【ヨークシャーテリアの性格って?】特徴は?飼い方や値段について
ヨークシャーテリアはチワワに次いで小さいといわれる犬種です。家庭犬としても人気ですが、ドッグショーで見かけるヨークシャーテリアはストレートのロングヘアで、美しさが際立つ犬種です。ヨークシャーテリアの性格や特徴、価格やしつけ法、かかりやすい病気などについてまとめました。
ヨークシャーテリアの特徴
ヨークシャーテリアの性格は、聡明でとても利口です。
もともとはネズミを捕るために作られた犬種のため、勇敢で活発、好奇心旺盛で活動的です。負けん気が強く、自己主張もするテリア気質の一方、臆病な一面もあるため大きな音などを怖がって吠えてしまったり攻撃的になったりする場合もあります。
また、人懐っこく甘えん坊な特徴もあり、犬同士より人と一緒にいることを好む傾向があります。愛犬といつも一緒にいたい飼い主さん向きの犬種といえます。
ヨークシャーテリアの歴史
ヨークシャーテリアは、19世紀イギリスのヨークシャー州で倉庫や工場などの室内ででネズミを捕るための犬として作出されたのが始まりと考えられています。当時、交配に使われていた犬はスカイテリアやマンチェスターテリア、ウォーターサイドテリアやマルチーズのほかに数種類用いられていたと言われています。体の大きさも5㎏以上ある個体も多く、毛質も今とは異なっていました。交配を進めて犬種として安定していく過程で小型化され、滑らかな直毛の毛質となりました。
ヨークシャーテリアは当初、労働者階級の市民に飼われていましたが、サイズの小ささや、美しい被毛、活発で明るい性格などが評判となり、愛玩犬として貴族などの上流階級でも飼われるようになりました。
19世紀中頃、イギリスのドッグショーに初めて出展されると「動く宝石」と称され人々を魅了します。1870年頃から「ヨークシャーテリア」の名称で呼ばれるようになり、1872年にアメリカに渡り、1882年にイギリスケネルクラブで正式な犬種として認定されました。
その後、欧米の繁殖家たちによってさらに小さく、美しい被毛へと改良されていきました。
日本に入ってきたのは戦前と言われていますがはっきりとしません。戦後の高度成長期に入ってから、マルチーズ、ポメラニアンとともに「座敷犬御三家」として室内で飼う家が増えました。今でも人気の犬種として日本だけでなく世界中で愛されています。
ヨークシャーテリアの大きさ
ヨークシャーテリアは、チワワに次いで体の小さい超小型犬です。
成犬のサイズは
- 平均体重:2~3㎏
- 体高 :18~23cm
ジャパンケネルクラブ(JKC)では、3.2㎏までを規定としています。
犬の成長は小型犬ほど早いと言われ、ヨークシャーテリアも生後10ヶ月までに2~3kgの成犬サイズに成長し、その後大きく変わることはありませんが、個体によって差があります。
ヨークシャーテリアは個体差が大きい犬種の一つと言われており、平均を下回る2kgに満たない個体から、7kgを超える個体も存在するほど大きく変わります。
生後6ヶ月を迎えても大きく成長する個体もいることを知っておきましょう。
ヨークシャーテリアの毛色
ヨークシャーテリアの毛色は、ダーク・スチール・ブルー&タンの1色がスタンダードとしてジャパンケネルクラブ(JKC)で公認していますが、成長とともに色が変化していく過程や個体によって様々なカラーが見られます。一般的に4種類に分かれるとされています。
子犬のころの被毛はクルクルとした癖がありますが、成長とともに美しいストレートに近い毛並みに変化します。
さらに、成長とともに毛色の変化もします。
子犬のときは基本的にはブラック&タン(黒地に赤茶色が混ざる程度)の毛色が多いのですが、だんだんと変化してスチールブルーやゴールドという毛色に変わります。
公認の毛色は一色で「ダークスチールブルー&タン」になりますが、一般的に毛色は4種類あるといわれています。
【ブラック&タン】
子犬の頃のヨークシャーテリアのほとんどの個体はブラック&タンです。黒をベースに眉毛や口周り、手や足の先、胸元にタン(黄褐色)が混ざっているカラーです。
【ブラック&ゴールド】
黒のベースは変わらず、タンの部分が光沢のあるゴールドに変化した状態です。主に成長過程で見られることが多いようです。
【ブルー&タン】
光に当てると青みがかった黒色で、動く宝石と呼ばれるのはこの毛色のことを指します。
本来の「ダークスチールブルー&タン」に一番近い色です。成長するとこのブルー&タンに落ち着く子が多いと言われています。
【ブルー&ゴールド】
ブルー&タンの毛色のタンの部分がゴールドに変化した状態です。この毛色は全体的に少ないと言われています。
成長とともにブラックはブルーやシルバーに、タンはゴールドに変化していき、個体によって色の濃淡があるため、同じ色でも濃淡によってかなり印象が変わります。
毛色の変化は完全に予測できるものではありません。成長の過程で色が変化していくのも楽しみの一つとして理解しましょう。
ヨークシャーテリアの寿命
ヨークシャーテリアの平均寿命は13~16歳程と考えられ、小型犬の中でも長生きする犬種と言われています。正式な記録ではありませんが、ヨークシャーテリアの最高齢は26歳と言われています。
しかし、寿命には個体差があり、必ずしも平均寿命まで生きるとは限りません。
飼育環境や食事に気を使うのはもちろんのこと、日々のお手入れやスキンシップなどを心かげていくことが大切です。また避妊・去勢手術も寿命が伸びると言われています。
ヨークシャーテリアの病気
ヨークシャーテリアは長寿な犬種と言われていますが、純血種ゆえの遺伝性疾患や、かかりやす病気があります。
【先天性門脈体静脈短絡(先天性門脈シャント)】
門脈と呼ばれる血管と大静脈血管との間に異常な連絡路(シャント)ができることにより、アンモニアなどの肝臓で代謝されるはずの毒素が全身を回ってしまい、さまざまな障害を引き起こす病気です。原因には先天性と後天性のものがありますが、ヨークシャーテリアの多くは先天性の要因だと言われ、1~2歳で発症するケースが多く見られます。
食欲不振、下痢、嘔吐などの症状が見られ、進行するとふらつき、痙攣や一時的な盲目などの症状が現れます。これらは食後に悪化する傾向があり、放置すると肝機能障害を引き起こす危険もありますので、早急に動物病院を受診しましょう。
【大腿骨頭無菌性壊死(レッグ・ペルテス)】
大腿骨が成長する時期に大腿骨頭への血液供給が悪くなることで大腿骨頭が壊死してしまう病気です。歩行時に痛みが生じるため、歩き方が不自然だったり、後ろ足を持ち上げて歩くなどが見られます。様子がおかしいと感じたら早めに獣医師に相談しましょう。
【水頭症】
脳脊髄液が頭蓋腔内に溜まって脳を圧迫しさまざまな症状が出る病気です。
けいれん発作、てんかん発作などの意識障害、歩行異常、眼球が動くなどの神経障害が見られます。予防が難しい病気のため、早期発見が重要です。
【環軸亜脱臼】
脊髄の一番目と二番目のつながりが緩くなっている状態によって起こる病気です。
歩き方や、首の動きがおかしい、頭を触ると嫌がるなどの場合は、動物病院で検査することをおすすめします。
【膝蓋骨脱臼(パテラ)】
ヨークシャーテリアのような小型犬が発症しやすいと言われており、膝にあるお皿のような骨が外れてしまう病気です。症状は4段階に分けられ、グレード1は日常生活にあまり支障はありませんが、グレード4になると常に脱臼した状態になり歩行が困難になり手術が必要になります。原因は先天性によるものと、後天性の交通事故や高所からの落下などによるものです。日ごろから家の中の段差を上らせないことや、床を滑らないようにマットを敷くなどの工夫が重要です。
【白内障】
目の水晶体(レンズ)が白く濁り、視力低下や視覚障害を起こす病気です。
一般的には加齢とともに生じやすくなりますが、ヨークシャーテリアは2歳以下で発症する遺伝性の若年性白内障が多いとされています。
進行すると失明する恐れもあるため、早期発見が重要です。
【尿石症(シュウ酸カルシウム)】
尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に結石ができる病気です。血尿、頻尿、排尿困難などの症状が現れます。特にヨークシャーテリアのオスは発症しやすいと言われています。
予防するには毎日の食事管理が重要になります。ミネラルバランスのとれた食事を与え、水分摂取量には十分気をつけましょう。また定期的に尿検査を行うこともポイントです。獣医さんと相談して尿石症予防のサプリメントを与えるのもおすすめです。
またヨークシャーテリアは足の骨が細いので、骨折などのケガにも注意が必要です。
犬の医療費は、全額実費となるため検査や入院・点滴などが必要な場合、高額な治療費がかかってきます。
万が一の時に、十分な治療を受けさせるためにも子犬のころからペット保険は加入しておく方が良いでしょう。
小型犬の保険料の目安は1,000円~2,500円程度となります。補償の範囲や内容により価格は違ってきますので、数社比較しておきましょう。
ヨークシャーテリアの場合は病気もケガも比較的多い犬種なので補償が充実している保険を選ぶと良いでしょう。
ヨークシャーテリアの飼い方
ヨークシャーテリアのしつけ
ヨークシャーテリアはとても負けず嫌いなところもあるので、しつけには根気が必要です。
トイレのしつけは、子犬を家に迎えたらすぐに取り組み、トイレサインを見逃さずに根気強く何度も繰り返しトイレの場所を教え込みます。
ご褒美などを上手に使って、きちんとできたときにはしっかりほめることを念頭においてしつけていきましょう。
気が強くて、警戒心もあるので気になることや気に入らないことがあると、激しく吠えて主張します。メリハリをつけて叱る、または吠えていても徹底的に無視して相手にしない、というように飼い主さんは凛とした態度でヨークシャーテリアに接していきましょう。
噛み癖に対しては、触られたくないところなど(例えば足の裏や顔まわり)を触ると噛みつく子が多いので、普段から触られることに慣れさせておくなどして、飼い主が立場的に上であることを意識してしつけしていきましょう。
ヨークシャーテリアのお手入れ
ヨークシャーテリアは、抜け毛が比較的少ないシングルコートタイプの犬種です。
犬の被毛は2種類に分類されます。皮膚を保護するための長くて丈夫なオーバーコート(上毛)と、体を保温するための短くて柔らかいアンダーコート(下毛)の二重構造を持つのがダブルコートタイプで、アンダーコートがない犬種はシングルコートタイプです。
基本的には抜け毛が少ないですが、アレルギーやホルモンバランスの乱れが原因などにより、一部もしくは全体的に毛が薄くなる場合があります。抜け毛が増えてきたなどおかしいと感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。
ヨークシャーテリアは抜け毛は少ないものの、長くて細い毛は絡まりやすいため、美しい毛並みを保つためには日々のブラッシングは欠かせません。
毛並み整えるだけでなく、毛玉を防ぎ皮膚の健康を守るための役割もあります。
毎日ブラッシングしてあげましょう。
ヨークシャーテリアは他の犬種と比べて皮脂の分泌が多いので、シャンプーは2週間に1回程度が理想です。
トリミングも必要な犬種です。頻度は1~2ヶ月に1回を目安に行いましょう。
自宅でカットするのは難しく、特に顔周辺は万が一を考えるとプロにおまかせすることをおすすめします。
ヨークシャーテリアの散歩
【散歩の時間・距離について】
ヨークシャーテリアは、体が非常に小さいので長時間・長距離のお散歩は負担になりますが、好奇心旺盛で活発なので、室内だけだとストレスが溜まりやすい犬種です。
お散歩は1日2回、1回につき10~15分を目安とし、毎日行いましょう。
室内で遊ばせることで必要な運動量としては十分かもしれませんが、気晴らしに外を少し歩かせる程度のお散歩は欠かせません。
ヨークシャーテリアは、暑さにも寒さにも弱い犬種です。
夏場は陽射しのきつい時間帯を避けるようにしましょう。小型犬は人間よりもはるかに低い位置でアスファルトの照り返しを受けるため、体感温度はかなり高くなります。
さらにアスファルトの表面温度が外気温よりも高くなっているため、肉球をやけどしてしまうこともあります。この時期のお散歩は、朝は陽射しが強くなる前、夕方はアスファルトの表面温度が十分に下がってから行うようにしましょう。
冬場はできるだけ暖かい時間帯を選びましょう。シングルコートのヨークシャーテリアは寒さも苦手です。嫌がらなければ、犬用の防寒服の着用も効果的です。
ヨークシャーテリアの餌の量
子犬のころは必要量を1日3回に分けて与えます。
ヨークシャーテリアの子犬は体が小さく、食が細くて低血糖を起こす子もいるので、ペットミルクを足したり回数を増やして与えることが必要な場合もあります。
成犬になり食が安定して消化器官も発達してきたら、1日2回に回数を減らします。
体がしっかりしてくると、意外と食いしん坊な一面も見えはじめますので、さらに欲しがる様子があっても適切な量を守ってください。
おやつを食事前のタイミングで与えるのは控えましょう。
おやつばかりを欲しがり、食事を食べずに栄養が偏る心配や、食べ過ぎて肥満になる可能性があるので注意が必要です。
ヨークシャーテリアと気温
シングルコートであるヨークシャーテリアは、暑さ寒さに弱い犬種です。
お留守番をさせることが多い場合は、エアコンをつけるなどして室温は20~25℃を目安に、または湿度50%程度に設定しましょう。
また、犬自身でも調節できるような環境を整えるのも大切です。夏はひんやりするマットを用意したり、冬は保温性のあるドーム型のベッドなど暖をとれるスペースを作るなどして工夫してみましょう。
ヨークシャーテリアの値段
ヨークシャーテリアの子犬の平均価格は15万円~20万円といわれています。
価格の違いにはいくつかの理由があります。
- 標準体型(ジャパンケンネルクラブの定める体型)に近いこと
- 血統(チャンピョン犬の血統である)
- メス(オスよりも数万円高価になります)
- 毛色・毛並み(手触りやツヤなどが良くなると予測できる子犬は高価になります)
ペットショップでは、いわゆる量産されたヨークシャーテリアの子犬が販売されていることが多いのが実情で、ブリーダーに比べると比較的安価になる場合もあります。
一方ブリーダーでは、血統にこだわる犬舎があり、繁殖と管理も徹底して行われているところも増えたので、価格が高価になる場合が多くなります。
ただし、ブリーダーの中には飼育環境や設備がしっかりしていない業者さんもいますので、購入前に犬舎見学をするなど、リサーチを行いましょう。
ヨークシャーテリアのブリーダー
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