犬用サプリメント
現在は、とにかくたくさんの種類の犬用サプリメントが発売されています。
そのような数多くあるサプリメント、どれか一つでも手に取ってみたり、その説明を読んだりすると、ついつい全て「愛犬の健康に良さそう!」「与えた方が良さそう!」と思ってしまいますよね?
もちろん、サプリメントを与えること自体は悪いことではありません。
わんちゃんの健康のあらゆる点でプラスになることも多くあります。
ですが同時に、サプリメントを与えるにあたって注意すべきこと、心得ておくべきことがあります。
そのことについて、以下で説明していきたいと思います。
サプリメントには薬品のような規制ルールはない
サプリメントは、その商品の性質上「健康食品」と分類されています。
サプリメントは、あくまでも「薬品」ではなく、健康を補助するための食品なのです。
「薬品」であれば、農水省の監視下にあり、発売前には実験に基づいた成績をきちんと提出し、許可を受ける必要があります。
更には、6ヶ月にわたって副作用に関する報告をしなければならないといった義務もあります。
しかしサプリメントがあくまでも「健康食品」に分類される以上、当然薬品のような義務はなく、本当に効果があるのかといったことは正直はっきりとはしていません。
そのような中での唯一の判断基準は、サプリメントの製作会社自身による説明、ということになります。
説明といっても、様々な媒体を利用してその情報を得ることが出来ます。
もちろんサプリメントを市販している店舗で直接商品を手に取り、その説明を読むことも出来ますし、本や雑誌にて紹介されている情報や、人からの口コミといった情報を得ることも出来ます。
また最近では、インターネットから得られる利用者の声といった情報を参考にする人も多くいるでしょう。
ただし一つ気を付けておくべきことは、これら全ての情報は、はっきりとした確実なものではないということです。
というのも、先程も述べたようにサプリメントには薬品のような実験や副作用報告の義務はなく、使用の効果はあくまで個人の判断に委ねられるからです。
そしてインターネットでの情報の場合には、全てのケースがそうというわけではありませんが、サプリメントを発売する企業にとって有利になるような情報ばかりが出回っている場合があります。
ですからわんちゃんにサプリメントを与える場合には、このような情報の不確実さということを頭の隅に置いておく必要があるでしょう。
サプリメント全てが悪いわけじゃない
ここまでは、サプリメントについて少し否定的とも捉えられることを書きましたが、もちろんサプリメントを与えること全てが悪いというわけではありません。
というのも、最近では動物病院などの正式な医療機関において、サプリメントを処方されるケースがとても多くなっています。
このように、医療機関で処方されるサプリメントも同じように確かな効果が認められないのかというと、動物病院にて使用されるサプリメントは、各メーカーが行う自主的な試験によって、その効果や安全性について確証がとれているものであるケースが非常に多いです。
そして、獣医師向けの学会や勉強会がきちんと行われた上での処方ということになるため、それだけ信頼性が高いと言うことも出来ます。
実際我が家でも、かかりつけの病院にて処方していただいているサプリメントを愛犬に与えています。
特に副作用はなく、愛犬の健康に非常にプラスになっているように感じています。
どれもこれも与えればいいわけではない
以上のように、動物病院にて処方されるサプリメントは、比較的信頼性が高い物であることが多いですが、「薬でなくあくまで食品だから」といって、良さそうな物をなんでもかんでも与えればいいというわけではありません。
サプリメントの服用によって、様々なトラブルが起きていることもまた事実なのです。
というのも、様々なサプリメントを同時に与えていると、知らず知らずのうちに同じ成分が大量摂取されてしまっている可能性があるからです。
「薬品」の場合には、同じ成分を大量摂取してしまうと危険なため、処方される時にはきちんと医師または薬剤師によって飲み合わせ等の指示があります。
ですがサプリメントの場合には、服用に関しては全て自己判断になります。
そのため、過剰摂取による副作用が起きてしまっているケースもあるのです。
またある獣医師の方の体験では、天然成分のサプリメントだったために安心して与えていたら、中毒症状が出てしまったということもあるそうです。
「天然物」には様々な種類の物が混入しているため、その中にカビの一種が入っており、その毒による症状だったそうですが、そういったところまで私たち素人が発見することはやはり難しいです。
ですから、サプリメントは慎重に与えることが大切です。他にも、ビタミン剤やミネラルが含まれているものもあり、脂溶性のビタミンなどが過剰摂取になってしまう場合もあります。水溶性ビタミンは過剰になっても尿などから排泄されますが、脂溶性ビタミンは排泄されず体内に蓄積してしまいます。ビタミン過剰症という病気もありますので、複数のサプリメントを服用するときにはお気を付けください。
サプリメントを与える際に心得るべきこと
以上のように慎重に与えるべきサプリメントですが、サプリメントを与える際に心得るべきことを、最後に挙げたいと思います。
(1)サプリメントは「薬品」ではないため、急速に効果が現れることは稀で、一定期間与え続けることが大切。
(2)体内の免疫機構を活性化させて何らかの作用を引き出そうとするものなので、わんちゃんの様子を見つつ無理なく続けて、簡単に判断をしないことが大切。
これらのことを踏まえて、愛犬の健康のために、慎重にサプリメントを利用していきましょう!