里親詐欺とは
里親詐欺とは、里親募集されている猫や犬などの動物を、「飼います」「里親になります」などと偽り、保護とは別の目的を持って譲り受けようとする詐欺のことをいいます。里親制度では犬や猫を無償で譲り受けることができるため、このような詐欺が起こりえるのです。
譲渡した後に不審に思った譲り主が、里親の自宅を視察した際に発覚するケースが多く、近年被害件数は増加傾向にあります。引き取り先で健全な飼育がされていなかったり、譲った動物の姿が確認できなかったりと、詐欺の実態はさまざまです。実際に、里親になると偽り譲り受けた猫を虐待したとして、詐欺容疑で逮捕された事件もあります。
里親詐欺の目的
- 虐待
- 転売
- 食肉
- 毛皮
里親詐欺の目的は1つだけではなく、複数挙げられます。里親詐欺の事件として表面化しているケースには虐待目的での詐欺が多いようです。他にも血統書付きの犬や猫だけを狙い転売するケース、雑種の犬や猫の血統書を偽装するケース、研究機関に実験動物として転売するケースなどがあります。また、食肉や毛皮としての目的も少数ながら存在します。
里親詐欺の手口
里親詐欺の手口は、まず譲り主から里親として信頼されるように偽ることから始まるようです。譲り主とコンタクトを取っていく中で、自身がどれだけ動物を好きであるか、過去に同じ動物を飼育した経験があり環境に問題がないことなどを語って相手を安心させます。
譲り主から里親として動物を引き取った後は連絡が途絶えることが多く、また、偽の連絡先を伝え連絡をできなくするという手口をとることもあります。
同じ譲り主から複数頭の引き取りを希望したり、複数の譲り主へ同じ時期に里親の応募をしたりするのも里親詐欺でよく見られる手口なので、注意が必要です。
里親詐欺に遭いやすい動物
里親詐欺で報告されている動物には犬や猫、そしてうさぎが多く挙げられます。国内に飼育されているペット頭数の1位は犬、次いで猫です。うさぎの飼育頭数は全体のペット頭数に比べ少ないですが、近年は飼育頭数も増加傾向にあり、その分里親詐欺の被害も多くなっていると考えられます。
警察庁は2017年、犬、猫、うさぎなどを虐待、殺傷、遺棄したなどとする動物愛護管理法違反で76人を逮捕、書類送検したと発表しています。里親詐欺との関連はわかっていませんが、被害の多さがうかがえます。
里親詐欺の見分け方
- 話の内容に矛盾がある
- SNS上のみでやり取りを希望する
- 自宅での譲渡を拒む
里親詐欺犯の特徴として、説明に矛盾が生じていることが多いと言われています。複数の譲り主と連絡を取るうちに、これまでの飼育経験や現在の動物の飼育状況に関する説明で、話の辻褄が合わなくなるのではないかと考えられます。
またメールアドレスや電話番号を明かさずに、SNS上のメッセージだけでやり取りするのも里親詐欺犯の特徴です。自宅での譲渡を拒むのは、整っていない飼育環境を見られるのを避けるためと考えられます。
上記の里親詐欺犯の特徴は、必ずしも一概にはいえません。しかし、少しでも怪しい人だと感じた場合には細かなやりとりを重ねて、しっかり確認していくことが大切です。
里親詐欺に遭わないための注意点
- 里親契約の文書を取り交わす
- 里親の住所や連絡先を確認する
- 面会と引き渡しは里親の自宅にて2人以上で行う
里親契約時の譲渡誓約書などといった書類は、証拠として残るため必ず文書で残しておきましょう。文書内には里親の氏名と住所、連絡先も記入事項として入れ、契約時に顔付きの身分証明書と照らし合わせ確認することが重要です。
面会や引き渡しは里親の自宅で行い、動物が安心してすごせる環境かを確認しなければなりません。このとき譲り主は付き添いを連れて訪問することで、引渡しを断る場合などのトラブルにも対応しやすくなります。
被害に遭いやすい人の特徴として、引き取り手の募集を急いでいるということが挙げられます。焦って里親の身元情報や飼育環境を確認しなかったということがないように注意しましょう。
里親詐欺に巻き込まれたら
里親詐欺に遭わないために対策をしていても、詐欺に巻き込まれる可能性はゼロではありません。里親に氏名や住所など連絡先を確認していたが偽装されたものだったケースや、身分証明書の提示を受け安心して引き渡したら里親に出した動物が虐待に遭っていたというケースが実際に報告されています。
対策を万全にした上で、万が一里親詐欺に巻き込まれたときの対応も知っておきましょう。里親詐欺が発覚したら、地域の相談窓口や弁護士、警察へ相談するようにしてください。相談する際は相手の連絡先や譲渡の契約書類、やり取りの内容を控え、証拠となり得る資料を持っていくとよいでしょう。
泣き寝入りすることも多いという里親詐欺ですが、然るべき機関に相談し被害の声をあげることで、地域で起こった里親詐欺について住民に周知させ、再発防止にもつなげることができます。
里親詐欺情報
実際にあった里親詐欺について、近年はインターネット上でその実態を目にすることができます。犬や猫の保護活動をされている方からの被害の報告や、里親詐欺犯の情報を掲載し注意喚起をしているブログなど様々あるので、目を通しておくとよいでしょう。
インターネット上では、「里親詐欺 ブラックリスト」や「里親詐欺 事件」といったワードがよく検索されています。また、Twitterのハッシュタグでも「#里親詐欺情報」と検索すると情報を得ることができます。
里親の在り方に理解を深め被害を防止するためにも、里親詐欺の情報を集めておきましょう。
まとめ
里親詐欺には様々な目的やケースが混在していますが、動物たちの命が粗末に扱われていることに違いはありません。里親詐欺をはたらく者は、はじめから相手を騙そうとしてコンタクトを取ってくる場合が多く、見抜くのが困難だと予想できます。
今回紹介した里親詐欺の見分け方や注意点に限らず、最新の情報を集めておくのも被害に遭わないための大切な方法です。尊い動物たちの命を少しでも多く守るために、まずは知ることから始めましょう。
ユーザーのコメント
30代 女性 くずみ
40代 女性 すずらん
40代 女性 江咲羅
40代 女性 ハクち
心から動物達を助けたいです!人間不信になりそう。
40代 女性 さとこ
10代 女性 匿名
里親詐欺という文字を見て 最初は何のことだかさっぱり分からなかったのですが この記事を見てやっと意味がわかりました。
詐欺師達は命をなんだと思っているんでしょうか。実例を拝見しましたが 実刑も軽いように感じます ..
人間の勝手で 辛い思いをする動物達が気の毒で仕方がありません。
もっと素敵な世の中になりますように。
50代以上 女性 匿名
40代 女性 いつかこうへい
ペットショップで犬を買うな、保健所や保護団体から引き取れという風潮がある中、実際に動物愛護団体から犬を引き取ろうとすると、厳しい審査やブライバシーへの介入があり、大変難しいという話をよく聞きます。そうならざるをえないのも、この記事にある里親詐欺のようなケースがあるからなのでしょうね。また、他の方のコメントにもありますが、動物愛護団体自体が問題となるニュース(崩壊、飼育放棄、詐欺等)もあります。
愛犬家として、どちらの「ありえない」に対しても、強くNo!と意思表示をしつつ、自分の愛犬が路頭に迷ったりトラブルに巻き込まれないよう、精一杯守ってやらねばと思います。
40代 女性 敬天愛犬
夫婦で探していると奥様からの希望問合せで話進めて新しい家族としては申し分ない環境だったらしく何度かお話し、お願いし譲ること決められたらしいのですが、2日後くらいに同じサイトで知人のワンコちゃんが里親募集中で投稿されていたそうです。連絡先を聞いていたので至急、連絡し話を聞いたところ、友人がそのワンコちゃんを欲しいと言いだし、妬みの嫌がらせに投稿したとか?
その時はその話を信じたそうですが、2日後には返してきたそうです。
コトバ話せない動物を利益のみのため利用するなんて許せない。
本気で里親で家族に迎えたい方、どうしても手放さなきゃならない方
本当によく見て観察して下さい。
アチコチにたらい回されるワンコの気持ち…考えただけで辛い話です。
50代以上 男性 匿名
いい加減にしてくれ。
女性 雀3号
保護犬譲渡会に行ったことがあります。とても気になる犬がいたので、その子を引き取りたい気持ちで他県まで会いに行きました。
初めての譲渡会だったので何も知識がなかったのですが、予想していた以上に複数のスタッフさんに色々聞かれ、内容によっては不快に感じるほど家のことを確認され、なんでこんなに細かく聞くの?と思ったのを覚えています。
こういった詐欺があるからだったんですね。引き渡す時には慎重に、新しい飼い主がどれだけの意思が固まっているかを確認する必要があります。
この時の子は別の方に引き取られましたが、今でも定期的にスタッフさんに連絡を入れているそうです。
40代 女性 匿名徳子
40代 女性 こころ
ネット上に極端に悪い評判を書かれている団体には関わらないでください。
家族の安全にかかわるような被害に遭うかもしれません。
2ちゃんねるもある程度参考にした方がいいです。
自分が直接訪問できるシェルターへ行ってスタッフと犬をちゃんと見てください。
悪い具体例
https://itest.2ch.net/test/read.cgi/dog/1475919919/
安易に寄付したり、預かりボランティアを申し出たりしないでください。
20代 女性 ひまわり
善意で活動している方達を利用するのはもちろんですが、詐欺に利用されたわんちゃんが可愛そうでなりません。私たちに出来る事は里親詐欺の注意点や対策を広めていく事だと思いますので、このような記事が増えて、多くの方に伝える事が被害防止に繋がるのではないでしょうか。さっそく周りにシェアしたいと思います。
30代 女性 てと
女性 くるみ
50代以上 女性 ねこまた
40代 男性 ?
愛護団体の中には活動費やこれまでの飼育費という名目で里親希望者から金銭を要求したり飼育状況の確認と称してプライバシーを侵害するトラブルが発生しています。
40代 女性 ロット
私にすぐ迎えに来てくれと言われた後に10分しないで違うサイトに里親募集をかけていました。それを見たので詐欺で訴えますとメールしたら、返信がないので里親募集しました、あなたは信用出来ないのでと言うメールの返信がきて、サイトは里親募集終了になっていて、信用できない、お互いの信用が大切、命の大切さわかって貰えると思いましたとか色々言ってきて挙句諦めてくれ、主人の実家で飼う、うちで飼うなど話がコロコロ変わり最後の最後まで
謝る事も有りませんでした。
最後、夜も遅く朝も早いのでとか、訳のわからない返事を貰い意味がわからないので詐欺の疑いとして、相談するところに行きますと話しました。
もう、違うサイトで渡した後なら謝ってくれたらよかったのに、嘘をつき、人をけなして、挙句里子には出しません
よく話がわかりません
こんな方も居ます、主人、主人の実家、私の実家、病気だから里子に出すが半年で病気は治る
全くつじつまの合わない事ばかり話されてます。
50代以上 女性 匿名
50代以上 女性 イカリソース
30代 女性 ミフ
アレルギーや、赤ちゃんの問題があるなら手放すのはやむを得なく仕方ないけれど、
ペットだって大事にしてくれた人から裏切られたら一体どんな気持ちなんだろう、って
思います。
ペットの為にも、
防げるトラブルは、ありますよね。
高齢者だけでは飼わない、とか、引越しもペット可の環境を選べば良いと思うし。
多頭飼いとかしていたのに、急に、里子に出すって一体なんで???と思うし、
詐欺にあった許せないとかそれは、詐欺師も悪いけど、怒り後からあーだこーだ言う人間もあなたも他人の事を怒れるのか、あなたも無責任だと思ってしまう。
里子にペットを出す人って新しく家族になってくださった方に、写真みせろだなんだ、心配なのはわかるけど、
もう暖かく迎えていただいたんだからとか、思います。
確かに里子さんは大事にしなきゃいけないけど、
暖かく迎えてくれる人に上から条件、条件ってズケズケ図々しくても、
なかなか保護犬が敬遠されてしまうと思います。
40代 男性 こんな詐欺も
女性 匿名
里親探しが初めての人や自信がない人は、近くの動物保護団体に手伝ってもらったりして、一対一のやり取りは避けた方が無難かも。渡してしまってからは遅い。