頭のいい犬ランキングTOP5
これからご紹介する「頭のいい犬」ランキングは、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学教授のスタンリー・コレン氏が、著書「The Intelligence of Dogs(邦題:デキがいい犬、悪い犬)」の中で発表した、下記の点を元に138犬種をランキング化したデータから、頭のいい犬種トップ5をお伝えします。
- 働く犬としての指示への理解度
- 人への服従心
それではさっそくどんな犬種がランクインしているのかを見ていきましょう。
第1位:ボーダーコリー
言わずと知れた牧羊犬として大活躍していた犬種で、出生地はイギリスです。
全ての犬種の中で世界一頭のいい犬とされていて、人間で例えるならば2歳児くらいの知能があり、約200種類もの言葉を聞き分けられると言われています。
また、人によって態度を変えたり、微妙な言い方の違いを同じ言語間でも判別出来る能力も持っているようです。
さらには、賢さに加え優れた運動能力も持ち合わせていて、アジリティ(障害物競技)というドッグスポーツでボーダコリーは最も活躍している犬種でもあります。
第2位:プードル
プードルは、大きさの違いからスタンダードプードル、ミディアムプードル、ミニチュアプードル、トイプードルと4種類に分類されています。出生地はフランスです。
職業犬として、盲導犬、聴導犬、セラピードッグなどで幅広く活躍できるほど、人の社会に馴染み作業をこなせる頭のいい犬として知られています。また、そんなプードルの賢さから、北欧には「プードルのように賢い」という表現があります。
プードルは明るくフレンドリーな性格から、しつけも楽しみながら行ってくれる活動的な犬種でもあるので、日本ではトイプードルが人気犬種として有名です。
第3位:ジャーマンシェパードドッグ
日本ではシェパードと呼ばれて親しまれている大型犬種で、出生地はドイツです。
シェパードは世界中で活躍している職業犬として知られていて、特に警察犬として犯人の腕に噛み付く訓練姿は有名です。他にも麻薬探知犬、救助犬、盲導犬などと幅広く活躍する人が出す指示への理解度が高い頭のいい犬です。
それにはどんな状態でもパニックにならない精神力と人に合わすことのできる協調性を持ちあわせており、頭を使う作業がやりがいがあって大好きという理由があるからです。
第4位:ゴールデンレトリバー
ゴールデンレトリバーは穏やかで優しく、頭のいい大型犬種として有名です。出生地はイギリスです。
ゴールデンレトリバーは、鳥猟において獲物を回収する仕事をしていました。その仕事には、きちんと人間に従事できる学習能力と、人間に対してはっきりと獲物の位置などを知らせる能力が必要とされました。
現在ではこの能力を盲導犬や麻薬探知犬、介助犬や災害救助犬など様々なことにも応用し、世界中から愛される頭のいい犬となっています。
第5位:ドーベルマン
ドーベルマン、あるいはドーベルマン・ピンシャーとも呼ばれる大型犬種で、出生地はドイツです。
もともとは税金取立屋や野犬駆逐屋などの武闘派の仕事の警備を主な活躍の場としており、それらが発展して軍用犬、警察犬などの働く犬としても求められました。
飼い主さんへの忠誠心や着実に仕事をこなす能力に優れた頭のいい犬種です。
日本で人気の小型犬種は何位?
プードルを除き、頭のいい犬ランキングTOP5には日本で馴染みのある小型犬種は入っていません。そこで、6位以下の順位から、日本で人気の小型犬種が何位に入っているのか、早見表でわかりやすくご紹介しておきましょう。
2位 | プードル |
---|---|
8位 | パピヨン |
12位 | ミニチュアシュナウザー |
28位 | ポメラニアン |
34位 | ヨークシャーテリア |
57位 | ミニチュアピンシャー |
92位 | ダックスフンド |
108位 | パグ |
111位 | マルチーズ |
125位 | チワワ |
128位 | シーズー |
頭のいい犬の特徴
現在、非公認犬種を含めるとおよそ800もの種類の犬がいると言われています。同じ犬という動物なのにここまで姿形が違うのは、愛玩犬・牧羊犬・護衛犬・猟犬など、人間の暮らしに合うように様々な役割を与えられてきたからです。
特に、人間のパートナーとして仕事(作業)を分担するよう役割を与えられてきた犬種は、「人間の指示をすぐに理解して従う能力」が求められ、その能力が高い犬ほど「頭のいい犬」と言われるようになりました。
ランキングが下位の犬種は頭が悪いの?
順位は指示へのすばやい理解力を示したもの
誤解しないでおきたいのは、「頭のいい犬」として高い順位にいる犬がしつけしやすく、低い順位にいる犬がしつけできない犬ではないという点です。
コレン氏が順位付けをする基準としたのは、あくまで人間が出した指示を何回で理解できたのか、そしてそれに従ったのかというものであり、下位の犬が理解力に乏しいわけではありません。
人間でも、何度も勉強を復習して良い成績を取る人がいるのと同じように、下位の犬でもしつけの方法やくり返しの練習によって、家族に優しく頭のいい犬になる可能性は十分あるのです。
頭のいい犬=飼いやすい犬ではない
頭のいい犬ランキング上位の犬種を飼育する時には、優れた学習能力が良くも悪くも発揮されることがあるという点に注意が必要です。
例えば、第1位のボーダーコリーや第2位のプードルでは、飼い主さんのことを信頼できない人だと見ると、自分勝手に行動する自己判断力が強く働きすぎたり、人によって大きく態度を変えるいわゆるズル賢さを発揮してしまうこともあります。
頭のいい犬ランキングが上位だから「しつけがうまくいきやすい」「飼いやすい」わけでなく、結局のところ飼い主さんが愛犬とどのように向き合ってあげるのかや、きちんと家庭でのルール作りができるかどうかなどが重要になると知っておきましょう。
まとめ
今回はあくまで1つの研究から明らかになった頭のいい犬ランキングをご紹介しました。
しかし、育ってきた環境やその子の性格、あるいは遺伝により、ランキング外の犬種でも頭のいい犬になれる子はたくさんいます。また、どのような犬であっても身近にいる飼い主さんの影響は大きなものです。
愛犬に上手な教え方ができる人もいれば、試行錯誤しながらしつけに悩む人もいます。そんな時には、犬の理解力にも影響が出るはずです。
もし現在、愛犬ののお世話で手を焼いている状況ならば、もう一度家庭環境やしつけの方法を見直すことにより、解決できるかもしれませんね。