ビーグルってどんな犬?性格の特徴や飼い方・値段などについて
ビーグルは愛らしく人気の高い犬種です。飼いにくいといわれることもありますが、実際にはどうでしょうか。ここでは、ビーグルの特徴や性格、飼い方のポイントなどについて解説します。
ビーグルの特徴
ビーグルはイギリス原産の小型のハウンド犬です。鼻先まで届く大きな垂れ耳が愛らしく、ピンと立つ太い尾を持ちます。その愛らしい容姿から、アメリカ生まれの人気キャラクター、スヌーピーを思い出す人も多いでしょう。スヌーピーの実際のモデルは作者が飼っていた雑種犬ですが、作中では明確にビーグルと設定されています。
オスもメスも体高33~40cm、体重8~14kgがスタンダードな体型で、小柄ながらがっしりした筋肉質な体つきです。
短毛種ですが、太くしっかりした毛と細く柔らかな毛が二重に生えるダブルコートで意外に抜け毛が多く、毎日のブラッシングは欠かせません。
ハウンド犬には、嗅覚が鋭いセントハウンドと視覚が優れているサイトハウンドの2種類があり、ビーグルは前者に属します。その優れた嗅覚を活かし、空港の検疫探知犬としてビーグルが大活躍しています。
ビーグルの歴史
ビーグルの歴史は意外に古く、紀元前、古代ギリシャでウサギ狩りに使われていたハウンドの末裔といわれています。15世紀にイギリスでウサギ狩りに用いられていたハウンド種とする説が有力です。
原産国のイギリスでは、16世紀後半になるとポケットビーグルと呼ばれる非常に小型の狩猟犬として、エリザベス1世女王のウサギ狩りのパートナーとしても活躍してきました。
時代が進み1800年代半ばになると、それまで猟犬として活躍したノースカントリービーグルの品種改良が進み、これが現在のビーグルの基礎となりました。
「ビーグル」の名前の由来には諸説あるものの、はっきりしたことはわかっていません。フランス古語で「大声で鳴く」を意味する「beugler」、古い英語で「小さい」を意味する「begeler」、ゲール語で「小さい」の「beag」などが元になっているのではないかといわれています。
ビーグルの毛色
ビーグルの毛色というと、白・黒・茶色のイメージが強い人も多いでしょう。実際には、いくつかのバリエーションが存在します。
毛色は主に以下の3つです。
- ハウンドカラー(トライカラー)
- レッド&ホワイト
- レモン&ホワイト(レモンカラー)
それぞれの特徴について解説しましょう。
ハウンドカラーはハウンド犬に特有の白・黒・茶色の3つのカラーのカラーを指し、トライカラーとも呼ばれています。白をベースとし、そこに黒や茶色のぶちがあらわれるパターンです。ビーグルの中でもっともポピュラーな毛色です。価格相場は約20万円です。(オスが約19万円、メスが約20万円)
レッド&ホワイトは、赤みが強めの茶色と白の2色が組み合わさったバイカラーです。ハウンドカラーと比べると優しい印象を与えます。成長とともに色味が変わることもあります。。価格相場は約21万円です。(オスが約20万円、メスが約22万円)
レモン&ホワイト(レモンカラー)は、レッド&ホワイトよりも茶色部分が薄くなった毛色です。全体的に淡い毛色で可愛らしい印象で人気があります。鼻の色がピンク色になるのも特徴です。価格相場は約21万円です。(オスが約う20万円、メスが約21万円)
ビーグルの寿命
ビーグルの平均寿命は12~15歳。中型犬の平均寿命は12~14年と言われていますが、その中でもビーグルは比較的長生きする犬種といわれています。
これまでにもっとも長く生きたビーグルは28歳だと言われています。ちなみに、現在ギネスに認定されている犬の最高齢は、オーストラリアン・キャトルドッグのブルーイで、29歳です。
長生きしやすいとはいえ、長く健康で生きてもらうためには飼い主が正しい飼い方をすることが欠かせません。太りやすい傾向があるため毎日の食事管理を怠らず、十分に運動させてあげましょう。シニア期には定期的に動物病院で健康診断を受けさせることも大切です。
ビーグルがかかりやすい病気
【外耳炎】細菌感染や耳ダニなどが原因で発症し、耳の入り口から鼓膜までの間に炎症が起きます。ビーグルは、大きな耳が垂れていて通気性が良くありません。汚れも溜まりやすいので、外耳炎になりやすいのです。
【椎間板ヘルニア】ビーグルは椎間板ヘルニアに比較的かかりやすい犬種です。激しい運動や肥満、老化などにより、クッションの役目をする椎間板が損傷して、神経の一部を圧迫する病気です。麻痺や痛みを伴います。軽症の場合は炎症を抑えるステロイド療法など内科治療を行いますが、悪化しいている場合は手術を行うこともあります。
【ピルビン酸キナーゼ欠損症(欠乏症)】
ピルビン酸キナーゼ欠損症(欠乏症)は遺伝性の疾患で、ピルビン酸キナーゼという酵素が足りなくなり、赤血球が破壊されて貧血が起こる病気です。
口の粘膜や舌の色が薄く白っぽくなる、食欲低下、疲れやすく運動を嫌がる、呼吸や脈が速い、赤茶色の尿(ヘモグロビン尿)をするといった症状が出ます。
先天的な病気なので、若齢で発症する場合が多い傾向があります。症状が現れた段階でかなり重症なので普段から症状がないか、よく観察することが大切です。
シニア犬に多い病気です。副腎皮質ホルモンの過剰分泌が原因で発症し、多飲多尿、お腹の腫れ、筋肉の減少や、背中に左右対称の脱毛が現れたりします。基本的には副腎皮質ホルモンの働きを弱めるための投薬治療を行いますが、腫瘍によっては外科手術や放射線治療も行われます。
ビーグルの性格
ビーグルは群れで狩りをしていた習性から協調性が高く、フレンドリーな性格です。愛情深く、穏やかで優しい性格の子が多いので、他の犬や子供とも仲良くできるでしょう。
探究心が強く、好奇心旺盛で、遊ぶのも大好きです。寂しがり屋でもあるため、いつも一緒にいられる飼い主さんに向いています。
ビーグルの飼い方
ビーグルは寒暖差に弱く、甘えん坊で飼い主と一緒に過ごせる室内飼いがおすすめです。
室内に休息ができるよう、ケージなどで居場所を作ってあげましょう。
嗅覚ハウンドの中では最も小柄ながら、筋肉質でスタミナも豊富なので、十分に運動させる必要があります。散歩は1日に2回、それぞれ1時間程度はかけたいところです。可能であれば、ドッグランで自由に走らせてあげると良いでしょう。
食欲旺盛で肥満になりやすい犬種のため、摂取カロリーやタンパク質、脂肪などの栄養バランスに配慮して、適正量を与えることを徹底しましょう。
垂れ耳の犬種は、耳の中が蒸れやすく外耳炎を起こしやすいので、耳の入り口付近をやさしく拭いて清潔を保つとともに、汚れなどをチェックし、こまめなケアを行いましょう。
ビーグルのしつけ
ビーグルは無駄吠えや噛み癖があり飼いにくいといわれることがあります。これは、飼い主が愛情を持って、正しいしつけをすれば問題ないでしょう。
特にしつけで注意したいのは、無駄吠えです。ビーグルはもともと狩猟犬として獲物を見つけたときに、大声で鳴いて飼い主に知らせる習性がありました。そのため、今でも大きな声で吠えることがあるのです。
無駄吠えをなくすには、ビーグルが大きな声で鳴いても反応しないことがコツです。無駄吠えに対して飼い主が無視を徹底することで、吠えても意味がないと理解するようになります。
噛み癖については、噛むことそのものをやめさせようとするとストレスになります。そこで、噛んで良いおもちゃを用意し、一緒に遊んであげましょう。これで噛む欲求を満たせます。遊んでいて飼い主を噛んでしまったとき、すぐに遊ぶのをやめてそばを離れるのがコツです。これを繰り返すうち、飼い主を噛むと楽しくないと理解するようになります。
いずれもすぐに効果がでるわけではないので、大変でも根気強くしつけることが大切です。決して叩いたり大声で怒ったりしてはいけません。
ビーグルの値段
ビーグルに限らず、犬の値段は明確な基準や定価があるわけではありません。市場の相場観や販売主の価値基準を元に、容姿や血統などを考慮したうえで決めることが一般的です。
ビーグルの値段の相場は、ペットショップでもブリーダーでも20万円程度です。
購入の際には、実際に飼育されているところを見たり、ワクチン接種の有無、母体の健康状態などをしっかり調査するのもポイントです。最後まで責任を持って飼育できるかを十分考慮した上で、迎え入れましょう。
そのほかにかかる費用も紹介しておきましょう。自宅に迎えいれるまえには、ケージやクレート、ペットベッド、餌皿、首輪とリード、おもちゃなどをそろえておく必要があります。これらにかかる費用は、およそ3~4万円程度です。
犬を迎えたらお住いの自治体で登録する必要があり、これには3,000円ほどかかります。狂犬病注射は3,500円ほど、混合ワクチンは2種混合が3,000円程度、8種混合で1万円程度です。動物病院によって値段は違うので、事前に問い合わせすると良いでしょう。
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