犬の便秘解消マッサージのコツ
犬の便秘解消のために、腸の動きを整える押しマッサージが効果的です。愛犬とのリラックスしたコミュニケーションにもなりますので、ぜひやってみてくださいね。
- 犬をリラックスさせる
- 爪を立てないように短く切っておく
- 最初は優しく揉む
- 慣れてきたら皮膚をつまむように揉む
マッサージを行う前は、しっかりと頭からシッポまでまんべんなく撫でてあげることが重要です。
便秘に効くツボを押すために、愛犬とスキンシップを図りながらリラックスさせてあげてください。愛犬の肌を傷つけないように、マッサージをする側の人間は、爪を短く切っておきましょう。
最初は優しく、なでるようにマッサージします。慣れてきたら、徐々に力を加えてみましょう。揉んだり、皮膚をつまむように指で挟んで動かすのも効果的です。血行促進にもつながります。
犬の便秘解消マッサージのやり方【お腹編】
では、実際に愛犬にマッサージを行ってみましょう。
- まず、寝ころばせて、おへそを探してください。おへそは一番毛が生えていない場所で、触ると少し盛り上がっています。
- 天枢(てんすう)というツボを探して優しく押します。おへその左右1センチ~1.5センチのところにあり、「腸」の動きを整える効果があるそうです。
- 中脘(ちゅうかん)というツボを探して優しく押します。胸のお腹側の骨(胸骨)の下側とおへそを線で結んだ真ん中にあり、「胃」の動きを整える効果があるそうです。
- 関元(かんげん)というツボを探して優しく押します。おへそから1センチ~1.3センチ程下側にあり、気や水の巡りを調整する効果があるそうです。
- ②~④のツボを通るように、おへそを中心に時計回りに優しくさすります。
犬の便秘解消マッサージのやり方【背中編】
- 伏せの状態にしてリラックスさせます。
- 大腸兪(だいちょうゆ)というツボを探して優しく押します。肋骨がくっついている最後の背骨から数えて5番目と6番目の背骨(第4腰椎と第5腰椎)の間で、左右にあるそうです。大腸機能に関するトラブルに効果があります。
- 小腸兪(しょうちょうゆ)というツボを探して優しく押します。大腸兪から2つ背骨をしっぽ側に数えていってその左右にあり、「腰痛」や「便秘」に効果があるそうです。
- 胃兪(いゆ)というツボを探して優しく押します。最後の肋骨とそのひとつ前の肋骨の間で背骨の左右にあり、「消化器の不調」に効果があるそうです。
- ④の胃兪は比較的わかりやすい場所にあるので、胃兪→大腸兪→小腸兪の順番に背骨の左右を軽く押してあげ、人差し指と親指で優しくクルクルと円を小さく描くようにマッサージしていきます。
ツボの正確な場所が分からなくとも、その付近を押したり、マッサージするだけでも効果があります。骨が近い部分ですので、場所がずれてしまって犬が痛がるようなら押す場所や方向を変えてみましょう。またマッサージは、あくまでも犬が嫌がらない範囲で行いましょう。
犬の便秘解消マッサージのやり方【腹直筋編】
腹直筋(ふくちょくきん)はお腹の真ん中で縦に走っている筋肉ですので、お腹の真ん中辺りを上から下に向かって、ゆっくりとマッサージしてあげてください。
副直筋とはお腹にある筋肉の一つですが、骨がなく身体をこの部分で支えなくてはならないため、疲れが溜まったり、コリで張っている場合があります。便秘に悩んでいる人では、この腹直筋がこっていることが多いと言われているようで、便秘の犬でもこの副直筋がこっていることがあるかもしれません。
辻本由香子
便秘に効くマッサージには他にも肺経(はいけい)、大腸経(だいちょうけい)と呼ばれるツボ押しの方法があり、そのツボは「顔」に存在します。
また、中脘にはストレス太りの解消に役立ったり、大腸兪には他にも胃腸炎に効く効果や小腸兪には腸痙攣や腰痛に効くといった別の効果も期待できます。愛犬が嫌がる素振りを見せないのであれば、試してみるのもいいかもしれません。
犬にマッサージするメリット
- 体のあらゆる部位を触られるのに慣れさせることができる
- リンパの流れが良くなり、健康に役立つ
- 愛犬の異変にすぐ気づきやすくなり、体調管理に役立つ
愛犬にマッサージをすることは、便秘解消や血行促進のためだけでなく、上記のような良いこともあります。メリットの多いスキンシップになりますので、積極的に取り入れてみることをおすすめします。
犬の便秘の原因と予防策
愛犬のうんちが出ないことが続くと、とても心配になりますよね。動物病院へ連れて行ってお薬をもらったり、便秘解消に良い物を食べさせたり、もしくはしばらく様子を見るだけにとどめたりなど、飼い主さんによって対応は様々だと思います。
あなたは、犬が便秘になる原因をご存知ですか?まずは原因を知ることで、愛犬の普段の生活や環境を見直すことが大切です。
便秘の原因として腸や肛門(付近)の腫瘍、様々な原因での腸閉塞などの病気も考えられますが、まず日々の工夫で改善することができる場合の便秘について説明します。
運動不足
犬も運動不足が原因で、便秘になることがあります。留守にしがちな方や、室内飼いでなかなか運動の機会が持てていない方など、必要な運動量に達していない可能性があります。
また、シニア犬になると、体力と筋力の低下から運動量が落ちてきてしまうので、便秘の可能性が高まってきます。健康維持のために、動ける範囲で少しでも体を動かすという意識は持ち続けるようにしましょう。
予防策
- 普段の散歩量を見直して、犬種ごとやその犬に合った運動を行う
- シニア犬でも可能な範囲で、体を動かすことを意識する
水分不足
摂取する水分量が不足すると腸で作られる便の水分量が減少し、便秘になりやすくなってしまいます。うんちが硬くなり、排出されにくくなっている状態ですので、うんちを柔らかくするためにも、水分を多めに取らせるようにしましょう。まずは、犬がいつでも新鮮な水を飲めるような状態になっているか確認しましょう。
水の容器が気に入らなくて飲まない、という子もいるため、容器の変更を試してみるのも方法です。給水器のみでお水をあげている場合、思いっきり水が飲めずに慢性的な水分不足になっている犬もいるようです。
お留守番の時やケージの中では給水器を使っていても、1日に数回はボールからもお水を飲ませてあげると良いでしょう。また、ドライフードをお湯でふやかしたり、ウェットフードを混ぜるのもおすすめです。
予防策
- 水がいつでも飲める場所にあるか確認
- 水の容器を変えてみる、ボールからも飲ませてあげる
- フードに水分を混ぜて与える
食物繊維不足などの栄養バランスの崩れ
食事に食物繊維が不足していたり、おやつやトッピングなどによりカルシウムが摂取過剰になると便秘になることがあります。
食物繊維については、食物繊維の種類や摂取量によっては逆に軟便や下痢を起こすこともあります。また、フードによっては、その犬の体質に合わず、便秘や軟便が続いて良い排便が見られないこともあります。
良い排便が見られない時にはフードを変えると改善されることがありますが、普段主食としているフードを変更する際は、いきなり全部を取り替えるのではなく、少しずつ混ぜて取り入れていくようにしましょう。
良い便が出ない場合には、かかりつけの獣医師さんに、フードについて相談してみることもおすすめします。
予防策
- おやつも含め食事の内容を見直し、栄養バランスを適切にする
- 普段食べているフードを変えてみる
辻本由香子
ペットの便秘は、様々な要因が関係して起こるものがほとんどですが、出ないのが苦しそうだからといって安易な浣腸による処置は、逆に症状の慢性化や悪化を招くことになる可能性があるので注意しましょう。
また上記記載の通り、便秘は食べ物によるものや病気によるものなどによって引き起こされます。便秘の原因が細菌性のものといった場合でなければ、まずは日常生活から見直してみるのが良いと思います。
犬は何日ウンチが出ないと便秘なの?
下記が便秘かどうかの判断する目安です。
- 2~3日以上出ない日が続くと「便秘」
- 子犬:1日に5回前後で出れば良し
- 成犬:1日に2回前後で出れば良し
そもそも、どのくらい便が出なければ便秘と判断するのでしょうか?あなたは、愛犬の一日のトイレ回数を把握できていますか?
犬がトイレに行く回数は、年齢と飼われている環境、フード、フードがその犬に合っているかどうかなどで変わります。また、病気によって便の回数が多い場合もあります。
室内にトイレがあっていつでもトイレができたり、よく散歩に行ったりする場合は、必然的にトイレの回数も増えるでしょう。うんちの状態がコロコロと硬かったり、何度もきばるがなかなか出ないなど、心当たりがあれば便秘気味と判断できるので、早めに解消してあげましょう。
犬の便秘を引き起こす可能性のある病気
- 腫瘍
- 前立腺肥大
- 誤食による腸閉塞
- 会陰ヘルニア
- 椎間板ヘルニア など
もし、嘔吐などの症状が現れていたり、前述した予防策をやってみても一向に改善が見られない場合は、早急に動物病院へ連れて診てもらいましょう。
何か他の病気が原因で、腸のどこかで便が通れないため、または排便にかかわる神経に異常があるために便秘が引き起こされている可能性も考えられます。
辻本由香子
犬は基本的にゴミ漁りをする性質を持っていて、そういった癖が強い犬は便秘になりやすい点に留意してください。また、ジャーマン・シェパードのような犬種はストレスによる胃腸障害を引き起こしやすい傾向にあります。
愛犬が便秘になった際は、食餌の影響なのか病気やストレスの影響なのかを見極めると共に、マッサージをする際には力を入れ過ぎないように優しくマッサージをしてあげるよう心掛けてあげると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?愛犬のトイレの回数や便の状態の把握から、便秘解消のマッサージ方法をお伝えしました。
トイレの回数などは、毎回確認している方はこれからも継続していただきたいですし、確認していないという方はぜひ今日からチェックしてみてください。
日頃から愛犬の様子をチェックすることで、すぐに異変に気づくことができます。愛犬の健康を左右するのは、飼い主である私たちだということを忘れずにいたいものですね。