犬は大豆を食べても大丈夫!だけど注意が必要
犬が大豆を食べても大丈夫ですが、与えるときには注意が必要です。
犬にとっても栄養豊富な大豆ですが、生の大豆には人にも犬にも有害な成分が含まれていたり、大豆にアレルギーを起こす犬もいるため、それらに気をつけながら、愛犬の状態に合わせて判断していきましょう。
まずは、犬に大豆を与える際の注意点についてご紹介します。
犬に大豆を与える際の注意点
犬に生の大豆を食べさせてはダメ
生の大豆には「レクチン」という物質が含まれ、この物質には毒性があるとされています。
これを大量に摂取すると、下痢・嘔吐・消化不良などを起こす恐れがあります。
レクチンはたんぱく質なので、十分な加熱によって毒性がなくなります。
ですので、製造過程ですでに加熱をされている豆腐や納豆、おから、豆乳などは犬に与えても大丈夫ということになります。
大豆アレルギーに注意
大豆を摂取することで、アレルギーを起こす犬がいるようです。また、食物アレルギーの犬が増えているとも言われているようです。
実はドッグフードでも、多くのドライフードに栄養成分の調整やかさまし効果をもたらすために、大豆の搾りかすや、おからが含まれていることがよくあるようです。
それを知らずにいると、アレルギー症状が見られた時に大豆に対するアレルギーを疑えないかもしれません。
食物アレルギーを発症した場合、以下のような症状が見られますので、何らかの異常を感じたら動物病院を受診するようにしましょう。
- 嘔吐
- 下痢、軟便、排便回数が多い
- 湿疹
- 顔やわきの下などの痒みや皮膚の赤み、脱毛など
女性 30代
我が家は、アレルギー検査をして「大豆アレルギー持ち」がわかり、以降、頻繁に与えていた大豆製品を一切カットしました。
半年後には、見違えるほど皮膚の状態がよくなった経緯があります。
消化不良に注意
生の大豆ではなくても、大豆の形がそのまま残っている状態の場合、消化ができずに消化不良を引き起こす可能性もあります。
消化不良によって吐く、下痢をするといった症状が見られたら、大豆が大きすぎなかったか、加熱が十分だったかを確認しましょう。
できれば豆腐など、加工したものを与える方が消化が良いと思われますが、大豆をそのまま与えるときは必ず柔らかく煮るように心がけましょう。
節分の豆まきの豆は消化に悪いので注意
日本の風習である節分の豆まきは、犬が誤食をする事故が起きやすく危険です。
節分の豆まきに使用する豆は生の大豆ではないため、有害ということはありませんが、とても消化に悪いため注意が必要です。
もちろん、大豆アレルギーを持つ犬が豆まきの豆をうっかり食べてしまわないようにも注意してください。
一度に多量に摂取してしまった場合には消化がうまく進まずに胃に停滞して、なんらかの不調を起こすこともありますので、いつもと変わった様子が見られたら動物病院に相談しましょう。
部屋中に散らばった大豆を綺麗に片付けようと思っても、家具の隙間に入り込んだ大豆を見逃していて、それを愛犬が食べてしまった!または、投げられた豆を急いで食べようとして、豆が気管に入ってしまった!なんてこともあるかもしれませんので、しっかりと注意をしてくださいね。
犬が大豆を食べることで期待される健康効果
大豆が含む栄養素でまず挙げられるのはたんぱく質です。大豆のたんぱく質には多くの種類のアミノ酸が含まれていて、大豆はとてもバランスの良い植物性たんぱく質を摂取できる食材です。
大豆には食物繊維とオリゴ糖も含まれ、腸内環境をビフィズス菌などの善玉菌が増えすい環境にしてくれる働きも期待できます。
また、ビタミンB1やB6、ビタミンEやマグネシウム、カルシウムまで様々な栄養素が含まれた優秀な食材と言えます。
そして「イソフラボン」は、女性ホルモンと構造が似ていて、女性における乳がんや卵巣がんなどの予防効果があるかもしれないと期待されています。
「サポニン」は抗酸化作用を持ち、コレステロールを減らして動脈硬化予防やがん予防の効果があるのではないかとも期待されています。
また、「レシチン」は肝臓や脳の保護作用が期待されています。
しかし、イソフラボンやサポニン、レシチンのこのような作用は人において言われていることであり、犬での効果や安全性は分かっておらず、犬に多く与えることが推奨されているわけではありません。
参考文献:日本食品標準成分表 豆類/だいず[全粒・全粒製品]|文部科学省
参考文献:HDLコレステロール | e-ヘルスネット(厚生労働省)
犬に大豆を与えてもよい1日あたりの量
- 一日に必要なカロリー量の10~20%以内
- だいず(国産、黄大豆、ゆで):163kcal
一般的に、犬に主食以外の食べ物を与える際の目安量は「一日に必要なカロリー量の20%以内」といわれています。
必要なカロリー量は個体差がありますので、下記の記事も合わせてご参考ください。
主食のドッグフードのトッピングとして大豆を与える場合、既にドッグフードに大豆が原材料として入っている場合もあります。
その場合、そこにさらに大豆をトッピングすることは、大豆の与えすぎによる栄養バランスの崩れが起こる可能性があります。
普段のドッグフードの原材料も確認しながら、与える量には十分に注意するようにしてください。
犬への大豆の与え方
- 茹でて柔らかくする
- ペースト状にしたり、細かく刻む
まず、注意点の項目でお伝えした通り、大豆を生のまま犬に与えないでください。必ず茹でるなど、火を通したものを食べさせるようにしましょう。
また、豆粒のままだと、消化不良を起こす可能性があるため、ペースト状にしたり、細かく刻んだものを与えるようにしてください。
犬に大豆の加工品を与えても大丈夫?
豆腐
柔らかく食べやすい「豆腐」は、喉に詰まる心配もありませんので、老犬にとっても嬉しい食材です。
しかし、冷たいままで与えるとお腹を冷やして、下痢をしてしまう犬もいますので注意しましょう。愛犬に与える際は、常温にして与えると良いでしょう。
また、絹よりも木綿の方がタンパク質とカルシウムが多いとされています。犬の皮膚や骨、筋肉、体全体を作るため、またエネルギー源としてもたんぱく質は必要です。ただし、どんな食材や栄養素も摂り過ぎてもよくありませんので、与える量は目安を守りほどほどに。
枝豆
あまり知られていませんが、枝豆は大豆の未成熟な状態で収穫したものを言います。つまり大豆の子供が枝豆なのです。そんな枝豆ももちろん、犬にとって与えても良い食材と言えます。
ただし、塩分の摂り過ぎを防ぐために塩茹でした枝豆を犬に与えるのは避けましょう。
枝豆を与えるときは、塩を入れずに茹でたものを鞘から出して、食べやすいようにしてから与えるのがおすすめです。
もともと、加工されている枝豆豆腐などもありますので、こちらの方がお手軽かもしれませんね。ただし、枝豆豆腐の中には味付けがされているものもありますので注意をしましょう。
大豆の水煮
大豆の水煮は火が通っているため食べやすいと思われがちですが、中にはまだかたい場合もあるようです。
水煮を与えるときは十分に柔らかくなっているのかを確認してあげるように心がけ、消化不良を防ぎましょう。
煎り大豆
煎り大豆とは、節分のときによく使われるあの固い大豆のことです。
煎り大豆は火が通っているからいいのでは?と思うかもしれませんが、残念ながら煎り大豆は犬にとって消化不良の原因となる可能性があります。
また、お腹が張ってガスがたくさんでてしまったり、ひどい場合は下痢になってしまったりすることもあるようですす。
大切な愛犬だからこそ、節分のときなどは誤食にしっかり気をつけるようにしてくださいね。
納豆
みなさん御存じの健康食材「納豆」。この納豆は犬のサプリメントとして活用されるほど、多くの専門家が推奨する食材です。
納豆を犬に与える時は、なるべく小粒サイズを選ぶか、細かく砕いてから与えるようにして消化を助けてあげましょう。
乾燥した納豆がペットショップに販売されているので、それを活用すると口のべたつきなども防ぐことができたり、常温保温もできるためおすすめです。
女性 40代
ドットわんから販売されている「フリーズドライ納豆」は、ちょこちょこフードに混ぜたりオヤツとしてあげています。
フリーズドライの納豆は他メーカーからでも販売されていますし、フリーズドライの豆腐のオヤツも低カロリーで持ち運びもしやすいのでオススメです。
豆乳
犬に豆乳を飲ませても問題はありません。牛乳の代わりに使っても良いでしょうし、料理にも使える大変優秀な食材です。
ただし、調製豆乳には塩分や砂糖などが添加されているため、できれば無調整のものを選ぶようにしてください。
きな粉
大豆を細かくしているきな粉は、大豆製品の中でも、その栄養素を効率よく吸収できるオススメの食材です。
ただし、砂糖が加えられているきな粉はカロリーの過剰摂取による肥満につながる可能性があります。
また、きな粉を与えるときも量を加減して与えないと、栄養バランスが崩れる恐れもありますので、十分に気をつけるようにしてください。また、粉末をドライフードにかけただけなどの状態では、犬が食べる時にむせてきな粉が気管に入ってしまうかもしれません。ウェットフードに混ぜたり、水分も足してあげたりして食べやすくしてあげましょう。
犬に大豆以外の豆類を与えても大丈夫?
黒豆、グリンピース、ピーナッツ、ひよこ豆、えんどう豆など、世の中には大豆以外の豆類もたくさん存在しています。
豆類は基本的に生でなければ、問題はないでしょう。ただし、大豆と同じく量にはしっかりと注意をしてください。
また、アレルギーを持つ犬がいる可能性もあります。犬でのピーナッツやアーモンドに対するアレルギーについてきちんとした報告は今のところありませんが、犬にも食物アレルギーはあります。
与える時は、十分に気をつけるように心がけて、愛犬の健康を守ってあげるようにしましょうね。
大豆を使った犬用手作り食おすすめレシピ
枝豆と豆腐の和牛ハンバーグ
わんちゃんの大好きなハンバーグと大豆が一緒に入った健康的、かつ、わんちゃん大満足の一品。
別で味付けをすれば人間用のご飯にもできそうですね。枝豆が入ることで彩りも鮮やか!愛犬の特別なディナーとしていかがでしょうか?
ワンちゃん大喜びの納豆チャーハン
納豆が好きなワンちゃんは意外と多いとのことです。納豆に含まれる栄養素は、犬の健康維持にも大変活躍してくれそうです。
忙しい日でも、さっと作れるチャーハンで愛犬の健康を維持してあげましょう。
まとめ
「大豆」はアレルギーがなければ、人間にとっても犬にとってもタンパク質やアミノ酸、ビタミンB群や食物繊維がたっぷり含まれた栄養価の高い食材です。
加熱・発酵された加工食品で大量摂取せずに少量を正しく摂取することで、免疫力や新陳代謝の向上、皮膚や被毛の健康維持に役立つかもしれません。
生の大豆は与えない、量はしっかりと守るということに気をつけながら、大豆を愛犬の食生活に取り入れることができるかもしれませんね。