【ミニチュアピンシャーの性格】特徴や犬の飼い方・価格図鑑

ミニチュアピンシャーは、スマートで筋肉質な外見から小さなドーベルマンとも呼ばれています。小さな体ですが、勇敢で活発な性格をしており、番犬にも向いている反面、飼い主にはべったり甘えてくれるギャップが魅力のかわいい犬です。そんなミニチュアピンシャーと過ごすために、特徴や性格、毛色、寿命、飼い方などを詳しく紹介します。

ミニチュアピンシャーの性格の特徴

原っぱにたたずむミニチュアピンシャー

ミニチュアピンシャーは陽気で活発、遊びが大好きな子が多いです。好奇心が強く、飼い主さんといろいろな遊びで楽しむことができます。また、非常に賢く、適切なしつけを行えば、とても従順で信頼関係をしっかり築くことができます。

アメリカなど海外では、愛嬌のある動きを見せてくれたり、家族へ忠誠心を持ち甘える姿が可愛らしいところから「キングオブトイ」というニックネームでも親しまれています。

些細な音や動きに敏感であり、警戒心が強い一面もあります。気が強く立ち向かう勇敢さを兼ね備えているので、番犬としても活躍する反面、怖いもの知らずで自分より大きな犬や人に対して臆することなく向かってしまうことも。子犬の時からしっかりと“吠える・噛む”ことに対して「してはいけない」ことと教えてあげることが重要です。

ミニチュアピンシャーの飼い方

ミニチュアピンシャーにおやつを与える飼い主

ミニチュアピンシャーのしつけ

ミニチュアピンシャーのしつけにおいて、“自制心”がキーワードになってきます。興奮状態になると、自制心がきかなくなり、気の強さや好奇心が勝り、問題行動が起きてしまいます。

また警戒心があり、それに立ち向かう勇敢さから“吠え癖”や“噛み癖”がつきやすいと言われています。小さな体ですが、自分よりも大きな相手に向かって行くこともあります。思いもよらぬ事故に繋がらないよう、うまく抑えてあげることが大切です。

ミニチュアピンシャーの特徴として、賢く、家族に従順な性格も持ち合わせています。しつけはとても有効です。理想を言えば、子犬のうちから心を鬼にして根気強くしつけてあげたいです。
コツとしては“ハウストレーニング”を中心に行います。落ち着けるハウス(クレート等)を覚えておくことでうまく自制心をコントロールできるようにしておくのです。

飼い主さんの指示を聞く→落ち着ける、安心できる

この流れさえ覚えることができれば、良い主従関係を築くことも難しくありません。

ミニチュアピンシャーのお手入れ

ミニチュアピンシャーの被毛は滑らかで光沢のある短毛のスムースコートで、下毛のないシングルコートです。一般的に上毛と下毛のあるダブルコートの犬種は抜け毛が多く、シングルコートの犬種は抜け毛が少ないと言われていますが、短毛のスムースコートは毛の生え変わるサイクルが短いため、シングルコートのミニチュアピンシャーは比較的抜け毛が多くなってしまいます。

【ブラッシング】
ブラッシングは最低でも週に2~3回、皮膚を傷つけにくく、マッサージ効果のあるラバーブラシを使い、仕上げに獣毛ブラシで被毛につやを与えるのがおすすめです。
皮膚が弱いため、優しくブラッシングしてあげましょう。

【シャンプー】
短毛のスムースコートは、長毛のロングコートの犬種に比べると皮膚にかかる負担が大きく、皮膚疾患にかかりやすい傾向があるため、皮膚を清潔に保つことが大切です。
ミニチュアピンシャーの場合、月に1~2回程度シャンプーを行いましょう。
原液を直接つけると刺激が強い場合があるので、洗面器に犬用シャンプーを入れてお湯で薄めて泡立てたシャンプーで全身をマッサージするように優しく洗ってあげましょう。

洗いすぎも皮膚によくないので注意しましょう。

体を動かすことが好きなミニチュアピンシャーは、汚れやすいこともあるので、その際は蒸しタオルや犬用ウェットシートで拭いてあげるだけでもOKです。

【爪切り、肛門腺】
小型犬であり、家庭犬の場合は、ほぼすべての子に必要なお手入れです。週1~月1回の頻度で、その子に合わせて適切に行いましょう。

シャンプーやトリミングは、やり方を間違えると健康に悪影響が出る恐れもあるため、難しい、失敗するのが怖い場合は、無理せずにトリミングサロンなどでプロにお願いすることを おすすめします。

ミニチュアピンシャーの散歩

ミニチュアピンシャーは小柄ながらも、非常に運動量の多い犬種です。その運動量の多さや体力は大型犬にも匹敵すると言われています。1日2回、30分~1時間程度のお散歩が理想です。距離にすると3~5km程度です。
また、飽きさせないようにするのもポイントです。散歩コースを変えたり、ドッグランなどがある場合は、ボール遊びやアジリティにチャレンジするのもおすすめです。 お散歩の際は、首輪よりも“ハーネス”がおすすめです。首が細く頭が小さいので、首への負担が少なく、首輪が抜けてしまう事故を防ぐためにもハーネスの方が向いています。その子に合ったお散歩グッズを選んであげてください。

ミニチュアピンシャーの適温

ミニチュアピンシャーは、皮下脂肪が少なく、短毛でシングルコートのため寒暖差にとてもデリケートな犬種です。快適に過ごすためにも、季節ごとに工夫をする必要があります。

【寒い時期】
一般的に体が小さい犬は寒がりな傾向にあると言われています。嫌がらなければ、洋服を着せてあげたり、いつもの寝床を温かい素材のものに変え、日当たりの良い空間にベッドを置いてあげると良いでしょう。

犬用ヒーターや湯たんぽで温めてあげるのも効果的ですが、コードをかじってしまったり、低温やけどの恐れもあるので、飼い主が見ている間だけ使うなど、注意して使うようにしてください。

【暑い時期】
ミニチュアピンシャーは暑さにも弱いため、温度25~26℃、湿度50%程度に保ちましょう。ただし、冷やしすぎで具合が悪くなることもあるため、エアコンの風が直接あたる場所にケージやベッドを置かないなど工夫しましょう。
暑い夏は散歩の時間にも注意が必要です。体の小さな犬は、アスファルトの熱を直接受けてしまい熱中症のリスクがあるため、早朝や夜など太陽が出ていない涼しい時間に行くことが大事です。冷感素材の犬用グッズを使うのもおすすめです。

ミニチュアピンシャーの餌

基本的に、一般的な市販のフードをあげて問題ありません。ただし、ミニチュアピンシャーの体質的に太りやすい子が多いので、肥満には注意しましょう。

仔犬のうちは、成長するためにカロリーが必要です。まだ上手にそしゃく、消化ができないので、1日量を3~4回に分けててあげましょう。子犬用など”高カロリーで消化しやすいフード”がおすすめです。

離乳食からの切り替え時期は下痢をしやすいので、いきなりフードを変えずに、徐々に離乳食に混ぜて様子を見ながらあげましょう。

成犬になると運動量もあるためよく食べる子が多いため、与えすぎると肥満のリスクがありますので注意が必要です。“高たんぱく低カロリーのフード”がおすすめです。

1日2回、小型犬の適量をあげましょう。体格差や体重など個体差にもよりますので、不安な場合は獣医さんに相談するのが安心です。

シニアは運動量が減り、消化器官も衰えてくるので“消化の良い低カロリーフード”がおすすめです。 1日3~4回程度に分けて与えると内臓の負担を減らせます。

ミニチュアピンシャーは滑らない床で

ミニチュアピンシャーはとにかく運動好きでエネルギッシュです。お家の中でも楽しく走り回ったり、ジャンプしたり、活発な子が多いです。

床がフローリング等すべる素材の場合、上手く踏ん張りがきかなかったり、ジャンプの着地に失敗してケガをしてしまうことがあります。四肢が細いため、すべる場所で運動することで関節に負担がかかり、慢性的な関節炎を引き起こしたり、脱臼や骨折をしてしまう恐れもあります。
フローリングにカーペットやマット敷いたり、滑らない素材に変えるなどして対策しましょう。
全面に敷くのが難しいときは、愛犬が歩く部分だけでも対応するようにしましょう。

ミニチュアピンシャーの飼いやすさ

  • とにかく運動大好き、飼い主さんと遊ぶの大好き
  • 警戒心が強い反面、飼い主にはべったり甘えてくるギャップがある
  • 勇敢で怖いもの知らずのため大きな犬や人に向かって行くが、しつけをすることで攻撃性は抑えることができる
  • お手入れは比較的しやすい

飼い主がするべきことは、

  • 信頼関係を築きしっかりとしつけをおこなう
  • 定期的なお手入れをかかさない
  • 寒さ、暑さの管理やすべる床の対策など快適な環境作り
  • 食事量・散歩・病気の予防など健康管理

愛犬から信頼される飼い主になって、毎日楽しく過ごしていきましょう!

ミニチュアピンシャー図鑑

ミニチュアピンシャー図鑑

ミニチュアピンシャーの歴史

ミニチュアピンシャーの歴史は長く、始まりは17~18世紀ごろだと言われています。
諸説ありますが、原産国はドイツで、祖先犬の「ヘル・ピンシェル」という中型犬にジャーマン・ピンシャー、ダックスフンドやミニチュアシュナウザーなどを交配して、19世紀には現在のミニチュアピンシャーとほぼ同じ形をしていたと言われています。

外見が似ていることから、ドーベルマンを小型化した犬種と思われがちですが、ミニチュアピンシャーの方が先に存在しています。
ちなみに、ドーベルマンはヘル・ピンシェルを大型化した犬で、ミニチュアピンシャーとは親戚関係にあたる犬種です。

ドイツ語でテリアを意味する「ピンシャー」に小さいという意味のミニチュアをつけたのが名前の由来です。また、ドイツでは子鹿のような体つきと毛色から、「レイ(子鹿)ピンシャー」と呼ばれています。
日本では略して「ミニピン」と呼ばれていますが、アメリカなどの愛好家からもミニピンとして親しまれています。

ミニチュアピンシャーの被毛

ミニチュアピンシャーの被毛は短毛のスムースコートで、下毛のないシングルコートです。硬さのある被毛が密集して生えており、艶があるなめらかな触り心地が特徴です。
犬にはダブルコート(オーバーコート(上毛)&アンダーコート(下毛))とシングルコート(オーバーコート(上毛)のみ)の2種類の被毛があります。

ダブルコートは、皮膚を守るオーバーコートの下に、保温・保湿用のアンダーコートが生えています。換毛期になるとアンダーコートが一気に抜け、毛量も多いため、抜け毛が多いと言われています。

一方、シングルコートはアンダーコートがないため、比較的抜け毛が少ないと言われていますが、ミニチュアピンシャーの場合、短毛で毛の生えかわる周期が早いため、比較的抜け毛が多いと言われています。ダブルコートののようなまとまった毛が抜けるわけではありませんが、定期的なブラッシングが必要になります。

ミニチュアピンシャーの毛色

ジャパンケネルクラブ(JKC)では、以下の3色をミニチュアピンシャーのスタンダードとして公認しています。

単色(レッド)
ディアー・レッド:赤みの強い濃い茶色です。
レディッシュ・ブラウン:赤みがかった茶色です。
ダーク・レッド・ブラウン:暗い赤茶色で、チョコレート、レバーとも呼ばれています。

ブラック&タン
ミニチュアピンシャーの代表的なカラーです。黒をベースにタン(赤褐色)が入ります。
目の上、喉の下、胸元にタンが入るのが理想とされています。

チョコレート&タン
濃い茶色をベースに、タンの部分はブラック&タンと同様です。

非公認ですが、3色の他にもレアカラーと呼ばれている毛色が存在します。

ブルータンは青みがかったグレーをベースに斑模様が入った毛色です。グレー単色なども在しますが、これらのレアカラーは遺伝的に健康上の問題を抱えている可能性が高いため、スタンダードとして認められていません。

ミニチュアピンシャーの寿命

ミニチュアピンシャーの平均的な寿命は12~16歳と言われています。小型犬の平均寿命は14歳のため、長生きな傾向があります。正式な記録ではありませんが、最高齢は18歳という報告があります。

個体差もありますが、飼育環境など、飼い主が気を付けられるところもありますので、長生きしてもらうためにも、心地よく暮らせる環境を作ってあげることが大切です。
適切な運動、食事管理や、暑さ寒さの対策に環境作り、病気の早期発見、早期治療のためにも定期的な健康診断はおすすめです。

ミニチュアピンシャーの病気

ミニチュアピンシャーは皮膚疾患と眼疾患にかかりやすい傾向があります。

【皮膚疾患】
アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、膿皮症、脱毛症等があります。かゆがったり、皮膚の赤みなど異変がある場合は速やかに病院を受診しましょう。

【眼疾患】
白内障や緑内障、進行性網膜萎縮症という疾患等があります。これらの眼の疾患は見た目だけではわかりづらく、早期発見がなかなか難しいのが特徴です。

予防としては、定期的に健康診断等で病院を受診し、こまめに目のチェックをしていくことが重要です。

他の疾患にかかってしまったり、肥満などで関節炎や骨折をまねいてしまう恐れもあります。どんなに気を付けていても、病気になる可能性はあります。

犬には人間のような健康保険はないので、治療費が想像以上にかかるケースも少なくありません。

金銭面で十分な治療ができないことのないよう、万が一に備え、愛犬に合ったペット保険に加入することをおすすめします。

ミニチュアピンシャーの価格

電卓とブタさん貯金箱

ミニチュアピンシャーの平均価格は10~30万円です。

ただし、血統書の有無や、サイズや毛色、性別などにより価格に差があります。

悪質なブリーダーやショップが存在するので、子犬の体の状態や、管理状態を自分の目で確認するなど、安いから、高いからという理由だけでなく、お迎えする子を自分の目、感覚で判断するというのが一番大事です。

そしてどんな子を迎え入れても家族として大切にし、最後まで責任をもって育てましょう。

ミニチュアピンシャーのブリーダー

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