犬は白菜を食べても大丈夫!
白菜は犬が食べてもいい食材の一つです。白菜が大好きで盗み食いをしてしまうほどのワンコもいるようです。犬にとって白菜は、水分が多く甘味がある食べやすい野菜だと考えられ、主食のドライフードなどと合わせて上手く取り入れることができるでしょう。
愛犬の食事が良質なフードでしたら、それだけでも栄養はまかなえています。そこに白菜をプラスすると、不足しがちな水分を効率よく補うことができます。
水をあまり飲まない子の場合、体の中の老廃物が排出されにくかったり、夏場などは熱中症にかかりやすくなったりすることもあります。水分は普段から十分に摂りたいので、白菜をいつものドライフードにトッピングしてあげると、食事からも水分を多く摂ることができて良いでしょう。
普段から愛犬の食欲増進のためにドライフードをふやかして与えているという場合は、白菜をプラスすることでさらに喜んで食べてくれるかもしれません。白菜には水分以外にも、腸内環境を整える効果のある繊維質も含まれています。
- 白菜には食物繊維が多く含まれている
- 白菜は水をあまり飲まない子におすすめ
子犬やシニア犬(老犬)も白菜を食べて大丈夫?
子犬やシニア犬(老犬)が白菜を食べても大丈夫です。子犬やシニア犬は消化器系が未発達だったり、衰えていたりするため、消化しやすいようにひと手間かけてください。小さく刻んだり、柔らかくなるまで茹でるなどして与えるようにしましょう。
健康な成犬の場合、少量を細かく切って生のまま与えることもできます。特にシニア犬(老犬)は、水分補給量も減る傾向にあるため普段のフードにトッピングして、水分量を補ってあげるのがおすすめです。
犬が食べても大丈夫な野菜、おすすめ記事▼ 犬はレタスを食べてもいい?栄養と与える量、注意点をご紹介 犬にもやしを与えても大丈夫!与えるメリットや注意点をご紹介します白菜に含まれる栄養と効果
白菜は95%が水分でできているため、各栄養素は微量ですが、多くの種類の栄養素が含まれているのが魅力です。
豊富な食物繊維で低カロリー
- 腸内環境を整える
- 低カロリーなのでダイエットに活用できる
中国では不老長寿の薬膳の食材として重宝されていた食べ物と言われています。大根、豆腐と共に免疫力を高めるとされている「養生三宝(ようじょうさんぽう)」の一つです。免疫力の他にも体力を高め、滋養強壮にも良い食べ物と言われています。
食物繊維には、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌が排出されやすい腸内環境を作る効果が期待できます。便通の改善も期待できると言われています。
また、成分が良く似ているキャベツに比べて糖質が少なく、カロリーが100g中14kcalととても低いので、ダイエットにも効果的な野菜なのです。
水分摂取量を増やしたいときに役立つ
- 水分をもっと摂取させたい。
- 水分摂取量が減少している。
犬の冬場の水分補給源として役に立ちます。愛犬の水分が不足してる場合は、普段のフードにトッピングとして与えると良いでしょう。
白菜に含まれるビタミン
- ビタミンA
- ベータカロチン。皮膚、粘膜を丈夫にする。視力の維持にも必要。
- ビタミンB群
- 様々な物質の代謝に関係。皮膚の健康にも関与、疲労回復。
- ビタミンC
- 抗酸化作用、免疫力アップ。
- ビタミンK
- 血液と骨の維持、酵素の働きなどに必要な成分。
この中でも比較的多く含まれているのが、ビタミンBの一つである葉酸とビタミンC、ビタミンKです。
ミネラル
- カルシウム
- 骨や歯の構成成分。神経興奮伝達などに関与。
- カリウム
- ナトリウムと共に体液のバランスを保つ。細胞が機能するために必須。神経刺激の伝達や様々な代謝にも関与。
- リン
- 骨や歯の構成成分。細胞膜の必須成分。エネルギー産生にも関与。
他にもカリウムやカルシウム、リンなどのミネラルも含まれています。そカリウムの過剰摂取は、「高カリウム血症」となり健康に悪影響を及ぼすため、与えすぎには注意してください。
特に腎機能が低下している犬の場合に注意が必要ですので、必要に応じてかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
イソチオシアネートはがん予防に期待されている成分
- がん予防
- 血栓予防
- 消化促進
白菜を含むアブラナ科の植物には「イソチオシアネート」という植物性化学物質(フィトケミカル)が含まれています。イソチオシアネートには、がんを予防する作用があるとして注目されています。
がん予防の他にも、血栓予防や消化促進などの効果もあるようです。ただし、このイソチオシアネートは甲状腺ホルモンの生成を阻害するゴイトロゲンとして働く恐れがあるため、甲状腺機能に問題(甲状腺機能低下症)がある犬の場合は、かかりつけの獣医師に必ず相談するようにしましょう。
参考文献:文部科学省「食品成分データベース」野菜類/はくさい/結球葉、生
参考文献:イソチオシアネートによるがんの化学予防の可能性|岡山大学学術成果リポジトリ
白菜を与えていい量の目安
主食以外の食べ物を与える際の目安量は「一日に必要なカロリー量の20%以内(※白菜100gあたり14kcal)」といわれています。
ドライフードを主食としている場合には、白菜とそれ以外のおやつや副食、トッピングなどを全部あわせて一日に必要なカロリー量以内になるようにしてください。必要なカロリー量は個体差がありますので、下記の記事も合わせてご参考にしてください。
あくまでサポート的な副食や食材は、主食に影響が出ない程度の量を与えることが重要です。
白菜の与え方
芯が喉に詰まらないように細かく刻む
白菜の「葉先」や「芯の部分」も与えて大丈夫です。ただし、芯は硬いため、大きいまま与えると、体格や状況によっては喉に詰まらせてしまう恐れがあるので注意が必要です。
柔らかい葉先の部分や、芯の部分などをバランスよく与えられるように、細切り、もしくはみじん切りにして一つまみ程度から始めてみるのがおすすめです。
茹でて消化しやすいように柔らかくする
食べさせるときは、茹でて消化しやすいように柔らかくしてから与えるのが良いでしょう。水分補給もより効果的に行えます。
栄養がしみ出た茹で汁も与える
白菜の栄養素は、加熱することによって外へ流れ出てしまうものもあります。そのため、茹でた汁を一緒に食べさせるのがおすすめです。スープやあんかけにして、フードにトッピングするのも良いでしょう。
味付けしない
味付けは不要です。茹でただけでは食べてくれない場合はささみなどの肉類と一緒に茹でたり、犬用ふりかけと和えたりするのがおすすめです。
大根や人参、キャベツなどの「犬が食べられる野菜」の切れ端を煮込んで、「ベジブロス」という出汁を作ったり、顆粒ではなく、昆布やにぼしなどから出汁とるのもおすすめです。
白菜を与える際の注意点
与え過ぎによる消化不良
白菜には食物繊維が含まれています。体に良い食物繊維ですが、やはり量が多過ぎると胃腸に負担がかかり、消化不良による嘔吐や下痢、逆に便秘などの症状が現れる場合もあります。
与える時は、消化しやすいように茹でて柔らかくし、食べやすい大きさにしたものを適量与えることが大切です。
甲状腺機能低下症の場合は与えない
アブラナ科の野菜は、抗酸化物質イソチオシアネートがゴイトロゲンとして作用すると言われているため、甲状腺機能低下症がある犬には与えない方が良いと言われています。
ゴイトロゲンは、甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素の吸収を阻害する成分であるため、甲状腺機能低下症の治療に影響を及ぼす可能性があるからです。どれくらいの量で影響が出るのかは不明ですが、必ず獣医師に相談しましょう。
甲状腺機能低下症の場合は、アブラナ科以外の野菜にするのが良いのではないでしょうか。 また、腎臓病やアレルギーなどで食事に制限がある場合も、念のためかかりつけの獣医師に相談してから与えるようにしましょう。
人間用に加工した白菜は与えない
- 鍋物にした白菜
- お味噌汁にした白菜
- 白菜の漬物
- 白菜のキムチ
人間用に調理したものや加工品などは与えないよう注意しましょう。
人間用の鍋物やお味噌汁などには、玉ねぎや顆粒だしなどを使用することも多いですよね。出汁に流れ出た玉ねぎなどの成分によって、中毒を引き起こしたり、塩分過多になったりする可能性があります。犬に与える場合は、味付け前に取り分けるなど人間用と一緒に調理しないようにしてください。
また、お漬物やキムチなどの加工品も塩分が多く含まれているため、犬に与えてはいけません。特にキムチは、にんにくや唐辛子が含まれており、それらは犬にとって危険な食べ物になるため、絶対に与えないようにしてください。
その他の注意点
犬に初めての食べ物を与える際は、体質に合うかどうかに注意しましょう。アレルギーや消化不良を起こす食べ物もあり、どんな食べ物がそれらの原因となるかは個体差があります。
白菜に対してアレルギーの報告はないようですが、体質に合わないケースもあります。。最初はほんの少量を与える程度にして、嘔吐や下痢のような症状が見られないかよく観察するようにしましょう。
いつもと様子がおかしい場合は、すぐにかかりつけの獣医師に診てもらうようにしてください。
まとめ
白菜は、あく抜きする必要もなく、低カロリーで多くの種類の栄養素が含まれているとても嬉しい野菜といえます。そんな白菜をひと手間かけて愛犬の健康に役立ててみませんか?