犬が目をそらす理由
相手に服従している
飼い主のほうが自分よりも立場が上だということを、理解しているときの行動です。
犬は自分よりも上の立場の犬とは、目を合わせようとしません。
これは目を合わせる行動が自分よりも下の者にする態度であり、上の者にする場合は『喧嘩を売っている』状態になってしまうからです。
目をそらすことで「あなたに対しての敵意はありませんよ」「私は戦う意思はありませんよ」と示しているわけです。
そのため、自分よりも立場が上である飼い主から目をそらすのは、自然な行動と言えます。愛犬がきちんと飼い主が上であると信頼している証でもありますね。
人間にとっても、すごくわかりやすい行動ですね。
子犬の時期はまだ主従関係、信頼関係などがわからないので飼い主をじっと見つめる行動を取ることがあります。社会期を過ごしながら少しずつ成長し、しつけなどが済んでくると自然と目をそらすようになります。
自分や相手の興奮を抑える
服従している場合だけではなく、興奮しているときにも目をそらします。
嬉しくて興奮してしまったときにも目をそらして、自分を落ち着けようとします。全ての犬ができるわけではなく、しつけがきちんとできていて、主従関係もしっかり築けている犬にだけ見られる行動です。
帰宅した時など、愛犬が飼い主を確認した後に視線を外し、尻尾を振りながらふらふらと傍を歩き回る姿を見たことはありませんか?これは飼い主に急に飛びつかないよう自分を抑えている行動です。過去に学習したことをきちんと理解しているということです。
これはカーミングシグナル(争いを避け自分の気持ちや立場を相手に伝える行動)の一種で、自分だけではなく相手を落ち着かせるためにもとる行動です。
わざと目をそらして、犬が自分自身でクールダウンしようと努力していることのあらわれですね。
興奮しているときには尻尾が動いているので、それも一緒にサインとして見るとわかりやすいでしょう。
自分にとって都合が悪い・困っている・緊張している
人間でも同じように見ないフリをしますね。
犬も同じように見ないフリをします。
お風呂に入る時、爪切りの時、動物病院へ向かう時などです。
イタズラをしたときに叱ると目をそらすのもこれですね。「自分は悪いことをした」「怒られている」のを知らないフリをするのです。実はなんで怒られているのかわからずに困っているのかもしれません。
カメラが苦手で目線を合わせてくれない犬は多いと思いますが、これも困っている状態の表れです。カメラのレンズが目のように見えてしまうので、正面から見ると喧嘩を売っているようで見られないのです。ただでさえ「カメラ」は犬にとって不思議なもの。そこに緊張が生まれてしまうこともあるでしょう。
緊張しているときにも、その場の緊張を和らげようと目をそらすことがあります。
これは緊張を和らげるためにあくびをするのと同じですね。
周りの環境が気になっている
犬は周りの物音や気配にとても敏感です。人間にはわからない「なにか」に気を取られてふと目をそらすこともあります。目をそらす、というよりはそちらに意識を向けると言った方が正しいかもしれません。
飼い主や自分に危険がないことかどうか、気になった物音や気配に集中して神経を研ぎ澄ませているのです。 問題がないと判断すれば、また同じように見つめてくれるでしょう。
犬が目をそらさない時は下に見られている可能性あり
目を合わせる行動は『喧嘩を売っている』状態だと言いましたが、これは犬だけではなく他の動物にも見られる行動です。
有名なところで言えばサルがそうですね。
そして猫も同じように、目をそらすようです。犬と共通していますね。
家でのしつけで上下関係がハッキリしていなかったり、逆転していたりすると、この行動に結びついてきます。愛犬が目をそらさなかった場合、こちらから先に視線をそらさないように注意が必要です。上下関係があいまいな時にこの行動を繰り返してしまうと、犬に「自分の方が強い立場なんだ!」と思われてしまいます。
かと言って見つめすぎると喧嘩開始の合図になってしまいます。見つめ合ってしまった場合は、横で音を立てるなど別の行動に注意を向かせるようにして犬の方から視線をそらせるようにしましょう。
あなたはボスじゃない?!
ボスである犬とは当然目を合わせようとはしません。
あなたの犬はどうでしょう?目をそらしますか?それとも合わせたまま?
あなたはボス、または自分より上の立場だと認められているのでしょうか。
もし上で挙げた「嬉しい」「都合が悪い」「緊張している」の状況以外であれば、あなたは完全に『なめられている』ことになります。
ボスはあなたではなく、犬のほうになっているのでしょう。
特にキバをむき出しにして見つめているのであれば、敵意がある証拠です。
家の中でそうなってしまうと、外でも人間の言うことをきかなくなり、しつけをし直すのも大変なことです。
飼い主がなめられてしまうと、様々なトラブルの元になることも多くなってしまいます。家の中だけでなく外でも自由に行動されると、それこそ余所様になにかあったら大問題です。
散歩のときにリードを引っ張る、飼い主に向かって吠える等の行動も一緒に見られるようであれば、ほぼ確実に飼い主を下に見ていると思われます。
子供がいる家庭だと、犬のほうが立場が上になってしまうことがあるので、子供にもちゃんと犬をしつけさせたほうが良いでしょう。
そうすることで子供が犬よりも上の立場になるかと思います。
ただし例外もあります!
目を合わせたからといって、全部が全部喧嘩に発展するわけではありません。
犬は飼い主と『アイコンタクト』をとろうと必死になっている可能性があります。
犬とほんの少し距離を置いた時に、じっと見つめてくることがあります。飼い主が移動をすれば見えるところまで同じように移動し、またじっと見つめる行動をとります。この場合は飼い主に気づいてもらおうとアイコンタクトを取ろうとしている行動です。
「散歩に行きたいな!」「ご飯はまだ?」「遊ぼう!」など、好意的な欲求がある場合には、飼い主の目の前まできて、目で訴えたりもします。なかには目に涙を溜めうるうるする必死な犬もいるようです。
要求の場合には尻尾を振ったり、キバをむかずに口をあけたりしながら目を合わせてきます。
目を合わせる行為の全てが敵意ではないのです。
それぞれの反応、状況に合わせて犬の気持ちを読み取ることが重要です。
飼い主の皆さんなら、愛犬の感情はアイコンタクトでしっかりとわかるようになっているのかもしれませんね。
犬が目をそらす行動に関するまとめ
人間だと目をそらされるのは嫌われているか、怖がられているか、恥ずかしがっているか……あれ?犬と似ていますね。
犬が目をそらす理由がわかるとスッキリしますし、犬に嫌われていなかったことにホッとします(笑)
犬の行動には様々な意味があることがおわかりいただけたでしょうか?
相手に対する気遣い、そして自分を律するための行動、ということです。犬が努力をしているのがよくわかります。
日頃からコミュニケーションを取り、どの行動がどういう気持ち・状態なのかを理解すれば、愛犬との仲も自然と深まっていくでしょう。
ユーザーのコメント
30代 女性 ミニー
40代 女性 mappy
言葉を交わすように気持ちがつながった時、とても幸せな気持ちになります。
30代 女性 patata
20代 女性 すず
女性 雀3号
アイコンタクトを取るには距離が必要なようです。
もう一頭はじっと目を見て離しません。顔を段々と近づけても視線はそのままです。額が当たるほど近づくと、鼻をペロっと舐めて期待した顔をし始めます。
犬の性格にもよると思いますが、大人しい子は目をそらす確率が高いように思います。逆に気が強い子は目を合わせることが多いです。
犬が正面に向かい合う時は喧嘩や威嚇をする時です。飼い主に対しては喧嘩したいわけじゃないんだ、という意思表示として目をそらす行動になるんでしょうね。可愛いからとじっくり見ると愛犬も困ってしまいますね。
女性 ポムポム
50代以上 女性 ベータママ
巷では犬との関係性が理解できず飼い主ではなく、召使いになっている飼い主さんが多すぎます。
犬との関係でボスとして見れれているかというのは行動に出て分かりやすいものですし、ボスと認識されていれば問題行動など起きないと言えるでしょう。
ボスに思われていないとする行為としては
1.勝手に足に飛びついたり纏わりついたりする。(尊敬する相手にはしない行為)
2.ドアや門扉や散歩中に飼い主より先に出たり、歩く(先頭がボス)
3.ベットやソファや座った膝の上に許可なく勝手に上がる(ボスの持ち物にはボスの許可が必要)
4.チャイムやベルで吼えて興奮する(ボスの許可なく騒げない)
5.給餌などで待てずに吼える(ボスの許可なく騒げない)
6.命令してもアイコンタクトしない
枝葉の問題ではなく根底を捉えた方がためになると思いますよ。
女性 もふころ
うちの愛犬の場合は、興味があるかないかで視線を変えるようです。
ちなみに命令はしっかり聞いてくれます。
女性 ワンコもハムスターも好き(にゃんこも)
たとえばおやつを欲しがった時など「くっちゃん、もう食べたでしょう。。」などと言われた時です。
他のワンコのことを言った時などもすぐ横を向いて「くっちゃんはよく話が分かるねぇ」と娘と話していました。