ミニチュアピンシャーのしっぽについて
ミニチュアピンシャーのしっぽと聞くと「短いしっぽ」を連想する人もいることでしょう。この犬種に関してよく知らない人なら、生まれ持った長さと思っている人もいるかも知れません。
ミニチュアピンシャーのしっぽは元々、他の犬種同様にある程度の長さがあります。それを外科的手術で尻尾を短くします。ミニチュアピンシャー以外にも、尻尾が短いのがその犬種ならではのスタイルという理由で、断尾をするケースがあります。誕生してから10日程の期間内の子犬に、断尾が行われますが、この方法には2通りあります。まず、しっぽをゴム状の巻きつけられる素材を使用し、血の巡りそのものをしっかりと止めるためにガッチリと巻いていき、細胞レベルで死なせる方法と、外科的手術を利用して麻酔をかけない状態で切るという方法です。
この断尾の対象犬種はミニチュアピンシャー以外にも、ウェルシュコーギー、ボクサー、プードル、ド―ベルマンなど、多くの犬のしっぽが短くされることが多いです。一般的に犬を入手する方法として多い「ペットショップ」にいる小犬たちは、すでに断尾を受けた状態となっているのが大半です。ミニチュアピンシャーのしっぽ以外にも断尾という行為は、今現在でも続いている行為なのです。
ミニチュアピンシャーのしっぽが切られてきた理由
ミニチュアピンシャーのしっぽは、他の犬種同様に切られてきた経緯があります。
その昔、家畜の管理をするなど狩猟犬として人と一緒に仕事をしてきた時代、ケガや事故の予防策として、断尾が行われてきました。家畜を管理する犬が、家畜の動物にしっぽを踏まれるなどの事故を予防する目的や、狩猟犬だと色々な場所で動物を追う際に、しっぽがダメージを受けて傷や炎症・化膿を防ぐために必要だったといわれています。つまり、断尾は犬そのものを保護する目的で行なわれてきたのです。
断尾はジンクスのためにも取り入れられた
ミニチュアピンシャーや他の犬を保護する目的以外にも、しっぽは切られてきました。1700年代前半から後半までイギリスでは、しっぽを持つ犬に対して税金が課せられたために、その対策としてたくさんの犬種が断尾されてきました。課税対象からは外れたものの、断尾をするという慣わしは消えることはありませんでした。さらに昔のヨーロッパでは、ネズミのような害獣を排除する際のケガを未然に防いだり、狂犬病の予防になったりするなどのジンクスがあったために、断尾が行なわれてきました。このように、ミニチュアピンシャーを含めた多くの犬たちのしっぽが切られてきたのです。
ミニチュアピンシャーのしっぽが今でも断尾される理由
ミニチュアピンシャーのしっぽは今でもいろいろな理由から断尾されることがあります。それは「その犬種らしいスタイルを作るため」という、理想の基準に近づける目的で行われます。どの犬種にも理想的なスタイルのベースとして「スタンダード」という設定を設けてはいますが、これはあくまでも人間側が決めたもので、犬にとって必要とはいえない現状があります。つまり、人間の目線で作られた「美の基準」なのです。ミニチュアピンシャーのしっぽを切る行為も、こういった観点から行なわれる可能性があります。
昔は、狩猟犬や家畜を管理する目的で活躍してきた犬たちを、ケガや事故から守るために行なわれてきた断尾ですが、現在は大半の犬種が「家庭犬」として生きています。昔から続いてきた断尾が、今現在でも必要とは思えないという声も上がり始めています。
断尾を受ける小犬は痛みを感じにくいのか
現在は犬が感じる「痛み」に対して「誕生してすぐの状態なら痛みを感じることがない」と言われてきたことに対して、「そう言える証拠がない」という意見も出てきています。これから犬を飼う予定がある人で、理想的なスタイルがいいからミニチュアピンシャーのしっぽを切ってもいいと思っているなら、一度この行為が犬に必要なことか考えてみると良いでしょう。
ミニチュアピンシャーのしっぽに関するまとめ
ミニチュアピンシャーのしっぽは本来長いものですが、外科的手術で切ることで短いしっぽとなっているのです。一般的にミニチュアピンシャーが子犬の段階で断尾されることが多いのは、成犬よりも痛みを感じにくいという見解が理由です。昔、ミニチュアピンシャーなど家畜の管理や狩猟犬として人と共に生きてきた犬は、万が一の事故やケガを予防する目的でしっぽを切って保護してきました。しかし中には、根拠のない「ジンクス」のために断尾を受けてきた犬も、歴史の中には存在します。
家庭犬に断尾は必要か考えてみよう
現在、何かの作業を行なう目的で飼われるよりは「家庭犬」として生きている犬が大半で、今の生活上必要のない「断尾」だけが残っている状態となっているのです。
ほぼ全ての犬種には、理想的なスタイルのベースとなる「スタンダード」と呼ばれる美の基準を設けられており、断尾の対象となる犬種は、尻尾を切ることがスタンダードとして扱われるケースがあります。そういった事情を目の当たりにした時、本当に犬にとって必要といえる行為なのかと考えてしまうことでしょう。「スタンダード」とはいっても、人間側の目線で作り上げられたものであり、犬にとって絶対なくてはならないとは言い難いものです。子犬が痛みを感じないという見解も、最近の研究では「その根拠がない」という意見が出ています。大切な愛犬のために、是非一度「断尾」に対して、向き合ってみると良いでしょう。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
断尾した所の処置がきちんと出来ていないと、大きくなると同時に伸びてくるようです。勿論元どおりにはなりません。
大型犬ではドーベルマンが断尾して有りそうですね。
ブリーダーさんから迎える場合は、事前に切らないでくれるようにお願いするのもありかもしれませんね。自然なトイプードルを見てみたいです。
うちのハスキー君の尻尾が無いと想像してみましたが、凄い違和感です当たり前ですね。
40代 女性 ぴー
動くとパタパタする垂れ耳も細くて長い尻尾もどちらも可愛いです!
ミニピンなので動きは激しいですが、今まで特に怪我などの問題もありません。
個人的には犬に痛みを与えるのは可哀想だし、断尾も断耳もやる必要はないと思います。
50代以上 男性 みのっち
ほんと、人間のエゴで痛い目に合わす何て言語道断、だと思います!