犬のしっぽが下がる「精神的」な理由
「犬のしっぽが下がるとき、一体どういった気持ちになっていると思いますか?」そう聞かれると、おそらくほとんどの人は「不安や恐怖を感じている」と答えるのではないでしょうか。
それほど、犬のしっぽが下がる時はネガティブな感情になっているというイメージが定着していますよね。もちろん、そのイメージの通りに不安や恐怖を感じている理由もあるのですが、実は他にも意外な理由もあったりします。
不安・恐怖を感じている
犬は不安や恐怖を感じていると、しっぽが下がることがよくあります。苦手な犬と出会ったり、怖いと感じる音を聞いたりすると、しっぽをダラ~ンと下がることが多いのです。
特に股の間にしっぽを巻き込ませている場合は非常に怯えている、怖がっているといえます。
ストレスを感じている
こちらもネガティブな気持ちとなるのですが、ストレスを感じているときにも、犬のしっぽが下がることが多いといえます。
例えば「飼い主に何度も叱られて萎縮している」「病院などの苦手な場所に連れてこられて精神的に疲れている」そういった場合に、犬はストレスを感じてしっぽが下がることがよくあるのです。
病院やトリミングなど、愛犬のために我慢させないといけない場合は仕方ないかもしれません。
ですが、「何度も怒りながら叱る」「社会性を育てるために愛犬が苦手に感じている犬と無理やり触れ合わせる」といった、避けられるストレスの原因となるものは、愛犬に良い影響を与えないので、なるべく取り除くことをおススメします。
警戒している
犬のしっぽが下がる姿は、相手に対して敵意を向けている時に見せていることが多々あります。
「遠くから相性の悪い犬がやってきた」「苦手だと感じる人が前から歩いてきた」「聞きなれない音が聞こえたので周りを気にしている」そういった警戒心を強めている場合、犬のしっぽはダラ~ンと下がることがよくあるのです。
警戒中は気になるものに意識が集中するので、しっぽに力が入らなくなったり、少なからず不安な気持ちになったりするのでしっぽが下がるのかもしれません。
飼い主がドシッとした気持ちで「大丈夫だよ!」という態度で愛犬をを安心させてあげましょう。大好きなおもちゃなどがあれば、そういったものを使って警戒や緊張の気持ちをほぐしてあげるのも一つの方法です。
落ち着いている(リラックスしている)
おそらく多くの人は、大好きな飼い主と一緒にいるときは、常にしっぽが上がったり左右に揺れたりしている、といったイメージを持っているのではないでしょうか?
では、犬が「落ち着いている」「くつろいでいる」そんな状況のとき、しっぽはどうなっていると思いますか?
答えは意外にも「しっぽが下がっている」ことが多かったりします。もう少し具体的に言いますと「しっぽに力が入っていない状態」、リラックスモードになっているのです。
実際に、愛犬がのんびりくつろぎながら歩いている時のしっぽを見てみてください。常にとはいえませんが、しっぽを下げながらユサユサさせていることと思います。
犬のしっぽが下がる「肉体的」な理由
犬のしっぽが下がっているとき、前述した犬の心理的状況をあらわす他に、肉体的状況をあらわすこともあります。
犬の様子をしっかり観察し、いつもと様子がおかしいなど気になることがあれば、動物病院で診てもらうようにしましょう。
病気や体調不良の可能性
リラックスモードになっているときと見分けがつきにくいですが、犬は体調不良になっている際にもしっぽを力なく下がることがあります。
いつもなら愛犬は元気よくしっぽを振りながら歩いているのに、珍しくしっぽを下げている、といった場合は体の調子が悪いといえるかもしれません。
体調不良のときは食欲がなかったり、いつもより多く寝ていたり、いつもよりゆっくり歩いたりすることが多くなるのが特徴です。
また、犬のしっぽが下がるなどの異変で考えられる病気には、次のようなものがあります。
- 肛門嚢炎
- 脱臼や骨折
- 馬尾症候群
- 椎間板ヘルニア など
愛犬がしっぽを下がる時に、それらのしぐさを見かけた場合は、体調不良になっている、または病気を発症している可能性がありますので、早めに病院で診てもらうことをおススメします。
老化が見られる年齢になってきた
犬の年齢がシニア犬(高齢犬)になってくると、腰の位置が低くなり、しっぽが下がるようになってきます。他にも犬の老化のサインとして、下記のような症状があります。
- 毛の色が薄くなる
- 寝ている時間が多くなる
- 歩くスピードが遅くなる
- 小さな段差でつまずくようになる
- 物によくぶつかるようになる
病気のサインと似ているところもあるため、ずっとしっぽが下がったままになっているなど、気になることがあれば動物病院で診てもらうようにしてください。
まとめ
犬のしっぽが下がる時は、ネガティブな気持ちになっている場合が多いといえますが、それ以外にも『リラックスしている』『体調不良になっている』ことが考えられます。
不安や恐怖を感じる原因がないのにもかかわらず、愛犬が元気ない素振りでしっぽを下げているのでしたら体調不良や病気の可能性がありますから、よく様子を見てあげてくださいね。
もし、愛犬がしっぽを股の下に巻き込ませるほど何かに怖がっているときは、不安や恐怖の問題を解決してあげてください。そうしないと、ずっとビクビクしたままになり、ストレスを溜め込んでしまうことになりますので、なるべく早く原因を取り除いてあげてくださいね。