウンドはイタリア原産の犬で、ジャーマンピンシャーなどとともにミニチュアピンシャーのルーツとされています。
ミニチュアピンシャーとイタリアングレーハウンドはどちらも小型犬に分類されますが、イタリアングレーハウンドの方が体高があり、手足も細長いという違いがあります。
トイマンチェスターテリアとの違い
ミニチュアピンシャーはドイツ生まれの小型犬ですが、トイマンチェスターテリアはイギリス生まれの超小型犬で、毛色もブラックタンの一種のみです。
トイマンチェスターテリアにはペンシルマークという四肢のつま先にある黒い模様や、サムマーク(ダイヤモンドマーク)という前肢の爪から少し胴体寄りの部分にある黒い模様があることが他種との違いとされていましたが、近年では稀にこれらを持つミニチュアピンシャーもいるようです。
まとめ
小さいドーベルマンのようなミニチュアピンシャーは、元気いっぱいでかわいらしい犬種です。運動量を確保したり寒さ対策をしたりする必要はありますが、子犬の頃からきちんとしつけをすれば飼いやすさのある犬なので、コミュニケーションを重ねることで厚い信頼関係を築いていってあげてくださいね。