イングリッシュ・フォックスハウンドってどんな犬?
- 犬種名:イングリッシュ・フォックスハウンド(English Foxhound)
- 原産国:イギリス
- 大きさ:大型犬
- 体高:58〜64cm
- 体重:25〜35kg
- 被毛:短く密生したスムースコート(短毛)
- 毛色:ブラック、タン、ホワイトを組み合わせたトライカラーなどのハウンド・カラー
- 性格:友好的、穏やか、社交的、独立心がある
- 寿命:10〜13年程度
イングリッシュ・フォックスハウンドは、イギリスを原産とする大型の嗅覚ハウンドです。
英語では「English Foxhound」と表記され、においを頼りに獲物の痕跡を追うことを得意とするセントハウンドの仲間に分類されます。
優れた嗅覚と持久力を生かして働くことを目的としてきた犬種で、愛玩犬とは異なる作業犬としての性質を色濃く残しています。
日本では目にする機会が少ない珍しい犬種のため、迎える際には外見だけで判断せず、本来どのような役割を担ってきた犬なのかを理解しておくことが大切です。
イングリッシュ・フォックスハウンドの歴史
イングリッシュ・フォックスハウンドは、イギリスでキツネ狩りに用いる猟犬として発展してきた犬種です。馬に乗った猟師とともに複数の犬が群れを作り、キツネのにおいを追跡する伝統的な狩猟で活躍してきました。
現在の犬種につながる計画的な繁殖は200年以上にわたって行われており、イギリスでは1800年以前から血統記録が残されています。
繁殖を担ってきた人々が詳細な記録を管理してきたため、古い時代まで血統をたどれる犬種としても知られています。
こうした長い繁殖の歴史を経て、イングリッシュ・フォックスハウンドはイギリスを代表するフォックスハウンドとして確立されました。
その後はイギリス国外にも渡り、アメリカン・フォックスハウンドをはじめとするフォックスハウンドの発展にも関わっています。
イングリッシュ・フォックスハウンドの特徴
イングリッシュ・フォックスハウンドは、引き締まった筋肉としっかりした骨格を持つ、均整の取れた大型犬です。
頭部は全体のバランスがよく、マズルは長めで、耳は頭部の側面に沿うように垂れています。胸は深く、背中は幅があって安定しており、四肢はまっすぐで力強いのが特徴です。
全体的に無駄の少ないすっきりとした体つきで、フォックスハウンドらしい力強さと端正な印象を併せ持っています。
イングリッシュ・フォックスハウンドの大きさ
イングリッシュ・フォックスハウンドの体高は、成犬で58〜64cmが目安です。大型犬に分類され、脚が長いため、数値以上に大きく見えることもあります。
体重は犬種標準で明確な数値が定められているわけではありませんが、一般的には25〜35kg程度が目安とされています。
同じ犬種でも骨格や筋肉量によって体重には個体差があるため、体重の数値だけではなく、全身の体つきを確認することが大切です。
イングリッシュ・フォックスハウンドの被毛タイプ
イングリッシュ・フォックスハウンドの被毛は、短く密に生えたスムースコートです。
毛は比較的硬くしっかりしており、体に沿うように生えています。長毛犬のような飾り毛はなく、全身がすっきりとした印象です。
短毛ではありますが、毛がまったく抜けない犬種ではありません。古い毛は自然に生え変わるため、年間を通して一定の抜け毛が見られます。
イングリッシュ・フォックスハウンドの毛色の種類
イングリッシュ・フォックスハウンドでは、ブラック、タン、ホワイトを組み合わせたトライカラーが代表的な毛色として知られています。
ホワイトをベースにブラックやタンの斑が入るなど、色の割合や模様の入り方には個体差があります。
このほかにも、フォックスハウンドとして認められているさまざまなハウンド・カラーやマーキングがあり、必ずしもすべての個体が同じ配色になるわけではありません。
イングリッシュ・フォックスハウンドの性格
イングリッシュ・フォックスハウンドは、友好的で穏やかな性格を持つ犬種です。人に対して過度に攻撃的になる傾向は少なく、家族にも親しみを示します。
もともと多くの犬と一緒に行動してきたため、ほかの犬とも比較的良好な関係を築きやすく、社交性の高さも特徴のひとつです。
一方で、自分で判断して行動する独立心があり、気になるにおいを見つけると強く意識を向けることがあります。従順さだけを求めるタイプというより、自分の興味や本能に従って行動する一面を持っています。
明るく人懐こい面がある反面、猫などの小動物には追いかけようとする反応を見せる場合があります。
個体によって性格には差があるため、ほかの動物や幼い子どもと接する際は、それぞれの反応を見ながら付き合うことが大切です。
イングリッシュ・フォックスハウンドの価格相場
イングリッシュ・フォックスハウンドは日本国内での流通が非常に少なく、一般的なペットショップなどで安定した販売価格が形成されている犬種ではありません。
海外の販売例を見ると、子犬そのものの価格は1,500〜3,000米ドル程度で募集されているケースがあり、日本円では24万〜48万円前後がひとつの目安となります。
ただし、この金額はあくまで子犬本体の価格の参考です。日本へ輸入して迎える場合は、輸送費や各種手続き、代行手数料、税金などが別途必要になります。
国内の犬の輸入代行サービスでは、子犬代を含めた輸入費用の総額として80万〜100万円程度を案内している例もあります。
実際の費用は子犬の価格や輸入元の国、輸送条件などによって大きく変わるため、購入前に総額を確認しておきましょう。
イングリッシュ・フォックスハウンドのブリーダーを探す方法
イングリッシュ・フォックスハウンドは国内で見つけることが難しいため、まずは犬種名で国内のブリーダーや犬舎の出産情報を検索し、子犬の募集があるか確認します。
ブリーダー仲介サイトなどを利用して探す方法もありますが、常時募集されているとは限りません。
国内で見つからない場合は、海外のケネルクラブや犬種団体などを手がかりに、イングリッシュ・フォックスハウンドを繁殖しているブリーダーを探す方法があります。
海外との直接交渉や輸入手続きに不安がある場合は、犬の輸入を扱う代行業者へ相談する方法も選択肢のひとつです。
候補となるブリーダーが見つかったら、子犬だけでなく親犬の健康状態や性格、飼育環境、健康診断の実施状況なども確認しましょう。
子犬の引き渡し条件や購入後の相談対応、海外から迎える場合は日本への輸出経験があるかどうかも確認しておくと安心です。
珍しい犬種だからと急いで決めず、子犬の価格だけではなく、飼育環境や健康管理について十分な説明を受けたうえで迎えることが大切です。
イングリッシュ・フォックスハウンドの飼い方
イングリッシュ・フォックスハウンドを家庭で飼う場合は、十分な運動時間を確保できる生活環境を整えることが大切です。
においを追うことへの関心が強く、気になるにおいを見つけると夢中になることがあります。散歩中はリードを着用し、自由に走らせる場合も、脱走できないよう安全に囲われた場所を選びましょう。
また、体を動かすだけでなく、においを探す遊びなどを取り入れながら、持ち前の能力を生かせる時間を設けると日々の生活にメリハリをつけやすくなります。
イングリッシュ・フォックスハウンドの運動量
イングリッシュ・フォックスハウンドは非常に多くの運動を必要とする犬種です。健康な成犬では、1日2時間以上の運動がひとつの目安となります。
朝夕の散歩に分けるだけでなく、長めのウォーキングやハイキング、安全な場所での運動などを組み合わせるとよいでしょう。においを頼りに物を探すノーズワークも取り入れやすい遊びです。
必要な運動量には個体差があり、子犬やシニア犬、体調が優れない犬に成犬と同じ運動量を求める必要はありません。年齢や体力、その日の様子を見ながら無理のない範囲で調整しましょう。
十分に体を動かせない状態が続くと、過度に吠えたり、物をかじったり、落ち着きにくくなったりすることがあります。毎日継続して運動や刺激を与えられる環境が必要です。
イングリッシュ・フォックスハウンドのしつけ方
イングリッシュ・フォックスハウンドは、気になるにおいを見つけると周囲への意識が薄れやすいため、子犬の頃から呼び戻しやリードを引っ張らずに歩く練習を重ねることが大切です。
しつけでは、叱って無理に従わせるのではなく、できた行動を褒めたり、おやつや遊びを報酬として使ったりしながら、望ましい行動を繰り返し教えていきましょう。
独立心があるため、同じ練習を長時間続けるよりも、短時間のトレーニングを繰り返すほうが取り組みやすい場合があります。家族の間で合図やルールを統一し、一貫した対応を心がけます。
子犬期には、さまざまな人や犬、生活音、屋外の環境などに少しずつ慣れさせることも重要です。ただし、呼び戻しができるようになっても、囲いのない場所でノーリードにすることは避けましょう。
イングリッシュ・フォックスハウンドのケア方法
短毛のため被毛のお手入れに多くの時間はかかりませんが、週1回程度を目安にブラッシングを行い、抜け毛や汚れを取り除きます。その際に、皮膚に赤みや傷などがないかも確認しておきましょう。
垂れ耳は耳の中に湿気や汚れがたまりやすいため、定期的に状態を確認します。耳垢が急に増えた、赤みがある、強いにおいがするなど普段と違う様子があれば、無理に耳掃除をせず動物病院へ相談してください。
散歩や屋外での運動後には、肉球や指の間に傷や異物がないかを確認する習慣をつけておくと安心です。爪が伸びすぎないよう定期的に整え、歯磨きなどのデンタルケアも日常的に行いましょう。
イングリッシュ・フォックスハウンドの寿命と病気
イングリッシュ・フォックスハウンドの寿命は、10〜13年程度がひとつの目安とされています。ただし、実際の寿命は遺伝的な体質や生活環境、食事、運動、健康管理などによって異なります。
健康状態の変化を早めに把握するためにも、日頃から食欲や体重、歩き方などを観察し、定期的に健康診断を受けることが大切です。
イングリッシュ・フォックスハウンドのかかりやすい病気
イングリッシュ・フォックスハウンドに特有の病気が数多く知られているわけではありませんが、大型犬の体格などから注意しておきたい病気があります。
代表的なものとして、股関節形成不全や胃拡張・胃捻転症候群が挙げられます。
股関節形成不全
股関節形成不全は、股関節の骨や関節が正常にかみ合わず、痛みや歩行異常などを引き起こす病気です。遺伝的な要因だけでなく、成長や体重、運動など複数の要因が関係すると考えられています。
立ち上がるのを嫌がる、歩き方が不自然になる、運動を嫌がるなどの変化が見られた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
日頃から適正体重を保ち、成長期には関節へ過度な負担がかからないよう配慮することも大切です。
胃拡張・胃捻転症候群
胃拡張・胃捻転症候群は、胃がガスなどで大きく膨らみ、さらにねじれることで血流障害を起こすことがある緊急性の高い病気です。
吐こうとしても吐けない、落ち着きがなくなる、腹部が膨らむなどの症状が見られた場合は、食後かどうかにかかわらず速やかに動物病院を受診してください。
食事を複数回に分けることや、食事の前後に激しい運動を避けることなどは、発症リスクを抑えるための対策として取り入れられています。
まとめ
イングリッシュ・フォックスハウンドは、イギリスでキツネ狩りに用いられてきた大型の嗅覚ハウンドです。
引き締まった体つきと短く密な被毛を持ち、友好的で穏やかな一方、独立心があり、においへの強い関心を見せます。健康な成犬では1日2時間以上の運動がひとつの目安となるため、毎日十分に体を動かせる環境が必要です。
日本では流通が非常に少なく、迎える際は国内外のブリーダーや輸入について調べる必要があります。寿命は10〜13年程度が目安で、股関節形成不全や胃拡張・胃捻転症候群などにも注意が必要です。
犬種本来の活動量や性質を理解し、適切なしつけと健康管理を続けられるか十分に検討したうえで迎えましょう。



