【ペキニーズの性格は?】どんな特徴?飼い方・価格について

つぶらな瞳に平らな鼻が特徴的なペキニーズ。愛情深く温厚な性格であり、日本でもファンが多い犬種です。今回はペキニーズの歴史や特徴、しつけやお手入れなど飼い方について解説します。

ペキニーズの特徴

ペキニーズの特徴

ペキニーズは、小柄でがっしりとしており、たてがみのようなボリューム感のある毛を持つライオンのような見た目が印象的な犬種です。

ペキニーズの性格は、温厚でマイペース。優雅でキュートな見た目とは違い、独立心が旺盛でプライドが高いことから、「まるで猫のような性格の犬」とも言われています。飼い主に依存することも少なく、膝に抱かれることを嫌う子も少なくありません。

人見知りな一面もあるため、飼い主には愛情深く忠実ですが、よその人になつくことは少ないでしょう。

ペキニーズは勇敢で負けず嫌いなため、ケンカを売られると、大型犬や人間にも引かずに果敢に立ち向かう傾向がありますが、自分からケンカを売るような攻撃性はありません。

個体差はありますが、オスは甘える傾向があり、メスは場の空気を読むことも出来ますが、猫のような自由に過ごすことを好む傾向があると一般的に言われています。

ペキニーズの歴史

ペキニーズ(Pekingese)は中国原産の愛玩犬です。「北京の犬」という意味に由来する名前が一般的ですが、中国語ではジンパ(京巴)と呼ばれています。

ペキニーズの起源は定かではありませんが、8世紀頃の唐の時代には絵画で存在が確認されており、宗(10~13世紀)や元(14世紀)の時代の飼育記録が残っていることから、1000年以上の歴史が確認されていますが、犬種の成り立ちは紀元前ではないかと推測されています。

祖先犬はチベットの僧侶が飼育していたチベタン・スパニエルを元に、仏教やラマ教の教えに出てくる「獅子犬」の姿に近づけるため改良して生み出されました。

そんなペキニーズは宮廷への献上物として宗の始皇帝ほか、歴代の皇帝に贈られてきました。この神聖な獅子犬は宮廷外での飼育を禁止され、門外不出として大切に扱われたと言われています。神聖な獅子犬であるペキニーズは、魔除けの力があるとされ、皇族の棺を墓まで先導するという役割が与えられていました。西太后の葬儀の際にも、モータンという名前のペキニーズが棺を先導したことは有名な話です。

ペキニーズが国外に持ち出されたのは1860年のアヘン戦争の後、宮殿に残された5頭のペキニーズをイギリス軍人が持ち帰り、犬好きだったビクトリア女王に献上したことをきっかけにイギリスで繁殖が始まりました。最初はイギリス国内の王侯貴族だけに飼育が許されていましたが、1893年に初めてドッグショーに出陣し、鼻ぺちゃで愛くるしい姿が人気となり、やがて世界中に広がることとなりました。

ペキニーズの大きさ

ペキニーズの大きさ

ペキニーズは、ボリューム感のある被毛に豊富な骨量と頑丈な体を持ち、見かけよりも持ち上げると体が重いのが特徴です。

成犬時の体高は20~30cm前後。実際のサイズよりも大きく見えます。横から見ると顔の出っ張りがなく、上から見ても凸凹がない長方体のような外見です。足が太く短いため体を左右に揺らしながら歩く姿も特徴的です。

子犬の頃から成犬期に入る生後10ヶ月までの成長が著しく、以降は生後12ヶ月まで徐々に大きくなっていきます。

ペキニーズの体重

日本で血統書を発行する機関のジャパンケネルクラブ(JKC)では、オスは5kgを超えず、メスは5.4kgを超えないことをスタンダードとしています。

個体差にもよりますが、一般的には、生後3ヶ月頃で2kg程度、6ヶ月で4kg、12ヶ月後には標準体重の5kgに到達します。抱き上げるとがっちりしていて、見た目よりも重く感じます。

大きい個体になると7kg位まで成長することもありますが、状況によっては肥満体型の場合があるので注意が必要です。

ペキニーズの被毛

ペキニーズの被毛は、アンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)の二種類の被毛で構成されたダブルコートの犬種です。

固くて長い毛と、アンダーコート(下毛)の毛量が多い犬種のため、ダブルコートの中でも抜け毛が多い犬種と言われています。換毛期に抜け落ちるアンダーコートはとても大量なので、毎日のブラッシングや掃除はかかせません。

ペキニーズの毛色

ペキニーズの毛色(ホワイト、ブラック、フォーン)

ペキニーズの毛色(フォーン、クリーム、パーティーカラー)

ペキニーズの毛色は、アルビノ(先天性色素欠落)とレバー(ユーメラニン/黒~茶褐色)を除く、あらゆる色とマーキングがジャパンケネルクラブ(JKC)でスタンダードとして認められているため、カラーバリエーションが豊富な犬種です。

ペキニーズの毛色は、以下5種類に分けられます。

  • ブラック(黒)
  • ホワイト(白)
  • フォーン
  • クリーム
  • レッド
  • パーティーカラー

【ホワイト】 
日本で一番ポピュラーなホワイト。真っ白な被毛はペキニーズの特徴である大きな瞳もハッキリとよく映えます。クリームやベージュよりの白もあり、色味に幅があります。

【フォーン】
黒みのある茶色い毛色です。単色でも黒色が入ったように見えるのが特徴です。口周りや耳先、しっぽなど黒色が入る箇所は個体差があり、特に顔周りに黒色が入る個体は「フォーン・ブラックマスク」と呼ばれています。ホワイトとのバイカラー「フォーン&ホワイト」も存在します。

【ブラック】
全身を真っ黒な毛で覆われたブラック。ホワイトとのバイカラーの「ブラック&ホワイト」や、体の一部に白い毛が混じった「ブラック&ホワイトマーキング」などの個体もいます。 また、柴犬やチワワのように茶色い眉毛模様が表れるブラックタンという珍しいパターンも存在します。

【クリーム】
白に淡い黄色が混ざったような毛色です。基本的には全身クリーム一色ですが、部分的に濃淡が出るので同じクリームでも個体差があります。ホワイトやフォーンに比べるとクリームが生まれる確率は低いと言われています。

【レッド】
明るい赤褐色(赤みがかった茶色)の毛色です。フォーンと同様、顔周りに黒色が入ると「ブラックマスク」と呼ばれています。「レッド&ホワイト」「レッド&ホワイトマーキング」なども存在します。

【パーティー】
パーティーカラーとは、白をベースに1色または2色も斑が混ざった毛色です。主に白&黒、白&茶、白&黒&茶の3種類が存在します。

ペキニーズの寿命

ペキニーズの平均寿命は12〜15年と言われています。小型犬の平均寿命は13歳前後なので、平均的な寿命といえます。

また、正式な記録ではありませんが、確認されているペキニーズの最高年齢は18歳と言われています。

愛犬に長生きしてもらうためには、飼い主が病気予防のために食事管理や被毛のお手入れ、生活環境の整備などを徹底してあげましょう。

特に6歳以降(シニア期)は、身体機能が衰え病気をしやすくなるので、定期的に健康診断に連れて行くことをおすすめします。

ペキニーズの病気

ペキニーズは、犬種特有の遺伝性疾患が少なく、比較的丈夫な犬種と言われていますが、かかりやすい病気はいくつかあります。

病気・ケガ 特徴
椎間板ヘルニア 椎間板とは 背骨の間でクッションのような役割を担っています。この椎間板が外からの圧力により変形し、脊髄を圧迫される病気です。ペキニーズは遺伝的に発症しやすいと言われています。
背中や首の痛み、歩くとふらつくなどの症状が見られ、重症化すると四肢の麻痺、排泄困難になることもあります。
予防は滑らない床で生活させる、激しい運動は避ける、肥満にさせないことです。
短頭種気道症候群 短頭種の顔や首の構造上、気道が異常に狭い状態になることで発症する呼吸器症状を特徴とした病気です。肺に空気を送る気管がつぶれてしまう気管虚脱、鼻の穴が狭くなる鼻腔狹窄、口の中の上あごの肉が垂れてくる軟口蓋過長などが複合的に発症します。
大きないびきや、口をあけて荒い呼吸をするようになったり、呼吸困難を起こすと最悪の場合、命を落としてしまう可能性もあります。早期発見し獣医師に相談することが大切です。
白内障 目のレンズ部分の水晶体が白く濁り、視力低下や進行すると失明する病気です。
老化や遺伝、外傷が原因により発症します。段差につまづく、壁などによくぶつかるなどの異常に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
乾性角結膜炎(ドライアイ) 目が突き出ているペキニーズは、涙の分泌量が少なくなる乾性角膜炎(ドライアイ)になりやすい犬種です。黄色い目やに、目の乾燥、白濁、過度のまばたきなどの症状があります。外傷による発症もあるので散歩中の時など、日頃から目を傷つけないように注意しましょう。
膿皮症 細菌の感染によって化膿する皮膚病です。炎症や脱毛、発疹、かさぶたなどの症状がみられます。ペキニーズの被毛は長くて密集していることに加え、顔や体にたるみがあり、脂の多い皮膚なので、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎など皮膚疾患になりやすい犬種です。
定期的なグルーミングで清潔を保つことや、こまめなボディチェックで早期発見することが重要です。

愛犬が病気やケガをした場合の治療費は全額自己負担です。病気やケガの度合いが大きくなるほど金銭的な負担が増えます。

もしもの時に治療を受けさせてあげるためにも、子犬の頃からペキニーズに合うペット保険に加入するのがおすすめです。

また、病気やケガではありませんが、ペキニーズは難産になりやすい犬種ともいわれているためメスを飼う場合は帝王切開なども補償対象になる保険を選ぶのもおすすめです。

ペキニーズの飼い方

ペキニーズの飼い方

ペキニーズのしつけ

ペキニーズは賢く、吠えることも少ないため比較的しつけしやすい犬種と言われていますが、しつけが簡単というわけではありません。飼い主に媚びず、自尊心が高いので、主従関係をしっかりと築き、しつけは根気よく時間をかけてじっくり行うことがポイントです。

子犬のしつけで重要とされるのが、生後3~13週の「社会化期」と呼ばれる期間です。 まだ恐怖心が芽生えておらず、好奇心が旺盛なので外界のあらゆるものに慣れさせることができます。社会化期は子犬の性格を形成する上でとても大切です。

愛犬を迎えたら、できるだけ早い時期からしつけを始めるのが理想です。 また、しつけはしかるのではなく、褒めることが大切です。上手にできたら思い切り褒めてあげましょう。愛犬の好きなおもちゃやおやつも合わせて使うのもポイントです。

トイレトレーニングは愛犬を迎え入れて最初に教えたいしつけです。 愛犬がトイレを覚えるまでは、飼い主がトイレまで連れて行ってあげることが重要です。 まずは、トイレに行きたくなるタイミングを知ることから始め、失敗しても叱ってはいけません。上手にできたら褒めるを基本に根気強く行いましょう。

ペキニーズは吠えることが少ない犬種ですが、環境や育て方によっては吠え癖がつくこともあります。何か要求がある場合や、不安や恐怖などが理由に挙げられますが、まずはどんな理由で吠えているのかを理解し、吠える原因を取り除いてあげましょう。 吠えたときに大声で叱りつけるのは逆効果なので止めましょう。

愛犬と向き合いトイレや無駄吠えなどはしっかりしつけてあげるのが、一緒に生活をするためにも重要です。

ペキニーズの手入れ

ボリュームのある被毛に包まれているペキニーズは、日頃の手入れが重要です。被毛のお手入れ方法を把握しておきましょう。

ペキニーズはアンダーコートの量が多いため、表面を簡単にブラッシングだけではお手入れしきれません。丁寧に抜けたアンダーコートを除去しながら、ブラッシングするのがポイントです。

オーバーコートはピンブラシや獣毛ブラシで整えると、艶やかな仕上がりになります。 顔まわりは濡れタオルなどで汚れを優しく拭き取りましょう。特に毛の色が白い子は、汚れが目立ちやすいので汚れたらすぐに拭いてあげると綺麗な毛色を維持できます。

シャンプーは月に1回を目安とし、優しく皮膚を洗いあげて洗い流しましょう。皮膚にシャンプーが残ったままにすると、皮膚トラブルに繋がるため注意してください。

被毛を伸ばしすぎるとお手入れに時間がかかるため、定期的にサロンでトリミングをしてもらうのもおすすめです。

サロンの相場はシャンプーで4000円〜6000円、カットなら6000円〜9000円程度で受けられます。

ペキニーズは、ライオンカットやシーズーカットに仕上げるのも人気です。

ペキニーズの散歩

ペキニーズは小型犬のため、それほど多くの運動量は必要としませんが、散歩は運動以外にもストレス発散の効果もあるので、短時間でも毎日連れて行くのが理想です。

個体差がありますが、散歩は1日1回程度、1回あたり10分程度、のんびりとお散歩を楽しむ程度でで十分と言われています。

ただし、太りやすい体質なので、肥満予防のためにも雨の日など散歩ができない時は部屋で遊んであげるなど適度な運動を心がけてください。

また、ペキニーズは短頭種で体温調節が苦手です。暑さに弱く猛暑の時期は熱中症になりやすいので、日が出ていない早朝や夜などにでかけるようにしましょう。

ペキニーズと餌

ペキニーズの健康を維持するためにも食事管理は重要です。 少ない量でしっかりと必要な栄養を摂ることができるフードを選ぶことがポイントです。

  • 高タンパク・低脂肪・低カロリーである
  • 添加物が不使用であること
  • 低アレルゲンの穀物を使用している
  • グルコサミンやコンドロイチンなどの関節軟骨成分が含まれている

ペキニーズは太りやすい犬種です。特に避妊・去勢手術後は肥満になりやすいので、高タンパクで低脂肪、低カロリーのフードが適しています。 また、涙やけや皮膚トラブルはアレルゲンとなる穀物の摂取が原因である場合があります。 小麦やとうもろこしなど、原材料の一番最初に記載されているドッグフードは注意しましょう。 遺伝的に呼吸器系のトラブルが出やすい犬種のため、できるだけ無添加のフードを選ぶのもおすすめです。

また、関節のトラブルを予防するためには体重を増やさないことが大切ですが、関節の健康サポートに必要なグルコサミンやコンドロイチンなどがブレンドされているフードを与えることで毎日の食事から対策ができるのでおすすめです。

ペキニーズが1日に必要な食事の量は体型や年齢、運動量など愛犬の状態によっても異なります。自動で1日に必要な食事の量を計算してくれるサイトもあるので活用すると良いかもしれません。

生後10週までの子犬は消化器官が未発達なので、消化不良を防ぐために1日分の餌を4回に分けて与えます。生後3ヶ月〜4ヶ月まで3回、生後5ヶ月〜成犬は2回、老犬は2〜3回に分けるのが目安です。

食事のタイミングは、回数とライフスタイルのバランスを考えて調整しましょう。

ペキニーズと寒さ

ペキニーズは、豊富な被毛と短頭種であることから、特に暑さに弱い傾向があります。

健康のためにも温度調節ができる室内で生活しましょう。 適切な温度は高くても25℃まで、湿度は60%以下が快適です。

夏場は常に水分補給ができるようにしておくことや、冷感マットなども備えておくと、万が一エアコンが使えなくなったときの対策にもなります。

冬場もエアコンやヒーターで快適な温度を保ちましょう。小型犬は寒さで体調を崩す場合がありますので、寒がっている様子はないか確認しながら温度管理をしましょう。

また、室内での転倒防止のために、ペキニーズが歩く場所にはマットやカーペットを敷くようにしましょう。ペットが生活するのに適した床にコーティングしてくれるサービスもおすすめです。

ペキニーズの飼いやすさ

ペキニーズは総合的に考えて飼いやすい犬種です。 温厚な性格で吠えることも少ないので室内飼いに適していて、運動量が少ないため散歩も楽です。頑固な面もありますが、基本的に子犬の頃からしつけを行えば苦労しません。

また、被毛のお手入れには若干手間がかかりますが、長毛であらゆるカットを楽しめるのはペキニーズの魅力のひとつでもあります。実際、飼ってよかったなど良い評判が多いです。

ペキニーズはドッグフードや生活用品、予防接種、トリミング費用などの医療費を含めても年間の飼育費用は14万円程度です。(ペットホテル代は含まれていません)

飼う前に、ひと月あたり約11,000円の飼育費用がかかることを留意しておきましょう。

ペキニーズの値段

ペキニーズの値段

ペキニーズの価格相場は以下の通りです。

  • ブリーダー  :188,000円〜462,000円
  • ペットショップ:187,000円〜550,000円

ブリーダーとペットショップの価格相場はあまり差がありません。ペットショップは仲介料が発生するため、同じ犬である場合でもブリーダーで購入するより価格が高く設定されている場合があります。。

また、犬種を問わず子犬の性別や血統、毛色によって、価格設定に差が出ます。

オスよりも子供を産めるメスの方が販売価格が高い傾向にあり、毛色がホワイトで親がチャンピオン犬であればさらに高くなると言われています。

ブリーダーから購入する場合は、信頼できるかどうかを事前に確認することをおすすめします。

ペキニーズのブリーダー

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関東 東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県 茨城県 栃木県 群馬県
甲信越北陸地方 山梨県 長野県 新潟県 富山県 石川県
中部東海地方 静岡県 愛知県 岐阜県 三重県
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ペキニーズの子犬