歯磨きはどうして必要??
わんちゃんがゴハンやご褒美(オヤツ)を食べると、当然お口の中は汚れてしまいますよね?
その後、お水を飲むことで歯に残っているフードなどは概ねとれますが、食べカスは残り、そのまま口腔ケアや歯磨きをせずにいると、3~5日で「歯石」となってしまいます。
歯石になるともう歯磨きでは取れなくなり、動物病院によるスケーリングが必要になってきます。
そして、あまりにも歯石がひどくなってしまうと、歯周ポケットにまで菌がおよんでしまいますので、犬に麻酔をかけて手術で歯石を見えるところだけでなく、歯周ポケットもキレイに除去することになります。
今では麻酔のリスクや負担を考えての無麻酔で行う方法もありますが、それについては後述いたしますね。
歯石をそのままにしておくと、歯肉炎となり最終的には歯周病となります。
歯周病となってしまうと、歯茎が腫れてゴハンが食べづらくなったり、歯が抜けてしまうことはご存じかと思います。
ですが、それだけではありません。
歯周病となってしまうと、毛細血管から内臓へ菌が流れて行き、病気の原因となることもあるのです。
私が参加した歯磨き教室で見せていただいた写真の中には、犬の頬に穴が空いてただれているものもありました。
これも歯周病が原因で起こるそうです。
この写真は本当に衝撃でした。
犬にとって食べるということは、何よりの楽しみです。
体の健康はもちろんのこと、歯や歯茎が痛くて食べれなかったり、歯がなくて食べづらいというのは、きっとストレスもたまることでしょう。
愛犬には、お口も健康でいつまでも元気にゴハンを食べてもらいたいですよね?
そのためにも、ぜひ歯磨き(口腔ケア)をオススメします。
体の健康もそうですが、何よりも予防が大切です!!
歯磨きを始める前に!
みなさんご存じの通り、犬は口を触られることを嫌がります。
歯磨きは大事だからちょっと我慢してね~っと、無理矢理押さえつけて歯磨きをすることは、犬にとっては大変なストレスです。
そして、ますますお口を触られたり歯磨きも嫌いになるでしょう。
ですから、まずは口にふれることに慣らしていくことから始めましょう♪
※ポイント・・・お口を触られて平気な犬ももちろんいます。ですがどんな犬に対しても、元気いっぱーい!の時ではなく、遊び疲れたりお休みモードに入りそうな時にやってみましょう♪
①まずはお口をさわる練習を!
マッサージを習慣化されている場合でしたら、その流れの中で口周りや口元のマッサージをして触ることに慣れさせるのもいいでしょう。
歯磨きが苦手だというわんちゃんには、まずはお口をさわることから始めましょう。
口は閉じたままで大丈夫ですので、口周りからゆっくり触ってゆき、口元をゆっくりと触ってみましょう。
②次に口元をめくって歯や歯茎を触ってみましょう。
③これは①②に慣れてきてからがオススメですが、奥の歯や歯茎にも触れてみましょう。かならず”ゆっくり”とです。
①~③を行う際には、ゆ~っくりと少しずつ進めていくことが大切です。
そして、1段階ごとにご褒美を与えてもいいでしょう。
これはしつけと同じですね。
お口を触られることは、良いこと&楽しいこと♪とリンクさせていき、習慣化してしまえばこっちのものです!
ですから、それまでの全段階の「慣らす」ことをゆっくりと進めて、苦手ではなく、楽しいコミュニケーションケアの時間となるようにしましょう♪
ガーゼでフキフキ磨きに挑戦!
お口に触れられることに慣れたのなら、次はガーゼや指サックのような歯磨き用ガーゼも市販されていますので、それらを使っての練習をしてみましょう♪
手順はお口を触る①~③と同じです。
ガーゼを使う場合もゆっくりと練習してみてください。
いざ!歯ブラシでトライ♪
他のしつけと同じように、まずは歯ブラシの匂いを嗅がせ安心させましょう。
愛犬が歯ブラシは何か確認をしますので、しばらく様子をみてください。
慣れてきたようなら、次に歯ブラシに歯磨き用のわんちゃんが好む香りのするジェルなどを塗って、歯ブラシを舐めさせてみましょう。
そうです!歯ブラシは良い物♪と思わせる作戦です♪
これもゆっくり行いましょう。
兎に角、慣れさせることが大切です。
我が家は、「てとて、ぺっとのごはん」の口腔ジェルを使って歯磨きを始めました。
もうジェルを出しただけで、愛犬は舌をペロペロしてきます(笑)
このジェルは口腔ケア効果があり、腸内環境も整えてくれる優れもので、愛犬がパピーの歯磨き開始時期から使用しています。
歯磨き=おいしい♪楽しい♪と思ってもらえるので、効果はバツグンでした!
まんまと作戦にのってくれたわけです!(笑)
歯磨きの手順
①:まずは前歯から!歯はゴシゴシと磨かなくていいです。え??と思われるかもしれませんが、まずは歯ブラシを前歯に当てるだけでOK♪他の歯も同じように当てるだけから始めてみましょう。嫌がらずに歯に歯ブラシを当てさせてくれたら、すかさず褒めてご褒美を!
②:①に慣れてきたら、すこ~しずつゆっくりと歯ブラシを動かしてみましょう♪前歯からゆっくりとゆっくりと進めて、褒めながら声をかけながら動かしてみましょう。
③:これにも慣れてきたら、奥歯にも歯ブラシをのばし、ゆっくりと歯ブラシを動かしてみましょう。
④:歯が大丈夫になったら、歯茎をマッサージするようにゆっくりとやさしく歯ブラシを動かしましょう。これは、前歯でしたら、前歯を磨きながら歯茎に移行してゆっくりとマッサージするでもかまいません。やりやすいやり方で行ってみましょう。
⑤:最後に、歯の裏側もゆっくりと磨いていきましょう。
歯磨きの時の犬の体勢
歯磨きの際には、できれば私達がお口の中を見れる体勢でじっとしていてほしいですよね?
小型犬であれば膝の上でコロンと寝てもらって、歯磨きができるコもいるでしょう。
ですが、小型犬と大型犬では体高なども異るので、大型犬の場合はそうはいきませんよね?
また、ヘルニアになりやすい犬種であれば、不向きの体勢もあります。
理想なのは、愛犬が体を横にして、私達が愛犬の歯をのぞき込みながら、ゆっくりと時間をかけて磨くことです。
ウチの愛犬は、仰向けでゴロンとするのが好きなコだったので、いつもその体勢で歯磨きをしていましたが、歯磨き教室に参加して、
「今はいいのだけれどシニアになった時にその姿勢が難しくなったり、ヘルニアになったりする可能性があるので、横向きに寝て首や腰に負担のないように今から習慣づけましょう」
とアドバイスをいただきました。
なるほどでした!!
一緒に参加したわんちゃんの中には大型犬もいて、その子は体が大きいので横になって寝て、飼い主さまがゆっくり優しく歯磨きをしていました。
参加していたわんちゃんそれぞれの歯磨きの体勢は違っていて、色々と勉強になりました。
本当に参加してよかったと思いました。
そして、犬種や将来の体の負担を考えて、今から歯磨き時の体勢をしっかりしなきゃ!と強く思いました。
みなさんも、愛犬にはどんな体勢が一番負担がかからないか考えて、歯磨きの習慣をつけることをオススメします。
すでに歯石がついて困ってらっしゃる方へ
年齢や食生活等により歯石がついてしまい、だんだんと歯石が増えてきているわんちゃんもいるかもしれませんし、なかには自宅でスケーリングをされている方もいるでしょう。
ですが自宅でのスケーリングは、獣医師や資格を持っている方でしたら問題ありませんが、自宅でのスケーリングは歯の表面を傷つけてしまうそうです。
そして、その傷は人間の目では見えません。
スケーリングをして一見キレイに見えていても、その時にできた傷には歯石がつきやすくなってしまうというリスクがあることを覚えておきましょう。
そのことからも、スケーリングを行う場合には、動物病院にお願いするのが一番安全と言えます。
動物病院の先生からもそのように言われましたし、歯磨き教室でもこのように教わりました。
また、これは続けることで効果が出るものですが、「熊笹エキス」を歯磨きにつけて毎日歯磨きをしていたら、抗菌作用のおかげで歯石がもろくなり、キレイにとれたという犬友さんがいまして、我が家でも現在使用しています!
香りは黒糖のようで甘い香りがして、人間の私も舐めてみたくなる良い香りで、ウチのコも歯磨きがますます大好きになりました!
ウチの愛犬はまだ若いのですが、三ヵ月ほど免疫低下等で体調を崩したあげくに終盤一ヵ月ドライフードも大好物のフードも口にせずに困りに困り、唯一食べてくれるササミが入ったレトルト食品があり、それをドライフードを食べてくれるまで食べさせていました。
その間に、歯磨きをあまりしなかったために少し歯石ができてしまいました。体調を崩す前に歯磨き教室に参加していたため、早いうちから歯石を自然に除去したい!!と、私も「熊笹エキス」を購入して毎日の歯磨きに使用しています。
※犬用に抗菌効果のある熊笹エキスを使用しています。「てとて、ぺっとのごはん」のものを我が家では使用中です♪
歯石除去手術は麻酔をかけて?それとも無麻酔?
たとえ歯磨きが大丈夫な犬であっても、長い間お口をあけているなんて無理ですよね?
歯や歯茎を傷つけないためわんちゃんが動いてしまっては大変危険なので、麻酔をかけてお口をキレイにするのが、麻酔を使った歯石除去手術です。
今まではこれが歯石の除去で一般的な方法でした。
麻酔を使用すれば、確かに動く心配はないので安全に口はキレイにできますが、麻酔を歯石除去の度にかけるのは・・・と悩まれる方も多いと思います。
特にシニアになってくると、体の負担を考えて麻酔を使いたくないからと、歯石除去をあきらめてしまう方も少なくはないと思います。
では無麻酔での歯石除去はどうでしょうか?
診察台の上で安全のために、抑え込まれる形で固定されて歯石を除去します。
これはお口をさわられるのが苦手で、さらにお耳のいいわんちゃんからしたら、お口を開いてお口の中をいじられるなんて、かなりのストレスとなります。
麻酔を使わないという点では年齢や持病等に影響しなくて安心だとは思いますが、わんちゃんの安全のためにも無理はできないので、見た目キレイに歯石を除去できても完全には除去できないのが実情だそうです。
歯周ポケットや歯の裏側は除去できない場合がほとんどだそうで、歯石による悪影響を全て取り除くことはなかなかできません。
これでは、ただ大きなストレスを与えるだけではないでしょうか?
どうしても歯石除去をしなければならない際には、愛犬の体調を考慮してどちらの方法を選ぶかを考えてください。
ですが、できれば日々のケアによって歯石除去に至らずともよくなるようにしてあげるのが、飼い主である私達がしてあげられることではないでしょうか?
まとめ
愛犬は大切な家族。
いつまでも健康で元気であってほしいと願うのはみなさん同じでしょう。
毎日のケアは、忙しい日にはつい忘れてしまったり怠ってしまうこともあるかと思います。
ですが、口腔トラブルが病気に繋がるということを忘れないでください。
歯磨きの理想は朝晩2回だそうですが、我が家は夜のリラックスタイムに行うようにしています。
どうしても仕事が忙しい日には、熊笹エキスをガーゼに垂らして、歯をフキフキしています。
これだけでも、十分にケアにはなりますが、やはり一番は毎日の歯磨きですね。
愛犬も毎日歯磨きをしていくと、どんどん私に身をゆだねてくれるようになります。
以前から「歯磨きは楽しいこと♪」と思ってもらうことがまず大事だと思って実行してきましたが、歯磨き教室に参加して、他の飼い主さまがゆっくり優しく声をかけて歯磨きをしている様子を見て、改めてその日から楽しい時間にしていきました♪
そのうち歌まで私の口からでてきて、今では歌いながら褒めながら歯磨きができるようになりました(笑)
もし近場で歯磨き教室を行っているところがあれば、歯磨きができるわんちゃんでも是非参加してみてください。
よそ様のわんちゃんの歯磨きの仕方や、改めて歯磨きの仕方を聞くと、“気づき”があると思いますよ♪