犬の「耳掃除」
皆さんは愛犬の耳掃除をしていますか?たれ耳や立ち耳、半立ち耳など色んな耳のわんちゃんがいますよね。犬種や個体によって異なりますが、犬の耳の中には毛がいっぱい生えていることもあります。
ほこりやごみが耳の中に入ってくれるのを防いでくれているはずのこの耳の毛、多過ぎると耳の中の通気性が悪くなり実はダニや細菌の温床になってしまうこともあるのです。毛の他にも耳垢のたまり方やアレルギー体質であるかどうかなど、おうちでの耳のお手入れがどれ位必要かは、わんちゃんによって変わってきます。
おうちでは何もしないで大丈夫なわんちゃんから、治療のため、予防のためにおうちでもお手入れをしないといけないわんちゃんまで様々です。
治療や予防のためにおうちで耳のお手入れをする場合には、お手入れに使うものや方法が耳の状態によって変わりますので、かかりつけの獣医師に教えてもらってから行います。
- 耳垢がたまっている
- 赤くなっている
- 腫れている
- 臭いがする
- 耳をかいている
- 頭をよくふる
- 耳を気にして、頭を片側に傾ける
このような症状がある場合には、治療が必要な病気になっているのかもしれません。
しかし、大人しく耳を掃除させてくれるわんちゃんばかりではありません。嫌がって暴れる子や逃げ出してしまう子もいます。今回は犬が耳掃除を嫌がる理由と、耳掃除のポイント、嫌がられないためのコツをご紹介します。
犬が耳掃除を嫌がる3つの理由
その1:洗浄液が冷たい
耳掃除に使う洗浄液ですが、犬にとってはとても不快なもののようです。体温よりも冷たい液体が耳の中に入ってくるのは、人間でもちょっとびっくりしますよね。
また、アルコールが入っている洗浄液の場合、アルコール特有のスースーする感じが苦手なわんちゃんもいるようです。
その2:洗浄液のニオイ
洗浄液にはアルコール成分が使われているものもあり、その成分のニオイが苦手という子もいます。人間にはちょっとしたことかもしれませんが、犬にとってはとんでもないニオイなのかもしれません。
その3:保定されるのが怖い
耳の掃除をする際に体を保定することがあります。
それが怖いと感じるわんちゃんも結構いるようです。自由を奪われて、よくわからない液体を耳に入れられ、何かわからないもので耳の中をいじられる…こう考えると人間でも怖くなってしまいますよね。
犬にに耳掃除を嫌がられないためのコツ
洗浄液を温める
冷たい洗浄液を嫌がっている場合、洗浄液を人肌程度に温めてあげるのがオススメです。また、いきなり耳の中に入れるのではなく、耳の周辺に少したらして慣れさせていくという方法もあります。数滴たらしておやつをあげて、また数滴たらしておやつをあげて…と繰り返すことで慣れていくでしょう。
低刺激でニオイの少ないものを使う
アルコール成分の入っていない洗浄液を使ってみるといいでしょう。ニオイも少なく安心して使用することができます。動物病院で獣医師が使う洗浄液にも多くの種類があり、それぞれどんな状態の耳の洗浄に向いているか特徴があります。もし処方してもらった洗浄液を嫌がるようであれば、同じ目的に使える違う洗浄液がないか、相談してみるのも良いでしょう。
洗浄液の容器に慣れてもらう
耳掃除が嫌いな子は、耳用の洗浄液を見ただけで怒ったり、逃げてしまうことがあります。そのような場合には、容器を置いておきその側に餌やおやつを置いて、容器に慣れるようにしてあげましょう。
置いてある容器に慣れたら、次は飼い主さんが持った状態で近づいてみてください。そしてその次は耳に近づけてみましょう。少しずつ慣らしていくのがポイントです。
定期的に保定の練習をする
耳掃除のときだけ保定していると「保定=嫌なこと」という風に覚えてしまいます。
保定した状態で数分じっとしている練習を繰り返し行うことで、保定されることに慣れていきます。じっとできたときには、たくさん褒めてあげたり、おやつをあげたりすると更に効果的ですね。
犬の耳掃除のポイント
頻度
わんちゃんの耳掃除は、やり過ぎもよくありません。必要がなければやらなくても良いのです。耳掃除をおうちでしなくても問題は起きないが汚れが気になる、という方は指が届く範囲の汚れを以下のやり方で拭き取ってあげるだけで良いのです。
やり方にもよりますが、必要があって耳掃除をするにしても頻度が多過ぎると耳の中を傷つけてしまったり余計に炎症をひどくしてしまう可能性があります。
用意する物
用意するのは以下のものです。どれもペットショップやホームセンター、動物病院などで購入できるものです。
ティッシュなどの硬い紙は耳を傷つける可能性がありますので、使用は避けましょう。
- 犬用の耳洗浄液(イヤークリーナー)
- ガーゼや脱脂綿
やり方
まずはガーゼや脱脂綿に洗浄液を染み込ませておきます。
犬を保定した後、用意した洗浄液が染みたガーゼや脱脂綿で耳の外側を優しく拭いてあげましょう。
その後、耳の中に少しずつ洗浄液をいれ、耳の付け根あたりのコリコリした部分をマッサージしてください。ただし、外耳炎の治療のために洗浄する場合、耳の状態によってはマッサージすらしない方が良い場合もあるそうです。耳掃除のやり方は、獣医師の指示に従ってください。
犬が自分でブルブルと頭をふり汚れを飛ばすので、その汚れを取ってあげましょう。
そして浮き出た汚れを拭き取って終わりです。
病院にお願いする
実は、病院でも耳掃除を行ってくれるところもあります。普段は自宅で耳掃除をして、数ヶ月に一度、耳掃除と耳の定期検診を同時にするのもいいですね。
病院で行ってもらう場合、だいたい1,500~2,000円が相場のようです。お値段が少し高く感じるかもしれませんが、耳の病気を早期に発見することもできます。
▼「犬の耳掃除の基本」を知りたい方はこちら
まとめ
犬が耳掃除を嫌がるのにはこんな理由があったんですね。ちょっとしたことなので気づきにくいのですが、自分の身に置き換えてみると「あっ!」と思うことが多いのではないでしょうか。
その理由を知り、原因を取り除いてあげることで、愛犬も嫌がることなくスムーズに耳掃除ができると思います。愛犬の耳掃除にお困りの方はぜひ試してみて下さい!
ユーザーのコメント
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40代 女性 SUSU
耳掃除が苦手なワンコは多いようですね。我が家の愛犬もイヤーローションを使った耳掃除は大嫌いです。家でしようとしても逃げてしまうので、病院でお願いしたこともありますが、暴れてしまって大変でした。
嫌いでも愛犬の為だからと何度か連れていきましたが、獣医さんが「耳が汚れて痒い場合は気持ちがいいはずなんだけどな。。」と呟かれたのを聞いて、確かにそうだな、耳掃除が好きになるようにしてあげたいなと思い、愛犬に合った耳掃除を模索してみることにしました。
まず、最も嫌がるイヤーローションの使用を止めました。
そして、イヤーローションを使用しない際はペット用の綿棒を使っていましたが、掃除中に動いて綿棒が奥まで入ってしまうリスクを考え、飼い主自身が怖々使ってしまっていたので、綿棒の使用も止めることにしました。逆の立場になって考えてみると、飼い主が怖々している耳掃除なんて嫌いになって当たり前だなと思ったからです。
記事にもあるように、ティッシュは耳の内部を傷つけてしまうこともあり、また、愛犬自身も嫌がるので使っていませんでしたが、コットンのように繊維が耳の中に残ってしまうリスクもなく、綿棒のように奥まで刺さってしまう危険性もないため、傷つけないティッシュを探すことにしました。
花粉症の時期によく売られている柔らかいティッシュがお薦めです。もともと鼻のかみ過ぎで皮が擦りむけてしまう方の為に作られたティッシュですので、とても柔らかく作られています。
このティッシュを1/4に割いて、小さく折って耳のなかに入れてゆっくりと出すようにしています。
この方法だと耳掃除も嫌ではないようで、たまに「う~ん」と気持ち良さそうにしています。
なお、耳掃除の方法を模索していると同時に、ドッグフードを変えたり、手作りご飯を勉強したりしている中、手作りご飯が続くと耳垢もほとんど出なくなり、耳掃除が必要なくなるといった嬉しい誤算もありました。
ドッグフードを与えている日が続くと、耳垢は多少、出るようになりますが、フードによって汚れ方はかなり違ってきます。余分な添加物を排出しているのだと、妙に感心してしまいました。
犬の為になることであっても、保定したり、出来れば無理矢理行うことはしたくありません。飼い主さんとの大事なスキンシップの一貫として行えるよう、そのワンコの気に入る方法を探してみるのも良いのかもしれません。
我が家はこの方法で耳掃除をするようになってから、イヤーローションを使ったり、獣医さんに耳掃除をお願いしたことはありませんが、特にトラブルなく過ごしています。
大事なことは、片耳しか終わっていなくても、嫌がったらすぐに止めることです。少し時間を置いたり、次の日に残りの耳を掃除しても大した問題ではありません。苦手意識をもたないよう、上手にコントロールしながら掃除をするようにしています。 -
40代 女性 momo
我が家も垂れ耳のゴールデンレトリバーを飼っていますので、耳の汚れには日々注意しています。特に夏場の蒸し暑い時期などは、耳をめくると入口からわかるように茶色く汚れていたりします。以前、獣医さんに伺ったら、日常のお手入れでノンアルコールのウエットティッシュなどで入り口付近の目で見てわかる範囲を優しく拭く分には大丈夫ですが、自己流に耳の奥まで綿棒などを入れて汚れを取るのは傷つけてしまう恐れがあるので、しっかりとした耳清掃は獣医さんにお願いして下さいとのことでした。
やはり、獣医さんにはライト付きの汚れ検査器具もあって、ちゃんとどの部分に汚れが溜まっているかを判断して下さるので、「愛犬が耳を気にして頭をふるようになった」とか「あきらかに耳の入口に汚れが出てきやすくなった」といった普段と違う場合は早めに獣医さんで診ていただけたらと良いかと思います。 -
40代 女性 あお
ミニチュアシュナウザーを飼っています。
うちのわんこもご多分に漏れず耳掃除の時は大騒動になります。毛が多くたれ耳なのでこまめな掃除が欠かせない犬種です、耳の中にもすぐ毛が生えてきてしまい蒸れるため耳ダニの温床になってしまいます。動物病院で教えてもらった洗浄液を使い太めの綿棒で拭き取るようにしています。それでも、相当嫌がるので身体を押え気味になってしまって耳掃除を好きになる事は永遠にないようです。動物病院で教えてもらう前まではハサミで耳の中の毛をカットしていたのですがそれだと更にワンコにとってはストレスだったようで嫌がり方も半端じゃなくとても苦労しました。もっと手早く出来れば良いのでしょうが、なかなか難しいようです。心配な場合はトリマーさんにお願いするのが一番良いのかもしれません。 -
20代 女性 ラッキー
丁度耳掃除を嫌がっていたので助かりました。うちの場合は洗浄液の温度かもしれません。すこし温めて洗ってあげたところ、すんなりといきました。保定の練習もあまりしていないので、普段からスキンシップを兼ねて保定の練習を取り入れてみたいと思います。 -
女性 ゴン吉
耳に炎症があると触られること自体が嫌なので、落ち着かせてから優しく触ってあげるとだいぶ違うと思います。
洗浄液を温めるところはなるほど!と思いました。次は人肌くらいにしてみようと思います。
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10代 男性 はると
うちにも愛犬がいますが、アルコールの臭いや肌がスースーする感じが嫌なようで見ただけでワンワン吠えています(泣)子犬の頃に慣らさせておけばよかったんだと思いますが、成犬だと慣れるのに時間もかかるので保定を飼い主側がしっかり出来るようになる方が結果的に犬もケガしないし安全です!保定もしっかり出来るようになると愛犬も安心して任せてくれるようになりますよ〜(^o^)
何も問題が起きないのであれば、耳掃除は普段からする必要はありません。耳掃除が必要な場合でも、綿棒を使う方法はデメリットが大きいのでやめましょう。
耳の毛を抜いた方が良いのかどうかも、通気性が悪くなって外耳炎を起こしやすくなるから抜いた方が良い場合と、抜くことが刺激となって炎症を起こすので抜かない方が良い場合とあるでしょう。耳の中の通気性を良くしたいけれども毛を抜かない方が良い場合、耳の中の毛を切る、という方法もあります。