犬がティッシュを食べる理由
犬がティッシュを食べる理由は個体によって様々ですが、以下のようなことが考えられます。
- 食べ物だと思っている
- おもちゃだと思っている
- ストレスや病気など異常を知らせるサイン
食べ物だと思っている
犬がティッシュを食べる理由として、ティッシュを食べ物だと思っている可能性があります。犬のごはんや人の食べる物を拭いたティッシュは、犬からすれば美味しそうなニオイがするものであり、食べるものだと思ってしまうことがあるでしょう。
また、特に保湿剤の使われているティッシュはほんのり甘い味がすることから、たまたま食べてしまったりしてその味を覚えた食いしん坊の犬にとってはおいしいおやつになってしまうのかもしれません。
ティッシュを食べようとして食べていると思われる場合には、ごはんの量が適切か、痩せていないか、栄養が不足するような病気や食欲が増える病気になっている可能性はないかチェックしてみましょう。
ちなみに、ティッシュと同様に食べ物のかすやニオイが付着しがちな「ラップ」も犬の誤食が多いので注意しましょう。ラップの場合は、ティッシュよりも危険なことになる可能性が非常に高くなります。
おもちゃだと思っている
箱の中からティッシュを取り出して遊ぶのが好きな犬も多いようです。引っ張っても引っ張っても次々に出てくるティッシュが面白いのかもしれません。
また、箱から出した後のティッシュがひらひらと舞うのが面白いのかもしれません。そのため、ティッシュを食べるつもりはなくても、夢中で遊んでいるうちに誤食してしまっているケースもあるでしょう。
特に好奇心旺盛な子犬の場合は、様々なものをおもちゃにします。室内に置いてあるものだけではなくゴミ箱を漁って色々なものを見つけ、食べ物のニオイがするものはもちろん、湿布や絆創膏など飼い主さんのニオイがするものや普段見慣れないもので遊ぶ犬も。
犬用おもちゃ以外のもので遊ぶ癖が付いている場合、ただ散らかすだけなら片付ければ済みますが、誤飲や誤食をする可能性が高くなるため徹底して阻止するようにしましょう。
異常を知らせるサイン
犬がティッシュを食べる理由として最も深刻なのは「異食症(いしょくしょう)」です。異食症とは、食べ物ではないものを頻繁に食べてしまう行動のことを指し、異嗜症(いししょう)とも呼ばれます。犬の異食症の原因はストレスや不安、体調不良、栄養不足、好奇心など多岐に渡ります。
犬が一度だけティッシュで悪戯をして食べてしまったという場合であれば特に心配はありません。ゴミ箱に入ったティッシュを引っ張り出してまで食べたり、ティッシュ以外の石や新聞紙、消しゴムなど食べ物以外のものをよく食べてしまったりする場合は獣医師に相談しましょう。
ティッシュを食べてしまうことによる影響
- 犬に害のある成分はティッシュに含まれていない
- 基本的に犬がテッシュを食べてしまっても大丈夫
- 大量にティッシュを食べてしまった場合は危険!
ティッシュそのものは、犬に害がある成分を含んでいるわけでもなく、柔らかいため、一枚や二枚食べてしまったからと言って中毒症状を起こすことはありません。
ただ、犬が日常的に繰り返しティッシュを食べたり、一度に大量のティッシュを食べたりした場合、危険な状態に陥る可能性もあるため、食べさせないに越したことはありません。
子犬・老犬・小型犬の場合
一般的に家庭で使用されているティッシュはトイレットペーパーと違って水に溶けません。そのため、犬がティッシュを食べてしまった場合は消化されず、飲み込んだ時の状態でうんちと一緒に排泄されます。
中型犬や大型犬などの体が大きい犬であれば、少量のティッシュを食べてしまったくらいで体に害を及ぼす事はほとんどなく、自然に「うんち」と一緒に排泄されます。
しかし、体の小さい小型犬や消化機能が未熟または低下している子犬や老犬などの場合は、飲み込んだティッシュが胃にいつまでもとどまって嘔吐や食欲不振などを引き起こしたり、最悪のケースでは腸に詰まってしまうことで腸閉塞などの命に関わる状態に陥ってしまう可能性もあります。
中型犬・大型犬の場合
中型犬や大型犬の場合でも、大量のティッシュを食べてしまった場合には同様の症状を引き起こす可能性は十分にあります。
また犬の大きさや食べてしまった量にかかわらず、喉にティッシュが張り付いたり詰まってそれを取ろうと咳をしたり運が悪ければ窒息にもつながるかもしれません。
ただのティッシュではなくウェットティッシュの場合には、これらの危険性は高まります。ティッシュ以上に犬が食べてしまわないように注意する必要があります。いずれにしても、愛犬がティッシュを食べてしまわないよう注意しましょう。
ティッシュを食べるのをやめさせる方法
犬がティッシュを食べるのをやめさせる方法についてご紹介します。
- 徹底してティッシュを隠す
- 運動や遊びを増やす
- おもちゃを与える
- 「しつけ」でやめさせる(散歩中)
徹底してティッシュを隠す
犬がティッシュを食べる時、まずは徹底してティッシュを愛犬の届かない場所に置くようにしましょう。少々不便かもしれませんが、ティッシュは犬が開けられない引き出しの中や高いテーブルの上に置いたり、壁掛けにしたりするのも良いかもしれません。
また、ゴミ箱に捨てたティッシュを漁らないように蓋付きのゴミ箱を利用したり、ゴミ箱を犬が入らないスペースに置くようにしましょう。とにかく徹底して愛犬がティッシュに触れることのない生活を続けることが最も重要でしかも安全にできる管理方法です。
もしティッシュで遊んだり食べたりするのが頻繁に起こっていた場合、犬はストレスを抱えているのかもしれません。その場合には、ティッシュを犬が届かない場所で管理するだけではなく、以下のような対策も行う必要があります。
運動や遊び、コミュニケーションを増やす
犬がティッシュを食べる時、暇を持てあましたりストレスがたまってティッシュを出したり食べてしまったりという行為をしている可能性もあります。
運動や遊び、コミュニケーションの不足はストレスの原因になりますので、愛犬と一緒に遊んだり、触れ合う時間を増やし、愛犬を精神的に満足させることで、イタズラがなくなったり食べ物ではないものを食べてしまうことがなくせることもあります。
ひとり遊びができるおもちゃを与える
運動の時間を増やしたり、飼い主さんと一緒に遊んだりコミュニケーションを増やすことに加え、さらに犬が1人でいる時間にも退屈せずに過ごせるように、ひとり遊びができるおもちゃをプレゼントするのもオススメです。
犬も同じおもちゃや遊びばかりでは刺激がなく、飽きてしまうこともあるため、飼い主さんと一緒に遊ぶ場合でもたまには新しいおもちゃを与えるのも良いのですが、留守番や飼い主さんが構ってあげられない時間などに、ひとりで遊べる知育おもちゃも犬を満足させるのに効果的です。
「ノーズワークマット」などの知育おもちゃで新しい遊びを教えてあげるのも良いかもしれません。犬におもちゃを与えて飼い主さんが目を離す場合には、まずは一緒にそのおもちゃで遊んで愛犬がそのおもちゃを壊すことはないことを確認してからひとり遊びに使わせるようにしましょう。
お散歩中にティッシュを食べさせないしつけ方
犬がティッシュを食べる場合、家の中だけでのことでしたら犬がティッシュに触れられないように管理するればいいのですが、散歩中などの外で、道端に落ちているティッシュまで食べてしまうという場合には、コマンドを利用したしつけトレーニングを行う必要が出てくるでしょう。
【 しつけ方法 】
犬の前にティッシュを置き、「待て」「ダメ」などのコマンドで静止させ、ティッシュを口にしなければ褒めるというトレーニングを繰り返します。
この時、犬が絶対にティッシュを食べてしまわないようにリードを着用し、犬が少しでもティッシュに近づこうとしたらリードを引っ張って制止してください。「ティッシュは食べるものではない」「ティッシュを食べないと褒められる」「いいことが起きる」と時間をかけて教えましょう。
【 音を使ったしつけ 】
音を使ったしつけが効果的な場合もあります。嫌いな音やびっくりする音を出すことで、イタズラ行動や問題行動を正すトレーニング方法です。下記の記事は音を使ったしつけを解説しています。興味がある方は、一度試してみてください。
ただし、適切な音の種類や音量、音を出すタイミングが難しく、なかなか効果がなかったり、犬がその音に慣れてしまったりすることもありますし、失敗してしまうと愛犬に不要な警戒心を植え付けてしまうこともあります。
ティッシュを食べてしまったときの対処法と注意点
犬がティッシュを食べた時の対処法についてご紹介します。
- まずは食べてしまった量を確認する
- 1枚や2枚の少量であれば様子を見る
- 大量に食べてしまった場合は動物病院へ
- 普段とは違う症状があれば動物病院へ
- 無理に吐かせると状態が悪化することも!
食べた量を確認する
犬がティッシュを食べた時は、まずその量を確認してください。ただ、ティッシュを散らかして遊んでいるうちに少量食べてしまった程度であれば様子をしっかり観察しましょう。
しばらく様子を見守り、うんちチェックも欠かさず行いましょう。便が出ない、食欲がないなど、少しでも異変を感じたら必ず動物病院を受診してください。体の小さい小型犬や超小型犬で食べてしまった量が心配になる場合には、念の為かかりつけ医に電話で相談しておくことをおすすめします。
動物病院を受診する
犬がティッシュを食べた時、明らかに大量に食べてしまった場合や吐く、吐こうとする、元気がない、呼吸がいつもと違うなどの症状がある場合は、早急に動物病院を受診してください。
この時、もし犬の口を開けて喉を見てティッシュが見えたら、落ち着いてティッシュを取り除いてみましょう。しかし、簡単に取り出すことができない場合には、無理に犬の背中を叩いたり喉の奥に手を入れたりはせず、なるべく犬を興奮させないようにして動物病院へ運びましょう。
吐く回数が多く、呼吸が苦しそうな場合は、まずはかかりつけ医に電話で指示を仰いでください。
無理やり吐かせるのは絶対にやめて!
犬がティッシュを食べてしまった時、病院に連れて行く以外に私達飼い主にできることは様子を見守ることくらいです。ネット上では、犬の誤食や誤飲に対する様々な応急処置が紹介されています。ですが、いずれも正しい知識を持って行わなければ効果がないだけではなく、かえって状態を悪化させたり危険を伴うこともありますので、安易に行わないよう注意しましょう。
まとめ
柔らかく薄いティッシュは、危険が少ないと思われがちですが、犬の体格や量によっては非常に危険な状態に陥る可能性もあります。まずは、愛犬が何故ティッシュを食べるのか、おやつや食事、運動、遊び、コミュニケーションなどに不足はないかどうかを考えてみましょう。