犬にカニ 食べていいものわるいもの

【獣医師監修】犬にカニ 食べていいものわるいもの

皆さんも、お正月や特別なひと時ではちょっと奮発してカニを食べる機会があるかと思います。私たちが美味しいと思ってるカニを、愛犬にも与えたいという方もいらっしゃるかと思います。では、犬にとってカニは良いのでしょうか。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬にカニを与えても大丈夫?

毛ガニ

犬にカニを与えてもOK!ただし加熱調理が必要

まず初めに結論からお伝えすると、加熱調理すれば犬にカニを与えても大丈夫です。

ただし、生で与えた場合「ビタミンB1(チアミン)欠乏症」のリスクがあるので、絶対に加熱調理したうえで与えましょう。

生のカニはNG!加熱調理が必要な理由

生のカニを大量に与えてしまうと、カニに含まれる酵素、チアミナーゼの一種である「アノイリナーゼ」が体に必要不可欠なビタミンB1を分解してしまいます。

ビタミンB1が少なくなると、様々な症状を引き起こす「ビタミンB1(チアミン)欠乏症」となってしまう可能性があります。

なぜ、加熱調理が必要なのかというと、ビタミンB1欠乏症の原因である「アノイリナーゼ」は、加熱すると分解されるためです。そのため、カニを与えるのでしたら茹でる、焼くなど加熱したものを与えましょう。

このビタミンB1欠乏症は、カニのみではなくイカ、タコ、貝類(アサリ、ハマグリ、シジミ)、甲殻類(エビ)などでも起きてしまうので注意してください。

犬にカニカマを与えても大丈夫?

カニを模した食べ物「カニカマ」は、犬に与えても大丈夫です。

カニカマは、カニを模して加工された食品であり、基本的にカニのエキスやカニの身は入っていません。そのためビタミンB1欠乏症などの危険もありません。

ただし、人間用の食材であるため塩分などが高く、与える際は少量に留めるようにしましょう。

犬にカニを与える時は、リスクをよく理解することが重要

家庭にもよりますが、カニは日常的に食べるものではありませんし、お正月やお誕生日、ご褒美になどでも愛犬にカニを与えるシチュエーションは少ないかと思います。

「犬は雑食だから大丈夫」「カニは美味しいからきっと喜ぶはず」などの理由で、愛犬にカニを与えることがあるという飼い主さんもいらっしゃるかと思います。

茹でても生で食べても、バーベキューで焼いても美味しいカニですから、わんちゃんたちと一緒に楽しみたい方もいるかと思います。どのような方法でカニを与えればいいのか、また危険な食べ方やリスクについて理解することが大切です。

犬にカニを与える際の注意点

カニの脚

加熱調理して大量に与えるのは控える

先ほどの説明からも分かる通り、加熱を行えばアノイリナーゼが分解され体のビタミンB1を分解することがなくなりますので、与える場合は加熱をしっかりと行ってください。ただ、加熱すればたくさん与えても良いというわけではありません。一度に大量に与えるのは控えましょう。

甲羅や殻付きで与えない

甲殻類ですので、カニの甲羅や脚の殻がカニの身に付いたままの場合口腔内を怪我してしまうかもしれません。
また、慌てて食べてしまい誤嚥してしまうと殻の消化ができないため、消化管内を傷つけてしまったり消化管に穴が開いてしまう恐れがあります。

小型犬が大量のカニの甲羅や殻を食べてしまった場合、消化管が詰まってしまう消化管閉塞がおこり、緊急開腹手術を要する場合があります。

大型犬でも同様です。喉に詰まってしまった場合、呼吸困難を起こす可能性もあります。最悪の場合、命に関わるほど重要問題となるのでカニを与える際は十分に留意して愛犬に与えてください。

甲殻類アレルギーの検査をしておく

犬がカニを食べると、甲殻類アレルギーを引き起こす場合があります。エビやカニといった甲殻類を食べて、アレルギーを引き起こさないか、動物病院などで事前にアレルギー検査をしておきましょう。

犬が生のカニを食べた時に起こる「ビタミンB1欠乏症」とは

トイプードル

カニを犬に与えた時に、一番注意すべきは「ビタミンB1(チアミン)欠乏症」です。なぜ、注意が必要になるかというと、場合によっては命を落とす危険があるからです。

そのため、生のカニを積極的に愛犬に食べさせることはすすめません。カニを与える場合、生で与えないようにしましょう。

ビタミンB1(チアミン)欠乏症の仕組み

生のカニには、アノイリナーゼという酵素が含まれています。このアノイリナーゼ摂取されると、体内ビタミンB1を分解してしまい、ビタミンB1がすくなくなってしまいます。

ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、いくつかの代謝機能に関わりを持つ水溶性ビタミンです。チアミンは筋肉、内臓などの組織から二酸化炭素を取り除く働きに関係しています。

犬はチアミンを体内に貯えておくことが出来ないため、毎日チアミンを食べ物から摂取する必要があります。

さらに、チアミンは炭水化物の消化に用いられるため、炭水化物の多い食事の場合はより多くのチアミンが必要です。

炭水化物をエネルギー源として体に供給する手伝いをするチアミンが欠乏してしまうとエネルギーをうまく利用することができなくなります。

結果として、様々な体の不調や症状を引き起こしてしますのです。

ビタミンB1(チアミン)欠乏症になるとどうなるの?

チアミン欠乏症になった場合次のような症状がみられます。

  • 食欲不振
  • 発育障害
  • 体重減少
  • おう吐

また、神経系にも影響を及ぼすため中枢神経機能の低下、衰弱がみられます。

小型犬、子犬や抵抗力が低下した老犬や病気のわんちゃんが生のカニを大量摂取しチアミン欠乏に陥った場合、最悪のケースでは死んでしまうという可能性もあります 。

犬がカニを誤食した時の対処法

獣医と犬

甲羅や殻を食べてしまった場合

甲羅や殻も全て食べてしまった場合は、消化管閉塞、消化管穿孔や呼吸困難、誤嚥からの肺炎を招く可能性があるので、できるだけすぐに動物病院へ行きましょう。小型犬や子犬の場合死亡リスクはさらに高くなるため、注意深く観察しながら急いで病院へ向かってください。

殻や爪などを食べている場合は吐かせると危険なこともありますので緊急手術が必要になるかもしれません。まずは獣医師に相談することをおすすめします。

生のカニを食べてしまった場合

生の身をたくさん食べてしまった場合こちらも消化不良を起こしてしまう可能性があります。大量のカニを食べてしまったことを獣医師に相談することをおすすめします。

心配な場合、生身だけであれば嘔吐を促進する薬を与えて吐かせることで消化障害を少し抑えることができます。

まとめ

おもちゃを加える犬

ついつい美味しいから愛犬にも食べて欲しいと思うカニは、愛犬にとって有害となってしまう場合があります。与える場合は少量を加熱して与えてください。

甲羅の誤嚥により、消化障害以外の事故である呼吸困難も引き起こす可能性があることを心に留めてください。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 ぷー助

    家ではなかなか「カニ」を食べるという習慣がありませんが、我が家はお正月になると親戚が集まり、日頃はなかなか食べることができない高級カニをみんなでいただきます。昨年、父親が冗談で「プー助(我が家の飼い犬)にもカニを食べさせちゃえばいいのに!」と言い出しました。愛犬も口をフガフガさせてカニを欲しそうにしていましたが、もちろん食べさせませんでした。しかし、この時ふと「犬はカニを食べられるのだろうか?!」と疑問には思っていたのですが、この記事を読むまで忘れていたので、とてもためになりました。加熱したもので、少量ならば食べても問題は無いようですね。しかし、毎日食べるものでもないので、アレルギーなどが発症するということも考えられそうですね。やはり気を付けた方が良さそうでs。
  • 投稿者

    40代 女性 こたママ

    カニなんて贅沢なもの、犬にはもったいない!と思ってあげたことはありません。カニカマは犬が大喜びするので何度かあげましたが(笑)でも、特にあげちゃいけないとも思っていなかったので、これからは管理に注意したいと思います。茹でたり焼いたりすれば食べられるということですが、生ではよくないということなので間違えてあげてしまったり、盗み食いされないようにしっかり気をつけないといけないですね。犬と室内で一緒に暮らしていると、ついつい自分が食べているものを「おすそ分け」してしまいがちなので、きちんと知識をつけないと危険なこともありますね。もちろん家族にも情報は共有して、気をつけさせないといけないなと思いました。
  • 投稿者

    女性 きなこ

    カニは甲殻類アレルギーが心配な食材ですね。
    犬にとってもアレルギーが出やすい食材です。一度目は何ともなかったのに、二度目に与えた時にはアレルギーが出てしまうことがあります。これは最初に食べた時、体内に抗体ができ、二度目ではアナフィラキシーショックを起こしてしまう可能性が高いからです。
    犬によって個体差はありますが、ここまで重症化してしまう危険もあることを考えると、あえて食べさせなくても良いのではないかと思います。小型犬のように、体が小さい犬種では特に命の危険もあります。

    もし食べたその時は大丈夫だったとしても、時間差で症状が出ることもあります。なかには数日後にアレルギーのショック症状が表れた、なんて事例もあるそうです。やはり飼い主さんは注意してみておくことが大事です。愛犬の盗み食いも注意ですね。

    私自身が甲殻類アレルギーのため、カニを食べる機会はないのですが、もし与えることがあったとしても1回だけですね。
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