パグとフレンチブルドッグの大きな違い
お鼻がペチャンとつぶれていたり、お顔に皺(しわ)が多かったり、パッと見た感じ似ているのですが、パグとフレンチブルドッグは具体的にどこが違うのでしょうか?
体型・大きさが違う
パグとフレンチブルドッグは体型も違います。パグは体高のわりに体がギュッと詰まっている見た目をしています。
一方、フレンチブルドッグは胸板が厚くどっしりとした貫禄がある体型をしています。また、パグに比べて前脚の間が広いという特徴もあります。
また、成犬時の平均体重はパグが6~8キロと言われています。一方、フレンチブルドッグが8~14キロとパグよりも一回り大きいです。
一般的にパグは小型犬扱い、フレンチブルドッグは中型犬扱いです。ペットホテル等の利用時に料金が違うこともあります。
耳の形が違う
パグの耳はとてもやわらかく、ペタンと下がっている垂れ耳が特徴です。その垂れ耳にも2種類あります。
外側に倒れるように下がり、耳の内側やひだが少しだけ見える「ローズイヤー」と呼ばれるものと、前側に倒れ、ほとんど耳の内側を隠している「ボタンイヤー」と呼ばれるものがあります。
フレンチブルドッグはピーンと立った大きな耳が特徴で、コウモリの羽のように見えることから「バットイヤー」と呼ばれています。
尻尾の形が違う
パグの尻尾は巻き尾と呼ばれ、尻尾の付け根から背中に向かってクルンと丸まっています。腰の辺りに丸い尻尾がのっている状態です。
フレンチブルドッグの尻尾は、スクリューテールと呼ばれる小さな尻尾をしています。稀に長い子や、逆に全く尻尾のない子も産まれてくるそうです。
とても短い尻尾なので、切っていると思われている方いるようですが犬種の特徴です。
毛の色が違う
パグ、フレンチブルドッグともにフォーンと呼ばれる茶色やブラック(黒、フレンチブルドッグではブリンドルと呼ばれる)は共通しています。
パグはこの2色が定番かと思いますが、シルバーやアプリコット、またホワイトという珍しい色の子もいます。
フレンチブルドッグにはパグの定番の2色に加え、クリーム(白やベージュ)や、パイド(白ベースに黒や茶色の模様が入っている)が一般的です。
白や模様の入っているパグは見かけたことがないので、大きな違いの一つと言えます。
パグとフレンチブルドッグの性格の違い
見た目がよく似ているパグとフレンチブルドッグですが、性格にも違いがあります。パグとフレンチブルドッグの性格をそれぞれ解説します。
パグの性格
パグの性格は、基本的に素直で落ち着いています。また、表情と同様に性格にも愛嬌があり、遊ぶことが大好きです。
とても愛情深く、飼い主さんと一緒にいられることや、飼い主さんを喜ばせることに幸せを感じます。
しかし、マイペースで頑固な一面もあるのが、パグの特徴です。怒られても気にしないため、しつけには時間と根気が必要になります。
ただ、頑固な一面はあっても攻撃性が低いので、小さなお子様がいらっしゃるご家庭でも比較的一緒に暮らしやすいのではないかと思います。
フレンチブルドッグの性格
フレンチブルドッグの性格は、とても陽気でやんちゃです。
飼い主さんのことはもちろんですが、人間のことが大好きで愛想が良いという特徴もあります。利口なのでお手やおかわり等の簡単なしつけはしやすい犬種です。
一方で興奮しやすいという気質があり、一度スイッチが入ってしまうと走り回ったり、吠えたりしてしまうという困った一面もあります。
しかし、基本的にフレンチブルドッグはとても甘えん坊さんが多いです。常に飼い主さんのそばにいたがり、寄り添って眠る、抱っこされながら眠るということに至福を感じるようです。
パグとフレンチブルドッグの寿命の違い
パグとフレンチブルドッグは似ていますが、違う犬種です。そのため寿命やかかりやすい病気にも違いがあります。
寿命や健康管理についてそれぞれご紹介します。
寿命の違い
パグの平均寿命は12~15歳、フレンチブルドッグは10~12歳と言われています。犬の平均寿命と比べると、パグはやや長生き、フレンチブルドッグは少し短い寿命になります。
パグとフレンチブルドッグが気をつけたい病気
鼻ペチャ、短毛、お顔の皺(しわ)等、共通点が多いため弱い部分も似ていて、皮膚病、呼吸器系の病気、また目の病気にかかりやすいのです。
共に暑さ寒さに弱いため、温度管理には気をつける必要があります。その他、気をつけてあげたい病気を下記にご紹介します。
パグのかかりやすい病気
- パグ脳炎
- 膝蓋骨脱臼
- 短頭種気道症候群
- 角膜炎・角膜潰瘍 など
パグ特有の病気として有名なのが通称「パグ脳炎」と呼ばれる壊死性髄膜脳炎です。
パグだけがかかる病気ではありませんが、パグの症例が多いことで有名です。原因不明かつ、死に至る可能性がある病気のため早期発見が重要となります。
その他にも「膝蓋骨脱臼」「短頭種気道症候群」「角膜炎・角膜潰瘍」などの病気が有名です。
パグの健康管理について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
フレンチブルドッグのかかりやすい病気
- アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎
- 短頭種気道症候群
- 関節炎
- ヘルニア など
フレンチブルドッグはアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚になりやすい犬種です。
耳の痒みや口回りの痒みからアレルギーやアトピーが始まることが多いので、皮膚の発赤や同じ部位を繰り返し痒がる場合は早めに受診しましょう。
また、体温調節が上手にできない傾向がありますので呼吸状態には十分気をつけましょう。もともと呼吸器が弱い犬種ですので、特に夏場は温度管理をしっかり行い、熱中症にならないように気をつけましょう。他には関節炎や、ヘルニアがみられることもあります。
フレンチブルドッグの病気について詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事を一読ください。
パグとフレンチブルドッグの値段の違い
パグかフレンチブルドッグを迎え入れようと迷っている方、価格や迎え入れた後のことが気になりませんか?
最後はそれぞれの犬種の価格や迎え入れた後の暮らしやすさをご紹介します。
価格の違いについて
パグのペットショップでの価格の相場は平均10万円前後ですが、かなり個体差があり、顔立ち、毛の色、体格等から判断し5万円~30万円以上と、大きく価格に違いが出ます。
フレンチブルドッグのペットショップでの販売価格は15万円~30万円ほどといわれています。こちらも個体差はあり、毛の色がパイドの場合高額になることが多いです。
特に親がチャンピオン犬だと高額で、50万円くらいで販売されていることもあります。
パグとフレンチブルドッグはどちらが暮らしやすい?
パグとフレンチブルドッグ、どちらもしっかりとしつけが出来れば、無駄吠えも少なく愛情深い犬種なので、家庭犬としてピッタリといえます。
強いて言えば、フレンチブルドッグは思いの外大きく成長し、体重が20キロ近くまで達する子もいます。
小型犬と紹介されるケースも多いので「小型犬だと思って迎え入れ生活を始めたら、あっという間に中型犬サイズになっていた」なんてこともあります。
「小型犬と暮らしたい」という方はパグが安心かもしれません。
ルーツの違いについても知っておこう
パグの原産国は中国で大変長い歴史がありますが、日本で愛玩犬として人気になったのは1900年代の頃です。
一方、フレンチブルドッグはイギリス、フランスが原産国となり、元々イギリスで人気のあったブルドッグをフランスに持ち込み、パグやテリアを交配させて誕生した犬種と伝えられています。
まとめ
パグとフレンチブルドッグは見た目が似ていることから、同じ犬種と思われがちですがルーツも特徴も異なっている、違う犬種です。
犬好きの方は、ぜひ豆知識として覚えておいてください。