分離不安症とは?
そもそも分離不安症とは、どのような精神病なのでしょうか。分離不安症の主な症状を確認する前に、簡単にですが分離不安症という病気について理解しましょう。
分離不安症とは、犬が飼い主と少しでも離れることで、大きな不安や恐怖を感じ、強いストレスを感じてしまう症状を指します。一種の犬の心の病とも言われていて、近年、室内飼いされている犬が増えてきていることから、分離不安という言葉を知っている方も増えてきています。
一見、「私のこと、大好きなのかな?」と思ってしまう行動も、実は分離不安症の表れであることがあります。症状を見逃さず、分離不安症かもと感じたら適切な距離を保ち、犬が飼い主に依存しすぎないように配慮してあげることが大切です。
犬が『分離不安症』になっているときの症状
では、犬が分離不安症になっているとき、どのような症状が見られるのでしょうか。ここでは分離不安症を引き起こしている犬が起こしやすい、主な症状(行動)をご紹介します。
1.ずっと追いかけてくる
いつも飼い主の後をうろうろとずっとくっついて歩き回る、ということはありませんか?分離不安症の犬は、飼い主がいついなくなってしまうかわからないため、ずっと後ろをついて回ることで、知らないうちにいなくなってしまうことを阻止しようとします。
一見、「どうしたの?甘えたいの?」「私のことがそんなに好きなの?」と飼い主としては可愛く思ってしまうこの行動ですが、あまりにも執拗に追いかけてくるならば、分離不安症を疑いましょう。
2.姿が見えなくなると吠える/鳴く
分離不安症を患っている犬の典型的な行動に「鳴く/吠える」という行動が挙げられます。これは、飼い主が見えなくなってしまったため、鳴くことで飼い主を呼び戻そうとしているのです。人間の言葉に直すならば、「どこ?」「寂しいよ」といった感じでしょう。
一度、この鳴き声を聞いて戻ってしまうと、「鳴けばまた戻ってくる」と学習してしまうので、その後も吠え続けることがあります。吠えているときは戻らず、吠えたり鳴いたりすることをやめてから、家や部屋に戻るようにしましょう。
3.問題行動を頻発する
分離不安症の犬は、飼い主が自分の傍にいないことに極度の不安や恐怖を感じています。そのため、その不安や恐怖を紛らわせようと問題行動を起こすことが多いです。
例えば、ゴミ箱の中を漁ってみたり、ドアを引っ掻いてボロボロにしてしまったり。他にも部屋の物を倒す、壊すといった困った行動をわざと起こす犬もいます。
他の部屋から戻ってきたとき、あるいは外から帰ってきたとき、部屋の中が荒らされているという状況が続く場合は、分離不安症を疑いましょう。
4.トイレを正しい場所でできない
分離不安症は飼い主がいない不安や恐怖を過剰に感じてしまう精神病であることは、すでにご紹介しています。そのため、ふだんは上手にできていることも、パニックに陥っているため失敗してしまうことが頻発します。
その代表的な例がトイレです。いつもはトイレにきちんとおしっこやうんちができているのに、お留守番や飼い主が見えなくなると、全く別の場所にしてしまう…ということはありませんか?
これは怖いと子供がお漏らししてしまうように、犬も恐怖のあまりその場でおしっこを漏らしてしまっているのです。
5.自傷行為をしてしまう
最も怖いのが自傷行為です。「動物って自傷行為なんてするの?」と思われがちですが、実はするのです。では、犬にとっての自傷行為とはどのような例があるのでしょうか。
最も多く見られ、飼い主が見逃しがちな例が、前足を執拗に舐め続けるという症状です。一見、単に毛繕いしているように見えるこの行動ですが、実は寂しさを紛らわすために夢中になって舐めている場合もあります。 しかし、これをそのまま放っておくと、前足が皮膚炎を起こしてしまう恐れがあります。すでにこのような症状が見られる場合は、一度その部分を確認してみてください。後足も舐めることがありますので確認してください。 場合によってはかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬は飼い主のことが大好きな子がとても多いです。それゆえ、飼い主が居なくなると、大きな不安を抱える犬も多い傾向にあります。自分の愛犬が分離不安症にならないためにも、日頃から適切な距離を保つように心掛けましょう。