犬はレモンを食べても大丈夫?与え方や注意点について

犬はレモンを食べても大丈夫?与え方や注意点について

ビタミンCが豊富に含まれているレモン。人間にとって美容や健康に良いとされていますが、犬にとっては果たしてどうなのでしょうか?果肉はもちろん皮や汁を与えても大丈夫なのでしょうか?ここでは、犬とレモンの関係について獣医師監修の元ご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬はレモンを食べても大丈夫!

フルーツかごを持つ犬

結論から言うと、犬はレモンを食べても大丈夫です。ただし、皮を除いた実や汁だけです。

レモンに含まれるビタミンCは、骨や軟骨、血管に含まれるコラーゲンの生成やある種のホルモンの生成にもかかわるだけではなく抗酸化作用による免疫力の向上も期待でき、犬にとっても欠かせない栄養素となっています。

抗酸化作用とは、体内の活性酵素の働きを抑える働きを指します。

活性酵素は細胞を傷つけ、老化やガンの発生にも関係すると考えられています。

そのため、レモンなどに含まれるビタミンCを補給することで細胞が傷つくことを防ぎ、ひいては老化を遅らせたりガンになりにくくなる効果も期待されています。

犬はレモンを食べなくても、ビタミンCの生成を肝臓で行っていますが、生成できる量は一日で最大でも約60mgといわれ、それだけでは必要量に足りません。

つまり、健康な犬でも食事からビタミンCを摂取する必要があるというわけです。

また、ビタミンCは水溶性ビタミンであるため、体内に蓄積しにくく過剰な分は尿中に排せつされるため過剰摂取による毒性も低く、日頃から適量のビタミンCの補給は必要と考えられています。ただし、尿のpHを低くしてしまうほどに多くのビタミンCをとることは、ある種の尿結石を作られやすくしてしまうことがあるので注意が必要です。

下記記事にてビタミンCと犬の関係について記載しています。ぜひ参考にしてください。

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風邪の対策にビタミンCを摂取するなど、みなさんビタミンCの大切さはご存知かと思います。そして人間だけではなく犬にとってもビタミンCは体に重要なビタミンの一つです。今回は、犬とビタミンCの関係について説明したいと思います。

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犬にレモンを食べさせた方が良いの?

レモンの匂いを嗅いでいる犬

犬にとってレモンはアレルギーや中毒症状を起こす食べ物ではありません。

そのため、食べてはいけない食べ物ではないのですが、積極的に与える必要のある食べ物でもありません。

むしろ無理に食べさせると体調不良を引き起こす可能性もあります。

レモンの酸っぱさが苦手な犬は多い

ビタミンCが豊富なレモンですが、その他に強烈な酸っぱさが特徴的ですよね。

人間でさえレモンを直接舐めると刺激的な酸っぱさに襲われますが、それは犬も同じです。

実際にレモンを舐めたことがある犬は、酸っぱさと刺激の強さから二度と欲しがらないことがほとんどです。また、レモンやオレンジなどの柑橘系の香りは犬はもともと好まないとも言われています。

胃や神経系に不調を起こす可能性も

犬の反応が面白いからといってレモンを与えることはやめましょう。

レモンの実と汁には犬にとって悪い成分は含まれていないので食べることはできますが、刺激が強い食べ物なのでレモンの実や果汁を摂取することで胃の不調を起こすこともあります。

これはレモン以外の柑橘類、みかんやグレープフルーツなどにも言えることです。

ビタミン不足の犬にはレモンを与えたほうが良い?

レモンを嫌がる犬

レモンは無理に与える必要はありませんが、中にはビタミンCを積極的に食事に取り入れた方が良い場合もあります。

それは病気などによってビタミンC不足であったり、抗酸化作用を強化したい犬の場合です。

では、どのような犬がより多くのビタミンCを必要とするのでしょうか?

病気でビタミンCが不足しやすくなる場合

犬は自分でビタミンCを生成できますが、病気によってビタミンCが体内で生成できなくなったり、ビタミンCを急激に消耗してしまう場合があります。

犬がビタミンC不足になると、さまざまな病気に打ち勝つことが難しくなったりストレスを感じやすくなる可能性があります。

例えば、感染症や腫瘍によって肝機能が低下した場合や慢性腎不全、腸からのビタミンCの吸収率の低下などによってビタミンCが不足しやすくなると考えられています。

それらの病気によってビタミンCが不足し十分な抗酸化作用を得られないことが心配される場合には、ビタミンCなどの抗酸化成分を含むサプリメントを与えることが効果的かもしれません。

家族に喫煙者がいるなど、ビタミンCを多く消費する場合

喫煙者はタバコを吸うと体内に活性酵素が生じます。ビタミンCは細胞を傷つける活性酸素を無害化しようと働き、体内で減っていきます。タバコによる害は、吸っている飼い主だけではなく副流煙を吸い込むことになる家族や犬にも及びます。

またタバコの主流煙、副流煙ともに、ビタミンCを破壊し、特に副流煙で大量のビタミンCが破壊されるそうです。

さらにタバコの煙には、様々な犬にも有害な化学物質も含まれているので、飼い主の喫煙は犬にも悪影響しかありません。

愛犬の前で、または愛犬のいる室内で喫煙をするのは控えるようにしましょう。

老犬の場合

犬は肝臓でビタミンCを生成していますが、年齢を重ねることで肝臓機能が低下するためビタミンCの生成量も減っていくと考えられます。

また老犬では、体内で生成できる量のビタミンCだけではなく、積極的に抗酸化作用を持つ成分摂取することによって、体で起きる様々な炎症を抑えたり免疫力を高めたりすることが期待できます。

老犬以外にも、成長期や激しい運動をする犬にもビタミンCを積極的に摂取すると良いとする報告もあるそうです。

抗酸化成分にはビタミンC以外にも複数あり、ペット用のサプリメントとしても多くの商品が開発されています。

例として、市販されている商品を一つご紹介します。

犬用 天然ビタミンCサプリメント クリアC 60g 老犬のコラーゲン生成を助けるサプリメント

毛並みや毛ツヤが悪い犬

ビタミンCはコラーゲンの生成にも深く関わっているため、体内のビタミンCが不足すると被毛や皮膚に変化があらわれます。

毛並みが悪くなったり、毛ツヤが無くなったり、皮膚が乾燥していると感じたら、ビタミンCを含むサプリメントによって改善される場合もあるかもしれません。ただ、毛ツヤが悪くなったり皮膚が乾燥したりしている場合には、治療の必要な病気である可能性もありますので、そのような症状が続いたり他にも異常がある場合には、動物病院を受診しましょう。

犬にレモンを与える方法と注意点

フルーツと犬

レモンは前述したように無理に与える必要はない食材です。

しかし、犬が好きならば、またビタミンCをより多く摂取させたい場合にはレモンを与えることもできます。

その点を踏まえて、レモンを与える方法をご紹介します。

レモンの「果肉」「レモン汁」を犬に与えてもいいが、そのままはNG!

レモンの果肉やレモン汁には健康に害のある成分はありませんが、強烈な酸っぱさは犬にとって刺激が強すぎるでしょう。酸っぱさによって犬が嫌がるかもしれませんし、体質などによっては軽い胃炎を起こしたりすることも考えられます。

レモンの果肉をしぼって水と合わせたものや、少量のハチミツと合わせたものを少量与えるのがオススメです。

ほんのり甘い香りがして犬も喜ぶでしょう。

しかしハチミツは糖が多く肥満を助長してしまうので、与えすぎには注意が必要です。

レモンの「皮」は胃炎の原因になることも

レモンの皮にはクエン酸や油分が含まれていて、それらによって胃炎を起こす恐れがあります。レモンの皮による胃炎は、レモンの実や汁による胃炎よりも起こりやすいと考えられています。

また、レモンの皮や白い薄皮には食物繊維も多く含まれているので、たくさん食べてしまうと消化不良や便秘、逆に下痢を起こす可能性もあります。

レモンの酸っぱさの刺激を軽減させるためにレモンを砂糖漬けにしたものや、ハチミツに漬けたものには多くの糖が含まれています。

少量なら問題ないのですが、糖の甘さに惹かれて犬が欲してきても習慣として与えるのはやめましょう。

レモン以外でビタミンCを摂取出来る食べ物

ビタミンCを日頃から摂取させたいなら、レモン以外のビタミンCが豊富に含まれている野菜や果物を適量与えるといいでしょう。

ブロッコリーやキャベツ、キウイ、オレンジ、いちごなどに多く含まれています。

与える量には注意して、食べているときや食べたあとは異変がないかよく観察しましょう。

レモングラスやレモンティーなどの加工品は?

犬とレモンティー

レモンが入っているお菓子を食べても中毒を起こすことはありません。

しかし、レモンティーには犬にとってNGなカフェインが入っています。

人間用のレモンクッキーやレモンケーキには大量のバターや砂糖が入っています。

このようにレモンに問題はなくても、レモン以外の食材に問題がある場合も少なくないため、レモンを使った人間用の加工食品は食べさせないようにしましょう。

また、メジャーなハーブであるレモングラスは、レモンと名前が入っていますがレモンではなくイネ科の草です。

少量であれば食べても問題はないでしょうが、レモンと同じ栄養が含まれているわけではありませんし、レモングラスのエッセンシャルオイルには犬にとって有害となる成分が含まれると言われていますので、レモングラスを犬にわざわざ与えることはないでしょう。

犬のしつけでレモンスプレーを使うのは効果的?

犬とスプレー

レモンの皮から抽出される柑橘精油が犬にとって不快に感じるニオイといわれており、レモン水を入れたスプレーによって、しつけをすることが効果的ともいわれています。

例えば、無駄吠えをする犬に対して、無駄吠えをした直後に犬の上でスプレーを吹きかけます。こうすることで「無駄吠え=不快なニオイ」と学習します。

しかしその一方で、しつけにおいてのレモンはあまり効果がないという見解もあります。

また、レモンスプレーの使用でしつけ効果がみられたのは、レモンのニオイに対してではなく、スプレーをかけられたことに対して「驚いたから」とも考えられます。

まとめ

レモンと犬

ビタミンCは体内に蓄積されにくいと聞くと「不足しちゃうからたくさん与えなきゃ!」と思うかもしれませんが、それはNGです。

何事も、「適量」が重要です。

レモンは犬にとって健康によい成分が含まれており、しかもカロリーも高くありません。

犬が体内で一日に生成できるビタミンCの量は限られているため、またドッグフードに含まれるビタミンCについてははっきりとした基準がなく、さらにビタミンCは保管中に壊れやすい栄養素であるため、日頃からビタミンCが多く含まれる食材やサプリメントの摂取は、犬の健康を補強するうえで効果的なこともあるでしょう。

しかし、「積極的にレモンを与えましょう!」と推奨はできません。

レモンが好きな場合には少量の実や汁をごはんと一緒に与えたり薄めたものを飲ませたりするのは良いのですが、その酸っぱさから嫌がる犬も多くいます。その場合には、レモンそのものを与えようとするよりもビタミンCや他の抗酸化成分を含む犬用のサプリメントを与えることを検討しましょう。

レモンを与える場合にも、与え方や注意点に気を付けて、愛犬との食事の時間をさらに楽しいものにしましょう。

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