犬がいんげんを食べても大丈夫!ただし加熱は必須
様々な料理に活用することができるいんげん豆。残ってしまった際、「犬にいんげんを与えても大丈夫かな?」と思ったことがある飼い主さんも少なくないでしょう。
実は、いんげん豆はしっかりと加熱をすれば犬が食べてもよい食材の1つです。犬に与える際は、しっかり湯がいて熱を加えるようにしてください。湯がくことによってレクチンを取り除くことができるからです。
レクチンは犬の腸の表面にくっつきやすいため、消化不良を起こしたり、下痢や嘔吐などの原因となります。犬の健康に悪影響を及ぼしてしまう恐れのある成分です。与える際には必ず熱を加えるようにしましょう。
様々な効能を持ついんげん豆は、人間だけでなく犬にとっても良い影響を与えてくれる食材です。愛犬に与えるためにわざわざ購入する必要はありませんが、余った際は活用してみても良いでしょう。
いんげん豆の栄養素と犬に与えるメリット
栄養価の高いいんげん豆には、実際どのような栄養素が入っているのでしょうか。その栄養素を摂取することでどのような健康効果を得ることができるのか、1つずつ確認してみましょう。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を整えてくれる栄養素として広く知られています。これは人間だけではありません。便秘気味の犬に食物繊維が多く含まれている野菜やフードを食べさせることで便秘を解消する効果が期待できます。
ビタミンB1
ビタミンB1はチアミンとも言われており、体内の神経系に欠かせない栄養素の1つです。細胞を活性化させる役割を持ちます。
犬はこのビタミンB1を体内で蓄積させておくことが苦手な動物のため、毎日与えるドッグフードや、サプリメントや野菜などでできるだけ摂取させてあげることが望ましい言われています。
亜鉛
いんげんには亜鉛も多く含まれているのが特徴です。この亜鉛は体内で生成することができないため、食べ物から摂取するしかありません。
亜鉛は皮膚や粘膜の健康維持に効果があります。亜鉛をしっかり摂取できないと、亜鉛欠乏症に陥り、深刻皮膚トラブルなどを引き起こす可能性があります。
βカロテン
いんげんに多く含まれているβカロテンは、抗酸化作用を持つ健康維持に非常に役立つ栄養素です。抗酸化作用により、がんや心臓病の予防にも効果があると言われています。
また、皮膚や粘膜を維持する効果も期待できます。犬にとってβカロテンは健康を維持する上で非常に大切な栄養素と言えるでしょう。
タンパク質(アミノ酸)
犬の成長に欠かせないタンパク質は、骨を丈夫にしてくれる効果が期待できたり、元筋肉の成長も促してくれます。タンパク質不足になると免疫力も低下するため、適度に摂取させてあげる必要があります。
通常、ドッグフード(総合栄養食)に含まれていることが多いですが、病院などでタンパク質が足りていないと言われた場合には、いんげんなどのタンパク質を含む食材を与えてあげると良いでしょう。
カルシウム・リン・マグネシウム
カルシウムやリン、マグネシウムは主要のミネラル分になっており、主に骨や歯の重要な構成成分となっています。また、マグネシウムは心臓と密接に関わってくる成分の一つとなっており、これが不足すると心臓病などの悪影響が出る可能性があります。犬にいんげんを食べさせる時の適量
犬にいんげんを食べさせるときの適量を犬のサイズごとに解説していきます。ただし、ここで解説するのは、あくまでもカロリーだけで考えた数値となります。いんげんは1本あたりのカロリーが少ないため、実際の個体に合った適量より多い可能性があります。基本的には茹でて細かく刻んだ状態でトッピング程度に留めましょう。
超小型犬
いんげんの適量をカロリーベースで考えた際、トッピングやおやつとして与えるのであれば1日の摂取目安カロリーkcalの内10%が推奨されます。
トイプードルやパピヨンなど超小型犬の体重が4kgだった場合、1日必要エネルギ量は317kcalです。トッピング、おやつとして与えるいんげんのカロリー31.7kcal(約10本)です。ただし、カロリー限度まで茹でいんげんを与えると過剰になる恐れがあるため、実際には1~2本程度に抑えるのが無難です。また超小型犬のサイズにより適量は変化します。
小型犬
柴犬やミニチュアダックスフンドなど小型犬の体重が6kgだった場合1日必要エネルギー量は429kcal、10kgだった場合は630kcalです。トッピング、おやつとして与えるいんげんのカロリーはそのうちの10%となる、42.9~63.0kcal(約14~21本)です。
ただし、カロリー限度まで茹でいんげんを与えると過剰になる可能性が高いです。実際に与える量としては超小型犬と同じく1~2本程度に抑えるのが無難です。小型犬のサイズにより適量は変化します。
中型犬
ブルドッグやビーグルなど中型犬の体重が11kgだった場合1日必要エネルギー量は677kcal、20kgだった場合は1,059kcalです。トッピング、おやつとして与えるいんげんのカロリーはそのうちの10%となる、67.7~105.9kcal(約22~35本)です。
ただし、カロリー限度まで茹でいんげんを与えると過剰になる可能性が高いです。実際に与える量としては3本までに抑えるのが無難です。中型犬のサイズにより適量は変化します。
大型犬
ゴールデンレトリーバーやセントバーナードなど大型犬の体重が21kgだった場合1日必要エネルギー量は1,099kcal、40kgだった場合は1,781kcalです。トッピング、おやつとして与えるいんげんのカロリーはそのうちの10%となる、109.9~178.1kcal(約36~59本)です。
ただし、カロリー限度まで茹でいんげんを与えるのは大型犬といえど過剰かもしれません。実際に与える量としては5本までに抑えましょう。大型犬のサイズにより適量は変化します。
犬にいんげんを与える際の注意点
栄養価も高く、犬にとって健康維持に繋がる食材ですが、注意点をしっかり守り、安全に摂取できるよう飼い主が配慮してあげましょう。
アレルギーに注意
いんげんは犬が食べても大丈夫な食材ですが、中にはアレルギー反応を起こす子もいるため注意が必要です。初めは少量から与えて様子を見るのが良いでしょう。
現れる症状としては消化器症状として下痢や嘔吐、また皮膚症状として肌を痒がる場合もあります。初めて与える際は、観察することが重要です。もしも症状が出た場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
与えすぎは禁物
すべての食材に言えることですが、与えすぎは禁物です。摂取しすぎることで体に悪影響を及ぼす可能性があります。ミネラル成分を多く含んでいるカルシウムやマグネシウムなどの成分は、多量に摂取することで、尿路結石などの引き起こす可能性があります。適量を心がけてください。
できる限り細かく刻んで与える
犬にいんげんを与える際はできるだけ細かく刻んで与えることが大切です。お湯で湯がいてからミキサーなどにかけてペースト状にして与える方法もあります。
犬は基本的に「よく噛んで食べる」ことはなく、小さな食べ物であればそのまま飲み込んでしまうことは珍しくありません。そのため、喉に詰まってしまったり、消化不良を起こしやすくなります。
飼い主がなるべく細かく刻んであげ、丸呑みしてしまっても喉に詰まったり、消化不良にならないように工夫することが重要です。
必ず加熱する
食べさせる際には必ず加熱処理するようにしてください。生で与えてしまうとレクチンという成分によって中毒症状を起こす危険性があります。
中毒になってしまうと、嘔吐や下痢などの症状を引き起こし、、最悪の場合、死に至る危険性もあります。必ず茹でるなどの加熱処理をしましょう。
犬におすすめないんげんを使用した簡単レシピ
今日から簡単にできるいんげん豆を使用したレシピを2つご紹介します。基本的には刻んで使う方法とペースト状にした上でトッピングする方法があります。ぜひこの2つの方法を活用して自分なりのレシピも考えてみてくださいね!
いんげんのスープパスタ
牛乳でスープパスタ風にアレンジしたレシピです。
野菜たっぷり卵焼き
卵は良質なたんぱく質です。動脈硬化の予防や心臓の活力に◎。老犬にもおすすめです。
犬にいんげん以外で食べさせたい野菜とは?
犬に良い効果が期待できるおすすめ野菜です。
- キャベツ
- にんじん
- ブロッコリー
- きゅうり
- ピーマン
- トマト
- レタス
- じゃがいも
キャベツは抗酸化作用や胃腸の働きを活発化し消化を助けてくれる働きがあります。にんじんは腸内環境を整えてくれる働きに加え、βカロテンも豊富で低下ロリーなので犬にとって嬉しい食材です。
ただし、どの野菜も与えすぎは禁物です。愛犬の健康を促進するどころか悪影響を及ぼしかねません。ちょっとしたトッピングや、特別なおやつとして与える程度にしましょう。
まとめ
いんげんは人間はもちろん、犬にとっても栄養成分が豊富な健康を促進してくれる野菜の1つです。 しかし、与える際には愛犬がより健康でいられるように飼い主がしっかり責任を持って注意点や与え方を理解しておくことが大切です。
また、中毒症状やアレルギー反応を起こす可能性もありますので、与える際には飼い主がそばにいて、観察しておくことも重要です。
野菜などを与える際は、今回ご紹介したことを理解した上で、愛犬が日々を楽しく過ごせるような工夫をしてあげましょう。
レクチンとは、豆類や穀物、たね類などの野菜に多く含まれるたんぱく質の一種です。柄クチンは野菜が自己の身を守るために利用する成分ですが、動物が多く摂取すると「吐き気や腹部膨満感」「下痢」「自己免疫性疾患」などの消化器系のトラブルを引きコス原因になる可能性があります。生の豆類を食べないように心がけ、ゆでることでレクチンの含有量は著しく低下しますので生の野菜を食べない限りは過剰に心配しなくても大丈夫でしょう。