犬は栗を食べても大丈夫!与え方や注意点について解説

犬は栗を食べても大丈夫!与え方や注意点について解説

犬は栗を食べても問題ないのでしょうか?秋の味覚として有名な栗ですが、犬にも食べさせてあげたいと考えている方も多いでしょう。結論を言いますと犬は栗を食べてもOKですが注意が必要です。正しい与え方、注意点などを詳しく解説します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬は栗を食べても大丈夫

木に実っている栗

「栗」には、犬にとって毒になるような物質が入っていないので食べさせても問題ありません。一度に大量に与えてしまうのはよくありませんが、おやつやご褒美として与えても大丈夫です。

ただし、体質に合わない犬もいるかもしれませんので、初めて与える時は小量ずつから始めるようにしましょう。

栗の栄養素と健康効果

ゆで栗の栄養を見てみると、水分の占める割合が58%と多く、食物繊維は100gあたり6.6gあるので、量を食べ過ぎなければ便秘解消にも繋がるかもしれません。また、100gあたりカロリーは167kcalあり、タンパク質は2.8gあります。

その他に、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルも含まれていますし、特にカリウムが豊富です。ビタミン類(ビタミンA・B1・B2・C)も含まれています。

犬に栗を与える際の量の目安

白い背景に皮付きの栗

どれくらいの量を与えて良いのか一概には言えませんが、与える量の目安としては、他のおやつやトッピングと併せて1日の主食のカロリーの10~20%程度までとしてください。

「栗15g程度=中くらいの栗1個程度」となりますが、小型犬では中くらいの栗1個で十分、また超小型犬の場合はこれでも多いかもしれませんので、予め自分の愛犬の体重とフードのカロリーから計算したり栄養学に詳しい獣医師へ確認しておくと良いかもしれません。

犬に栗を食べさせるときの与え方

落ち葉と栗の上に乗る犬

犬は栗を食べても中毒を起こすことはありませんが、与え方に注意が必要です

皮を剥いて加熱してから与えよう

栗は消化に悪いと言われていることもありますが、人でも適量を食べる分には栄養のある良い食べ物でしょう。しかし生で与えたり、渋皮付きのまま与えたりすると消化不良の原因になるかもしれませんので、皮を剥いた加熱したものを与えましょう。

また、犬は丸呑みすることも多いので、場合によっては栗が消化されず、いつまでも胃にとどまってしまったり腸に詰まってしまうケースも考えられます。腸に詰まると、腸閉塞などで最悪の場合、亡くなる危険性がありますので、必ず細かく刻んだり、裏ごししたりなど、消化しやすいよう与えてください。

味付けしないで「そのまま」がオススメ

栗を使った多くの料理が存在しますが、栗きんとんや甘露煮など砂糖を使用しているものを食べさせると、味を覚えてしまいドッグフードを口にしなくなる可能性があります。

また、人間用に味付けされたものは体の小さい犬からすると糖分やカロリーが多過ぎて、糖尿病や肥満の原因となる可能性があります。与える際は、砂糖を使用しない方法で、素材そのものの味を味わってもらいましょう。

犬に栗を与える際の注意点

ザルに乗せた栗

ここまで栗の良いところをお伝えしてきましたが、やはり、愛犬に与える際には注意が必要です。

与えすぎない

栗は食物繊維を多く含む食べ物なので、与え過ぎてしまうと便が緩くなって下痢になったり逆に便が固くなりすぎてしまうことも考えらえます。

また、与える大きさや量によっては消化不良を起こし、嘔吐したりする可能性もあります。そして、カリウムも多く含まれているため、利尿作用によりおしっこの回数が増えたり、場合によってはおもらしをしたりすることもあります。

何より栗は、炭水化物が豊富に含まれている食べ物なので、カロリーも多く大量にあげてしまうと太る原因となります。栗をたくさん食べることで、お腹がいっぱいになり、普段の食事が入らず栄養が偏ってしまうことも考えられます。どれだけ栗が好きな犬でも一日の目安量は守りましょう。

鬼皮(外側の厚く堅い皮)と渋皮(中の薄い皮)を与えるのはNG

栗を与える時は鬼皮(オニカワ)と渋皮(シブカワ)を必ず取り除きましょう。犬は皮を消化することができず、特に鬼皮は最悪の場合は腸に詰まり手術をしなければならなくなるでしょう。

また、渋皮にはタンニンが含まれています。これは脂肪を分解する膵リパーゼの働きを妨げるという研究結果があるそうです。人ではその効果がメタボリックシンドロームの予防や改善に役立つことが期待されているそうですが、犬においては研究が行われておらず、栗の渋皮のタンニンが健康に役立つかどうかは不明です。消化が悪くなることが考えられますので、面倒でも渋皮も全て取り除いてから与えるのが良いでしょう。

犬の栗アレルギーについて

栗の前で伏せている犬

人では、栗を食べることでアレルギーを起こす人がいるそうです。ラテックスアレルギーを持つ人に見られるそうです。犬では栗アレルギーの報告は今のところありませんが、犬にも食物アレルギーはあります。

特定の食べ物にアレルギーがあったり体質に合わない場合、嘔吐、下痢、湿疹、体をかゆがるなどの症状が出ることがあります。初めて栗を食べさせるときは、本当にわずかな量を与えてみて、何か変化がないかしばらく様子をみることをオススメします。

まとめ

犬にとって栗は量の目安や与え方をきちんと守れば、秋の味覚のひとつでもある栗の魅力を教えてあげることができるのではないでしょうか。この記事を参考に正しく栗を与えましょう。

栗意外にも犬に与えてもいい果物があるので、ぜひ下記の記事を読んでわんちゃんの食育に役立ててください!

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