犬の抜歯とは
犬の抜歯とは、問題のある歯を抜く全身麻酔が必要な手術です。
歯周病や歯槽膿漏のような重症化し他の病気を引き起こす可能性がある歯や、眼窩膿瘍(歯根膿瘍) のように細菌感染による悪化を防ぐ目的や噛み合わせを良くするためなどに抜歯をします、
犬は人間とは違い、簡単に歯の治療ができない場合がほとんどです。そのため、抜歯をしなければいけないケースが多くあるのです。
犬が抜歯する病気とケース
歯周病
歯周病とは歯肉炎と歯周炎の総称です。歯周病というと老犬に多いイメージがありますが、歯石、歯垢の堆積が原因となり若い犬にも発症する可能性があります。病状の進行により病名が変わり、歯茎の炎症で周りの骨にまで炎症が及んでしまった場合は抜歯となります。
歯槽膿漏
犬の歯槽膿漏とは、歯周病がさらに進んだ状態で、歯周炎や歯肉炎により組織が細菌感染して炎症を起こし、膿が出たり歯が抜けてしまうような状態のことを言います。
この菌が歯周組織から犬の体内に侵入して全身に運ばれると、重篤な臓器疾患の原因にもなるので、抜歯して損傷した組織を取り去らなくてはなりません。
眼窩下膿瘍 (がんかかのうよう)
歯垢や歯石が歯肉ポケットに沈着し、細菌によってどんどん歯の根本が侵され、歯周病菌が目の下まで侵入したことにより起こります。
そのまま放っておくと犬の薄い鼻骨まで届き、目から膿が出てきたり、行き場のなくなった膿が目の下の皮膚を破って出てきたりする病気で治療は原因となっている歯を抜歯し、感染病巣を洗浄殺菌して縫合します。
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不正咬合や遺伝的なあごの奇形
小型犬に多い不正咬合ですが、噛み合わせのずれで日常生活に支障が出る場合には、抜歯となります。他にも、遺伝的要因による歯やあごの奇形がある場合にも抜歯が行われます。子犬で抜けるはずの乳歯が抜けず、そこに永久歯が重なって生えてしまう乳歯遺残の場合も抜歯となります。
歯の外傷
犬同士のけんかや落下などの事故や硬いおやつ、おもちゃなど物理的な衝撃で歯が欠けたり折れたりして起こる歯の破折があります。歯髄と呼ばれる血管や神経が通っているやわらかい組織まで損傷してしまった場合には、歯に蓋を覆いかぶせるような処置をしたり、抜歯後縫合して細菌感染を防ぎます。
犬の抜歯の料金
犬の抜歯費用は病院によりさまざまですが、検査費用なども含めると5万円前後のケースが多いようです。
乳歯の抜歯の金額は抜糸本数によりますが、だいたい2~3万円ほどが相場と言われています。抜歯費用に検査費や手術費用が加算される場合もあるので、事前に問い合わせてはっきりさせておきましょう。乳歯抜歯は避妊手術、去勢手術と同時に行う場合もあります。
抜歯にかかる費用を保険でまかなえるかどうかは、保険会社や個人の契約によって違うので、こちらも保険会社に事前に確認しておくとよいでしょう。歯周病や口腔内に別の症状がある場合は、その治療の一環として抜歯も保険適用となる場合もあります。
犬の抜歯後のために準備しておきたいこと
安心できる環境
口の中をいじられるのは、犬にもかなりのストレスになります。抜歯後は精神的なケアを心がけ、抜歯前から犬が安心して過ごせる環境を作っておきましょう。
また、処置の際に感じる恐怖心や痛みから口を触らせなくなることがないよう普段から歯ブラシを使った歯磨きや、歯磨きができたら褒めるなど声掛けをして習慣化しておきましょう。
やわらかいフード
犬も抜歯後は普段と同じ食事ができない場合もあるので、食べやすい大きさや固さのご飯やおやつを準備しておくことも必要です。
急にフードが変わると食べない犬もいるので抜歯手術前から時々あげて慣らしておくといいですね。普段食べているフードの粒を小さくして飲み込みやすくするのも一つの手段です。
エリザベスカラー
術後の歯を気にして顔をひっかいてしまうこともあるので、抜歯前にエリザベスカラーを準備して慣らしておくと良いかもしれません。エリザベスカラーをつけることを嫌がる犬もいるかも知れませんが、可愛そうだからと外してしまうとまた口の中を処置しなくてはならなくなることもあります。その犬に合ったやり方で徐々に慣らしておくと良いでしょう。
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犬の抜歯後の食事
抜歯後の犬のご飯はやわらかいウェットフードが良いと思いがちですが、ウェットフードは口の中にくっつきやすく細菌の温床になる可能性があります。いつも食べているドライフードを、さらに粒を小さくして食べやすくしたものをあげるほうが良いようです。
今まであった歯がなくなったのですから、食べにくさがあるのは人間でも同じことですね。抜歯後にできた穴などがふさぎ切れていない場合もあるので、様子を見て抜歯後も違和感があったり食べにくそうにしている場合は、躊躇せず受診をしましょう。
犬の抜歯後の注意点
犬の抜歯後は口腔内を清潔に保つよう心掛け、痛み、熱、鼻血、腫れなどの症状があるときはすぐに獣医師に相談しましょう。
薬の服用
抗炎症鎮痛剤などの痛み止めは、必ず処方されたとおりに服用させましょう。抜歯する歯によっては、抜歯後の穴を縫合しているので、そこから炎症や感染が起きる可能性もあります。
犬によっては薬が入った餌やおやつなどを警戒して口にしてくれないこともありますが、用法を守ってきちんとげることはとても大切です。与え方を工夫して優しく声を書かけながら焦らずあげましょう。
歯磨き
犬の抜歯後は家庭でする歯磨きが主なホームケアですが、患部の歯磨きを行うのは1週間は避け、他の歯は通常通り歯磨きします。家でのケアには限界があるので獣医師に定期的に口腔内チェックを受けて歯周病にならないようにしましょう。
散歩
抜歯手術後も元気であれば散歩も普通に行って良いですが、拾い食いなどに気を付け、他の犬との接触は、抜糸するまでか傷口がふさがる2週間後くらいに様子を見てからにしましょう。
運動不足やストレス解消のためにも家の中でもできる無理のない運動や、バギーや抱っこで外の空気に触れると良いかもしれませんね。
犬が抜歯する際のリスク
無麻酔や部分麻酔で、歯石や歯垢除去のためのスケーリングの施術を行う獣医師もいますが、抜歯の場合は施術中に動いたり痛がったりして暴れると大変危険なので、全身麻酔が必要です。
全身麻酔はどんな動物にもリスクがあります。特に老犬や体力のない犬はそのまま麻酔から覚めず、死亡してしまうケースもないとは言えません。
そのため、事前に血液検査などで全身麻酔に耐えられるかどうかや、麻酔の適量などの検査を行います。歯周病からくる重大な病気の原因となる場合もあります。
まとめ
犬に抜歯の必要性が出るほど歯周病が悪化してしまうリスクを避けるためにも、日ごろから歯磨きを習慣化して、獣医師に歯垢、歯石を定期的にケアしてもらうことが大切です。
歯磨きの後には犬が大好きなお散歩に連れていったり、おやつをあげたり、思い切り褒めてあげるなど、歯磨きをするといいことがある!と教え込めるといいですね。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 ピロン
その後も変わりなく元気で食欲旺盛
しかし1年たった今、犬歯の根元がエグレ食べカスが詰まっているのを見つけてしまい、ショックでした
引っ越したので違う病院に行き全て検査して頂き現在の状態なら麻酔も問題ないないと説明も受けました。でも色んな方の意見を聞くと迷ってしまい、どうしたらいいのでしょう…
20代 女性 みさと
しかしC反応性蛋白が術前が5.20で27.29.31日は20に達しoverという状態になってしまいました。
なので退院は無しになり炎症してる所をい色々検査しましたが原因の箇所が分からないと言われ31日には膿が目の中?で溜まってしまい腫れてた方の目が今見えなくなりました。
今後の治療法は抗生剤と消炎剤を種類を変えてみたりステロイドをとの事でしたが正直日に日に面会ごとに弱々しくなってく愛犬を見てて衰弱死という考えが出てしまうほど弱ってきてて精神的にも辛そうなので退院させて苦しまないようにできる限り通院で治療を、、、、という考えが出てきてます。
C反応性蛋白のoverと失明と予定外な事が多すぎる事と色々様々な検査をしているのに未だ炎症箇所が分からない事、特に抜歯してから何日も経ってから突然片目に膿が溜まって失明してしまった事が不思議でたまりません。
詳しい方、同じ経験をされた方などなんでもいいので助言を頂けたら嬉しいです。
宜しくお願いします。
40代 男性 ぼん吉くん
そのためには、歯みがきの他、おやつや人間の食べるものを手当たり次第にあげないことが大切だと思います。犬が食べ物を欲しがるからといってやたらにあげてしまえば、肥満の原因にもなります。
そうやって食べ物をあげておいて、結果的に歯周病になってかわいそうだと思っても、もう遅いです。苦しい思いをさせているのは、飼い主さんです。全身麻酔は高齢の場合は出来ない可能性があります。飼い主さんが犬に苦しい思いをさせているのです。治療にも多額のお金がかかります。飼い主さんの間違った行いが、余計な出費を生み出しているのです。
愛犬の健康は飼い主さん次第でどうにでもなってしまいます。
女性 ろんたん
以前飼っていたワンコは歯磨きをしなくてもいろんなものを噛んでそれが歯磨きになっていたんでしょう。とってもきれいでしたが、今のワンコはドライフードもあまり好きではなく、おもちゃも滅多に噛まない。ワンコ用のガムも興味なし。気がついたときには口臭がとてもきつくなっていて、それでも放置してしまっていました。魚が腐ったような匂いです。
あとから思えばその時にすぐ病院に連れて行けばもっと軽い治療で済んだかもしれません。
動物病院からは歯周病もかなり悪いので、歯石取りと歯周病の治療と歯によっては抜歯しなければいけないと言われています。
色々調べると歯周病などから炎症を起こし、感染症により脳にまで蝕むことがあるらしく、やはり愛するワンコが長生きしてもらうためには少しでも早く治療した方がいいと思っているところです。
費用も麻酔を使うために事前の検査と処置費用などで6万円から7万円。
抜歯すればさらに追加と言われました。
麻酔をするのも抵抗ありますが金額にも納得がいかず、別の病院へセカンドオピニオンに行き、診てもらったところ費用は3~4万。抜歯をすれば更に追加されますとのこと。
それでもこんなに金額が違うのかとびっくりしました。金額の差が不明です。
とりあえずこの一年で嫌がっていた歯磨きにも慣れてきたので、そろそろ治療をお願いしようかと検討しているところです。(先生からは時間をかけてでも歯磨きが出来るように慣れさせてくださいと言われました。)
犬は抜歯をしても、もともと殆ど噛まずに食べているので食事には影響がないとのこと。確かにほとんど丸呑みですよね。
うちの子はすでに歯茎も黒くなってしまい、歯の根元には歯石が。(これでもだいぶ取れたほうです)※治療前です。
犬歯の後ろの歯はぐらぐらしているので抜歯される予定です。
その奥の歯はぬいぐるみを引っ張り合いしてたときにポロっと抜けてしまいました。
いずれにしてもこの子がこうなったのは親である私の責任です。
人間と同様にしっかり小さいころから歯磨きをしてあげていればこんなことになりませんでした。毎日後悔しています。
そしてもう少し早めに病院に連れて行ってあげれば良かったと反省です。
ワンコを飼われているみなさん、たかが歯石、たかが歯周病ではないので定期的な診察と毎日の歯磨きをお願いします。人間と違ってワンコの歯石は4、5日で出来るそうです。
口腔ケアは飼い主の大切な役割です。
20代 女性 あめたま
ですが、最悪の場合抜歯となってしまうと知り、だからワンちゃん用の口腔ケアグッズが多く販売されていると理解出来ました。
市販されている口腔ケアグッズを使用するのも効果的な方法ですが、トリミングサロンや動物病院で歯磨きをお願いする事も方法の一つです。
数百円で受け付けてくれるので、口腔ケアグッズと合わせて利用するとワンちゃんの口のトラブルの発症率は下がる可能性があります。
したがって、自宅でのケアと外部でのケアを徹底して行いワンちゃんの口を病気から守る事が重要です。
口のトラブルはパッと見ただけでは気付かない事も多いので注意深く愛犬を観察しましょう。
女性 たこ
50代以上 女性 Pote
目は、枸杞を食べさせてて、白內障にならなかったので、おすすめにします
30代 男性 匿名
普通に食欲もあるし、元気に走り回っているので抜糸を機に元気がなくなるんではないかと心配なのが理由です。犬のことを考えると...
30代 男性 匿名
上の犬歯は、歯根が深く、眼球のすぐ近くまで達しているため、術後眼に問題が出ることがあると説明を受けました。
幸い、愛犬はトラブルなく抜歯できました。
ワンちゃん元気に退院できることを祈っております。
40代 女性 匿名
歯のことで 悩んで何年か になります。てんかんをもっていて 発作がでたら…と思うと歯磨きが上手く出来てなくて、歯周病になってしまいました。先生は すべて抜いた方がいいと 言われました。食べたり飲んだりは 問題ないみたいなのですが、なかなか決断できません。悩んでいます。
40代 女性 kaz
右真ん中位下の歯が抜けちゃいました
コレ乳歯なのか?位の小さめな歯です
ぐらついた歯が何本かあり
その1本だった様で!
ほって置いても大丈夫でしょうか?
教えてください。
50代以上 女性 ココロン
先日、犬歯の横のグラグラになってた歯の抜歯と歯石取りスケーリングと歯周ポケットの処置を全身麻酔でしました。4.5万円でした。保険は入っていますが、歯周病からくるものは残念ながら適用外です。
犬歯も少しグラつきがあり、もしもの場合は口腔歯科手術になると説明があり、毎日している歯磨きも嫌がりますが、抗生物質の注入とともに丁寧になっています。
犬歯の抜歯について術後の経緯や費用等ご存知の方がいらしたら色々教えて欲しいです。
高齢犬になりましたが、保険の切り替え等も検討中です。