犬に干し芋は与えていい?
干し芋は、犬に与えてもよい食べ物です。原料はさつまいもで、砂糖や油などを加えない「干し芋そのもの」であれば、少量をおやつとして取り入れられます。
ただし、干し芋は乾燥によって水分が減っているため、さつまいもよりも糖質とカロリーが凝縮されやすい点が特徴です。
そのため、与える場合は「さつまいもと同じ感覚」で量を決めず、おやつとして扱う意識が欠かせません。
また、市販品の中には、甘味料・塩分・油脂などが加わった加工品もあります。犬に与えるのは、原材料が「さつまいも(またはさつまいものみ)」のものに限り、成分表示を確認して選びましょう。
持病がある犬や療法食を食べている犬は、食事内容に制限が設けられていることがあります。干し芋を与える前に、かかりつけの獣医師へ相談しておくと安心です。
干し芋に含まれる栄養素と犬への影響
干し芋は、さつまいもを乾燥させて作る食品です。乾燥の過程で水分が減るぶん、含まれる栄養素の割合が高くなりやすいのが特徴です。
ここでは、干し芋に含まれやすい主な栄養素と、犬の体にどう関わるかを整理します。
食物繊維
食物繊維は、腸内環境の維持を助ける働きが期待できる成分です。便のかさを増やして排便をサポートしたり、腸内細菌のエサになることで腸内フローラのバランスに関わったりします。
おやつとして取り入れる場合でも、日々の食事で不足しがちな要素を補う一助になることがあります。
カリウム
カリウムは、体内の水分バランスや浸透圧の調整、筋肉や神経の働きに関わるミネラルです。日常の体のリズムを整えるうえで重要な役割を担い、食事から継続的に摂取される栄養素のひとつです。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化に関わる栄養素として知られています。
体内の脂質が酸化するのを抑える働きが期待され、年齢を重ねた犬の健康維持を意識する際にも注目されます。食事全体のバランスの中で、補助的に取り入れられる成分です。
ビタミンB群
ビタミンB群は、エネルギー代謝を支える栄養素群です。食事から摂った栄養を体の活動に変えていく過程に関わるため、日々のコンディション維持に欠かせません。複数の種類がそれぞれ働きを分担している点も特徴です。
β-カロテン
β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される成分です。
ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に関わるため、毎日の体調管理の観点でも重要です。食事の中で自然に含まれる形で取り入れられる点がメリットといえます。
マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯の構成、筋肉の収縮、酵素の働きなどに関わるミネラルです。体のさまざまな代謝反応を支えるため、健康維持の土台となる栄養素として位置づけられます。
犬に与えてもいい干し芋の量
干し芋は糖質とカロリーが高いため、主食ではなくおやつとして少量を与えることが前提になります。
犬のおやつは、1日の総摂取カロリーの10%以内に収めるのが基本とされており、干し芋もこの範囲を目安に量を調整しましょう。
下記は、一般的な体重を基準にした「1回分」の目安量です。干し芋は製品や手作りの硬さ・水分量によって重さや密度が変わるため、あくまでイメージ量として参考にしてください。
| 犬の体重 | 1回の目安量 |
|---|---|
| 2~3kg(超小型犬) | 3~5g(小さめひとかけ) |
| 4~6kg(小型犬) | 5~8g(薄切り数枚) |
| 約8~12kg(中型犬) | 10~15g(短冊状数本) |
| 約20kg前後(大型犬) | 15~20g(細めスティック数本) |
初めて干し芋を与える場合は、表の目安よりもさらに少ない量から始め、便の状態や食後の様子に変化がないかを確認してください。
子犬やシニア犬は消化機能が未発達・低下していることがあるため、量は控えめにするのが安心です。
また、干し芋を与えた日は、その分だけ主食のフード量を微調整するなど、1日の摂取カロリー全体を意識することが大切です。
欲しがるからと回数や量が増えないよう、頻度も「たまのおやつ」程度に留めましょう。
犬に干し芋を与える際の注意点
干し芋はシンプルな原材料の一方で、乾燥による硬さや粘り、糖質の多さから、与え方を誤るとトラブルにつながることがあります。
ここでは、安全に与えるために押さえておきたいポイントを整理します。
丸飲みで喉に詰まるリスク
干し芋は繊維質で、噛む力が弱い犬や早食いの犬では、かたまりのまま飲み込んで喉や食道につまる危険があります。
特に、唾液を含むと表面が粘りやすくなるため、飲み込んだ後に引っかかるケースにも注意が必要です。
与えるときは、口のサイズに合わせて小さく切り、食べている間は目を離さないようにしてください。興奮しているときや急いで食べやすい状況(散歩直後・来客時など)では与えないのが安心です。
咳き込む、呼吸が苦しそう、よだれが止まらないなどの様子があれば、早めに動物病院へ連絡しましょう。
食べ過ぎで下痢や便秘になりやすい
干し芋は食物繊維や糖質が多いため、体質によってはお腹がゆるくなったり、吐き戻したりすることがあります。水分が少ない食品なので、食べ方や体調によっては便が硬くなり、出にくくなる場合もあります。
初めて与えるときはごく少量から始め、便の状態や体調に変化がないかを確認してください。軟便や嘔吐が続く、元気や食欲が落ちるなどの異変がある場合は中止し、改善しないときは受診を検討しましょう。
糖尿病や腎臓病は獣医師に相談が必要
療法食を食べている犬や持病のある犬は、自己判断で干し芋を与えないようにしてください。干し芋は糖質が多いため、糖尿病の犬では血糖コントロールを悪化させる可能性があります。
また、高カロリー・高糖質なおやつの与えすぎは、肥満や膵炎、体調管理の難しさにつながり、結果として糖尿病の管理を難しくする要因になり得ます。
腎臓の病気がある犬では、状態によってカリウムなどの摂取に配慮が必要な場合があります。投薬中・通院中・食事指示がある場合は、干し芋を含めたおやつの可否を獣医師に確認しましょう。
砂糖や油入りの加工品は与えない
犬に与えるのは、原材料が「さつまいも(さつまいものみ)」の干し芋に限りましょう。砂糖や油、塩分が加わった加工品(芋けんぴ、大学芋など)は、お腹の不調やカロリー過多につながりやすく、犬のおやつには不向きです。
また、甘味料が使われている食品にも注意してください。特にキシリトールは犬にとって有害なおそれがあるため、原材料表示を確認し、少しでも不安があるものは避けましょう。
湿気で劣化しやすいので保管注意
干し芋は水分が少ないとはいえ、保存状態によってはカビや傷みが起こることがあります。変色、白以外の斑点、異臭、べたつきの強まりなどが見られる場合は与えずに処分してください。
開封後は密閉して湿気を避け、なるべく早めに使い切ることが大切です。保管方法は商品の表示に従い、季節によっては冷蔵保存を検討すると安心です。
犬が喜ぶ干し芋の簡単手作りおやつレシピ
自宅で干し芋を手作りすれば、硬さや大きさを愛犬に合わせて調整できます。砂糖や添加物を使わずに作れるため、素材そのものを活かしたおやつとして取り入れやすいのも魅力です。
オーブンで作る干し芋スティック
《材料》
- さつまいも:1本
《手順》
- さつまいもをよく洗い、蒸すか茹でて中まで火を通す
- 皮付きまたは皮をむき、細めのスティック状に切る
- オーブンシートを敷いた天板に並べる
- 110~130℃のオーブンで、途中で裏返しながらゆっくり乾燥させる
低温でじっくり水分を飛ばすことで、甘みが引き立ちます。硬さは犬の噛む力に合わせて調整し、指で押して軽くしなる程度を目安にすると安心です。十分に乾燥しきらない場合は、冷蔵保存で早めに使い切りましょう。
薄切り干し芋チップス
《材料》
- さつまいも:1本
《手順》
- さつまいもを2mm前後の薄切りにする
- 水にさらしてアクを抜き、水気をしっかり拭き取る
- オーブンシートを敷いた天板に重ならないよう並べる
- 120℃前後のオーブンで、様子を見ながら乾燥させる
薄く切ることで、噛む力が弱い犬でも食べやすい仕上がりになります。パリッとしすぎる場合は、途中で取り出して硬さを確認し、愛犬に合った状態で仕上げてください。
ふやかし干し芋ペースト
《材料》
- 干し芋:適量
- ぬるま湯:少量
《手順》
- 干し芋を細かく切る
- ぬるま湯に浸して柔らかく戻す
- フォークなどでなめらかになるまでつぶす
硬いものが食べにくい犬や、ドライフードのトッピングとして使いやすいレシピです。水分を含ませることで飲み込みやすくなりますが、与える量は控えめにし、作り置きせずその日のうちに使い切るようにしましょう。
おすすめの犬用干し芋のおやつ
犬用の干し芋は、同じ「干し芋」でもカット形状や食感、内容量の作りがさまざまです。
普段のおやつとして続けやすいものを選ぶなら、原材料がシンプルであることに加えて、与えたいシーンに合う形(スティック・キューブなど)や小分けのしやすさにも注目すると選びやすくなります。
ドギーマン 無添加良品 国産紅はるか完熟干しいも 50g×3袋 犬用
「国産紅はるか」の干し芋をスティック状にした犬用おやつで、噛むほどに甘みが広がるセミハードタイプです。
保存料・着色料・発色剤・酸化防止剤を使わない「無添加良品」シリーズのため、素材感を重視したい飼い主さんにも向いています。
50g×3袋の小分けは、開封のたびに鮮度を保ちやすく、ストック用にも便利です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DWF6YHQQ犬 おやつ 無添加 国産手作り 干し芋スティック100g(帝塚山ハウンドカム)
原材料はさつまいも(茨城県産)のみで、素材の味をそのまま楽しめるタイプです。
内容量100gと日常使いしやすく、成分やカロリー(303kcal/100g)が明記されているため、食事管理の中で取り入れやすい点も魅力です。
しっかり「お芋感」があるおやつを選びたいときに、候補に入れやすい一品です。
https://item.rakuten.co.jp/ashu/tge-090813/ほしいもキューブ(GREEN DOG & CAT Premium)
国産さつまいもを使ったキューブ状のおやつで、手に取りやすく、少量ずつ与えたいときにも扱いやすいのが特徴です。干し芋より少しかための食感で、噛みごたえを好む犬にも合わせやすい作りになっています。
内容量80gで、カロリーは280kcal/100g。GREEN DOG & CATのオリジナルブランドとして、素材や品質基準にこだわった商品を選びたい場合にも向いています。
https://item.rakuten.co.jp/greendog/gdcpg012-00/まとめ
干し芋は、原材料がさつまいものみであれば、犬に与えられるおやつのひとつです。
ただし、乾燥によって糖質とカロリーが凝縮されているため、主食ではなく、あくまで少量のおやつとして取り入れることが大切です。体重や年齢、活動量に応じて量を調整し、与えすぎには注意しましょう。
また、干し芋は硬さや粘りがあるため、丸飲みや喉詰まりのリスクがあります。必ず小さく切り、食べている様子を見守ることが欠かせません。
下痢や便秘など体調の変化が見られた場合は中止し、必要に応じて獣医師に相談してください。
糖尿病や腎臓病などの持病がある犬、療法食を食べている犬では、干し芋が体調管理に影響する可能性もあります。
愛犬の状態に合わせて手作りや市販品を使い分けながら、安全に楽しむ意識を持つことが、干し芋を上手に取り入れるポイントです。



