犬の心臓病と塩分の関係とは?摂り過ぎ注意な理由を解説

犬の心臓病と塩分の関係とは?摂り過ぎ注意な理由を解説

犬に塩分を多く与えると、心臓の病気になってしまう危険性があります。具体的に、どういう流れで心臓病になってしまうのか、どういう症状を引き起こすのかを、塩分と心臓病の関係性をお伝えしていきたいと思います。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬の心臓病リスクを高める塩分

塩

ついついあげてしまう人の食べ物やおやつについて

生物にとって塩分とは、必要不可欠な成分です。
ただし、人間にとっても言えることですが、犬も塩分のとりすぎは病気の原因にもなります。
人も犬も1日の理想の塩分摂取量は、1kgあたり10~50mgといわれており、数字で見てみると、犬と人の摂取分は一緒だと感じますが、人と犬では体重が全然違いますので、犬1匹あたりの塩分摂取量を考えると、犬は人ほど塩分を必要としません。

また、犬は人ほど汗をだらだらと流すことはありません。
人は、汗をかき、余分な塩分を体外に排出することができますが、犬は汗をかいてもパットにじわっとかく程度ですので、塩分が体内に溜まりやすくなっています。

飼い主がご飯を食べている時に「ちょうだい!ちょうだい!」とおねだりしてきたり、じーっと欲しそうな目で見つめてくる犬はよくいます。
そこで、「自分たちは毎日美味しいご飯を食べているのに、犬は毎日同じドッグフードだけというのはかわいそう」などと思い、ついつい人の食べ物を与えてしまう人は少なくないのではないでしょうか。

しかし、人がおいしいと感じる食べ物は、犬にとってはとても塩分が多いのです。
ドッグフードに加えて、人の食べ物やおやつをたくさん与えすぎていると、犬は塩分のとりすぎになってしまいます。

人の食べ物以外でも、ドッグフードや犬用のおやつも気を付けなければいけません。
ドッグフードや犬用のおやつのパッケージに、ナトリウム含有量がちゃんと表示されている物とされていないものがあります。
表示されていない物はナトリウムが多く入っている可能性もあるので、全部がそうではないですが、特に気を付けた方がいいですね。
このように、人の食べ物をよくもらっている犬や、ドッグフードの他におやつをたくさんもらっている犬は心臓病に限らずですが、いろんな病気になりやすいのです。

心臓病と塩分の関係

人の食べ物

塩分過多は内臓全般に負担をかけてしまします。
その中でも心臓病と塩分の関係についてお伝えしていきましょう。

先ほど例に挙げたように、普段のご飯はドッグフードをもらい、人がご飯を食べている時はよくおすそわけをもらい、さらに、おやつもよくもらっているという犬がいるとします。
このように明らかに食べ過ぎで、塩分もとりすぎていると、人にとっても言えるですが、喉が渇いてたくさん水を飲んでしまいます。
体内の塩分濃度を下げるために水をたくさん取り込もうとするのです。さらに水分を逃さないように尿量が減少していきます。その結果、体内の水分が増えてしまいます。

血液も体内の水分に含まれますので、自然に血液の量も増え、心臓のポンプをたくさん動かす必要があります。このようにして、体内の水分量が上昇する結果、 血圧が上がってしまいます。
毎日こういった食生活を送っていると、心臓に負担がかかってしまいますよね。
このような心臓への負担により、心臓もだんだん疲れ、機能が早く低下してしまって病気になる危険性が高まるということです。

なにより一番怖いのが、心臓病になって心臓の機能が低下しているのにもかかわらず、塩分を取りすぎている食生活を続けている状態です。
こういった生活を続けると、さらに高血圧が進んで、排出されない水分が体内に溜まり、症状が悪化して最悪死につながる大変危険な状態になってしまいます。

代表的な心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」とは

心臓

心臓病といっても、いろいろな種類の病気がありますが、犬の代表的な心臓病は、「僧帽弁閉鎖不全症」です。
この病気は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁という弁の異常によって引き起こされるもので、心臓病の90%以上がこの病気です。

特徴

正常に働いている僧帽弁は、左心房から左心室へ血液が入り、左心房へと逆流するということはありませんが、何らかの原因で、僧帽弁が変形することによってこの弁がちゃんと閉じなくなり、左心房に逆流してしまいます。
その結果、心臓に血液が溜まり、うっ血を起こして心臓が大きくなってしまう心臓肥大という状態になってしまったり、心臓の機能がさらに低下して心不全という状態になってしまいます。

症状

  • ゼーゼーという咳がでる
  • 呼吸が荒くなったり、ひどい場合呼吸困難を引き起こす
  • 運動や散歩をするのを嫌がる
  • 疲れやすい
  • 酸欠になり、倒れる
  • 肺に水が溜まる
  • お腹に水が溜まる

治療・対処法

完治することはなく、基本的には薬で進行を遅らせることがほとんどです。
ここで、大事になってくるのが、おうちでのケアです。
安静にさせてあげることと、食事管理が大切です。
今まで、塩分を多くもらっていた子は塩分を減らさないといけません。
また、肥満も心臓病の敵ですので、心を鬼にして塩分をあげすぎない、太らせないといった生活をさせないといけません。

今は、心臓病のためのドッグフードも何種類か動物病院から発売されていますので、そういったものを使って食事管理するのもいいと思います。

犬は心臓病リスクが高い

心臓病の代表である「僧帽弁閉鎖不全症」は、年をとればとるほどなりやすく、10歳前後のシニア期の小型犬に多くみられます。
また、心臓に負担のかかるような生活を送っていると早期に発病したりもします。

僧帽弁閉鎖不全症にかかりやすい犬種

  • キャバリアキングチャールズスパニエル
  • チワワ
  • マルチーズ
  • シーズー
  • ポメラニアン
  • ミニチュアダックスフンド
  • トイプードル

まとめ

塩分過多は心臓病の原因のひとつです。
健康な子が塩分を摂りすぎたからといって、必ずしも心臓病になるとも限りません。
でも、健康なうちから、しっかりした食生活をおくっているほうが長生きしてくれる子が多くなってきています。
後悔しないように、時には心を鬼にすることも必要ですね。
愛犬が塩分を摂りすぎないように十分注意しましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 玄武

    我が家の愛犬(ミニチュアピンシャー・11歳)も、重い心臓病だと診断され、ゼーゼーとした咳や、呼吸困難、腹水、肺水を併発して、一時は危ない状態でした。
    元々、虐待された経験のある犬なので、精神的にも問題が有り、入院や私以外の人間に預ける事は、生死に繋がるので、介護は家で、世話出来るのは、私一人っきりでした。
    利尿剤を飲ませ、肺水と腹水を出し、食事も体調に無理の無い様stressを掛けさせ無い様にと、1日3回 心臓病治療食や、その日の体調に合わせ、高齢なのと、おやつや果物の糖分調整の為に、糖尿病治療食や、運動不足解消の為に、ダイエット治療食を併用し、サプリもコエンザイムQ10や、ナットウキナーゼ、DHA、EPA、コラーゲン、プロポリス、毎日のビタミン目薬、目のサプリ、おやつもプリスクリプションのダイエットビスケットや、プロポリスの歯磨き棒、毎日、時間が来るとフードをスケールで計り、体調によって調整、
    夜中も何度もオシッコ、睡眠不足になりながらの介護………その甲斐あって、今では
    とても、11歳だと思え無い位の、元気に飛び回って若々しくとても元気に過ごしています。大切に育てれば本当に元気に過ごさせる事が出来ます。何度も悩んで挫折しそうになりながら、此処まで来ました。
    心臓病の愛犬を持つ飼い主の方に伝えたいです。獣医の薬で、寝込ませて立ち上がる事も出来なくさせる前に‼
    自分で、愛情を持って出来る事を探して下さい。 以前、心臓病の大型犬を獣医の薬だけを信じて、死なせてしまいました。
    その!反省から考えた介護方法です。
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