犬に柑橘類を与えるメリット
柑橘類に含まれている成分は、犬にとって良い効果となるものもあります。犬に柑橘類を与えて得られる良い効果をみていきましょう。
老化防止
柑橘類に多く含まれているビタミンCは、皮膚や美容に良いだけでなく、免疫力を高め細菌やウィルスなどの抵抗力をつける働きや、老化の原因となる活性酸素を除去し、動脈硬化などの病気予防にもつながる抗酸化作用があります。
通常、健康な犬や猫などほとんどの哺乳類は体内でビタミンCを生成することが出来るため、無理に食べ物から摂取する必要はありません。
ただし、高齢犬や体調が悪い犬などは、ビタミンCを生成する力が低下しているため、食べ物やサプリメントなどから摂取が必要な場合もあります。
水分補給として良い
柑橘類は犬の脱水症状の防止にもなります。果物の成分のほとんどは水分が占めているため、暑い夏や乾燥気味の日に、水分補給の補助として与えるのも良いでしょう。
柑橘類の与え方
柑橘類は、食欲がない犬や、同じご飯に飽きている犬にトッピングとして混ぜると食べてくれることがあります。また、ヨーグルト(無糖)と一緒に与えると乳酸菌も一緒に取り入れることができるため、便秘気味の犬にはおすすめです。
人間用のオレンジジュースや缶詰、ゼリーなどの加工品には砂糖が多く含まれているため、与えないようにしてください。
与えても良い分量
犬の体質や体の大きさ、柑橘類によっても量は異なりますが、小型犬(約5kg)の場合、みかんやオレンジは1〜2房程度、グレープフルーツは1房程度が1日に与えても良い目安です。
果物には果糖が多く含まれているため、与えすぎは肥満の原因となります。おやつとして与える場合は、1日の摂取カロリーの10~20%以内に収める必要があります。
必要なカロリー量に関しては、下記の記事を参考にしてください。
与える際の注意点
柑橘類を犬に与える際には様々な注意点があります。
白い筋や種は全て取り除く
皮や房の袋、白い筋は消化に悪いため、必ず取り除いてあげましょう。。また、種も喉に詰まらせる可能性があるので取り除いてから与えてください。
熟していないものは与えない
熟していない柑橘類には「アルカロイド」という毒素が多く含まれています。これを多量に体内へ取り込むことで下痢や嘔吐などの症状が出る場合がありますので、未熟なミカンなどは与えないようにしてください。
与え過ぎに注意する
柑橘類だけでなく果物全般は水分が多く、犬に与え過ぎると消化不良で嘔吐や下痢を起こすこともあります。
また、果糖が含まれていることから、肥満や、糖尿病を患っている犬の場合は注意が必要です。与える前にかかりつけの獣医師に相談しましょう。
アレルギーに注意する
犬にも様々なアレルギーがあり、柑橘類に反応する可能性も否定はできません。
柑橘類を与えた後に下痢、嘔吐、じん麻疹、ぐったりしているなどの症状が出てしまった場合はすぐに病院へ行きましょう。与えたもの、与えた量や、現れた症状を詳しく伝えるとスムーズに診察することができます。
また、柑橘類にアレルギー反応が出ない犬でも初めて与えた際は、食後約30分間は様子をよく見ておく必要があります。
外皮に中毒物質が含まれているので注意する
柑橘類にはソラレン(光毒性物質)と呼ばれる紫外線を吸収してしまう中毒物質が、外皮に含まれています。多量に摂取しなければ問題ないと言われていますが、犬の体質にもよるため注意が必要です。
また茎や葉にも犬にとって中毒になる物質が含まれているため、与える際は必ず取り除いてあげましょう。
投薬中の犬にグレープフルーツは与えない
グレープフルーツの成分には、薬剤の効果や副作用を強くさせてしまう「フラノクマリン」が多く含まれています。投薬中の犬には与えないようにしてください。与えてしまった場合は、獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬に柑橘類を与える場合、柑橘類の種類や与える量など、犬の体質に気を付けながらであれば良い効果を得ることができます。また特に夏に向けて暑い日が続く場合は、食欲不振や熱中症を防ぐ効果も期待できます。
ただし、健康な犬は体内でビタミンCを生成することができるため、無理に与える必要はありません。また、柑橘類に含まれる中毒成分などの心配もあることから、与える際には注意も必要です。
犬によって柑橘類アレルギーや中毒が心配される場合は、事前に獣医師に相談し、アレルギー検査を受けておくのも良いでしょう。