犬の白内障の正しい知識~原因や症状、治療について~

34388view

犬の白内障の正しい知識~原因や症状、治療について~

お気に入りに追加

白内障というと人間でもよく聞く病気ですが、犬にも多い病気で目の水晶体(カメラのレンズの役割)が徐々に白く濁り進行すると光を取り入れられなくなり、犬の視力が低下、最悪失明してしまう事もあります。犬の白内障は老犬に多い目の病気というイメージが強いかもしれませんが、加齢以外の原因のものもあります。大切な愛犬が光を失ってしまう事があるかもしれない重大な病気なのです。まずは、犬の白内障に関する知識を身につけましょう。

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の目

犬の白内障の種類や原因は?

私は以前は白内障といえば、高齢の犬が加齢の為になってしまう病気だと思っていました。

確かに発症率が一番高いのは高齢によって起こるもののようですが、発見が遅れない為にも若年期でも起こる病気であることを知っておく必要があるでしょう。

遺伝性白内障

*犬種により起こる遺伝性素因によるもの

次にあげる犬種は白内障が遺伝するといわれています。2歳以下の若年期でも発症しますので、常に犬の目の状態に注意していることが重要です。

ビーグル、ミニチュア・シュナウザー、ゴールデン・レトイバー、ラブラドール・レトリバー、アフガン・ハウンド、ボストン・テリア、スタンダード・プードル、ミニチュア・プードル、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ポインター、キャバリア、アメリカン・コッカー・スパニエル、ウエストハイランド・ホワイト・テリア、ボーダー・コリー

外傷性白内障

*眼球を傷つけられたり打撲することによって起こるもの

水晶体が直接損傷を受けた場合、その部分から白濁が広がります。

代謝性白内障

*糖尿病やその他ホルモン疾患に関連して起こるもの

最大の原因は糖尿病で、糖尿病が原因の白内障は急激に進みます。糖尿病の内科的治療が重要ですが、糖尿病が原因の白内障は糖尿病の病状が改善しても良化することはありません。

外科的治療(手術)を行い、レンズの入れ替えをすれば透明度は戻ります。

高齢性白内障

*加齢により老齢犬に発症するもの

平均して6歳ころから徐々に進行します。犬の白内障の中でも一番高い確率で発症します。進行はゆっくりとですが白濁が進むとともに視力も低下します。

眼病に誘発される白内障

*緑内障,ブドウ膜炎,慢性水晶体脱臼,網膜異形成,進行性網膜萎縮症等の病気が誘発するもの

白内障以外の上記の眼病などにより、誘発されて起こります。

ブドウ膜炎により誘発された白内障の場合、治療が難しいとされています。

通常は抗炎症剤や点眼剤及び散瞳剤などによる治療が必要となりますが、症状がひどい場合には手術も行われますが予後は必ずしも良いとは限らないようです。

中毒・食餌による白内障

*白内障を誘発する薬や毒物の摂取により発症するもの

薬剤などによる中毒性の白内障も報告されているそうです。

また、生まれながらのもの、遺伝性のものを「先天性白内障」、生まれてから(外傷性・代謝性・中毒性・誘発性・高齢性)のものを「後天性白内障」と大きく2つに分類されます。

白内障になると犬はどうなるの?

犬の目

犬の目を覗き込むと、黒目に白い雲がかっかた様に見えたり、瞳が開いて白く濁って見えます。

犬はこの目の水晶体(レンズの役割)の中の濁りを通して景色を見ることになるので、景色は薄くぼやけて見えてしまいます。

ちょうど霧がかかったような状態でしょうか。進行すると視力の低下は避けられません。

そのため、物によくぶつかる・ふらつく・よろける・動くものを目で追わない、反応しない・階段の昇り降りを怖がる、つまずく・ボールを投げても気づかない・散歩に行きたがらない・不安から攻撃的になる・急に噛み付くようになる・・など行動に変化があらわれます。

ただし、このような症状に気づいた時には白内障がかなり進行している状態です。

白内障の進行には、初発白内障→未熟白内障→成熟白内障→過熟白内障という具合に過程があります。

初期(初発白内障)の場合には、視覚にもそれほど影響が出ていないので比較的歩行などにも支障が出にくく、目の白濁もはっきり出現していないため飼い主が気づくのが遅れる傾向にあるようです。

未熟白内障の段階では、視力障害が現れ特に暗いところは見えにくくなります。

目の白濁は瞳孔の大部分にかかって見えるようになります。

成熟白内障の段階では視覚障害がかなり進行し、光は感じますがこの状態が長く続くと網膜にダメージがおよび完全に失明してしまうこともあります。

そして、過熟白内障の段階では、水晶体が目の中に漏れ出しブドウ膜炎を引き起こします。犬にとっては大変な痛みも伴います。

ブドウ膜炎を放置すると緑内障へと進行してしまいます。緑内障は、眼圧が高くなりそのために視覚障害が起こる病気です。

眼圧上昇による痛みも伴います。

白内障の治療

薬

早期に発見できた白内障には、内科的治療(抗白内障薬を点眼したり内服薬などで治療)することで病気の進行を遅らせることが出来ます。

改善という意味では劇的な効果は期待できませんが、犬への負担は軽減できるはずです。

また早期発見の為には、日頃から愛犬とコミュニケーションをとり、よく体調を観察することが大切です。

あれ?と思ったら早めに獣医師に相談しましょう。

また、定期的に検診を受けることで早期発見につながります。

人間と同じですね。

病院での白内障の検査は、点眼薬によって瞳孔を開かせ眼内観察用の器具(ペンライト・スリットランプ)で目を照らし白濁があるか否かを確認します。

瞳孔が開くのに少し時間がかかるので検査の所要時間は約30分ほどです。

検査で白濁が確認されれば、白内障の進行を遅らせる目的で点眼薬や内服薬での治療をはじめる事が出来ます。

進行してしまった白内障の場合には、点眼薬での治療は効果が望めないため外科的治療(白濁した水晶体を吸引摘出する手術)を行うこともあります。

吸引摘出した水晶体の位置には人口のレンズを挿入します。そのため、成功すれば視力は以前のように回復することが期待できます。

また、人間では目薬の局部麻酔で済む手術ですが、犬は全身麻酔です。術後にはやはり点眼薬や内服薬で治療し定期的に検診を受けます。

しかし、病状によっては予後が必ずしも良好とは限らない場合もあります。臆病な性格の犬には点眼薬を差すのも一苦労かもしれません。

どんな病気にも言えますが、治療には犬と飼い主の忍耐、根気、病気への理解が必要かもしれません。

日頃から気をつけたいこと

白内障の一因に紫外線があげられます。

オゾン層の破壊による近年の紫外線の増加は人間のみならず、犬の目にも深刻な影響を与えているといわれています。

お天気の良い日のお散歩や屋外での日光浴はとても楽しく犬も大好きだと思いますが、紫外線量の多い季節や時間帯に長時間日光を浴びるのは犬の目にとっては負担が大きいのです。

場所や時間帯などを考慮しましょう。

また、犬の目を保護することを目的としたゴーグルやサングラスもあります。

犬特有の顔の特徴に合わせて快適・安全に装着できるように設計されたものもあるので活用してみるのもいいかもしれません。

最後に

人間の言葉が話せないからこそ、目は口ほどにものを言う・・・普段から色々な表情を見せてくれる、そんな犬の目が光を失うということは、犬にとっても飼い主にとっても大変悲しいことです。

犬の白内障は早期発見、早期の治療開始がとても重要です。

たいせつな愛犬が、少しでも安心して快適に長く健康な生活が送れるように、飼い主は愛犬の変化に常に敏感でいたいものです。

▼犬の病気を症状や病名から調べる▼
犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識

ユーザーのコメント

  • 20代 女性 ゆー

    白内障の外科的治療では、やはり動物は全身麻酔になるため、数日の入院が必要ですし、退院後も自宅での点眼が必須になります。また、目を擦らないように、エリザベスカラーをつける必要があるので、慣れない犬は暴れて飼い主さんも一苦労です。
    若いうちから顔まわりを触れられることや、帽子、服などに慣れさせるというのは、目の病気に罹った時に、飼い主さんの負担が減るかもしれませんね。
  • 20代 女性 なつみ

    我が家のわんちゃんも怪我をして白くなっちゃって慌てて病院にいきました(笑)
    目薬をもらって帰ったのですが…治ることなく白いまんまで残っています。最初、外傷性白内障だと思って広がったらどうしようと思いあたふたしてたのですが、違ったのでとりあえずは良かったです…
    でも、やっぱり気をつけることはたくさんあるので、飼い主の私たちがしっかり毎日見てあげることが大事ですよね!
  • 30代 女性 べーちゃん

    記事を読むまで、白内障は高齢の犬の病気だと思っていました。色々な原因があるんですね。
    やはり犬の白内障は早期の発見、早期の治療開始が重要なので、定期的に検診をして、愛犬の健康を守りたいと思います。
  • 女性 ベル

    白内障は高齢犬の病気かと思っていましたが、若年期でもなることがあるのですね。

    うちの愛犬も8歳頃に、病院の健康診断で「白内障が始まっている」と言われました。それからは病院で勧められた、パナキュアルテインMというサプリを6年間、毎日飲ませています。白内障の進行を遅らせることに効果があると聞いていましたが、このサプリのおかげか、白内障に関しては8歳の頃の現状維持のまま14歳になりました。

    ある文献に、犬は本来、オオカミの頃から夜行性の動物のため、犬の目は紫外線にあまり強くないので、夜に散歩をさせた方が目を鍛え、白内障などの予防にもつながるとありました。我が家も明るい日中に散歩をさせる事が多いのですが、時々は暗くなってから散歩に出るようにもしています。
  • 30代 女性 ナナコ

    白内障は老犬になるまでは心配いらないと思っていました。また、遺伝によって起こるものや傷などによって引き起こるものなど、こんなに種類があるとは知りませんでした。実は人間である私は既に軽度の白内障なのですが、治療は目薬を利用して進行を遅らせて「現状維持」をさせるだけです。記事を読んでいると、それは犬も同じなようで、白内障とは人間にとっても動物にとってもかなり面倒な病気だなと感じました。また、白内障の原因に紫外線の影響もあるようですが、犬が犬用のサングラスなどを静かに装着して散歩に出てくれるか疑問です 笑。 なので、日頃から犬の目についてよくチェックしてあげたり、定期的に獣医さんの所へ連れていくことも重要なポイントだなと思いました。
  • 40代 女性 グーグルぽち

    わたしも白内障は加齢が原因だとばかり思っていたので、このような多くの原因があるとは全く考えませんでした。
    原因のひとつである糖尿病ですが、近年犬の糖尿病が何倍にも増えているそうです。
    なんと海外イギリスではペットの糖尿病が5年間で9倍増加したとのこと。
    食べるのが大好きな子は早食いや大食いをしがちですが、血液中の糖濃度が高くなって糖尿病の原因ともなるそうです。
    そして肥満も決してよくありません!うちの愛犬は若いからなどと思っていたのですが、やはり日頃の食事、運動がとても大切ですね。糖尿病やその他の病気の合併症から白内障になってしまったなんてことのないよう、普段の生活を更に気を付けなければと感じます。

    また愛犬は日光浴が大好きなのですが、紫外線も程々にしなければと考えさせられました。
    わたしの姉はミニチュアダックスフンドを定期健診に連れていった際に「この子は目が弱いのでサングラスしてもいいかもしれない」と獣医さんに言われたそうです。もし心配なようでしたら、獣医さんに診てもらうことをおすすめします。

    最近ではブルーベリーとクロレラが原材料の白内障予防のサプリメントもあります。これで目を守る為のケアができるようです。何もしないと白内障は進行するとのことですので、試す価値はあるのかもしれませんね。
  • 女性 匿名

    8歳になって老年性白内障になりました。幸いまだ初期なので点眼薬を使い進行を遅らせています。

    以前読んだ記事を参考に、デトックス効果のある無農薬ローズヒップパウダーを飲ませています。
    今回記事にあったサプリメントも良さそうなので、Amazonで調べたら有りました。
    大型犬は沢山飲まなくてはならない事が多いので、手に取って見てみたいです。

    失明を避けるために手術も有効ですが、身体に負担があるばかりで無く、片目で50万円くらいかかり、家計にも負担が大きいです。しかも眼科のお医者様は少なく、やはり進行を遅らせる事が今出来る事です。

    見えなくても歩く事を怖がらない子はいて、散歩にもいけるという事で少し希望が持てます。できる事なら失明して欲しくないです。
  • 女性 匿名

    8歳で白内障になり、目薬をさして進行を遅らせています。
    みなさん目薬をさすのはどうされていますか。
    私は後ろから羽交い締めにしてマズルを掴みさしています。主人と2人の時には首に手を回してさしています。とても嫌がっていましたが、最近ではおやつを楽しみに、さし易くなりました。
    愛犬にとって嫌な事ですが、治療の為だから仕方がありません。
  • 30代 女性 チャコ母

    白内障は年齢を重ねると避けられない病気かな、と思って多少の覚悟を持っています。目が見えなくなるか、耳が遠くなるか、どこから老いがやってくるかわかりませんが、どういう状況になっても安全な環境と楽しい生活を与えてあげられるように今から色々と知識を身に着けておきたいと思います。
  • 20代 女性 はる

    13歳になるシニア犬の飼い犬も、白内障の症状が出始めています。紫外線はやはり良くないのですね。散歩は朝晩に行っているのであまり紫外線が当たらない時間帯だとは思いますが少しでも負担を減らせるようにしたいと思います。まだ動物病院に通っていても点眼薬のことは言われていないのですが、早期から行えば効果があるなら次に行ったときに提案してみようと思います。シニア犬になると大きな手術も難しくなってしまうので…。
  • 40代 女性 くっきー

    わたしの愛犬も少し目が濁りはじめていて白内障なのかな?とは感じてます。動物病院に半年に一度は健康診断に言っていてまだ何も言われないのでそのままですが、明らかに視力は落ちてきてるのかな?という印象です。散歩中も足を踏み外すことがないようによく注意して散歩をしてあげてます。
この記事をシェアする
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。