犬が飼い主にくっついてくる理由
飼い主さんがくつろいでいる時、愛犬がそっと隣にきてくっついてくるということは、犬を飼っている人ならば一度は経験したことがあるのではないでしょうか。犬が飼い主にくっついてくる時、一体どのような心理状態なのか気になるところです。
それでは早速、犬がくっついてくる理由を見ていきましょう。
ご飯を食べた後にくっついてくる場合
- 「ご飯を食べたよ!」という報告。
- 「美味しかったです、ごちそうさまでした。ご飯をくれてありがとう。」という感謝の気持ち。
- 飼い主を最も重要な存在として認めている。
犬がご飯を食べ終えた後に、飼い主の下へすり寄ってくる時、「ご飯を食べたよ」と教えてくれているのかな?と、思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
もちろん、ご飯を食べましたという意味を込めてくっついてきていることもありますが、それ以外にも「美味しかったです。ごちそうさま」「ご飯をくれてありがとう」という感謝の気持ちを行動で表しているのです。
犬にとって食事というのは、非常に重要な行為です。そんな食事の後にする行動は、その犬の中で特に重要な行為・存在であるとされています。
つまり、食後にすぐ飼い主さんの下へやって来た場合には、愛犬は飼い主さんのことを「最も重要な存在として認めている」ということなのです。
寝る時にくっついてくる場合
- 安心するという気持ち。
- 飼い主のことをリーダーと認めている、頼りにしている。
犬が寝る時に、自分のベッドではなく、飼い主さんの下へわざわざやって来て、くっついて寝ようとするのであれば、飼い主さんに安心感を抱いている証拠です。飼い主さんの隣にいるだけで安心できると感じているため、ゆっくり寝られると思っているのです。
また「飼い主さんがリーダーである」「頼りがいのある人」として認めているため、何か危険が迫っても大丈夫という信頼感もあるのです。
犬が寝る時にくっついてくる場合は、優しく撫でてあげましょう。喜んで、より安心して眠れるようになるでしょう。
お尻をくっつけてくる場合
- 飼い主のことを信頼している。
- 「後ろを見張っててね」という背中を預けている気持ち。
くっつけてくる部位が身体の中でもお尻である場合は、あなたのことを信頼しきっている証です。
お尻を相手にくっつけるということは、その相手に背中を向けることを意味します。動物界では背中を向けると襲われる可能性が各段に上がるため、信頼している仲間以外には決してお尻をくっつけることはないのです。
また、仲間同士ではお尻をくっつけ合い、「僕はこっちを見張っているから、君は向こうを見張っていてね」という意味もあります。
つまり、飼い主に対してお尻をくっつけてくるということは、「あなたと一緒にいると安心です。あなたのことを信頼しているので、何かあった時は守って欲しい」という意味を持っているのです。
前足を乗せてくっついてくる場合
- 「かまって!こっち見て!」というアピール。
犬が飼い主さんの足に前足を乗せるように、くっついてくることはありませんか?これは飼い主さんにかまって欲しいとアピールしているのです。
また、独占欲が強い犬であれば、飼い主さんが他の物(テレビなど)に注目している時に、その視線を独り占めしたくて「僕の方を見て」という意味を込めて、飼い主さんに前足を乗せるようにくっついているということもあります。
撫でてあげるなど軽くかまってあげるのは良いですが、毎回この要求に応えてしまうのは止めましょう。「飼い主さんは僕の要求をなんでも応えてくれる」と勘違いしてしまい、自分が1番上であると思い込んでしまう恐れがあります。
もしも、犬が前足を乗せてくっついてきた段階で飼い主さん自身が忙しかったり、他に何かしている作業があるのであれば、無理に中断してかまうことはありません。その時はそっと静かに手で制し、後でかまってあげるようにしましょう。
飼い主が移動するとくっついてくる場合
- 「どこに行くの?」と、飼い主の行き先を探っている。
- 飼い主のことをリーダーとして見ている。
飼い主さんが移動をすると、犬も足もとに寄ってきてくっついて、一緒に歩くという光景は珍しくありません。この時は「どこへ行くの?」と、飼い主さんの目的場所を探っているのです。
また犬は、飼い主のことを注意深く観察しているため、生活パターンを覚えていることが多いです。そのため「この動作をしたからもしかしたら外出するのかも」と勘付き、「どこかいっちゃうの?」という寂しい気持ちを表していることもあります。
後にお話ししますが、あまりにもくっついて歩き回るようであれば「分離不安症」の可能性も考えられます。その時は、なるべく早く対処し、愛犬のストレスを軽減させてあげることが大切です。
妊娠中の飼い主にくっついてくる
- 飼い主の変化を感じ取っている。
- 戸惑いや不安を感じている。
犬には、人間の妊娠を察知できる能力があるといわれています。女性が妊娠すると、体内の物質に変化が起こり、独特の匂いを発します。嗅覚の鋭い犬は、この匂いを察知して、女性の妊娠に気づくのです。
また、妊娠することで、女性の動きや体型にも変化が起こります。動きがゆっくりになったり、歩く姿勢が変わったり、お腹が膨らんできたりなど、そういった変化も犬は敏感に感じ取るようです。
そんな飼い主の変化により、戸惑いや不安などから、妊娠中の飼い主に犬がくっついてくるということがあります。
もちろん、犬にも個体差があり、察知できない犬もいるため、愛犬に何も変化がなくても心配しないでくださいね。
犬がくっついてくる行動は病気の可能性もある
犬が飼い主にくっついてくる時、好きという気持ちや信頼の他に、体調不良や「分離不安症」という病気の可能性もあります。
普段から愛犬の様子をよく観察し、異常がないか見極めることが大切です。そして、少しでも気になることがあれば、獣医師さんに診てもらうようにしましょう。
分離不安症になっている
犬があまりにもくっついてくる頻度が高かったり、どこへ移動するにも足もとから離れないというのであれば「分離不安症」となっている可能性も考えられます。
分離不安症というのは、飼い主の姿が見えないという状況に対して、大きな不安を感じ、それがストレスの要因となり問題行動を起こしてしまう症状です。
分離不安症になってしまった犬が起こす問題行動の代表的な例として、飼い主の姿が見えなくなると吠え続けたり、物を破壊してしまったり、ゴミ箱の中身を荒らすという行動が挙げられます。
もしも外出時にこれらの行動をしているようであれば、愛犬が分離不安症になっている可能性が高いので、今日から対処する必要があります。
あまりにも酷いようであれば病院で精神安定剤を貰うこともできますので、相談するのも良いでしょう。
体調不良からのSOSサイン
犬が体調不良の時も、飼い主にくっついてくる場合があります。これは、不安や心細さ、助けて欲しいという気持ちから飼い主を頼ってきています。
もし、犬が急にくっついてきた時に、次のような様子だったり、いつもと違和感を感じたら、動物病院を受診するようにしましょう。
- 目に元気がない
- 体温がいつもと違う(高い、低い)感じがする
- 呼吸が乱れている など
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬は飼い主と一緒にいることに安心を感じる事が多いです。そのため、くっついて来る時は安心感を求めている時や、愛情を表現している時でもあります。
ぜひこれらのサインを覚え、愛犬が何を思っているのか感じ取ってあげましょう。