【パグの性格】飼い方や値段など特徴について

しわしわの顔につぶれた鼻、大きくクリクリとした瞳が特徴の「パグ」。愛らしく見ていて飽きないため、日本でも人気がある犬種です。今回は、パグの歴史や特徴などを紹介します。他にも値段や飼い方なども記載しているので、愛犬選びの参考にしてください。

パグの特徴

パグの特徴

日本で「ぶさかわ」として人気のパグは、どんな性格なのでしょうか?

明るく陽気で遊ぶことが大好きです。愛情深く、飼い主にとても献身的です。気が優しく穏やか性格の子が多いため、子どもの良き遊び相手にもなってくれて飼いやすい犬種といえます。

人懐っこく、警戒心が低いため、無駄吠えもあまりないので番犬向きではありません。

一方で、頑固でマイペースな面も持ち合わせていますので、甘やかしすぎるとわがままになってしまうこともあります。

パグの歴史

パグは紀元前400年頃の中国に存在していた記録があり、見た目の特徴からマスティフ系の犬が先祖と考えられています。

チベットの僧院で飼育され、元々は大きな体でしたが、飼育しやすいように小型化したと伝えられています。その後、仏教を通して中国に入り、魔除けとして中国の皇室で大切に飼われていました。

パグの姿は中国の古い文献や美術品にも描かれており、この頃には現在のパグらしい姿になっていたようです。

中国からヨーロッパのオランダに渡ったパグは、オランダの王室で愛されたことからオランダの貴族間に広まり、その後イギリスに渡り王室や貴族の愛玩犬として飼われるようになりました。

18世紀にはナポレオン皇帝の妻「ジョセフィーヌ」やイギリスの「ウイリアム3世」などにも愛されていました。

アメリカには19世紀に渡り、日本には戦中から戦後の1900年代前半に愛玩犬として入ってきました。

パグの名前の由来には諸説あると言われています。
1つは、ラテン語で握りこぶしを意味する「パグナス」。パグの顔が人間の握りこぶしに似ていることから呼ばれるようになった説。2つめは、猿のマーモセットに似ていることから「パグ・モンキー」と名付けられた説。3つめは、中国の言葉「パー・クー」(いびきをかいて眠る王様を意味する)から名付けられた説です。

パグの体の特徴

パグは筋肉質で引き締まったガッチリとしたスクエア型の体型です。くるくると巻いたしっぽを背負っているのも特徴です。

頭は大きく、短い鼻としわくちゃな顔が印象的です。やや左右離れている真っ黒の瞳と横から見ると平らな顔立ちが個性的。かみ合わせはアンダーショットで少ししゃくれて見えますが、「ぶさかわ」とも呼ばれファンが多い犬種です。

耳は顔に対して小さめ。途中から折れた耳が後方にねじれている「ローズ耳」と、前に垂れている「ボタン耳」のどちらかの形状に分かれます。ドッグショーではボタン耳が好ましいとされています。

パグの大きさ

パグの大きさ

パグの理想的な大きさは、体高 25~28cm程度、体重 6.3〜8.1kgとされています。小型犬に分類されます。メスはオスより若干小柄で細身な傾向があります。

生後6ヶ月頃の子犬期には4kg前後になり、生後8ヶ月頃からはゆるやかに成長。1歳頃までには成犬サイズになります。

小型犬の中でも体重が重い犬種ですが、10kg以上になると肥満である可能性が出てくるので、食事のコントロールや体重管理には気をつけましょう。

パグの毛色

パグの毛色

パグの毛色はシルバー、アプリコット、フォーン、ブラック種類が種類がJKC(ジャパンケンネルクラブ)認められています。どの色もマズル、マスク、耳、頬の上のほくろ、サム・マーク(前肢にある黒い小さな斑)、トレース(後頭部から尾にかけての黒い線)は黒いほど良い個体だとされています。

毛色 特徴
フォーン 薄めの茶色で優しい色合いです。日本では最も多い毛色です。4つのカラーの中では比較的価格が安いケースが多くみられます。
ブラック(黒) 黒パグと呼ばれ他の毛色にはない特徴を持った特殊なカラーです。基本的にダブルコートの被毛を持つパグですが、ブラックだけシングルコートの場合があります。フォーンより個体数が少なく、価格は高いケースが多いでしょう。
アプリコット フォーンより 明るいオレンジ色の茶色です。レアカラーで日本ではほとんど売られておらず価格相場ははっきりわかりません。
シルバー 白にグレーが混ざっているような不思議な色合いです。アプリコット同様、非常にレアカラーで日本ではほとんど売られていないため価格相場ははっきりわかりません。

JKC(ジャパンケンネルクラブ)では認定されていませんが、白いパグも存在し、アメリカなど海外では人気です。

メラニンに異常のある白い被毛のアルビノ(白化個体)とは異なり、被毛の色が白いだけなので遺伝的には特に問題はないとされています。

パグの被毛

パグは短毛のダブルコート(オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の二重構造になっている被毛)の犬種ですが、他のダブルコートの犬種の中でも、抜け毛が非常に多いと言われています。毎日こまめなブラッシングを心がけて、皮膚や被毛の健康を守りましょう。

また、パグの特徴である顔の深いシワは汚れが溜まりやすく、お手入れを怠ると「パグ臭」と言われる悪臭が出てしまいます。食後や外出からの帰宅後などに蒸しタオルでシワの間を優しく拭いてあげましょう。耳の中も汚れが溜まりやすいため、綿棒などで優しく掃除を行いましょう。
シャンプーの頻度は、月に1~2回が目安です。シャンプーはすすぎが不十分だと皮膚トラブルの原因になり、生乾きのまま放置していると雑菌が繁殖してしまうので、すすぎと乾燥が重要になります。

パグのかかりやすい病気

パグのかかりやすい病気

病気 特徴
軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)症 パグやブルドッグなど短頭種に多い呼吸器系の病気です。喉の奥にある軟口蓋が通常より長いことで、呼吸が妨げられてしまいます。寝ているときや普段の呼吸でいびきをかく、ちょとした運動でも酸欠になるなどの症状がでます。肥満は症状を悪化させるため、日頃の食生活には気を配りましょう。
気管虚脱 空気を運ぶ管が潰れて空気が流れなくなり、疲れやすくなる、咳、眠れなくなる、元気がなくなるなどの症状が出る。
パグ脳炎(壊死性髄膜脳炎) パグの発症例が多いことから「パグ脳炎」という病名が付けられています。大脳と髄膜が壊死し炎症を起こすことにより神経症状がでます。突発的なけいれん、歩行困難、意識障害、失明などの症状がでます。原因不明のため予防は困難です。早期発見、早期治療が重要になります。
脂漏性皮膚炎 パグは顔にシワが多く、しわに汚れや皮脂がたまりやすくなります。その汚れを餌にして細菌が繁殖し皮膚炎を起こしてしまいます。皮膚の赤みやかゆみ、脂っぽいフケが出たり、毛が抜ける場合もあります。シワの間や蒸れやすい箇所をこまめに掃除して清潔に保つことで予防することができます。
膝蓋骨脱臼 膝蓋骨という膝にあるお皿のような骨がずれてしまう関節の病気です。膝関節周辺の形状に先天的な異常、ケガや骨の栄養障害など後天的なケースもあります。スキップのような歩行から膝蓋骨は常に脱臼したままで地面に足をつけなるなるなど症状は4段階に分けられます。肥満に気をつけ、膝への負担をなるべく減らすよう滑りにくい床に変えたり、過度な運動を避けるようにしましょう。

パグは上記のような病気にかかりやすいため、飼う前に保険の加入の必要性について考えましょう。

動物の病気やケガの治療費は自己負担なので、病気が大きくなればなるほど費用面での負担が増えます。ペット保険に加入しておけば、もしもに備えておくことができるので安心です。

パグの寿命

パグの平均寿命は約12〜15歳です。一般的な小型犬の平均寿命は12~15歳なので、平均的な寿命といえます。

正式な記録ではありませんが、パグの最高齢は20歳と確認されています。

パグに長生きしてもらうには、病気の予防のために食生活を含む健康管理が重要です。適度な運動をかかさず、ドッグフードは年齢に合わせたものに変えるなど、肥満にならないように気をつけましょう。

また、定期的な健康診断を受けましょう。年に1回、高齢になったら半年に1回を目安に受けることをおすすめします。内蔵疾患など見た目ではわからない病気が定期検診によって、早期発見できたケースもあります。合わせて日頃から愛犬の様子をよく観察することも大切です。ちょっとした変化にも気づきやすくなり、病気になっても早めに治療を受けさせることができます。

パグの飼い方

パグの飼い方

パグのしつけ

パグは穏やかな性格のため、比較的飼いやすい犬種と言われていますが、まれにみられるのが噛み癖です。

噛み癖がひどくなると散歩や飼い主以外の人間や犬と交流するのが難しくなるため、早めの対処が必要です。

しつけはじっくりと根気よく行いましょう。褒めて伸びるタイプなので、強くしかるなど極端なしつけは問題行動の原因になります。上手にできたら褒めるを繰り返しましょう。

家族がいる場合は、全員でしつけの基準を統一させるのが効率よくしつけをするポイントです。

特に「おすわり」「まて」「ふせ」は、興奮した気持ちを落ち着かせるなど愛犬をコントロールするために重要なしつけもあります。個体で覚えのよさに差があるため、幼犬の頃からしつけをしておくのがおすすめです。

パグの室内飼いについて

パグは暑さ寒さ両方に弱い犬種です。夏と冬はエアコンを使いながら室温管理には十分注意が必要です。

犬は呼吸することで体温調節をしますが、短頭種であるパグは気道が狭く、呼吸がしにくいため体温調整が苦手です。

とくに暑さにはとても弱く、室内でも熱中症になってしまうこともあります。

夏の室温は23~25℃程度、冬の室温は20~25℃程度、湿度は60%位が目安です。
寒暖差に弱いので、外出時は、夏は犬用のクールウエアを利用したり、冬は防寒用の服を着せるなどして調整しましょう。
子犬は成犬よりも体温調節が苦手です。留守番させるときは水を十分に用意し、快適に過ごせる環境をしっかり整えましょう。

ただし、犬用カーペットなどの暖房機器は、コードを噛んだりなど事故につながる可能性があるため、飼い主が在宅の場合にのみ使用すると安心です。

パグのお手入れ

パグは顔のシワの間に皮脂汚れがたまりやすく、放置しておくと細菌が繁殖して皮膚炎などの原因となります。皮膚の健康を保つためにも、食後や外出からの帰宅後など汚れが溜まっている状態なのでこまめにお手入れしましょう。

赤ちゃん用ウェットティッシュや蒸しタオルで顔全体のシワの間をやさしく拭いてあげましょう。シワの深い目の周りや口の周りなどは綿棒をぬるま湯に湿らせると汚れを落としやすくなります。強くこすると皮膚を傷つけてしまうので、優しく汚れを浮かせるようにして拭き取るのがポイントです。

汚れを拭き取ったら、乾いたタオルや綿棒などで水気をしっかりとりましょう。湿ったままにすると細菌が繁殖してしまい皮膚トラブルの原因になってしまいます。

お顔を触られることに慣れていない子だと嫌がる可能性があるので、休憩を挟むなど少しずつ慣れさせましょう。頭部や首を撫でたり声をかけたりして行えば、愛犬もリラックスできます。

パグの散歩

パグは1日に必要な運動量はそれほど多くは必要としません。しかし太りやすい犬種のため、1回あたり20~30分程度のお散歩を1日2回行いましょう。子犬であれば1日1回15分程度行いましょう。

散歩は気分転換やストレス発散にもなり、愛犬に良い影響を与えてくれます。散歩ができない雨や雪の日などは、室内で遊びながら運動させてあげることをおすすめします。

また、パグは暑さや寒さに弱いため散歩の時間帯も気をつける必要があります。

とくに夏は地面からの照り返しによる熱中症や、熱くなったアスファルトで肉球がやけどすることもあるので、比較的涼しい「早朝」や「夜」に散歩するとよいです。

冬は犬用の服など防寒対策をして日中の暖かい時間を選んで散歩してあげましょう。

室内と外の寒暖差は体調不良の原因になります。夏も冬も温度管理には配慮してください。

パグの食事

パグの1日の食事の回数や量は月齢や体重によって異なります。

食事の量の目安は体重の40分の1程度。愛犬が7kgの場合の1日分のご飯量は約175gとなります。

月齢 1日あたりの食事の回数
生後2ヶ月頃まで 3〜4回
生後3〜4ヶ月頃まで 2〜3回
5ヶ月〜成犬 1〜2回

犬は成長するにつれ胃腸の機能が発達するので、消化機能が未発達な生後2ヶ月頃までは1日あたり3〜4回とこまめに食事を与えるようにしてください。

フードは栄養バランスの取れた「総合栄養食」を与えるようにしましょう。パグは肥満になりやすいため、太ってる場合は高タンパクで低脂肪、低カロリーのものに切り年替えるなど状況に合わせて見直しましょう。年齢によっても量や与え方などがかわってきますので獣医師と相談した上で調整しましょう。

パグの値段

パグの値段

パグの値段相場は、平均20~50万円と言われいます。
パグの値段には差があり、血統、性別、毛色、購入方法によっても大きく異なっています。

ペットショップで購入する場合、値段相場は20万~50万円くらいです。
仲介料や手数料が含まれて高くなる場合もありますが、キャンペーンなどで値段が安くなる場合もあるのがメリットです。必要な道具一式をお得に揃えられたり、ペット保険などもその場で加入できたりします。

注意点は管理体制が悪く、精神状態の良くない子や体調のすぐれない子もいるのが現実です。家族に迎え入れる前に、良くふれあい健康状態などをチェックしましょう。

ブリーダーで購入する場合、価格相場は25万~50万円くらいで平均40万円前後です。

メリットは、子犬の母犬と生育環境が確認でき、健康への配慮も行き届いている可能性が高いです。豊富な専門の知識があり、購入前の注意事項やアドバイスだけでなく、 購入後のサポートも徹底しているブリーダーさんが多く、食や健康状態の相談など親身に相談に乗ってくれます。
ただし質の悪いブリーダーも存在しますので、見極めが重要です。

ペットショップもブリーダーもそれぞれメリットとデメリットがあります。
しっかりと知識を持ってから愛犬を迎え入れることが大切です。