ウルフドッグってどんな犬?
ウルフドッグとは、その名の通り「オオカミ」と「犬」の交配によって生まれた大型犬種のことを言います。
日本では「狼犬(オオカミケン・ロウケン)」、英語では「ハイブリッド・ウルフ(Hybrid Wolf)」、「ウルフ=ドッグ・ハイブリッド(Wolf-dog hybrid)」、「ウルフドッグ(Wolf dog)」などと呼ばれます。
主にハスキーやシェパードなどの犬種と、家畜化された狼の交配によって誕生した犬種をウルフドッグと呼び、なかでもオ狼の血を75%以上引き継いだ「ハイパーセント」は外見が狼により近くなるため人気が高くなる傾向にあるようです。
また、一言にウルフドッグと言ってもその種類は様々です。正式に犬種として認められているウルフドッグは2種類のみであり、主に日本で販売、飼育されている「ハイブリッドウルフドッグ」はそれらには含まれず、雑種(ミックス)に該当することとなります。
ハイブリッドウルフドッグの定義についても明確ではなく、少しでも狼の血が混じっていれば「ハイブリッドウルフドッグ」と呼ぶことができるようです。ちなみに、ウルフドッグとして正式に認められている犬種は以下の2種類です。ウルフドッグの種類について、少しご紹介します。
サーロス・ウルフホンド
サーロス・ウルフホンド(Saarloos Wolfhond)は、別名ダッチウルフホンド(Duch Wolfhond)、ヨーロピアン・ウルフドッグ(Eurpean Wolfdog)などと呼ばれるウルフドッグ犬種です。
古代犬種の優れた能力を取り戻すために狼とジャーマンシェパードドッグの交配によって生まれ、狼の血を4分の1引く犬を元に交配が続けられました。その姿は狼と犬の中間とされているものの、狼の特性を多く引き継いでいる犬種です。
飼い主や家族に対して非常に愛情深く優しい性格をしており、主従関係をしっかり築くことで優秀な家庭犬になることも可能であるとされています。
チェコスロバキアン・ウルフドッグ
チェコスロバキアン・ウルフドッグ(Czechoslovakian Wolfdog)は、1955年にジャーマンシェパードドッグと、カルパチアンウルフの交配によって誕生したウルフドッグ犬種であり、その見た目は狼にそっくりであり、正しいしつけを行うことできれば、小さな子供や他の犬とも仲良く暮らすことができるとされています。
残念ながら、純粋な上記2犬種のウルフドッグは日本では販売されていないようです。日本で販売、飼育されているウルフドッグはカナダやアラスカから輸入された個体となるため、正式に犬種としては認められていないものの、様々な特徴を持つハイブリッドウルフドッグはとても魅力的ですよ。海外でも、様々な種類のウルフドッグが人気を集めています。
狼の血を引く「ロキ」
冒険家の飼い主さんと共に大自然を旅する「ロキ」は、シベリアンハスキーとアラスカンマラミュート、ホッキョクオオカミの血を引くミックス犬です。
その姿はとても凛々しく、狼の血筋を強く感じさせますが、飼い主さんにはとっても甘えん坊。その大きな体で抱っこをせがむ様子などが可愛すぎる!と話題になっています。インスタグラムも是非チェックしてみてくださいね!
Loki the Wolfdogさん(@loki) • Instagram写真と動画
クンミング・ウルフドッグ
クンミング・ウルフドッグは、クンミングドッグ(Kunming Dog)、昆明犬(こんめいいぬ)と呼ばれることもある中国の雲南省昆明市原産の軍用、警察用、番用の犬種です。
正式に認められているウルフドッグ犬種ではないものの、10頭の狼とガードドッグとして訓練された優秀な警察犬やジャーマンシェパードドッグなどと交配が行われたようです。
この10頭の狼が前述したサーロス・ウルフホンドであったのではないかという説もあるようですが、中国はクンミングウルフドッグの作出について国家機密として扱っていることから謎も多く、知名度が低い犬種となっていますが、近年ではペットとして飼育されることもあるようです。
ウルフドッグの性格
ウルフドッグの性格は、交配に関わった犬種や狼の血の比率によって異なります。そのため個体差はあるものの、以下のような性格の特徴を持つことが多いようです。
性格
- 警戒心が強い
- 聡明
- 愛情深い
- 甘えん坊
警戒心が強い
ウルフドッグは、狼の野性的な警戒心を強く引き継いでいることがあります。そのため、内向的で警戒心が強く、神経質な一面を持つことも。用心深いため、環境の変化に敏感に反応することもありますが、野生で生き抜くための本能が働くことで、環境への順応が早い個体も見られます。
聡明
ウルフドッグは、非常に聡明な個体が多いとされています。群れで行動する狼の習性から、飼い主の動きや表情を素早く読み取ることができ、状況判断の能力にも長けます。
愛情深い
ウルフドッグは、愛情深く優しい性格の個体が多いとされています。凶暴なイメージがある狼の血を引き継ぐウルフドッグですが、一度仲間であると認めた相手に対しての愛情や信頼は、他の犬種と比べてもはるかに強いものであると言われるほどです。
正しい主従関係、信頼関係を築くことができれば、相手が小さな子供や他の動物であっても、身を挺して守ろうとするなどの行動も見られます。
甘えん坊
ウルフドッグはとても甘えん坊な個体も少なくないようです。その狼に似た逞しい外見と大きな体で抱っこをせがんだり、飼い主さんから一時も離れられないほどに依存したりすることも。こればかりは、個体差がありますが、飼い主や家族と共に過ごすことを好む個体は多いようです。
ウルフドッグの性格についてご紹介しました。ウルフドッグの見た目と、性格のギャップが大きいことも、人気の理由なのかもしれませんね!
ウルフドッグの特徴
ウルフドッグの特徴についてご紹介します。
大きさ(体重/体高)
体の大きさ
- 体重:40kg~70kg
- 体高:60cm~80cm前後
- 分類:超大型犬
ウルフドッグの大きさは、交配に関わった犬種や個体によって異なりますが、平均体重は40kg~70kg、体高は60cm~80cm前後であることが多いようです。個体によっては、超大型犬に分類されるほど大きくなることも少なくありません。
被毛(毛色/毛質)
ウルフドッグの毛色や毛質に関しても個体差があります。しかし、ウルフドッグの交配に深く関わったジャーマン・シェパード・ドッグやハスキー、もしくは狼の外見に似た毛色や毛質に偏ることが多いようです。
正式にウルフドッグの犬種として認められているチェコスロバキアン・ウルフドッグの毛色に関しては、特徴的な明るいマスクを伴う黄色味がかったグレーからシルバーグレー、明るいマスクを伴うダーク・グレー。頸の下面、前胸には明るい被毛があることが定められています。
体の特徴
身体的特徴は、交配に関わった犬種によって異なるため一概には言えません。しかし、体高より体長が長い長方形型で筋肉質、その体型は狼により近いことが望ましいとされています。スラッと長い顔にピンと立った耳、厳しい寒さにも耐えるための被毛は、非常に密集度が高くなっています。
ウルフドッグの子犬の値段
値段の相場
50万~30万円
ウルフドッグの子犬の値段は、50万円~30万円であることが多いようです。ウルフドッグの子犬の骨格や毛色、月齢はもちろん、親犬の種類や大きさなどによって金額が変動することもあると言われています。
ちなみに、正式にウルフドッグの犬種として認められているチェコスロバキアン・ウルフドッグや、サーロス・ウルフホンドは日本では販売されていません。
国外への輸出を行っていないブリーダーも多く、入手は困難を極めます。もし輸入が可能になった場合、その値段は50万円~100万円前後であると予測されています。
ウルフドッグを飼うには
狼の血統を持つウルフドッグは、狩猟本能が強くしつけが難しいとされることから、獰猛で危険であると言われることもあります。そのため、一部の国ではウルフドッグの飼育そのものが禁止されています。日本では、ウルフドッグの飼育は禁じられていないものの、近年では「特定動物」への指定も思案されているようです。
今のところウルフドッグは特定動物に指定されていないものの、各都道府県、市町村が制定する「特定犬」に該当する可能性があります。例えば、茨城県は「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例」として、特定犬の飼育に関する規定を定めています。
特定犬に指定されているのは、土佐犬やドーベルマン、ジャーマン・シェパード・ドッグなどの8犬種です。
しかし、これらの犬種に該当しない場合も、体高60cm以上、かつ体長70cm以上の犬は人に危害を加えるおそれがあるとして、特定犬に該当すると定められていることから、ウルフドッグの大きさを考えると、十分に特定犬に該当する可能性がありますね。特定犬を飼育する際の規定についても、自治体によって様々です。
しかし、基本的に「檻の中で飼育する」「特定犬を飼育していることを提示する」「第三者に危害を加えないよう管理する」など、そう難しいことではありません。特定犬に関する規定や必要な手続きなどは、自治体によって異なりますので、事前にお住まいの自治体に確認しておきましょう。
ウルフドッグの飼い方
ウルフドッグは、大きな体と野性味が強い性質を持つ犬種であるため、犬を飼うのが初めてだという方には決しておすすめできません。
ウルフドッグと正しい主従関係、信頼関係を築くだけの知識と技量を持つ、犬の飼い主として上級者である方だけがお迎えできる犬種であることは間違いありません。また、運動量も一般的な家庭犬とは比べ物にならず、広々とした敷地で1日2時間~3時間の運動が必要とされています。
そのため、もちろんマンションでの暮らしは不向きであり、一戸建て住宅であっても、隣家との間隔が狭い場合は注意が必要です。というのも、 ウルフドッグは2m~3m程度の塀であれば楽に飛び越えてしまうことができるのです。
2015年には、4頭のウルフドッグが飼育される施設内で、留守を任された女性ブリーダーが噛み殺されるという悲惨な事件が起こっています。噛み殺された女性は、4頭のウルフドッグのうち3頭の育ての親であったそうです。
しかし、飼い主が不在の時に施設内へ足を踏み入れたため、ウルフドッグ達は女性を不審者とみなし、襲いかかったのだと考えれています。ウルフドッグは、非常に利口で飼い主に対しては従順、愛情深い性格をしています。しかし、何かの拍子で野生としての本能が爆発してしまうことも、無いとは言い切れません。
これは、ウルフドッグに限らず言えることですが、やはり大きな体と力を持つウルフドッグの場合は、他の犬種と比べても危険であることは間違いありません。
ウルフドッグを飼う時は、しつけやトレーニングはもちろん、飼い主の不在時に第三者とウルフドッグが鉢合わせることがないよう配慮しなければなりません。
また、ウルフドッグの飼育には超大型犬の扱いに慣れているプロのトレーナーや、獣医師の協力も必要になります。ウルフドッグがストレスなく過ごせるだけの敷地で、厳重に管理しながら飼育できるのかどうかを事前にしっかりと考えましょう。
まとめ
ウルフドッグの性格や特徴などについてご紹介しました。愛犬家にとって、狼の姿を持つ超大型犬であるウルフドッグには一種の憧れのようなものを抱きますよね。実際に大型犬が大好きな筆者は、よくウルフドッグの写真や動画をチェックしています。
しかし、実際にウルフドッグを飼育するとなると非常に大変なことが多く、覚悟を持ってお迎えしなければなりません。
これは、ウルフドッグに限らず言えることですが、安易な気持ちでお迎えすることはもちろん、子犬期に正しいトレーニングを行わなければ、飼い主さんや家族の命にも関わる事態に陥ってしまう可能性さえあります。
記事内でもご紹介しましたが、ウルフドッグが人を傷つけてしまうような悲しい事故が二度と起こらないよう、ウルフドッグの知識がもっと世に広まることを願っています。
ユーザーのコメント
30代 女性 Chappy
とても勇敢そうでカッコいいですよね!でもとっても人なつっこそうな顔立ちにまた惹かれます♪テレビでしか見たことはないのですが、けっこう大きいんだなっていうことにもビックリしました!
30代 女性 ミニー
20代 女性 すず
30代 女性 TIKI
30代 女性 もこじ
でも本当にリーダーって認めたら忠実だなんて本当可愛い。
飼ってみたいと思っても、今の私にはそんな自信も覚悟もないなと思いました。悲しいニュースもありますが、ウルフドッグだけではなく、犬を飼うって言うことには飼い主としての責任と覚悟がないと犬も人間も不幸になってしまうって改めて思い知らされました。
10代 女性 茜
大きいわんちゃんが好きなのでとてもかわいいわんちゃんだと思います(๑˃̵ᴗ˂̵)و
でも、狼に近い気性のせいか、事件も多い見たいですね。ちょっと悲しいです。。。
どんなわんちゃんでも、その特徴を知って、付き合って行く事が大切なんですね~
女性 翠
飼いたいなーー( ´Д`)でも私にそんな威厳は無い・・・(ノД`)
40代 男性 匿名
狼に近い女の子は、とても繊細で警戒心が強く、知らない人や初めて見るものには近付こうとしません
ただ知らない人が寄って来ても唸ったり威嚇したりと攻撃的な行動は無く、とにかく逃げようとします
男の子は犬(Wシェパード)の影響が強い様で好奇心旺盛、お店のスタッフ犬も務める程で、こちらの指示に対する反応も良いです
一言にウルフドッグ、狼犬と言っても交配する犬種や狼の血の濃度で、まるで別の動物の様です
2頭に共通しているのは食に対して非常に貪欲である事、結構執念深い事、良いも悪いもとにかく記憶力が良い事です
20代 女性 匿名
確かに魅力的で私も大好きですが、飼うならば言う事を聞かせなければいけません。立ち上がれば人間の大人と同じ高さにもなる頭の良い獣に勝ち続ける覚悟と力が必要です。
10代 女性 匿名
動物はやっぱり大きいな限ります…!
ウルフドッグ大好きなので、飼いたいですねー
日本じゃ飼いにくいので、将来はカナダに移住して飼うのが今の目標です!!
その為に只今英語の勉強中!頑張ります
10代 女性 はる
女性 もふころ
実際に飼われているウルフドッグの顔は優しいですね。環境によってこんなに違う表情ができるんだなと魅力を感じました。