豆苗ってどんな野菜?
スーパーで1パック100円程度で手に入る安くておいしい栄養満点の「豆苗」。エンドウ豆の若葉を育てたもので、茎まで食べられる緑黄色野菜の一種です。
発芽したばかりのエンドウ豆の新芽を「豆苗スプラウト」と表示して店頭に置かれることがあります。季節を問わず1年中スーパーで見かけることができます。
豆苗の歴史
エンドウ豆の若葉を豆苗として食べ始めたのは、中国がはじまりだといわれています。日本に登場したのは1970年代。収穫時期と量が限られるため、高級中華料理店でしか食べられない貴重な食材でした。
この豆苗を植物工場で水耕栽培して、新芽を食べられるように改良したのが現在スーパーなどで販売されている豆苗です。
犬に豆苗を生で食べさせても大丈夫?
生の豆苗を犬に食べさせても問題はありません。
犬が食べられる野菜(ニンジン・チンゲン菜・大葉など)と豆苗をミキサーにかけてスムージーとして与えても大丈夫です。
ただし、加熱したり調理して与えた方が、犬が消化しやすいメリットもあります。
犬の体内には野菜や果物を消化するための酵素を持っていません。野菜に含まれる繊維質の作用で便通を良くしたり、整腸作用などはありますが、ビタミンや栄養を犬の体内に補給することは難しいと言われています。
ですが、犬は雑食動物ですので、肉だけではなく野菜や果物などに含まれる栄養素をバランスよく食べることが理想的です。
与える量に注意!
豆苗は人間が食べるとシャキシャキとした歯応えがたまらない野菜ですが、犬にとっては噛みにくい場合があります。特にあご力が衰えた老犬などは噛めずに飲み込んでしまう可能性があります。
犬の消化機能を促進させるためにも生より加熱してから与える方が、内臓への負担を減らすことができます。
豆苗は火が通りやすいので茹でたりレンジでチンするだけであっという間に加熱できますよ。
豆苗に限らず全て野菜にいえることですが、与えすぎは犬に消化不良や胸やけを起こす原因となりますので量には注意しましょう。
豆苗の栄養素や犬に与えるメリット
豆苗の魅力は、豊富な栄養素をバランス良く含んでいることです。どのような栄養素が含まれ、犬にとってどのような効果があるのでしょうか。
β-カロテン
チンゲン菜、小松菜、ニンジン、カボチャなど緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは、抗酸化作用が高く、癌や心臓病の予防、コレステロールの酸化防止作用があります。
犬の体内ではビタミンAに変換され皮膚や粘膜の強化、視力維持、呼吸器系を守る働きがあります。
ビタミンK
レバーや肉類、ホウレンソウなどに含まれるビタミンKは、止血する血液凝固作用や、骨のカルシウム不足による石灰化などにも必要不可欠な栄養素です。
ビタミンKの欠乏が長引くと、犬の貧血を引き起こす原因となります。また血液凝固反応を阻害されるため、鼻や皮膚、内臓や脳内に出血を引き起こします。
ビタミンA
主にレバーや卵、魚類に多く含まれるビタミンAは、目や視力に不可欠なビタミンといわれています。
色を認識する錐体細胞に必要な網膜色素を構成する成分として明るい場所から暗闇に目が慣れるための「明順応」を正常に保つ働きがあります。
また、犬の表皮のターンオーバーや、皮脂の生成を調整する働きがあり、脂漏症などによるフケを抑える作用があります。
ビタミンC
野菜や果物に多く含まれるビタミンCは、骨や軟骨、真皮、じん帯、腱などを結合させるタンパク種の一種「コラーゲン」の生成に必須となる化合物です。
ビタミンCには抗酸化作用や免疫機能増加作用があり、癌予防効果があることで注目されています。
また、加齢や激しい運動による犬の筋肉疲労を軽減させたり、骨や関節の病気を予防する効果があります。
犬におすすめな豆苗を使った簡単レシピ
ここで、豆苗を使った簡単な手作りワンご飯レシピをご紹介しましょう。
【材料】
- 豆苗 :10g
- カボチャ:70g
- ひき肉(合い挽き肉)100g
- 醤油 :小さじ1杯
- 塩 :小さじ1/3杯
- 砂糖 :適量
- 水 :100cc
【作り方】
- カボチャを600wのレンジで1分程度チンして包丁が通りやすくする
- カボチャを犬が食べやすい大きさにカットする
- 豆苗をみじん切りにする
※犬が食べやすいサイズにカットするのがポイント - フライパンに油を引かずに、合い挽き肉を入れて肉の油で火を通す
- 水を入れたら醤油、塩、砂糖で味付けをする
- 最後に豆苗を入れてさっと加熱する
わが家では、ドッグフードにトッピングして愛犬に与えています。豆苗の代わりに白菜をトッピングすることもあります。色々アレンジができますのでぜひお試しくださいね。
まとめ
健康な犬であれば、豆苗を与えても特に問題ありません。ただし、消化不良や胸やけを起こす原因にならないように、なるべく加熱して与えることをおすすめします。
初めて食べさせる際は、まずは少量ずつ与えてみましょう。シャキシャキとした歯応えが苦手だったり、匂いを嗅ぐだけで食べない犬もいます。
豆苗を肉や他の食材と調理して手作りワンご飯にしたり、フードの上にトッピングする手作りおかずとして与えてみてはいかがでしょう。
ペットの食べ物を管理する上で、大切なのは人間と同じように、アレルギーの有無や下痢、嘔吐など体の不調や変化などがないか観察することです。
摂取してから次の日くらいまでは、体に変化がないか細かくチェックチェックしてあげましょう。
少しでも今までとは明らかに違う様子やおかしいと思った時は具体的な症状や最近の様子を含めてチェックしましょう。
その上で必要に応じて最寄りの獣医師等に相談をすることが大切です。
犬に与えてもよい食べ物の種類は色々ありますが、正しい管理方法や調理方法を確認し、与えてもよい量や頻度に配慮することがとても大切です。