犬の耳掃除の頻度
犬の耳掃除の頻度は週1~2回程度を目安とし、汚れが気にならない場合には2週間~1カ月に1回程度でよいとされています。耳の汚れ具合によって、飼い主が頻度を調節してあげてくださいね。
耳掃除を長期間しないでいると汚れが溜まり、臭いやかゆみ、耳の病気の原因につながります。犬の耳の構造はL字型となっており、蒸れやすい傾向にあります。特に垂れ耳の犬種や、耳毛や耳垢が多い犬は、耳のトラブルが起こりやすいため、定期的な耳掃除が必要と言えるでしょう。
ただし耳掃除をやりすぎてしまうと、耳の中を傷つけてしまったり炎症が起きてしまったりするので注意しなければいけません。
犬の耳掃除に必要な道具
必要な道具
犬の耳掃除に必要となる道具は、耳掃除用のイヤークリーナー(イヤーローション)と汚れを拭き取るためのコットンの2つが一般的です。人間用のウェットティッシュやシートなどでも代用することができます。
ただしアレルギー体質の犬の場合、洗浄液や拭き取るためのシートなどにアルコール成分が含まれていないものを使います。市販の消毒液などは、必要な皮脂までも落としてしまうため、愛犬の皮膚を傷つける危険性があります。
イヤークリーナーを手作りする方法
市販されているイヤークリーナー以外にも、自分で耳掃除用に洗浄液を手作りすることができます。材料に「ホウ酸」と「精製水」を用意し、2つをよく混ぜ合わせれば完成です。濃度は水の量に対してホウ酸を2%以下にするとよいでしょう。
マキロンやイソジンを薄めて使用する方法や、精製水、消毒用アルコール、ヒバ水、ヒバ油、アロマオイルなどを組み合わせて作る方法もあるようです。犬は嗅覚が敏感ですので、使う量には気をつけてくださいね。
犬の耳掃除の正しい仕方
耳の健康状態をチェックする
犬の耳掃除を始める前に、まずは耳の状態(外側と中側)をチェックしましょう。チェックするポイントは、汚れ、耳垢の色、臭い、皮膚の赤みなどです。チェックする際には犬が暴れないよう、しっかりと保定してあげましょう。異常が認められた場合は、耳掃除はせず速やかに受診しましょう。
耳の中の余分な毛をカットする
耳の中に毛が生えている犬種は、耳掃除の前に余分な毛を短くカットすることが大切です。耳の産毛は、鉗子や指を使って優しく抜いてあげます。耳毛抜きは犬にとって大きなストレスになるだけでなく、炎症を引き起こす恐れもありますので注意深く行いましょう。
耳専用の洗浄液を流し込み拭き取る
犬を保定して、耳の中にイヤークリーナーを数滴垂らし、耳をマッサージしていきます。耳の根元部分にあるコリコリとした部分を親指と人差し指で挟み、優しく揉むようにマッサージしましょう。
耳の中の汚れが浮き出てきたら、液体を外に出すために犬が首をブルブルと横に振る必要があります。犬が首を振らない場合は、耳の中に軽く息を吹きかけてみてください。犬が首を振ると洗浄液と一緒に浮き出た汚れが耳から飛び出してきますので、汚れてもよい場所で行うのがポイントです。
犬の耳掃除は内側だけでなく外側の部分も、やわらかいコットンに洗浄液を含ませてきれいに拭きとりましょう。
犬が耳掃除を嫌がるときの対処法
犬が耳掃除を嫌がるときは、嫌がる原因を取り除くことが大切です。原因として考えられるのは、洗浄液の温度や臭い、保定されると恐怖を感じるなどが挙げられます。
洗浄液を温めたり、臭いの少ないものに変えたりなど原因を取り除きながら、少しずつ慣れさせることが大切です。耳掃除の前後にお気に入りのおやつをあげるなど、耳掃除をするとよいことがあると学習させるのも効果的ですよ。
犬が嫌がって怒る、興奮して噛むといった状態が続くようであれば、病院やトリミングサロンにつれていき、プロにお任せするという方法をおすすめします。激しく暴れる場合には、通常の値段よりかかる場合もありますので、料金については事前にトリマーに相談した方がよいでしょう。
犬の耳掃除の注意点
やりすぎない
犬の耳はデリケートな部分ですので、耳掃除をやり過ぎないようにします。強くこすってしまうと皮膚を傷つけてしまい、出血したり外耳炎などの原因になったりする場合もありますので注意が必要です。
人間用の綿棒は使わない
人間用の綿棒を耳掃除に使うことは控えなければいけません。犬の耳の中はとてもデリケートですので、人間用の綿棒では傷つけてしまう可能性があります。基本的に使わないようにしてください。しかし、人間用の綿棒を使用する場合は、イヤークリーナーなどを綿の部分にしみこませ柔らかくしてから使用してください。
耳に異常があらわれたら受診する
耳掃除によって犬が外耳炎や中耳炎、耳血腫などの病気にかかる場合があります。異変に気づいたらすぐに病院を受診するようにしましょう。
外耳炎は悪臭や耳だれだけでなく、かゆいことで引っ掻く仕草が見られ、中耳炎は耳の中を痛がることがあります。中耳炎はひどくなると、中耳の中に溜まった膿が原因で鼓膜が破れ、耳が聞こえにくくなるので注意しなければなりません。内耳にまで炎症が及んでしまうと頭が傾いてしまったりという神経症状が起こります。
また耳血腫は耳介で内出血を起こすことがありますので、耳の中を毎日チェックし、耳の異変にいち早く気づいてあげましょう。
犬の耳掃除で人気の洗浄液おすすめ3選!
犬の耳の洗浄液はいくつかありますが、人気のおすすめ洗浄液を3つ紹介します。
ノルバサンオチック
ビルバック ベッツケアイヤークリーナー
フランスが原産国のイヤークリーナーです。リピーターも多く、口コミでの評価も高い商品です。非刺激性の洗浄液なので、刺激が少なく犬にやさしい使い心地になっています。さわやかなシトラスの香りの洗浄液は、愛犬の毎日の耳掃除におすすめです。
フォン マックス
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まとめ
愛犬の耳の健康を守るためにも、耳掃除は大切なケアのひとつです。嫌がる犬も多いようですが、うまくスキンシップを取りいれながら、少しずつ練習していきましょう。正しい方法と頻度を守り、異常に気づいたときにはすぐに病院を受診することが大切です。おすすめの洗浄液などを参考に、ホームケアにぴったりな洗浄液を見つけてケアしてくださいね。