犬はカニを食べても大丈夫?生の状態や甲羅、アレルギーに注意

犬はカニを食べても大丈夫?生の状態や甲羅、アレルギーに注意

犬にとってカニは中毒を引き起こす食材ではありませんが、積極的に与えたい食べ物とも言えません。特別な日に愛犬にもカニをお裾分けしたい人は、注意点や危険性を理解しておく必要があります。獣医師監修の元、カニの危険性や食べさせ方、犬の食物アレルギーの症状などを解説します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬にカニを与えてもOK!ただし加熱調理が必要

蟹と犬

まず初めに結論からお伝えすると、加熱調理すれば犬にカニを与えても大丈夫です。

茹でるのはもちろん、焼きガニを食べても大量でなければ問題はありません。

ただし、生で大量に食べた場合「ビタミンB1(チアミン)欠乏症」が起きるリスクがあるので、絶対に加熱調理したうえで与えましょう。

生のカニはNG!加熱調理が必要な理由

生のカニを大量に与えてしまうと、カニに含まれる酵素、チアミナーゼ(以前はアノイリナーゼと呼ばれていました)が体に必要不可欠なビタミンB1を分解してしまいます。

ビタミンB1が少なくなると、「ビタミンB1(チアミン)欠乏症」となってしまう可能性があります。

ではなぜ、加熱調理が必要なのかというと、ビタミンB1欠乏症を起こす原因である「チアミナーゼ」は、加熱すると変性し、その働きを失うためです。

そのため、カニを与えるのでしたら茹でる、焼くなど加熱したものを与えましょう。

このビタミンB1欠乏症は、カニのみではなく生のイカ、タコ、貝類(アサリ、ハマグリ、シジミ)、他の甲殻類(エビ)、魚類などでも起きてしまうので注意してください。

ただし、ビタミンB1欠乏症を引き起こす量のチアミナーゼを摂取するには、一度に大量に、または長期間にわたって継続的に加熱不十分な魚介類を摂取する必要がありますので、少量をたまにであれば問題とはなりません。

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犬にカニカマを与えても大丈夫?

カニを模した食べ物カニカマは、「食べられるけど、犬に与えない方が良い」です。

カニカマは、カニを模して加工された食品であり、基本的にカニのエキスやカニの身は入っておらず魚のすり身で作られています。

ですがカニカマには、塩が多く使われているため、与えることを推奨できない食べ物に分類されます。

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料理やおつまみにも美味しいカニカマは、私たち飼い主にとっては便利で魅力的な食材の1つです。では、犬はカニカマを食べても大丈夫なのでしょうか。ちょっと気になりますよね。今回は犬がカニカマを食べても大丈夫なのかをお話しします。

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犬にカニを与える時はリスクをよく理解することが重要

家庭にもよりますが、カニは日常的に食べるものではありませんし、お正月やお誕生日、ご褒美になどでも愛犬にカニを与えるシチュエーションは少ないかと思います。

「犬は雑食だから大丈夫」「カニは美味しいからきっと喜ぶはず」などの理由で、愛犬にカニを与えることがあるという飼い主さんもいらっしゃるかと思います。

茹でても生で食べても、バーベキューで焼いても美味しいカニですから、愛犬と一緒に楽しみたい方もいるかと思います。

どのような方法でカニを与えればいいのか、また危険な食べ方やリスクについて理解することが大切です。

犬にカニを与える際に注意すること

カニの脚

しっかりと加熱調理する

先ほどの説明からも分かる通り、加熱を行えばチアミナーゼが分解され体内のビタミンB1を分解することがなくなりますので、与える場合は加熱をしっかりと行ってください。

ただ、加熱すればたくさん与えても良いというわけではありません。一度に大量に与えるのは控えましょう。

あくまでもおやつや主食のトッピングとして活用してください。

甲羅や殻付きで与えない

甲殻類ですので、カニの甲羅や脚の殻がカニの身に付いたままの場合、口腔内を怪我してしまうかもしれませんし、飲み込んだ後に、消化管内を傷つけてしまう恐れもあります。 最悪なケースでは、消化管が傷つくだけではなく消化管に穴が開いてしまう可能性も考えられます。

そのような場合には、緊急開腹手術を要することになります。

大型犬でも同様です。喉に詰まらせてしまうかもしれません。

カニを与える際は甲羅や殻、腱を全て取り除き十分に注意して愛犬に与えてください。

知っておきたい犬の食物アレルギー症状

毛ガニ

獣医学的な報告は今のところないようですが、甲殻類アレルギーを持つ犬がいる可能性も考えられます。

カニに限らず、犬の食物アレルギーでは以下のような症状が見られます。

  • 下痢や軟便
  • 嘔吐
  • 肌をかゆがる、皮膚が赤いなど(顔、脇、お腹など)
  • 口周りを痒がる、赤くなる、毛が抜ける
アレルギーの疑いが少しでもあるならば、動物病院へ相談しましょう。

犬が生のカニを大量に食べた時に起こる「ビタミンB1欠乏症」とは

トイプードル

カニを犬に与えた時に、一番注意すべきは最初にも説明したように「ビタミンB1(チアミン)欠乏症」です。

そのため、積極的に生のカニを愛犬に食べさせることはすすめません。カニを与える場合、生で与えないようにしましょう。

ビタミンB1(チアミン)欠乏症の仕組み

生のカニには、チアミナーゼという酵素が含まれています。

このチアミナーゼを摂取されると、体内のビタミンB1を分解してしまい、ビタミンB1が少なくなってしまいます。

ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、体内での多くの化学反応において重要な役割を持つ水溶性ビタミンです。

チアミンは細胞でのエネルギー生成に不可欠です。

犬はチアミンを食べ物から適量摂取する必要があります。

さらに、チアミンは炭水化物の代謝にも多く用いられていますし、神経系において刺激伝達に必要な物質の合成にも関与しています。

このように多くの重要な働きを持つチアミンが不足してしまうと結果として、元気や筋力の低下、歩行障害などの様々な体の不調や症状を引き起こしてしまいます。

ビタミンB1(チアミン)欠乏症になるとどうなる?

チアミン欠乏症になった場合次のような症状がみられます。

  • 食欲不振
  • 発育障害
  • 体重減少
  • 嘔吐
  • 歩行障害や視覚障害などの神経系の異常
特に小型犬や子犬が生のカニを大量摂取した場合には、体が小さいことから特にチアミン欠乏に陥りやすいでしょう。

チアミン欠乏症を起こし治療をしないと、最悪のケースでは死亡する可能性もあります。ただ先ほども説明した通り、常識的な範囲内の量で1回だけ生のカニを食べた場合にはチアミン欠乏症を起こすほどのチアミナーゼを摂取することは考えにくいです。しかし生のカニを犬が盗み食いで大量に食べてしまった場合、特にそれが小型犬や体の小さな子犬であった場合にはチアミン欠乏症を招く可能性もあります。

いわゆる脚気はチアミン欠乏症のことです。

犬がカニを誤食した時の対処法

獣医と犬

甲羅や殻を食べてしまった場合

甲羅や殻も全て食べてしまった場合は、消化管閉塞、消化管穿孔や食道で詰まったことによる呼吸困難などを招く可能性があります。様子を見ていて元気がない、食欲がなくなった、嘔吐などの症状がある場合には動物病院へ行きましょう。

殻や爪などを食べている場合は吐かせると危険なこともありますし、、食道や胃、腸で詰まってしまった場合には緊急手術が必要になるかもしれません。まずは獣医師に相談することをおすすめします。

生のカニを食べてしまった場合

生の身をたくさん食べてしまった場合、チアミン欠乏症を起こさないとしても消化不良を起こしてしまう可能性があります。

大量のカニを食べてしまったことを獣医師に相談することをおすすめします。

心配な場合、生身だけであれば嘔吐を促進する薬を与えて吐かせるのが良いかもしれません。 吐かせる場合には、食べてすぐ、遅くても2,3時間以内に行う必要があります。

まとめ

おもちゃを加える犬

ついつい美味しいから愛犬にも食べて欲しいと思うカニは、愛犬にとって有害となってしまう場合があります。

与える場合は少量を加熱して与えてください。

また、カニの身ではなく甲羅を誤食してしまった場合には、消化管を傷つけたり途中で詰まったりするだけではなく、食道で詰まった場合には気管を圧迫して呼吸困難を引き起こす可能性もあることを心に留めておいてください。

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