盲導犬に向いている犬種
盲導犬に適した犬種
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
- シェパード
盲導犬として活躍している犬種には上記のものがあげられます。その中でもラブラドールレトリバーが最も割合としては多く、盲導犬全体の約89%を占めているようです。
盲導犬は人の生活をサポートする役割を果たす「補助犬」の一種で、他には介助犬、聴導犬がいます。補助犬における盲導犬の割合は全体の約87%で、補助犬の中でも最も多い頭数となっています。
盲導犬に適している理由
盲導犬になるには、訓練をうまくこなせる能力も求められますが、訓練に楽しんで取り組めるという性格も重要なポイントとなります。ラブラドールレトリバーは好奇心の旺盛さや、人懐っこい性格、順応性、周囲に威圧感を与えない可愛い見た目などが盲導犬に適している点として評価されているようです。
また、ゴールデンレトリバーは陽気な性格と好奇心の強さ、シェパードは忠誠心の強さと知的さが盲導犬に適している理由とされています。盲導犬の使用者は目が見えないので毛の手入れのしやすさも重要になってきますが、これらの犬種はどれも短毛種であるため使用者に負担がかからないと判断されているようです。
盲導犬に不向きな犬種
盲導犬に適していない犬種
- 甲斐犬
- 柴犬
- 秋田犬
- ミニチュアダックス
- トイプードル
上記の犬種は一般的に盲導犬に向かないと言われています。甲斐犬、柴犬、秋田犬などの和犬や、ミニチュアダックス、トイプードルなど「ミニ」や「トイ」がつくような小型犬は全て向いていません。
盲導犬に適していない理由
柴犬や秋田県などの和犬は、番犬として外で飼育されることが多かった犬種なため、人と一緒に生活する盲導犬には向かないとされています。トイプードルなどの小型犬も盲導犬に不向きだと言われていますが、その理由は体が小さいという点にあります。小型犬は、常に使用者の足元にいなくてはならない盲導犬として任務を務めるには体が小さすぎて、危険な場面で体を使い使用者を押して守ることなどができないのです。
盲導犬の仕事内容について
盲導犬は、使用者の目となって一緒に歩き、日常生活の危険から守るのが仕事です。ただ一緒に歩くのではなく、使用者が安全に歩くことを最優先に考え訓練されます。
道路の左端を歩き、一定の速さで、かつ真っすぐ歩くことを基本としており、さらに障害物をよけたり段差の前で止まったりと、使用者が安全に進めるよう様々なサポートをします。盲導犬は目が不自由な人の命を守る重要な役割を担っているので、時には体を使って危険を防ぐこともあります。
盲導犬は目的地までの歩行をサポートしますが、道を案内してくれるわけではありません。使用者が目的地までの地図を思い浮かべながら盲導犬に指示を出し、それに従って盲導犬は安全に歩く手伝いをします。使用者と盲導犬はお互いが協力し合いながら目的地に向かうのです。
盲導犬は平成28年4月の時点で、日本全国に約1,000頭いるとされています。最も多いのは東京で約100頭、次いで大阪が約60頭です。半面、盲導犬を希望している方は約4,000名いるといわれているため、盲導犬不足は深刻な問題ともいえるでしょう。
ある盲導犬の一生
盲導犬となる犬がどのような一生を送るのかご紹介します。
誕生から1歳前
盲導犬として育てられる犬のほとんどは、月齢約2ヵ月までブリーディングウォーカー(繁殖犬飼育ボランティア)のもとで暮らします。その後、パピーウォーカー(仔犬飼育ボランティア)に預けられ1歳まで過ごし、社会性などを身につけます。この過程で、人間と一緒に過ごすことは楽しいものであると学ぶようです。
1歳から訓練スタート
1歳になるとパピーウォーカーの元を離れて盲導犬協会に戻り、盲導犬としての訓練がスタートします。訓練期間は半年~1年と様々です。犬種の特性や個体の性格などが影響し、訓練期間に違いが出るとされています。
盲導犬としての生活(約2歳~10歳)
2歳を迎えると、盲導犬としての仕事が始まります。使用者と実際に暮らしながら生活のサポートをしますが、この生活は10歳頃まで続きます。はじめは使用者と息が合わないこともありますが、一緒に過ごす時間が増えていくと同時に絆も強くなっていくようです。担当していた訓練士が安全性の確認などで様子を見に来ることもあります。
引退(10歳以降)
犬種によって寿命は異なりますが、10歳を過ぎると盲導犬は引退を迎えます。使用者の方は新しい盲導犬と共にまた新しいスタートをきり、引退した盲導犬は引退犬オーナーに引取られます。盲導犬としての役割は終わりますが、引退犬オーナーの元でゆっくりと余生を過ごします。
盲導犬になるための訓練について
盲導犬になるためには、さまざまな訓練が必要となります。盲導犬になるために行われる訓練には次のようなものがあります。
- 基本訓練
- 誘導訓練
- 共同訓練
「基本訓練」では褒められることの楽しさを学び、「シット」や「ダウン」などの動作を指示通り行えるように訓練します。続いて学ぶのは、人を安全に誘導するための「誘導訓練」です。ここでは道の角や段差の教え方、障害物のよけ方などを学習していきます。これらの訓練が終わると、視覚障がい者の人と一緒に訓練を行う「共同訓練」に進みます。
盲導犬を育成する訓練士について
訓練士とは、盲導犬を育成する役割を果たす仕事のことです。犬種の特徴や性格を理解して訓練することはもちろん、食事や排泄など犬の世話もおこないます。盲導犬を必要とされている方からの問い合わせに対応することや、既に利用されている方々へのフォローなども大切な仕事です。さらに、盲導犬を卒業した犬や盲導犬に適さないと判断された犬の受け入れ先とのやりとりや、報告書の作成なども行います。
盲導犬訓練士には国家資格があるわけではありません。全国に11団体ある盲導犬育成団体で研修を受け、訓練士としての知識や資質をもっていると判断されると「盲導犬訓練士」になることができます。
まとめ
今回は、盲導犬に適している犬種やその仕事内容についてご紹介しました。盲導犬の仕事内容や一生について知ることで、視覚障害を持つ方の生活についても関心を持ちサポートできるようになりそうですね。盲導犬の存在がより身近になるよう、興味のある方は盲導犬を増やす活動などにも積極的に関わってみてはいかがでしょうか。
ユーザーのコメント
40代 女性 まゆみ
盲導犬を見かける事はあまりありませんが、もし見かけても、話しかけたりはしない様にしようと思いました。
30代 女性 椛
電車の中でも本当に静かでお利口で、きちんと業務をこなしてします。
よく見るのはやっぱりラブラドールレトリーバーとゴールデンレトリーバーですね。
見た目も威圧感なく、優しい顔をしているので怖がられることなく連れて歩きやすいのかもしれませんね!
もっともっと盲導犬を連れて行動できる範囲が広がって、活躍できる場が増えるといいですね〜
50代以上 女性 K9-ABC
30代 女性 v_v
多くの適正審査がされて、訓練を受けられる犬が選ばれていきます。喜んで職務ができない犬は、どんなに優秀であっても不適格として採用されないと聞いています。使用者と盲導犬には確固たる信頼関係が築かれているはずですし、一概に動物虐待とは言えないと私は考えます。
仮にうちの犬が、と考えると向いていないことを訓練してやらされるのか、と考えてしまいますが、訓練も犬が楽しめるようされていると思うので、うちの犬が訓練できるくらいだったらそう悪くないのかも、などと考えてしまいます。
犬は大昔から人間の生活を助けてきてくれました。歴史的背景を顧みてもそうおかしくないことだと思ってしまいます。
40代 女性 こたママ
女性 わたあめ
電車やレストランでも、お仕事中のベストを着てスマートに振る舞っている姿を見ると、うちの愛犬とは大違いだなといつも思います。
愛犬家の方の中には、盲導犬や聴導犬などは動物虐待だとして反対する方がいますが、私は彼らはとても楽しんで立派に自信を持って仕事をしているように見えます。
女性 わかめ
女性 ルーツ