犬が飼い主の足を舐める時の理由は?
犬に突然、足を舐められることでビックリされる飼い主さんは多いです。注意しても、なかなか止めてくれず困ってしまうケースもあるようです。どうして犬は飼い主の足をペロペロと舐めてしまうのか?考えられる理由を解説していきます。
遊んでほしい
犬が飼い主さんの足を舐める理由として、遊んで欲しいという気持ちの表れであることが挙げられます。特に足は犬にとって手や顔よりも舐めやすい位置にあります。顔や手だと飼い主さんが立っているとき身長差で届きにくいですが、足であれば遊びたいと思ったとき簡単に舐められます。
また過去に足を舐められた飼い主さんが大きなリアクションをとったことがあると足を舐めることでこっちに反応してもらえると覚えてしまった可能性もあります。
足のニオイを確認している
嗅覚が優れた犬にとってニオイは非常に重要な情報源です。人間の足からは汗や皮脂などの分泌物が多く発生します。そうした分泌物のニオイに反応し、より詳しく分析するために犬は飼い主さんの足を舐めることがあります。もしかすると味も美味しいのかもしれませんね。
犬が足を舐める心因的な理由
- 不安
- さみしい
- 構って欲しい
- 暇
- 遊び足りない
- 運動をもっとしたい
犬が足を舐める行動をとる理由には、不安やストレスなどの心因的理由が考えられます。
一人ぼっちの不安から
犬が飼い主さんにあまりにも依存している場合、短い時間でも飼い主さんと離れる時間があるだけで、不安になり足を舐める行動をとったりします。
「さみしい」という孤独感や不安感です。飼い主が大好きで甘えん坊な犬だったり、留守番が嫌いな犬である場合は、飼い主と離れてしまうことがどうしようもなく不安な要素となってしまいます。
そのさみしい、悲しい、不安という気持ちを抑えるために犬は手足を舐める行動に出てしまうのです。
「分離不安症」になっている可能性もあるため、舐めている部分が脱毛するなど、あまりに酷い症状になっている場合は、動物病院で獣医さんに相談してください。
運動不足によるストレスから
運動不足による欲求不満の場合も、エネルギーが有り余りストレスがたまって、自分の足を舐める行動をとります。
これは、飼い主さんとのコミュニケーションが極端に不足していたり、一日に必要な運動量に足りていないという状況です。
犬は遊ぶことが大好きです。その欲求を満たしてあげていないと、足を舐めてしまう行動に繋がってしまうこともあるのです。
気持ちを落ち着かせたい
大きな音が気になる、怒られて動揺したなどといった時に、気持ちを落ち着かせるために、犬は自分の足を舐めることがあります。
手足をあまりにも長時間舐めてしまうと、脱毛の原因となってしまいます。そして何よりも、ストレスを感じ続けることが、体に良いことではありません。愛犬との生活を振り返り、思い当たることがないか探してみましょう。
犬が足を舐めたり噛んだりする原因となる怪我や病気
犬が足を舐める理由には、精神的な要因の他に、病気やケガも考えられます。
アレルギーや皮膚炎の可能性
アレルギー症状により、手足に痒みを感じて足を舐め続けることがあります。
酷いときは、噛んで毛をむしってはげてしまうこともあります。また、足の裏の肉球をしきりに舐めている場合は、指間炎になっている可能性があります。
指間炎は、肉球の指と指の間の部分が赤くなってしまう病気で、悪化すると炎症を起こしてしまうこともあります。
犬が舐めている箇所をよく見て、赤く炎症になっていないか、血が出ていないか、毛が抜けていないか、手足だけでなく肉球もしっかり確認してみましょう。
アレルギーの場合、原因となるアレルゲンはたくさん存在していますので、疑わしい場合は獣医師に早めの相談をするようにしましょう。
ケガで痛がっている可能性
犬が手足を舐めるのは、その場所に痛みを感じている、つまり何らかの怪我をしているサインである可能性もあります。
切り傷や擦り傷はもちろん、肉球に何か刺さったとき、火傷したとき、骨折をしたときなどで舐める症状が見られます。
出血が見られたり、明らかに腫れていたりすればすぐに異常に気づけるはずですが、中には注意深く観察をして初めて判明する症状もあります。
関節炎なども舐める症状が見られますので、一定箇所を舐め続けるようならば、その箇所が腫れていないか、何か傷はないかをしっかりと確認をしてみましょう。
椎間板ヘルニアや頚椎損傷の可能性
椎間板ヘルニアの回復期にも足を舐めるといわれています。椎間板ヘルニアになると後ろ足がしびれるため、後ろ足を舐めることが多いでしょう。頚椎を損傷すると、しびれがおこります。犬は、そのしびれによる違和感から、しびれている足を舐めたりします。
頚椎損傷も椎間板ヘルニアも、いずれも症状が治まらないことにはしびれが回復しませんので、その間ずっと舐め続けてしまう可能性があります。
犬の意識を足から逸らすように、おもちゃを用意するなどで、できるだけ別のことに夢中になれるようにしてあげましょう。
女性 40代
そして、お留守番のストレスかと思っていっぱい遊んだのですが、翌日の散歩でビッコを引いたのですぐ病院に直行。
診断の結果、ヘルニアからのしびれでした。
今は痛み止めと抗生物質の注射打ってもらい、毎日薬服用中です。
腫瘍の可能性
もっとも怖いのが、腫瘍を気にして舐めている場合です。最初は小さい腫瘍でも、舐めているうちにどんどん大きくなってしまうこともあります。
一般的に大きくなるスピードが速い場合は、悪性の可能性が高いといわれています。腫瘍は茶色に変色をしている場合もありますし、何も異常が見られない場合もあります。
見た目は大丈夫そうでも、犬があまりにもその箇所を気にするようであれば、一度獣医師に相談をしてみましょう。
犬が足を舐めるのをやめさせる方法
犬を観察する
まずは、犬をよく観察するようにしましょう。どういう時に舐め始めてしまうのかを観察して、探ることが改善の第一歩です。 気がついたら舐めているという場合でも、よくよく観察をしてみると手足を舐めるタイミングがわかるはずです。
そのタイミングや、手足を舐める理由を突き止めることで、解決策につながっていきますので、犬のサインを見つけるようにしましょう。
暇な時間を作らない
よく見かけるのが、サークル内で足を舐めている光景です。これは暇になったり、飼い主さんに構ってもらえず寂しくて自分の足を舐めているのかもしれません。
『暇。つまらない。』という欲求不満のストレスにより、行動してしまっている可能性もあります。これを改善するには、長く遊んでいられる楽しいおもちゃをサークルに入れてあげると気が紛れます。
例えば、フードやおやつが入れられるおもちゃです。これは夢中になって遊んでくれますし、好きなだけ噛んだり舐めたりできるのでストレス解消に繋がります。
コミュニケーションを取る
適切なコミュニケーションを図ることで、改善される場合もあります。一日のうちに30分でも時間を作って、犬と遊んだりスキンシップを図ってみましょう。それでも改善されない場合は、心の病気になっていることもあります。
女性 40代
なので、足を舐めようとすると私が止めて、違う場所を撫で回したり遊んだりして、忘れるように仕向けます。
赤み無くなった今も、ハゲはまだ残ってますが落ち着いたようです。
ただ最近、チラチラ私を見ながらナメナメしていたりするので、かまってちゃん病なのでしょうね。可愛くてかまっちゃいますが(笑)
靴や靴下をはかせてみる
犬が足を舐めないように、靴や靴下をはかせるという方法もあります。特に、足の裏に炎症がある場合は、靴や靴下をはかせることで、散歩で傷口にバイ菌が入るのを防ぐ効果も期待できます。
アレルギーが原因の場合
犬がアレルギー性皮膚炎で自分の足に痒みを感じて舐めている場合、原因であるアレルゲン物質を特定と症状の治療が必要となります。動物病院に受診する際は、痒がるタイミング、最近変わったことなども併せて伝えましょう。もしかすると室内の埃やダニの死骸、散歩コースに生えている杉やヒノキの花粉などが原因かもしれません。
アレルギー性皮膚炎を放置すると足付近の脱毛や痒みを噛むことで解消させようとし細菌感染に繋がる恐れもあります。
皮膚炎が原因の場合
犬が足先を舐める原因となる病気として、皮膚炎も挙げられます。足先に発生する皮膚炎としては暖かくなる春から空気が湿る梅雨の時期に起こりやすい急性湿性皮膚炎や犬のストレスから引き起こされる舐性皮膚炎があります。
いずれの皮膚炎においても、放置すると犬が痒みや痛みで炎症部分を刺激してしまい状態が悪化するかもしれません。犬の足先に赤みや腫れ、炎症が見受けられたら早いタイミングで動物病院を受診しましょう。
獣医師に相談をする
改善策をとってみたが、なかなか治らないということを獣医師に伝えましょう。心の問題があると判断した場合は、気持ちを落ち着けるサプリメントや内服薬が処方される場合もあります。
しかしいきなりこのような薬が処方されることは少なく、まず、病気がないかを確認したり、生活環境を変え、コミュニケーションをもっととるように助言されることが多いです。
それでも改善がない場合には、サプリメントや内服薬が処方されます。その場合は、自己判断をせず、獣医師の指示に従ってしっかりと処方された薬を飲ませてあげましょう。焦らずに温かい気持ちで愛犬に寄り添ってあげてください。
犬が足を舐める意味について行動別にご紹介
寝る前に自分の前足を舐める
寝る前だけ手足を舐めるという場合は、肉球にある汗腺から出る自分の匂いを嗅いだり舐めたりすることで、自分の気持ちを落ち着かせています。
いわゆるリラックスしようとしている状態です。入眠儀式にも似ているかもしれませんね。寝る前以外にも頻繁に手足を舐めているならば、気になるところですが、寝る前以外は特に舐めていないのであれば、あまり心配をする必要はないでしょう。
布団に入って寝る準備をしていると犬が前足を舐め出した、というときは「飼い主と一緒に僕も寝よう!」なんて考えているのかもしれません。
女性 40代
そして、獣医さんから「ワンちゃんはリラックスしてる時も足を舐めるんですよ!」と教えてもらいました。
なので、足を舐めるとは悪い事ばかりじゃないと思いますよ!
手(前足)や足をずっと舐める
手や足をずっと舐め続ける場合は、前述でも紹介したように病気やストレスが関係している可能性が高いです。
病気、怪我などはもちろん、アレルギーによって皮膚に疾患を抱えている場合や、感染症に悩まされている場合もありますし、何らかの炎症によって痛みを感じているのかもしれません。
何もなくて手足を舐めることもありますが、ずっと舐め続けるというのは何らかの異常がある場合も多いですから、ぜひ気をつけてあげるようにしましょう。
足を舐めたり噛む場合
足を舐めるだけならばまだ良いですが、あまりにも痛みやかゆみを感じている場合は「噛む」という行動に出ることもあります。人間でもあまりにも痒いと、思わずツネった痛みでかゆみを誤魔化そうとしてしまうこともありますよね。
それと同じで、足を舐めるだけでは症状が引かないからと、思わず噛み付いてしまうことがあります。この場合も、放置をせずに早めに獣医師に相談をしましょう。
まとめ
犬が足を舐ることには、様々な理由があります。それは、分離不安や欲求不満によるストレスの場合や病気やケガが原因だったりします。改善するためには、まずは犬の観察をよくすることです。
犬の観察をすることにより、何が原因でこのような行動をしているのかが分かり、その対処法が見つかります。
分離不安や欲求不満な場合は、運動や、長く遊べてストレスを解消できるおもちゃを与えてみたり、適切な距離で犬とのコミュニケーションをとることで改善される場合があります。
しかし、それでも改善されない場合は心の病気による場合があるため、獣医師に相談し適切な治療を受けましょう。
また、病気やケガが原因の場合も自己判断せず、獣医師に診察してもらいましょう。適切な治療を受けることで症状が改善され、足を舐めること徐々にもなくなります。
犬が足を舐め続ける行動は不自然な行動です。しかし、それにはかならず原因があります。舐めている足をよく見てあげて、悪化する前に受診しましょう。その判断が、愛犬の健康を守ることにつながるのです。