愛犬に煮干しは与えていいのでしょうか?
こちらに書くまでもありませんが、犬に絶対与えてはいけないとされる有名な食べ物は「チョコレート」とネギ類です。ですから、犬用チョコレートとか、犬用オニオンスープなんて売っていません。しかし、煮干しについては、様々なメーカーから、愛犬のための煮干しが販売されています。この事実だけを取り出しても、愛犬に煮干しを与えるのは「YES」です。
それなのに、獣医さんや犬の食餌に関してまとめた書籍では、煮干しを愛犬に与えるのは「要注意」であったり、○△×の2段階評価の△に認定されている傾向にあります。。
なぜ、このように煮干しに対する評価が厳しいのでしょうか?
その理由を知る事は、飼い主さん自身が、愛犬に自信を持って煮干しを与えられる理由にもなります。
煮干しを愛犬に与える事が懸念される理由
煮干しと言えば、和食では出汁を取るのに欠かせない食材でもあり、近年では日本人のカルシウム不足にも最適とされ、出汁をとった後の煮干しを料理に活用したり、オヤツやおつまみに煮干しを取り入れることも推奨されているぐらいです。人間以上にカルシウムが必要な愛犬にとっても、煮干しを与える事がもっと推奨されてもいいものですが、懸念されるのには、大きく、ナトリウム(塩分)とカルシウムの問題が挙げられます。
ナトリウム(塩分)の問題
煮干しとは、カタクチイワシをはじめ、マイワシ、ウルメイワシ、キビナゴ、アジ、サバ、トビウオ等の小魚を塩水で茹で、乾燥させることによって作られます。煮干しとは異なりますが、しらす干しも同様の製法で作られますので、犬にとって塩分過多になるという問題点がよく挙げられます。犬(特に雄犬)は、塩分を取り過ぎると、尿結石の要因になるとされていますので、「煮干しやしらす干しはあげないほうがいい」とされるようです。
しかし、この問題に対する対応は、そんなに難しいものではありません。
ペット用の減塩(低塩)の商品も多くありますし、心配ならば、湯通しすることで塩分を減らすことができます。また、人間用の物でも無塩の煮干し(いりこ)もありますので、それらを利用してもいいでしょう。また、人間用の煮干しでも、出汁を取った後の煮干しですと塩分は相当抜けていますので、食物を無駄にせずに済みます。
カルシウムの問題
ドッグフード(総合栄養食)を食餌として与えている場合、栄養バランスが崩れるから、水以外は与えない方がいいという考え方が、獣医さんをはじめ、今でも根強く残っています。
犬にもカルシウムは勿論必要ですが、タンパク質、ミネラル、ビタミン等、様々な栄養素とのバランスが重要で、ドッグフード(総合栄養食)は、その様々な栄養素を計算された配合で含んでいるというのが建前ですから、そこに、特定の栄養素だけを追加する行為は避けた方が無難です。厳しい方々の中には「犬の健康のためには避けるべき」という意見すら見られます。
正直なところ、煮干し1匹食べただけで、愛犬がどうかなるとは考えにくいですし、愛犬と飼い主さんとのコミュニケーションを計るのに、ちょっと美味しいモノとして、煮干しは添加物たっぷりのドッグフードやクッキーよりは遥かにいい食材というのは、多くの人がわかっているのです。
美味しいものに喜ぶ愛犬の姿を見て、飼い主さんがついついエスカレートしちゃいがちなのも事実。そんな飼い主さんを戒めるためにも、「ドッグフード以外は与えるな」とされている事が多い様に感じます。
オヤツとして与えるか、食餌の一部として与えるのか
以上のように、煮干しをオヤツとして与える場合は、さほど心配することはありません。塩分の含有量が少ない商品を選び、丸呑みしないように気をつけてあげましょう。また、稀に青背の魚にアレルギーがある犬もいますので、皮膚の変化などもないか観察しましょう。
ドッグフード(総合栄養食)をメインの食餌としてせず、トッピングや手作り食を愛犬に与えている場合、多くの日本人がカルシウム不足であるのと同様に、愛犬もカルシウム不足に陥っているケースが多いようです。成犬の場合、体重1kgあたり100mg(日)程度が目安とされています。
煮干し10gならカルシウムは220mg、小松菜100gでカルシウムは150mgぐらいとされていますが、それだけの量を食餌だけで賄うのは大変です。また、カルシウムが愛犬の体内に吸収されて、適切に活動をするためには、リン、マグネシウム、ビタミンDなど、様々な栄養素とのバランスがうまく取る必要があります。カルシウムやリン、マグネシウムは結石の原因になりますのであげすぎには十分注意してください。
我が家の愛犬は穀物アレルギーが強いため、朝ご飯はドッグフード半分とトッピング。晩ご飯は完全手作り食という生活を、もう数年来続けています。
単純に煮干しや骨だけを食べればOKとはいかないのを知ってから、カルシウムというのは、課題のひとつです。現在は、煮干しだけでカルシウムの問題を解決するのではなく、ヨーグルトや犬用のミルクといった乳製品の利用、(消化が得意とはいえませんが)カルシウムの多い野菜や海草類(パセリ、大根の葉、小松菜、ひじき)の利用を行っていますが、サプリメントでの補填も併せて考えるのが理想的のように感じます。
煮干しはとてもいい食材です。愛犬のカルシウム補助に、またコミュニケーションのためのオヤツに、上手に活用したいものですね。
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記事の監修
- 獣医師
- 平松育子先生
- (ふくふく動物病院 院長)
山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。
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女性 ゆべし
ホームセンターなどでわんちゃん用にぼしというのを見かけたことがあるので普通に与えてもいいものだという認識でした。人間用は塩分が多いと思うので、与えるのならちゃんとわんちゃん用と書かれているものだけにした方が安全ですね。
ですが、あの姿のまま与えてしまうと喉や上顎に刺さったり、歯の間に刺さる危険があります。元々肉食の犬の歯は魚などを細かくして食べる形状にはなっていないので、丸飲みされてしまう可能性があります。尖った部分などは特に注意して与えるようにしましょう。
煮干しの栄養成分の中にはDHAやEPAが含まれているので、これらの成分は摂っておいた方がいいものです。一説では心臓病のわんちゃんは血中のDHAやEPAの濃度が低いことから、進んでこれらの成分を摂取することで改善する面が見られると言われています。
カルシウムが豊富なことは有名ですが、カルシウムを制限する必要のあるわんちゃんには与えない方が賢明です。腎臓が弱い子も注意が必要です。
なかには、わんちゃん自身海産物が苦手な子もいるので、無理に与える必要はありません。我が家の愛犬がまさにそれです。海のものが苦手なので魚も食べてくれません。今はサプリでも補給することができるので、そちらを与える方が塩分などのリスクは低いと思います。 -
女性 くりーむたると
わんちゃんのオヤツに関しても、煮干に関しても賛否両論ですよね。絶対あげたい!ものでもないし、絶対あげてはいけない!ものでもないので、その犬の健康状態次第なんでしょうね。
我が家では基本のご飯はドッグフードです。カリカリの。
日によりドッグフード8割に手作りごはん2割をトッピングします。
割合はその時によりけりで変わりますが、だいたいこんな感じです。
野菜、お肉、さかなや豆腐類など、トッピング手作りごはんなので、ローテーションする事が多いです。なるべく偏らないようには気をつけています。
煮干しですが、我が家ではオヤツとしてあげる事が多いです。お家であまり煮干しは使わないため減塩された犬用の煮干しをあげていますよ♪
煮干しでもお魚の種類は豊富なので、うちでは〝減塩〟〝比較的小さめのサイズ〟のものを選んでます。
お魚の乾燥させたジャーキーなんかも売られてますが、オヤツにしては大きいし割るのも大変なので。
愛犬はほぼ好き嫌いなく何でも食べるのですが、煮干しや干し野菜や乾燥させたお肉などをミキサーにかけて〝ふりかけ〟を自家製で作っている方もいるみたいですね。
ドライフードにトッピングするのに便利みたいです。
買うより安心だし、食が細かったり、ドライフードをあまり好んで食べない子には良いかもしれませんね!
煮干しを与えるなら犬用でなくても、人用のもので塩分が低めなら、たまにあげる程度であれば問題ないとおもいます。
出汁をとったあとのものをあげるのが塩分がさらに減り良さそうですね。
煮干しでも大きいものもありますから、小型犬なら大きい煮干し一匹は量が多いかもしれませんね。体型に合わせて与える量は気をつけてあげてくださいね。
煮干しは犬にとって手軽に与えられるオヤツの1つです。良い面、良く内面を理解してあげるぶんにはまったく問題ないですよね!
うちではそんなに頻繁にあげているわけではありませんが、煮干しだけでなく愛犬が食べるものは偏らない範囲で、愛犬の健康状態を見て楽しいおやつタイムを過ごせると良いですね♪