紀州犬の性格
- 素直
- 誠実
- 警戒心が強い
- 気高い
- 威厳がある
紀州犬は気性が荒くて凶暴と思われがちですが、飼い主に対しては素直で誠実な性格です。飼い主を守ろうと警戒心がやや強い部分もありますが、真面目で忠実なことから家庭でもしつけやすいようです。猟犬として活躍していたため、威厳があって落ち着いており、気高い姿も見られます。
紀州犬の特徴
大きさ(体重/体高)
<オス>
- 体重17~23kg
- 体高49~55cm
<メス>、
- 体重15~18kg
- 体高46~52cm
紀州犬は大型に近い中型犬に分類されますが、最近はやや小さいサイズも増えています。体高より体長が少し長く、背中はまっすぐです。オスはメスよりひと回り大きく、大型の個体は体重が30kg近くなることもあります。
被毛(毛色/毛質)
紀州犬の被毛は、ダブルコートで長さは短く、秋田犬より柔らかい毛質が特徴です。
紀州犬の毛色は、白毛がほとんどですが、黒毛や茶色、虎毛(ブリンドル)、胡麻毛などの有色の犬もいます。大半が白毛となった理由は、狩猟犬として活躍していた頃に猪などの獣と間違えないためや、天然記念物に指定されたときに色の統一が図られたためなどと言われています。現在は有色の紀州犬は少ないものの、根強い愛好家もいるようです。
体の特徴
細い三角目にピンっと立った三角耳、すっきりとした鼻筋を持つ紀州犬。尾は柴犬のような巻尾の他、おおかみのような差尾も多く見られます。山を駆け回れるほどのがっちりとした骨格と引き締まった筋肉質な体格が特徴です。
紀州犬の価格
紀州犬の子犬の販売価格は、10~18万円が相場で、平均価格は16万円程です。ペットショップやブリーダーから購入することができ、毛色や血統などにより値段は変動します。紀州犬は日本犬の1犬種のため、日本犬保存会の血統書を持つ子犬や展覧会で賞をとった親を持つ子犬などもいます。
購入前に紀州犬の様子などが知りたいときは、和歌山公園動物園の紀州犬の一般展示やふれあい体験などに出向いてみても良いかもしれませんね。
紀州犬をブリーダーから迎えるには
紀州犬を家族の一員として迎える場合、ペットショップでの取り扱いは少なく、ブリーダーからの購入が一般的です。紀州犬のブリーダーの犬舍は、近畿地方を中心に全国各地にあります。
ブリーダーは、紀州犬の育て方などの豊富な知識を持っているため、育てていく上で困まり事なども相談できる心強い相手でしょう。紀州犬のブリーダーを探す際は、インターネットや犬の専門雑誌などを活用し、ブリーダーの所在地や犬舍が見学できるか、購入前の子犬と会えるかといったことをポイントに確認してみてください。
また、紀州犬のブリーダーに巡り合うために、関係者が所属する紀州犬保存会や日本犬保存会に問い合わせるのも1つの方法です。日本犬保存会では、天然記念物の日本犬を広める活動を行っているため、紀州犬の入手方法や関係者の紹介などアドバイスをもらうことができるでしょう。
紀州犬の里親になるには
紀州犬を迎える場合、里親になることも選択肢の1つになるでしょう。里親とは、捨て犬や事情があって飼い主が飼えなくなった犬を無料で譲り受け、新たな飼い主となることです。里親になる場合、子犬だけでなく、しつけが完了している成犬と出会えたり、相談員にしつけ方や困り事を相談できたりとメリットがあります。
里親の募集は地域によってさまざまですが、保健所や動物愛護センター、動物保護センター、その他にも民間団体などで行っています。紀州犬を家族として迎えたいと考えている方は、一度自治体に問い合わせることも検討してみてはいかでしょうか。
紀州犬の飼い方
環境
紀州犬は古くから日本の気候下で暮らしているため、日本の暑さや寒さに強いとされています。そのため、屋外飼育と室内飼育のどちらも可能です。暑さや寒さに慣れているとはいえ、屋外飼育をする場合、日陰を作るなど猛暑対策はしっかり行いましょう。
紀州犬を飼育するとき、屋外飼いと室内飼いのどちらにも大切になるのが、丈夫で高さのある柵やサークルを用意することです。狩猟犬であったことから、紀州犬は脚力がありジャンプなどをして脱走することもあります。
また、紀州犬は自治体によって「特定危険犬種」に指定されている場合があります。その場合、「特定犬のシールを見やすい場所に貼ること」、「檻の中で飼うこと」などの規制があります。紀州犬を飼うときは、住んでいる自治体の条例を確認すると良いでしょう。
運動
体力のある紀州犬を飼うときは、運動量をしっかり確保してあげましょう。運動量が足りないとストレスが溜まり、物や人を噛んだり脱走したりすることがあります。子犬の頃はボール遊びなど簡単な遊びを取り入れた運動からはじめましょう。
運動量が必要になる成犬の散歩は、1日2回、1時間程度が目安となります。散歩中の紀州犬は強い力で引っ張ったり、急に走り出したりすることもあるので、飼い主も散歩に付き合える体力が必要です。
餌
子犬の頃の紀州犬の食事は、1日3回ほどに分け、粒の小さいものを与えましょう。消化吸収の良いものや、皮膚病の原因となる穀物が含まれないものなどがおすすめです。便の状態をみながら与える量や回数を調整していきましょう。
成犬の頃の紀州犬の食事は、1日2回ほどを目安にします。成犬の餌には、皮膚の痒みや乾燥を防いでくれる成分がバランスよく入った餌がおすすめです。また、カルシウムが不足しがちなときは、犬用の粉カルシウムをドックフードにふりかけて補いましょう。
十分な栄養は必要ですが与えすぎると、皮膚病に繋がることがあります。お菓子などは控え運動量にあわせて量や回数を調節しましょう。
お手入れ
暑さや寒さに耐えられる厚いダブルコートの被毛で覆われている紀州犬。換毛期には特に抜け毛の量が多くなります。ブラッシングは、普段なら週に1回以上、換毛期は3回以上を目安に抜け毛のお手入れを行いましょう。また、運動後は固く絞ったタオルなどで犬の体を拭くなどすると、飼い主との良いコミュニケーションの時間になります。
紀州犬の寿命
紀州犬の平均寿命は、14年前後とされています。紀州犬は比較的健康な犬種ですが日本犬によくみられる皮膚病などには注意が必要です。平均寿命にかかわらず健康で長生きするためにも、運動や食事など生活環境を整え、ストレスなく快適に暮らせることが大切です。
紀州犬のしつけ
紀州犬は狩猟犬だったこともあり、主人に対する忠誠心が高い犬です。きちんとしつければ人を襲うことはありません。しかし、警戒心や縄張り意識が強いため、見知らぬ人や場所に慣れさせることが大切です。子犬の頃から継続的に、多くの人や場所に慣れる訓練を行うと良いでしょう。
飼い主は一貫した態度で接しながらしつけを行い、リーダーシップをとることで、紀州犬との信頼関係が築けます。紀州犬の性質や性格を理解しながら、成長にあわせてしつけられると良いですね。
紀州犬がかかりやすい病気
皮膚病
日本犬がかかりやすい病気の1つに皮膚病があります。アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などは皮膚に炎症が起こり痒みをともなう病気です。耳や目の回り、足の付け根などに症状が出やすいため日頃からチェックしましょう。紀州犬はもともと皮膚が弱いため、食事など生活の中でも十分な注意が必要です。
皮膚炎などの皮膚病の原因の1つに「甲状腺機能低下症」が考えられます。皮膚炎が治りにくい他、体重増加や体の脱毛などの症状がある場合は早めに病院で受診しましょう。
白内障や緑内障
紀州犬がかかりやすい目の病気には「白内障」と「緑内障」があります。老化によって発症しやすい白内障は、レンズの役割を果たす水晶体が白く濁り、視力を低下させる病気です。緑内障は、眼圧が上がり神経を圧迫することで、ときには失明することもあります。緑内障の発症原因は遺伝的なものと、白内障など他の病気に誘発されるものがあります。
白内障、緑内障いずれも、定期健診などをおこない、早期に愛犬の目の異常に気づいてあげられると良いですね。
心室中隔欠損症
心室中隔欠損症は生まれつきの病気です。心臓の左心室と右心室を分けている壁に穴が開いており、大きさによっては手術が必要となります。この病気とは一生の付き合いとなるため、紀州犬を家族に迎えるときには、重症化しないよう運動量をコントロールするなど医師とも相談しながら、犬との生活が送れるよう心がけましょう。
紀州犬と柴犬の違い
日本犬の中には、白毛の紀州犬とよく似ている、白毛の柴犬「白柴」がいます。白柴は柴犬の毛色では珍しく生まれる確率はとても低いのが特徴です。紀州犬や白柴はどちらもテレビやCMなどで活躍していますが、1匹ずつ別々で見ると、とても見分けがつきづらいです。
2種の見分け方は、大きさです。紀州犬は中型犬、柴犬は小型犬に分類されます。どちらもオス、メスの平均サイズに多少の違いはありますが、紀州犬の体高が50cm前後、体重が20kg前後に対して、柴犬の体高は40cm前後、体重は10kg前後の大きさです。2頭を並べてみると、紀州犬の方がひと回りほど大きく、明らかな体格差を感じられるでしょう。
紀州犬との見分けがつきづらい犬種は他にもおり、ソフトバンクのCMのお父さん犬としておなじみの犬は、紀州犬ではなく同じ中型の北海道犬です。こちらは顔つきなどが見分け方のポイントになるようです。紀州犬や柴犬、北海道犬など、白毛の日本犬を瞬時に見分けるのは難しいかもしれませんね。
紀州犬の歴史
紀州犬のルーツは、紀伊半島の奈良、和歌山、三重の3県にまたがる山岳地帯で、主に猪などの狩りをする狩猟犬として飼育されてきた日本の土着犬です。地域によって「太地犬」「那智犬」「奥吉野犬」「熊野犬」などと様々な呼び方がありましたが、日本犬保存会により名前が統一され、「紀州犬」となりました。
その後、1934年に紀州犬は日本犬の1犬種として国の天然記念物に指定されました。日本犬保存会により日本犬として保存対象となっている犬種は6種類あり、紀州犬の他、柴犬、四国犬、北海道犬、甲斐犬、秋田県です。柴犬につぎ、家庭犬として人気のある紀州犬ですが、近年では頭数が減り絶滅の危険があるとされています。
まとめ
紀州犬は、気性が荒く凶暴な印象もありますが、しつけをしっかり行えば飼い主に従順で家庭犬としても人気のある日本犬です。健康的な犬種ですが、皮膚病などかかりやすい病気もあるので注意しましょう。紀州犬の性格や特徴、飼い方などを理解して、スムーズに家族として迎えられると良いですね。
ユーザーのコメント
男性 レイラ
暑い時期(季節)は、アスファルトが熱くない時間帯に散歩してあげてください。きちんとしつけてあげれば、とてもお利巧な家庭犬になるでしょう。小さい子供とも住むことができます。信頼関係を第一に考え社会性や上下関係をしっかりと築きましょう。
犬も人間も、同じ命をもってして生まれてきました。犬を飼ったら、責任を持って最期までお世話をしてあげましょう。紀州犬は日本らしいとてもいい犬種です。とても頼もしい愛犬となるでしょう。
50代以上 女性 大和ママ
いろいろな犬種を飼いましたが、
忠誠心の強い紀州犬は、最高のパートナーです。
ちょっぴりやんちゃ。
独立心が強くて人みしり。
でも本当は、ものすご〜くツンデレさんなかわいい奴です。
家族のためならどこまでもがんばり、
我慢をする犬です。
家族一人一人の心を、一番理解してくれるような…。
男気溢れる頼れる犬です。
そして、強い。
ノーリードの犬が飛びかかってきたことがありましたが、結果、相手が腰を抜かしてしまいました。
飼っていく上で絶対に必要なこと。
飼い主への服従訓練と、躾です。
どんな犬でもそうですが、紀州の場合は絶対です。
我が家は、パピーのうちに、家族と犬で訓練に通いました。
それさえできていれば、
日本の犬ですから、分かり合えない訳ありません。
クールで聡明な、最高のパートナーになります。
運動もたくさんしてあげたい犬ですが、
是非、飼ってみてほしいです。
絶対、紀州ファンになりますよ。
40代 女性 グーグルぽち
どのような犬でもそうですが、その犬種に合った飼い主さんが必要だと思います。
運動量がたくさん必要な犬を飼うのでしたら、それなりに散歩の時間が与えることができる人であったり、ケアの出来る人など。
子犬を見てかわいいからと言って、後のことを考えずに飼うのはとても無責任な行動だと思います。
そして飼った後のしつけはとても重要です。犬種によってしつけの方法も様々ですから、合った方法をブリーダーさんに伺ったり、自身で調べてみることをおすすめします。
今ではトレーニングスクールなど沢山見つけることができますので、活用するのもひとつの方法だと思います。実際私の愛犬もパピースクールに行きました。犬が学ぶことより飼い主が学ぶことが多かったのですが、とても役に立ちました。
犬を実際に飼っている人にしか分からない部分もあるかと思います。
最初から危険な犬と思わず、考えてあげてほしいものです。そして飼ったからには愛犬に適切な環境を与えてあげるのが飼い主の役目だと思います。
30代 女性 komanu
ペットショップの個体で紀州犬を見たことはありませんが、ブリーダーさんからお迎えする場合も注意点があります。そのブリーダーさんの犬舎が見学可能か、紀州犬をお迎えした後もアドバイスや相談にのってくれるのか、仔犬の親を見せてくれるか、などがあります。仔犬の健康状態や飼育環境を見ておくことは、後の病気やしつけに関わるので重要です。
また、地域によっては紀州犬が「危険犬種」に指定されている場合もあります。危険犬種は飼育が禁止されていたり、飼育が制限されている犬種です。
それでも飼い主さんの愛情やしつけでカバーできるのであれば、とても魅力的な犬種だと思いますし、体力に自信があるのなら是非お迎えしてみたいですね。
40代 女性 かえで
自然の中で完成された犬種で忠実で従順な性格に加え、地味で素朴な中にも品があって年齢と共に良さが表れて来るのが魅力だそうです‼
他にも、家庭犬としての適性が高く日本犬の中では柴犬の次に多い飼育頭数を誇るらしいです‼
性格は、人懐っこさもあり無駄吠えも少ないので家庭犬に向いているのだそうです。
いま現在でも近畿地方南部に家庭犬として愛好者が多くイノシシ狩猟のとき一銃一狗といい一人の猟師と1頭の犬で猟をするのだそうです‼
紀州犬は、基本的に気性が荒いためきちんとしつけないと飼い主以外の人や犬に攻撃をしかけてしまう注意が必要であるらしい‼
紀州犬は、本来はとてもおだやかで忍耐強く忠誠心にあふれている性格が特徴なのですが狩猟犬としてのイメージが強く『勇敢』だったり、『激しい』と思われることが多あるのだそうです。
実際は、人懐っこい性格でもあり一緒に暮らす家庭犬としても問題ないそうです。
20代 女性 まろん
認めた飼い主には忠実ですが、他の人には懐かない子が多いイメージがあります。その忠実さが魅力的にも思えるので飼い始めたらたまらないんだろうな〜なんて思います。
現在の愛犬を飼い始めた際に会った、大きめの柴犬を飼われている方がとなりにいたのですが、ウチの子大人しいの〜なんて言いながら凄く荒々しく、飼い主さんも制御出来てないのが丸わかりでした。なので普段お散歩ですれ違うときや、ドッグランや病院などでは紀州犬に関わらず気をつけてしまいます。(他犬種のサイズが大きいわんちゃんなど日本犬に限りませんが)
もちろん、全てそうではないですが知り合い以外の見知らぬ日本犬は少し注意してしまいます。
躾が必要な犬種は、飼うならキチンとして欲しいです。元々持った性格もあると思いますが、本来頭の良い犬種なので飼い主さんが気をつけてあげないといけないですね。
女性 コロ
女性 みかん
女性 ゴン吉
女性 匿名
散歩中、何度か放し飼いにされた小型犬に襲われました。たとえ先方に非があるとしても小型犬と紀州犬では、なにかあればこちらの落ち度にされる可能性が大きく、飼い主として気をつかいます。そういう面での飼いづらさもあります。
活力がある犬なので、運動はしっかりさせます。運動だけでなく散歩で楽しい時間も過ごさせます。安全性の高い食事と安らげる場所を与えることを心がけています。
わたしは犬の飼育初心者だったので、躾は満足に出来ていません。飼い主として、未熟な面も多々あります。それでも愛犬は問題行動もなく、飼い主にとって世界で一番可愛い犬に育ってくれました。ひとえに紀州犬の賢さ、我慢強さのおかげと思います。
人懐こい紀州犬もいますが、個体差は大きいです。わたしの知っている紀州犬は、他人は寄せ付けませんでした。警戒心は強い犬種だと思います。ですから番犬として頼りになります。我が家は一人前の男性がいないので、紀州犬の存在は心丈夫です。
子犬の頃は一緒にたくさん遊んで、手塩にかけて育てました。与えた以上のものを、愛犬は返してくれています。
50代以上 男性 かむろ
巻き尾っぽ、耳が立ち、白く(背は一筋茶色っぽい感じ)特に肉屋さんから牛の骨を貰って食べてたこともあり、朝日や車のライトに当たると銀色に光りとても惚れ惚れする格好の良さでした。農家のため、農園や山林では放し飼いですが、さすがに猟犬というか散々遊んだ後は家人の見えるところか、車のところで待っていました。迷子になったことはありません。最後に和犬の特徴でしょうが、家ではトイレはしなかったです。また、死に際は見せませんでした(母親が残念がっていました)。とってもクレバーなやつでした。飼い主に知識がなかったものでフィラリアにかかてしまい可哀想なことをしました。
女性 ぽち
30代 男性 K.W
現役でイノシシ狩りの猟犬をやる子も居る。身体能力の高さからケンカの名犬とも呼ばれる紀州犬はまさに日本が誇る存在ですね。天然記念物になるのも道理。
荒いキャラかと思いきや僕が見たのは保護犬のおばあちゃま紀州犬でした。大人しかったです。多分、それぞれに性質は違うと感じました。良い経験でした。
女性 doncee