犬が見つめてくる心理6つ
犬は主人に対して、アイコンタクトで何かを伝えようとしてきます。驚いたような目、ウルウルした目、熱い眼差し、と言う様に色んな目を私たちに見せてくれます。
犬が飼い主の目を見つめてくる時、私たち飼い主は犬の眼差しに込められた「意思」を読み取り、考えなくてはいけません。犬が何を訴えているのか、把握する事が大切です。
①何かを要求している
目をキラキラさせながら、上目遣いだったり、首を上下に動かしたり、尻尾を小刻みに振ったり、口を開けて『ハァハァ』してこちらをジッと見つめてきます。こんな時は、飼い主に何かを要求しています。
「ご飯が欲しい」「遊びたい」「散歩に行きたい」「おやつが欲しい」などの意味が込められているでしょう。可愛いと、思わずなんでも愛犬の要求を叶えてあげたくなります。
ですが、全て愛犬の求める通りに動いていると、わがままな性格の犬になってしまうので気をつけてくださいね。
②愛情や信頼の気持ち
舌をベロンと出して、目はやや虚ろな感じでぼんやりと、穏やかな表情で見つめてくる時、犬は飼い主に対して愛情や信頼を寄せています。そんな目で見つめられたら、こちらからも優しく視線を送り返してあげましょう。
③敵意を向けている
ジッと見つめてくるだけではなく、それに加えて目線を逸らそうとせず、唸りながら見つめる場合は、敵意を向けていると考えられます。こんな時は、まずこちらから目線をはずして「こちらに敵意はありませんよ」という気持ちを伝えましょう。
そして、優しく「怖くないよ」と話しかけてあげてください。そうやって犬の気持ちを落ち着かせます。逆に、大声をあげるなどで、犬を怯えさせることはしないでください。
④緊張や不安を感じている
鼻にシワを寄せて、歯をむ剥き出しにしながらこちらを見つめてくる時は、緊張や不安を感じています。例えば、爪切りをしようとした時にこういった視線を感じた場合は、無理に続けないようにしましょう。犬にとってストレスになってしまいます。
まずは、スキンシップを取りながら信頼関係を築いていくことが大切です
⑤飼い主の行動を観察している
こちらが何かをしているときに、犬にじーっと見つめられている時、犬は飼い主の行動を観察しています。「かまってもらえるかな」「何かもらえるかな」「一緒にどこかに行けるかな」そんな気持ちで飼い主の行動を見守っています。
愛犬がいつもくつろぐようなお気に入りの場所は、飼い主の行動を観察できるような位置になっていないでしょうか?
⑥周りを見張っていて欲しい
ピンポイントなシチュエーションになりますが、愛犬がトイレ中に見つめてくることはありませんか?排泄中は、犬にとって無防備な状態になります。そのため、不安な気持ちや、飼い主に周りの安全を見張っててねという気持ちから、トイレ中に見つめてくると言われています。
愛犬がトイレ中に見つめてきたら、周りを見渡し「大丈夫だよ」という気持ちを込めて、笑顔で目線を返してあげると良いでしょう。
女性 30代
良く訓練された犬や強い信頼関係を築けた犬が飼い主の目をジッと見つめるのは「何か命令してください!」って訴えていることがあります。
わんちゃんは、飼い主に命令されることに喜びを感じています。この場合、きちんとお座りしているか伏せをした状態で指示を待って、じっと飼い主を見つめますね。
犬が見つめてくる時に分泌される幸せホルモン「オキシトシン」
犬と人間が見つめ合うと、驚きの効果をもたらす事が研究によってわかってきました。それは、安心感が高まると分泌される、幸せホルモン「オキシトシン」についてです。
犬と飼い主が見つめ合う事で、このホルモンが増加する事が研究により判明したと言われています。オキシトシンは、尿にしみ出してくる特徴があります。そこで、長時間見つめ合った犬と飼い主の尿を調べた結果、双方にオキシトシンの量が増えていたことが分かったのです。
この実験に参加したのは、常に触れ合っていた従順犬と愛犬家だったということです。通常、犬が相手を直視する場合は威嚇になります。しかし人間と犬の場合は違う意味になるのです。
『人間と犬が見つめ合うのは親愛の印になる』と、自治医科大の【永沢美保研究員】は語っています。このことが人間と犬が、なぜ長く共生できたのかを解く手がかりになると、研究チームは話しているそうです。
そう言われてみれば、犬の体に触れていると安らぎを覚えると共に、充実感でいっぱいになります。うちの犬もよく私をジッと見つめながら寝てしまいますが、これはオキシトンの増加によるものだったのですね。
参考文献:北海道大学大学院文学研究院行動科学分野 瀧本彩加研究室
見つめ返したら犬が視線をそらす理由
愛犬にじーっと見つめられたので、こちらからもじっと見つめ返したら、目をそらされたことはありませんか?これは、飼い主のことが嫌いという意味ではありませんので安心してください。
犬は飼い主のことを見つめて、次は飼い主がどんな行動をするのか知ろうとしています。そこに、飼い主が目を合わせてきたら「敵意はありませんよ」「あなたのことを尊敬していますよ」という気持ちで、目をそらすのです。
他にも、苦手なことや、困ったことがあった時も目をそらします。これは、人間と似ていて「見て見ぬ振り」をして、できれば見なかったこと、聞かなかったことにしようとしているようです。
犬が見つめてくる理由:番外編(我が家の場合)
身近に暮らしているからこそ、犬が見つめてくる時に細かい仕草や表情を観察してあげる必要があります。見つめて来た後の行動や習慣を分析する事で、どんな事を考えているのか、どんな気持ちなのか、だんだんと分かってきます。ご参考までに、我が家の犬が見つめてくる時の事をご紹介します。
目を大きく見開いて、口を半開きにする
大好きな食べ物(牛肉)や、好みのオヤツを食べた時など。私には感動の目に見えるのですが、犬も感動するのでしょうか?
上目使いで見ながら、前足で私の体に触れる
この場合はオヤツの要求、または散歩の催促です。散歩は早朝のみで、結構長い距離(2~3km)を歩かせます。そのためお腹が空くみたいです。ですので、散歩から戻ったらオヤツを少し与える様にしています。
お腹を見せて寝転び、真剣な眼差しになりハァハァする
これは反省している時にみせる行動です。今はあまり叱る事はありませんが、昔は悪戯好きのヤンチャ犬でしたので、よく叱ったものです。想い出すと懐かしさを感じます。
横たわりながら、ひたすら私を見つめる
これはおそらく、私に対する愛情表現だと思っています。 シニアになった今は、私の顔を舐めなくなりましたが、ジッと見つめる回数がグンと増えています。
ウルウルした瞳で食べ物を見つめる
食事中にウルウルした瞳で見つめてくるのは、人間の食べる姿を見て自分も食べたいと言う要求のサインです。いくら可愛いからと言って、人間の食べ物を与るのはNGですよ。
女性 40代
キラキラの瞳で見つめるのそうで、犬友達はみんな心くじけておやつを出してしまいます。飼い主じゃなくても「ラブビームで見つめる愛犬」ってなんなんでしょう。まったくちゃっかりした子です。
まとめ
犬が気持ちを表すのは、アイコンタクトとそれに関連する仕草です。色々な眼差しを紹介しましたが、主人に送る眼差しはそれぞれ違う意味があるということです。
その理由を見極めて、犬の気持ちを把握しながら生活を共にして行くと、ますます信頼関係が深まっていきます。そして犬も自分も、何よりも精神的な安らぎと、充実感を得ることができるでしょう。
主人が精神的に安定していないと、犬まで情緒不安定に陥ってしまうケースがあると言われています。犬の眼差しを注意深く見て対処し、更に信頼関係を深めていってくださいね。
「目は口程にものを言う」と言いますが、言葉が喋れないわんこの気持ちを読み取るためには、視線も重要な手掛かりになることをご存知ですか?
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