犬との生活に疲れたらどうするべき?
どんなに大好きな愛犬でも、犬との生活で「疲れてしまう」ということがあります。
特に、犬を飼ったことがない初心者は「犬との生活が想像と違った」「思い描いた犬との生活ではなかった」という思いからストレスを抱えてしまうケースが多いです。
しかし、どのような人でも多かれ少なかれ、犬との生活に疲れを感じることはあります。大切なのは「疲れた原因を探り解決すること」です。犬との生活にストレスを感じている自分に嫌悪感を抱いている人は、どうかご自分を責めないでください。
なお、現在「犬を飼いたいがしっかりとお世話ができるか、最後まで面倒を見れるのか不安だ」という方は、まずは下記の参考記事をご覧ください。
犬との生活で疲れてしまう3つの原因
犬との生活に疲れを感じてしまう要因は、今すぐに解決できるものもあれば、根本的に解決するのが難しい問題まで様々あります。
まずは、犬との生活に疲れた原因を探ることから始めてみましょう。
子犬のお世話に疲れた(育犬ノイローゼ)
初心者にもっとも多い原因が子犬を育てることに疲れてしまう「育犬ノイローゼ」です。
子犬を育てるということは、決して簡単なことや楽なことではありません。子犬は成犬に比べ、トイレの回数も食事の回数も多く、トレーニング中でしつけも不十分であることが多いです。粗相もしますし、イタズラもたくさんしますし、問題行動もたくさん起こしがちです。
命を飼う以上、こういった身の回りのお世話については「手がかかるもの」だと覚悟の上で飼育されているかと思いますが、想像以上に大変で疲れてしまう人がとても多いのです。
女性 30代
私もノイローゼになりそうな時期がありました。話の通じない子犬を目の前に、思い通りにいかなくて生活がめちゃくちゃにされた時期です。
ですが、疲れながらもがんばっていると、犬の成長とともに扱いやすくなり、気が付くと自分も強くなっていきました。
しつけが上手にできず疲れた
吠えや噛みつき、部屋を荒らす、トイレの粗相…飼い主がコントロールできない時に「何度言ってもできない」「どんなに怒ってもできない」と疲れてしまうことがあります。
子犬期に上手にしつけができていればよいのですが、中には上手にトレーニングができず、成犬になってもイタズラや粗相をしてしまい飼い主を疲れさせる犬が多いです。
特に、犬をあまり飼ったことがない飼い主の中には「犬は頭がいいから、しつけをしなくても大人になればお利口さんになってくれる」と、思っている人も。
犬のしつけに大切なのは根気と愛情です。どうか、長い目で愛犬をみてあげてください。
家族との意見の不一致
家族で犬と暮らしている場合、犬の飼い方やしつけ方などで意見が分かれることがあります。自分はこういうしつけをしたいのに、父親はこうしたい、姉はこうしたい、など意見が分かれることがあります。
人間でも子供の教育方針の不一致で夫婦がもめるということがありますが、まさにそれと同じですね。結果、家族によって犬への接し方が変わってしまい、犬も混乱してしまいます。
とにかく家族との意見の不一致については、家族でよく話し合ってみてください。「自分はこうしたい」という理想で話をするのではなく「犬にとってどうすべきなのか」を視点に話してみましょう。
犬との生活に疲れた時の対処法
犬との生活に疲れてしまうのは誰にも起こりうることです。大切なのは、犬との生活に疲れを感じた時に、どのように対処するかです。犬と長く楽しく暮らすためにできることや対処法をご紹介します。
正しいしつけ方を学ぶ
犬のしつけが思うようにできずに、イライラしている方も多いのではないでしょうか?実は、そのような問題を抱えている方の多くは、犬のしつけの方法を誤っている可能性があります。
何度も同じ失敗をする愛犬に、感情のまま怒りをぶつけてはいませんか?それは、しつけではありません。ただ、自分の感情を押し付けているだけです。
最近は怒るしつけではなく、褒めるしつけが推奨されることが多いように、飼い主さんの言うことを聞かない場合は単純に愛犬への伝え方に問題があるのかもしれません。
「むやみやたらと怒っていないか」「粗相をしたその場で伝えているか」「飼い主の気分や都合で叱っていないか」など、今一度、飼い主さんの犬との接し方を見直してみてください。
問題行動を起こす原因を考える
犬との生活に疲れてしまう原因の1つである問題行動。「無駄吠え、お部屋のイタズラ、粗相、噛み癖」などなど、ストレスを感じさせる要因はたくさんあります。
しかし、それらの問題行動を「どのような理由でしているのか」について考えたことがない飼い主は意外に多いです。
また、「分離不安症」という犬の病気が関係している場合もあります。こちらは普段から飼い主さんが犬に構いすぎることで、ひとりにされた犬が不安になって問題行動を起こすものです。しつけのやり方と同様に愛犬との関係性を見直してみましょう。
女性 50代
私は、世間が「分離不安症」を病気のように扱うのは間違いだと感じています。
人間でも赤ちゃんは母親がいなければ、泣くように当たり前のことです。ですが、犬と飼い主との間に信頼感(いなくなっても帰ってくるから待てば良い)が形成されれば起きないはずです。
つまり、犬の病気ではなくて飼い主との関係性に問題があることの証なのです。それをあたかも、病気を扱うように簡単に括ってしまうのは違和感があります。
一人で頑張りすぎない
犬との生活が疲れたと感じる人の中には、犬のお世話からしつけから、健康管理まで全て自分だけで、しかも完璧にこなさなければならないと考えている人が多いです。
「完璧なしつけをしなければ」「お世話はマニュアル通りにしなければ」「常にかまってあげなくちゃ」など、責任感が強い真面目な人ほど自分を追い詰めがちです。それでは息が詰まってしまうのも当たり前です。一人で抱え込むのではなく、家族や周りの人を頼り、ほどよく息抜きをしましょう。
しつけに困っているなら、犬のしつけ教室に通うのがおすすめです。お散歩やお世話が負担なら家族の誰かに手伝ってもらいましょう。一人暮らしなら、たまには犬をペットホテルに預けてのんびりする時間を作ってみるのもおすすめです。
イライラしながら犬と接するよりも、ほどよく手を抜きながら接する方がお互いのためになることもあります。
あれもこれもしなくてよい
最近は犬のマニュアル本もたくさん発売され、ネットで検索すれば犬の育て方、しつけ方がたくさん出てきます。それらの情報を調べて、実行するのはよいことでしょうが、全てをこなそうとする必要はありません。
あれもこれもしていると、飼い主も犬もしんどくなってしまいます。犬のしつけや健康管理は、自分のできる範囲でおこなってください。キャパオーバーしてしまうと、犬との生活に疲れてノイローゼになってしまいます。
自分の力量と心の余裕を把握し、できることから始めてください。
女性 20代
多種の犬を飼育してきましたが、しつけについて思うことがあります。それは「アレもコレもしなければならない」と考えると、犬も飼い主もとても辛い思いをしてしまうということです。
その中で私が気づいたことが、本当に必要なしつけは「トイレ、おいで、ダメ」この3つだと思いました。私はこの3つを愛犬に教えて、ある程度の距離を保ちながら余裕のある生活を送っています。
どうしても疲れた時は里親も検討する
犬との生活に疲れてしまい、どうしても一緒に生活できないと感じたら、必ず新しい里親を探すようにしましょう。安易に保健所に連れて行ったり、ましてや犬を捨てたりしないでください。
本当は一度飼った以上、最後まで面倒を見るのが望ましいのです。しかし、犬との生活にストレスを感じ、イライラをぶつけたり虐待をしてしまっては人間にとっても犬にとってもよくありません。
どうしても犬を飼うことができない場合は、里親を探すことを検討しましょう。また、里親を探す時は「里親詐欺」に十分に気をつけましょう。
下記では里親詐欺について詳しく解説しています。犬の命を守るためにも、里親募集をする前に必ず確認しておいてください。
里親に関する相談を受け付けているサイト「NPO法人サンタの家」がありますので、どうしても飼うことが難しくなったという方はお問い合わせしてみてください。
犬を里親に出したい方からのお問い合わせ | NPO法人サンタの家
まとめ
犬との生活に疲れたと感じる飼い主は少なくありません。しかし、家族として迎え入れた犬です。もっと肩の力を抜いて、素直な気持ちで向き合ってみてはいかがでしょう?
気持ちの持ちようだけで解決することもあります。人間も犬もストレスを溜め込まない、無理のない生活環境を整えてみましょう。