ジャーマンピンシャーの性格や特徴/飼い方/値段/ブリーダーからの迎え方まで  

ジャーマンピンシャーの性格や特徴/飼い方/値段/ブリーダーからの迎え方まで  

ジャーマンピンシャーは、日本ではあまり見かけることのない犬種です。ドーベルマンによく似た見た目から、怖いと感じる方もいるかもしれませんが、実際は愛情深くしつけもしやすいため、家庭での飼育にも向いている犬種と言われています。今回は、性格や特徴の他に、値段から飼育方法、かかりやすい病気までジャーマンピンシャーを迎えるために必要な情報を紹介します。

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ジャーマンピンシャーの性格

横向きのジャーマンピンシャー

性格

  • 陽気で活発
  • 愛情深い
  • 従順
  • 用心深い
  • 辛抱強い

ジャーマンピンシャーは陽気で活発な性格をしており、飼い主さんや心を許した相手には、愛情深く従順な態度を示します。また、忠誠心が強くリーダーの指示をくみ取れる賢さを持っているため、しつけがしやすいです。

一方で、ジャーマンピンシャーは優秀な番犬として活躍してきた犬種のため、用心深い一面があります。知らない人に対しては、飼い主さんの接し方からどのような関係なのかを確認し、友好的な関係と判断した場合は心を許します。

また、ジャーマンピンシャーは遊ぶことが好きなだけではなく、辛抱強さも兼ね備えているため、子どもがいる家庭でも飼いやすいです。

ジャーマンピンシャーの特徴

走るジャーマンピンシャー

大きさ(体重/体高)

体の大きさ

  • 体重:14~20kg
  • 体高:45~50cm
  • 分類:中型犬

ジャーマンピンシャーは、中型犬に分類されています。ドーベルマンとよく似た見た目のジャーマンピンシャーですが、ドーベルマンよりも体が小さく、家庭でも飼いやすい大きさの犬種です。

ジャーマンピンシャーの体長と体高は、ほぼ同じくらいです。筋肉質で無駄のない体つきをしており、スムースコートの被毛の上から引き締まった筋肉のかたちが浮き出して見えます。

被毛(毛色/毛質)

毛色の種類

  • ブラック&タン
  • レッド
  • フォーン
  • ブラウン
  • ブルー

ジャーマンピンシャーの毛色は、ブラック&タンやレッド、ブラウンなどがあります。ブラック&タンは、ブラックのベースカラーにレッドやブラウンが混じった毛色です。ブラウンには、ダークレッドブラウンやレディッシュブラウン、ディアーレッドなどがあり、色の濃淡や色調によって違いがあります。

欧米の一部では、チョコレート&タンやフォーン&タン、ハーレクインなど、本来存在しない毛色のジャーマンピンシャーの繁殖を無理矢理無理に行なっている事例があります。白い毛色が混じったマールや淡い毛色のジャーマンピンシャーの場合、先天性疾患がある可能性も考えられるので注意が必要です。

また、毛質は短毛でまっすぐなスムースコートです。体に密集したように生えており、光沢があるのが特徴です。短毛のため、寒さには弱いと言われています。

体の特徴

わずかにアーチがかった長い首と小さい頭を持ち合わせた、美しい体のラインがジャーマンピンシャーの特徴です。また、足にもしっかりと筋肉がついているため、全体的に四角くバランスの良い体型をしています。

少ししわが寄った額と半分垂れている耳、先細りの垂れた尻尾がジャーマンピンシャーの本来の姿ですが、ジャーマンピンシャーが断耳断尾をしている場合は、耳はまっすぐに立ち、尻尾は短くなります。

ジャーマンピンシャーは、ネズミを駆除する役割を担ってきました。駆除を行う際に、ジャーマンピンシャーの耳がネズミに噛まれて、その傷口から感染症にかかることを防ぐために断耳されてきた歴史があります。

同じような理由から断尾も行われていましたが、現代では、動物愛護の観点から、両方ともに見合わされることが多くなってきているようです。

ジャーマンピンシャーの値段

ジャーマンピンシャーの子犬

値段の相場

30万~50万円

ジャーマンピンシャーの販売価格の相場は、30万円から50万円ほどと言われています。他の犬種の平均販売価格よりも、高めの値段で販売されていることが多いようです。

ジャーマンピンシャーは、日本では希少な犬種のため、ペットショップで見かけることはほとんどないでしょう。そのため、ジャーマンピンシャーを家族に迎えたい場合は、ブリーダーでの購入が一般的になります。

しかし、タイミングが合わないなどの理由で、国内のブリーダーとの取り引きが上手くいかないこともあるかもしれません。そのような場合、海外から直接ジャーマンピンシャーの子犬を輸入する方法がありますが、子犬の値段の他に輸送費、その他手数料がかかるため、より高い値段での取り引きになる傾向があります。

ジャーマンピンシャーをブリーダーから迎えるには

ジャーマンピンシャー正面

ジャーマンピンシャーをブリーダーから迎える場合は、信頼できるブリーダーであるかをしっかりと見極めましょう。ジャーマンピンシャーの繁殖を専門に行っているブリーダーであれば、ジャーマンピンシャーに関する知識を豊富に持っています。

親犬や兄弟を見せてもらい、同じ血統の中に病気のジャーマンピンシャーがいなかったかを必ず確認してください。その他にも、犬舎を見せてくれるか、アフターフォローをしてくれるかなどをしっかりと確かめましょう。

ジャーマンピンシャーのブリーダーでおすすめなのが、石井敦ブリーダーです。ジャーマンピンシャーに愛情を注いで、大切に繁殖を行っています。

性格や血統の良い親犬から生まれたジャーマンピンシャーを育てており、引き渡し後も、親身に相談に乗ってくれるため、安心してジャーマンピンシャーを迎えることができるでしょう。

ジャーマンピンシャーの里親になるには

森の中のジャーマンピンシャー

ジャーマンピンシャーを迎える方法として里親制度があります。里親制度とは、人間による飼育放棄や、飼い主さんの高齢化による飼育不能などの理由で手放された犬を保護し、新しい飼い主さんを探すための仕組みです。

近年では、日本でも里親探しの活動が広がってきており、自治体が運営する保健所や動物愛護センター、その他にインターネットの里親募集サイトなどでも募集を行っています。

ジャーマンピンシャーは、日本での飼育頭数が少ないため、出会えるチャンスは少ないかもしれませんがブリーダーを探す前に里親になるという選択肢も検討してみてください。

ジャーマンピンシャーの飼い方

走るジャーマンピンシャー

環境

ジャーマンピンシャーは、寒さに弱い犬種なので室内で飼いましょう。飼い主さんや家族への愛情が深いため、室内であればジャーマンピンシャーも安心して過ごせるでしょう。ジャーマンピンシャーは、コミュニケーションを取ることが大好きなので、室内飼育でできるだけ沢山の時間を一緒に過ごしてください。

また、室内のフローリングは滑りやすいので、カーペットを敷くなどして、ジャーマンピンシャーが安全に過ごすことができるように環境を整えましょう。

運動

ジャーマンピンシャーは、1日2回、それぞれ1時間以上の散歩が必要と言われています。散歩だけではなく、ドッグランで思いきり走ったり、アジリティなどのスポーツに挑戦したりするのもおすすめです。

好奇心旺盛で、激しい運動を好む傾向がありますが、興奮しすぎることがストレスにつながる場合もあるので注意が必要です。ジャーマンピンシャーの様子をよく観察しながら、飼い主さんが運動量をコントロールするように心がけましょう。

また、ジャーマンピンシャーは、力が非常に強いので、散歩やお出かけで外に連れ出す時は油断しないようにリードをしっかり持つことを意識してください。

しつけ

伏せるジャーマンピンシャー

ジャーマンピンシャーは、忠誠心が強く賢いので、しつけに苦労することはあまりないでしょう。ジャーマンピンシャーにしつけを行う際は、高圧的に接するよりも褒めることに意識を置いた方が良いようです。

また、子犬の頃から飼い主さんとの主従関係をしっかり築きながら、人との関わりをできるだけ多く持つようにしてください。そうすることで、警戒心から他人に吠えることが少なくなります。

ジャーマンピンシャーは顎の力が強いことから、甘噛みをよくする傾向があります。子犬の時に甘噛みを許してしまうと、成犬になった時の本気噛みにつながるかもしれません。怪我を防ぐためにも、子犬のうちにしっかりと甘噛みに対するしつけをしておきましょう。

ジャーマンピンシャーは、筋肉質で運動量も多いため、高タンパクでビタミンやミネラルが含まれた餌を選ぶようにしましょう。

また、ジャーマンピンシャーの美しい体型を保つためには、脂質にも気をつける必要があります。適度な脂質は必要ですが、太りすぎると見た目の問題だけではなく、病気になるリスクも増えてしまいます。体重が増えすぎたり減りすぎたりしないように体重管理をしながら餌の調節をしましょう。

その他、グルコサミンやコンドロイチンなどの成分が含まれている餌を与えることで、ジャーマンピンシャーによく見られる関節系疾患の予防に効果が期待できます。

お手入れ

ジャーマンピンシャーは、短毛で抜け毛の量が少ないため、被毛のお手入れは比較的簡単です。基本的には、シャンプーは週に1回くらい、ブラッシングは月に1回くらいで十分でしょう。

抜け毛が少ないからといって、ジャーマンピンシャーの抜け毛をそのままにしてしまうと、皮膚トラブルを起こす可能性があるので、定期的なお手入れは欠かさないようにしてください。また、ブラッシングを行う前に、蒸しタオルを当て血行を良くすると、毛穴の老廃物が出てくるためより効果的です。

また、ジャーマンピンシャーの被毛は、スムースコートと言われる構造をしているため、量は少なくても、1年を通して抜け毛があることを認識しておきましょう。

ジャーマンピンシャーの寿命

こちらを見るジャーマンピンシャー

平均寿命

12~14歳前後

ジャーマンピンシャーの寿命は、平均12歳から14歳くらいと言われており、中型犬の平均的な寿命と同じくらいです。

ジャーマンピンシャーは、戦後70年ほどの短い期間に、たった5頭の犬から繁殖された犬種のため、親犬からの遺伝性疾患を起こしやすい傾向があります。ジャーマンピンシャーに少しでもいつもと違う様子が見られた場合は、すぐにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

ジャーマンピンシャーにかかりやすい病気

伏せるジャーマンピンシャー

遺伝性白内障

遺伝性白内障は、目が白く濁り、視力が低下する病気です。若い時期に発症する白内障は、遺伝的素因のことが多いようです。ジャーマンピンシャーは、遺伝性白内障にかかりやすい犬種と言われているため、飼い主さんは目に濁りがないかを毎日注意して見るようにしてください。

進行する速さはそれぞれですが、短期間で視力を失う場合もあります。早期に発見することができれば、目薬で進行を遅らせる方法をとりますが、症状が進み生活に支障が出てきた場合は、外科手術を検討しなければなりません。そのため、遺伝性白内障は早期発見・早期治療が何よりも重要になります。

股関節形成不全

股関節形成不全は、股関節の異常な発育によって、関節の連結部分が緩み不安定な状態になる病気です。

股関節形成不全によって引き起こされる病気に、関節炎などがあります。基本的には大型犬に多い病気ですが、ジャーマンピンシャーは遺伝的に股関節形成不全を起こしやすい犬種と言われています。

ジャーマンピンシャーが、歩きにくそうに腰を振って歩いたり、不自然な座り方でおすわりをしたりする場合は、股関節形成不全の可能性が考えられます。痛みがある場合は、抗炎症剤や鎮静剤を内服しコントロールしますが、改善がなければ手術を視野に入れなければなりません。

遺伝的素因が強い病気ですが、食事や運動でジャーマンピンシャーの体重管理をしっかり行い、股関節への負担を減らす生活を心がけることが病気の予防につながります。

フォン・ヴィレブランド病

フォン・ヴィレブランド病は、フォンビルブランド因子という血小板の止血機能に必要な因子の異常によって起こる遺伝性の病気です。ジャーマンピンシャーは、遺伝的にフォン・ヴィレブランド病を発症する確率が高いことで知られています。

フォン・ヴィレブランド病には、3つのタイプがありますが、どのタイプも止血異常を起こすため、大量出血する危険があります。大量出血から死に至ることもある病気なので、ジャーマンピンシャーを飼う場合は、フォン・ヴィレブランド病にかかっていないか、あらかじめ遺伝子検査を行っておくと良いでしょう。

進行性網膜萎縮症

進行性網膜萎縮症は、目の網膜が萎縮し正常に動かなくなる遺伝性の病気です。ジャーマンピンシャーは、遺伝的に進行性網膜萎縮症にかかりやすいと言われています。

初期の段階では、暗い場所で目が見えにくくなり、進行していくと徐々に明るい場所でも目が見えなくなるため、あまり活動しなくなったり、動作がゆっくりになったりする症状が見られます。

視力低下は、少しずつ進行するので、ジャーマンピンシャーは目が見えない状況に順応してしまい、飼い主さんが気づかないこともよくあります。

進行性網膜萎縮には、これといった治療法がありません。もし、進行性網膜萎縮になった場合は、ジャーマンピンシャーが不安やストレスを感じないように、飼い主さんが生活面のサポートをしてあげることが大切です。

免疫不全

免疫不全は、本来反応するべきではないものに対して炎症反応などを起こす病気です。免疫不全が原因と思われる発熱や関節炎、アトピー性皮膚炎のような症状が見られるジャーマンピンシャーも少なくありません。

もしそのような症状が見られた場合は、特定の物質にのみ炎症反応を起こす通常のアレルギーと判断せず、動物病院に相談しましょう。

ジャーマンピンシャーの歴史

ジャーマンピンシャー(German Pinscher)の起源は早く、1879年にはドイツで犬種として認定されていたと言われています。起源については定かではありませんが、古くから存在している犬種であることだけは確かです。

また、ジャーマンピンシャーとスタンダードシュナウザーの祖先は、同じ母犬から生まれた兄弟でした。毛質の違いによって別々の犬種として育種され、中長毛で剛毛の犬がスタンダードシュナウザー、短毛の犬がジャーマンピンシャーになりました。

第二次世界大戦によって、ジャーマンピンシャーは全滅状態になりましたが、1958年に西ドイツで行われたジャーマンピンシャーの再生プロジェクトによって、5頭を基礎に交配させられ復活しました。そのため、現在生存しているジャーマンピンシャーは、必ずこの5頭のいずれかと血がつながっています。

ジャーマンピンシャーとドーベルマンとの違い

ジャーマンピンシャーとドーベルマン
左:ジャーマンピンシャー
右:ドーベルマン

ジャーマンピンシャーは中型犬、ドーベルマンは大型犬に分類されており、体の大きさが異なります。ドーベルマンの方が体のサイズは大きいですが、ジャーマンピンシャーの方がどっしりとした体格をしています。

また、ジャーマンピンシャーは、ネズミの駆除や家畜の護衛犬として活躍してきた犬種ですが、ドーベルマンは警護犬として作出された犬種のため、性格の特徴もそれぞれ異なります。

ジャーマンピンシャーのブログ

塀の上に立つジャーマンピンシャー

ジャーマンピンシャーのLUCA(ルカ)がうちにやって来た!

ジャーマンピンシャーのLUCA(ルカ)とその家族の生活の様子を、写真をメインに紹介しているブログサイトです。日常生活の中での何気ない瞬間の写真が多く、ジャーマンピンシャーの魅力がよく伝わります。躍動感溢れるジャーマンピンシャーの姿が印象的です。

ジャーマンピンシャーナチくん&コギのハラデー

ジャーマンピンシャーのナチくんとコーギー犬のハラデーとの生活を成長日記として紹介しているブログサイトです。日常生活の様子だけではなく、旅行やドッグラン、犬のイベントについてなど、ジャーマンピンシャーとのお出かけ先として参考になる内容が盛りだくさんです。

まとめ

伏せるジャーマンピンシャー

ジャーマンピンシャーは、遊ぶことが大好きで明るい性格をしており、しつけもしやすいため家庭でも飼いやすい犬種と言えます。また、見た目の格好良さと中型犬という大きさもジャーマンピンシャーの魅力の1つです。

ジャーマンピンシャーは遺伝疾患が多い犬種と言われているため、子犬を家庭に迎える際には、十分に注意しましょう。ジャーマンピンシャーに関する知識や情報をしっかりと集めて、万全の準備をして家族として迎えてください。

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