セントバーナードの樽の中身は「お酒」
セントバーナードは、大型犬の中でも最大の超大型犬と呼ばれる種類に入る、スイスの国犬(国を代表する犬種)です。そんなセントバーナードのトレードマークである樽の中身、実はお酒だったというのをご存知でしょうか?
セントバーナードの樽は山岳救助犬のため
セントバーナードは元々、山岳救助犬として活躍していました。有名なのはスイスの冬山で遭難した人々を助ける仕事をしていたセントバーナードの祖先犬「バリー」です。
樽の中には救援物資や薬などが入っているのではないかと思われがちですが、実際にはラム酒やブランデーといったアルコール度数の高いお酒が入っていました。これは、もちろん遭難者に飲ませるためのもので、アルコールでまず体を温める意味でセントバーナードの樽に入れられています。
救助犬が遭難者を発見したからと言っても、すぐに救助の人間を連れてきたリ下山の手助けをすることができません。まだまだ長時間山の中にいなくてはならない可能性もあるので、アルコールで体を温めて生存の可能性を高めるためにラム酒は遭難者に必要だったのです。
現在では救助犬としてほぼ働いていない
かつては雪山で遭難者を助けていたセントバーナードですが、現在はほとんど救助犬として働いている個体はいないようです。需要が減ってしまった理由は、その体の大きさにあります。
体高65cm、体重は50〜90kgもあるため、救助者を助けるために移動をするのも大変ですし、ヘリコプターなどで引き上げたり降下したりするのにも適していないというのが理由のようです。また、実際にスイスで山岳救助犬として活躍していた時よりも、体が一回り以上大きくなったというのも関係しているようです。
セントバーナードの樽は空だった?【諸説あり】
山岳救助犬として活動していたとき、ラム酒やウイスキーなどを入れた樽をぶら下げていたという話は有名だが、今ではそれらは創作、つまり嘘だったのではと噂されています。
樽をぶら下げたセントバーナードが有名になったきっかけは、イギリスの画家ランドシーアの絵画「Alpine Mastiffs Reanimating a Distressed Traveler」がきっかけだったと言われています。
山岳救助犬のセントバーナードが遭難者を助ける様子を描いた作品ですが、ランドシーアは個性を出すために酒樽を描いたのです。この絵が有名になり、いつしかセントバーナードの首には酒樽がぶら下げられているというイメージが定着したのだとか。
そのため、樽の中身には酒は入っておらず、空っぽだったという話もあります。ただ、実際にお酒を入れて活動していた記録もあり、全くの嘘とはいえず、かといって本当だとも言えないのが結論なようです。
参考文献:Alpine Mastiffs Reanimating a Distressed Traveler|オーストラリア国立美術館
セントバーナードの樽はどこで売っているの?
セントバーナードが樽をぶら下げている姿が愛らしいという事で、昨今では自宅で飼っているペットのセントバーナードに樽を下げている姿も見受けられるようになりました。
ただ、なかなか市販されている樽を見つけるのは難しいかもしれません。日本で販売しているお店は殆ど無く、実店舗から購入したい場合は海外で入手する事はできるようです。
セントバーナードの樽が欲しいと思ったら、ネットショッピングを利用すると良いでしょう。豊富に探せるほどの販売はされていませんが、1万円から2万円ほどで購入することが可能です。気分だけ味わいたいなら、犬の飲水を入れることができるこちらの商品がおすすめです。ぜひ興味のある方はチェックしてください。
まとめ
セントバーナードはトレードマークの樽を下げて山岳救助犬として大活躍していた過去を持つ、優秀な犬種です。現在は非常に温和で辛抱強い性格から、セラピードッグとして重宝されています。魅力的なセントバーナードについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事も参考にしてください。