1.じーっと見つめてくる
警戒・敵意
わんこにじーっと見つめられると、愛犬家の皆さんは何だか嬉しくなって「どうしたの〜？」と近づいてしまいたくなるかもしれません。ですがちょっと待ってください。わんこのその熱視線、実は愛情や興味とは真逆の警戒心や敵対意識から来ている可能性があるのです。
野生動物にとって、相手をじーっと見つめるのは相手を狩りのターゲットとしてロックオンしたという意味があります。そのため、知らないわんこにじーっと見つめられていると感じたときは、むやみに近づいたり声をかけたりせず、スルーするのが得策です。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬が警戒しているときは、視線以外にも体が緊張でガチガチに硬くなっている状態が見られる傾向があります。
犬は、リラックスしていると体も柔らかくなっているため、普段落ち着いている状態の愛犬を触ったり撫でたりすることで、緊張して体を硬くしている状態との区別が少しずつわかるようになると思います。そのためにも、日ごろからのスキンシップは大切ですよ。
要求
愛犬が足元に寄ってきて上目遣いでじーっと見つめてくること、ありませんか？とても可愛らしい仕草ですが、この視線には要求の意味が含まれていることがほとんどです。
「おやつが欲しいな」「お散歩に連れて行ってほしいな」「そろそろごはんが食べたいな」「遊んでほしいな」などなど、状況によって様々な要求があるでしょう。でも、可愛い視線にほだされて一度要求に応えてしまうと、要求行動はエスカレートすることがありますから要注意ですよ。
2.ぼーっと目で追ってくる
どうしても気になる
ソファで寝ている愛犬が、何だかぼーっと自分の行動を目で追っているなと感じること、ありませんか？これは、愛犬があなたに強い興味や関心を抱いている証です。
「飼い主さんは何をしているのかな？」「次はどこに行くつもりなのかな？」とあなたの動きが気になって仕方がないのです。愛犬からの愛を感じる嬉しい視線ですね。
愛情表現
上記と同様に、この視線には愛犬からの愛情が強く含まれています。最近の研究では、人間とわんこが見つめ合うことで幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されるということがわかっています。
視線を交わすことで、わんこも人間も幸せになれるなんてとても素敵なことですよね。愛犬からの視線に気づいたら、ぜひ見つめ合って幸せを分かち合ってください。
3.目を逸らす
敵意がない
わんこがじーっと見つめてくる強い視線の中には、警戒心や敵意が含まれていると最初にご紹介しましたが、このじーっと強い視線で見つめてきた後で、わんこがふっと視線を逸らしたら、それは「自分には敵意はありませんよ」と相手にアピールする意味があります。
戦意を喪失した場合もあれば、相手には絶対に敵わないと確信して敵意のなさを表現しようとしている場合もあります。これはカーミングシグナルと呼ばれる行動の一種で、この状態になったら緊張状態は一旦解けたと考えて良いでしょう。
ストレスを感じている
カーミングシグナルが発せられるのは、喧嘩のときばかりではありません。カーミングシグナルとは、わんこがストレスを感じたときに相手もしくは自分を落ち着かせるためにとる仕草と言われています。
例えば、飼い主さんにイタズラを叱られているとき、しつこくトレーニングをされているときなどにふっと視線を外したら「もうやめてよ」という意味が含まれています。叱りすぎや無理なトレーニングの強制を防ぐ目安になるかもしれません。
監修ドッグトレーナーによる補足
この視線をふっと逸らす行動は、私たち人間でもあることです。子供の頃、親に叱られた時に床をじーっと見つめて、叱られている現状から意識を逸らしていたことを思い出します。
大きなストレスから逃れたいと感じている状態の犬に、叱っても意味がありません。このような仕草が見られたら、飼い主さんはイライラせずに一旦落ち着きましょう。
まとめ
いかがでしたか？わんこの視線一つとっても、いろいろな感情が読み取れることがご理解いただけたのではないでしょうか。
愛犬との絆を深めるためにも、視線の意味を考えてみるといいかもしれませんね。
