北海道犬（アイヌ犬）の性格と特徴、子犬の値段や寿命、柴犬との違いまで

北海道犬の性格

北海道犬は、警戒心が強く、飼い主に従順な性格です。猟犬のイメージから気性が荒く凶暴な印象があるかもしれませんが、愛情深く、北海道の寒さに対する忍耐強さや、ヒグマの脅威にもひるまない勇敢で大胆な面も持ち合わせています。

北海道犬の特徴

大きさ

体重には個体差がありますが、体高はメスの方がオスに比べて小柄です。北海道犬のサイズは中型犬に分類されることから、家庭犬としても人気が高まっています。

被毛

北海道犬の被毛は厚いダブルコートです。毛色は白、黒、赤の他に、黒褐色、狼灰、胡麻、虎毛など 種類があります。ソフトバンクのお父さん犬として有名になったカイくん（現在のお父さん犬はカイくんの子供の海斗くん）は、白色の北海道犬です。

体の特徴

北海道犬は三角形の小さな立ち耳と目尻が下がった目を持ち、尻尾は巻き尾または差し尾です。厳しい寒さの中で育ってきた体は、胸板が厚く筋肉質でがっちりとしています。舌斑と呼ばれる黒いあざのような模様があることが最大の特徴です。

北海道犬の子犬の値段

北海道犬の子犬の相場価格は、13万～18万円程度です。販売されている場所や毛色などによって値段が異なり、血統書つきの場合は値段が高くなる傾向があるようです。ペットショップでは見かけないため、販売しているところを事前に調べておくとよいでしょう。

北海道犬をブリーダーから迎えるには

北海道犬はブリーダーから迎える人が多いようです。北海道犬を買いたいと考えている方は犬舎を見学するなどして飼育環境や健康状態を確認するとよいかもしれません。

「みんなの北海道犬ブリーダー」というペットショップを介さない直販サイトでは、犬舎への直接見学やブリーダーの出張が可能かどうかも紹介されています。また、「北海道犬子犬ネットワーク」にも、北海道犬の子犬の情報や子犬を繁殖している協賛犬舎の紹介がされています。

みんなの北海道犬ブリーダー

北海道犬の里親になるには

保護された北海道犬の里親になるには、保健所または保護団体から引き取る方法があります。年齢にこだわらず北海道犬を飼いたいという方は、「譲ります」としている保護犬の里親募集サイトを参照するとよいかもしれません。

ただし、もともと警戒心が強い犬なので、成犬のしつけには苦労するかもしれません。信頼関係を築くためには、相当な根気と忍耐力が必要です。

犬の里親募集 × 「北海道犬」｜ペットのおうち

「北海道犬」の全国の里親募集 ｜ジモティー

北海道犬の飼い方

環境

北海道犬は日本原産の日本犬であることから、日本の気候に適応しやすく、外飼いに向いていると考えられます。ただし、寒さには耐性があるのものの夏の暑さには弱いため、本州以南で飼育をする場合は室内飼いをすることも多いです。

また、警戒心が強く外飼いをすると通行人に吠えたりすることがあるため、室内で飼うことを選択している方もいるようです。北海道犬を飼う場合は、季節や周囲の環境に合わせて飼う場所を検討するとよいかもしれません。

運動

運動量が必要とされている北海道犬は、子犬の頃から30分程度の散歩を朝と夕方の2回行ってください。暑さに弱いので、夏は早朝や夜に時間を変えたり、川遊びなどに置き換えたりするとよいでしょう。

餌

元来粗食で生き抜いてきた北海道犬の餌には、筋肉質な体形を維持するために高タンパクで低脂肪の餌を選んであげることが大切です。穀物は様々なアレルギーの原因になる場合もあるので、アレルギー性皮膚炎を防ぐためにもグレインフリーのものを選ぶのも良いでしょう。しかし、穀物だけがアレルギーの原因ではありませんので、耳や口の周りをかゆがる仕草がみられるようなら早めに受診しましょう。

お手入れ

北海道犬はトリミングが必要ない犬種とされていますが、抜け毛は多いので2日に1回はブラッシングをしてあげてください。特に換毛期は多くの毛が抜けるので、抜け毛が皮膚にとどまらないようにこまめなブラッシングが必要です。

北海道犬のしつけ

北海道犬は知らない人に対して攻撃的になってしまうこともあるため、人を噛むことのないようにしっかりとしたしつけが必要です。

子犬のうちから様々な人とふれあい徐々に刺激に慣らしつつ、呼び戻しや待てなどのしつけを通してコミュニケーションを重ねていきます。信頼関係をしっかり築くことができれば非常に従順な犬なので、根気強く関わっていくことが大切です。

北海道犬の寿命

北海道犬の平均寿命は13～15歳程度です。基本的に丈夫な犬ですが高い年齢になると老化による病気も出てくるので、日頃のスキンシップを通して体調の変化を見逃すことのないように心がけましょう。

北海道犬がかかりやすい病気

皮膚疾患

北海道犬は、本州以南などの高温多湿な地域で飼育すると皮膚疾患になりやすい傾向があります。ブラッシングでこまめに熱を逃がしたり抜け毛を払ったりして、皮膚トラブルを予防してあげましょう。

白内障

犬の中でも北海道犬は白内障になりやすい犬種です。白内障は外側の角膜が白く濁る場合と内側が白く濁る場合とがあります。手術以外で回復することはできないので、北海道犬の目が白く濁っていると感じたら早めに動物病院で治療しましょう。

心臓病、関節炎

頑健な北海道犬も、中高齢になると心臓病や関節炎にかかりやすくなります。年齢のせいばかりでないこともあるので、定期的な健診を受けるとともに、元気がない様子や異常が見られたらすぐに動物病院を受診しましょう。

北海道犬の歴史

北海道犬は東北地方から北海道に渡った、熊や鹿を狩猟するためのマタギ犬がルーツと考えられています。

北海道の先住民であるアイヌの人々に飼われ、彼らは「セタ」と呼んでいたそうです。もともとは「アイヌ犬」と呼ばれていましたが、1973年に国の天然記念物に指定されたときに現在の「北海道犬」という名前になりました。

北海道犬には千歳系統、メリオ系統、阿寒系統、日高系統(平取系統)、渡島系統、厚真系統等があります。しかし現在では大半が滅亡し、残っている系統はほぼ千歳系統だけで、メリオ系統の血液を強く持っている犬が若干残っていると言われています。

北海道犬とその他の日本犬の違い

北海道犬と柴犬の違い

北海道犬と柴犬は耳や尻尾、毛色等の外見がとても似ていて、見分けるのが難しいです。一番の違いは大きさで、北海道犬は中型犬、柴犬は小型犬に分類されています。また、北海道犬には舌斑があるところが見分けるポイントになります。

北海道犬と紀州犬の違い

北海道犬と紀州犬はどちらも中型犬ですが、北海道犬の方が顔が丸く、耳が短い傾向があります。紀州犬は白色の個体が大半で、白以外の被毛を持つ犬は有色紀州犬と呼ばれ、紀州犬全体の5%程しかいません。尻尾も狼のような差し尾であることが多いです。

北海道犬と秋田犬の違い

秋田犬との違いは大きさで、北海道犬は中型犬ですが、秋田犬は大型犬に分類されます。「忠犬ハチ公」で有名な秋田犬は、くるりと巻かれたフサフサの巻き尾が特徴です。

まとめ

北海道犬は猟犬として活躍するたくましい一面を持った、飼い主に対して愛情深い犬種です。家族として迎えるときは、十分な運動とコミュニケーションをとり、こまめな被毛のお手入れをしてあげてください。暑さに弱いため、夏場は涼しげな北海道犬と遊べる場所を探すのもよいですね。

また北海道では、「展覧会」と呼ばれる北海道犬のドッグショーと檻に入れた熊に犬をけしかけ、猟犬としての能力を競う獣猟競技会が行われることが多いです。展覧会には北海道犬の保存会や協会の本部が主催するものの他にも、恵庭支部などの各支部が主催するものもあるようなので、一度参観してみると良いかもしれません。

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