グレーハウンドってどんな犬?
- 犬種名:グレーハウンド(Greyhound)
- 別名:グレーハウンド、グレイハウンド、イングリッシュ・グレイハウンド
- 原産国:イギリス
- 大きさ:大型犬
- 体高:オス 71cm〜76cm、メス 68cm〜71cm
- 体重:30kg前後を中心に個体差がある
- 被毛:短毛のスムースコート
- 毛色:ブラック、ホワイト、レッド、ブルー、フォーン、ファロー、ブリンドルなど
- 性格:穏やか、愛情深い、繊細、落ち着きがある
- 寿命:10年〜13年ほど
- 分類:サイトハウンド
グレーハウンドは、イギリスを原産国とする大型のサイトハウンドです。英語では「Greyhound」と表記され、日本では「グレイハウンド」や「イングリッシュ・グレイハウンド」と呼ばれることもあります。
サイトハウンドとは、優れた視力で獲物を見つけ、俊足を活かして追跡する狩猟犬のグループを指します。グレーハウンドはその代表的な犬種であり、世界最速級の走力を持つ犬として知られています。
名前が似ている犬種として、イタリアン・グレーハウンドを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、グレーハウンドは大型犬であり、イタリアン・グレーハウンドは小型犬です。
体型の印象は似ていますが、サイズも歴史も異なる別の犬種として考える必要があります。
家庭犬としてのグレーハウンドは、走る姿の迫力とは対照的に、室内では落ち着いて過ごす傾向があります。
ただし、大型犬としての体格や、動くものを追いやすいサイトハウンド特有の性質を理解したうえで迎えることが大切です。
グレーハウンドの歴史
グレーハウンドは、非常に古い歴史を持つ犬種です。起源には諸説ありますが、中東にルーツを持つとされ、古代エジプトの墓壁にはグレーハウンドに似た犬が描かれているといわれています。
古くから人々は、視力に優れた犬を狩猟のために用いてきました。グレーハウンドもその流れを受け継ぎ、広い平原などで獲物を追う犬として重宝されてきたと考えられています。
現在の犬種としての姿が整えられたのは、主にイギリスです。イギリスでは、視覚で獲物を追うコーシングや、後に発展したドッグレースの分野で高く評価され、スピードを活かす犬種として広く知られるようになりました。
その後、グレーハウンドは競技犬としてだけでなく、家庭犬としても親しまれるようになりました。海外では、レースを引退したグレーハウンドを保護し、新しい家庭へつなぐ活動も行われています。
このようにグレーハウンドは、狩猟犬や競技犬としての歴史を持ちながら、現在では穏やかな家庭犬としての魅力も注目されている犬種です。
グレーハウンドの特徴
グレーハウンドは、無駄のない細身の体つきと、深い胸、長い四肢を持つ大型犬です。全身はしなやかな筋肉に覆われており、優雅な見た目の中に高い運動能力を感じさせます。
頭部は細長く、首もすらりとしているため、全体的に流線型のシルエットをしています。腹部は引き締まり、背中から腰にかけてゆるやかなカーブを描く姿も、グレーハウンドらしい特徴です。
大型犬でありながら体脂肪が少なく、一般的な家庭犬よりもかなりスリムに見えます。
健康な個体でも肋骨のラインがうっすら分かることはありますが、腰骨が強く浮き出ている場合は痩せすぎの可能性もあるため、体型は獣医師の助言も受けながら管理しましょう。
グレーハウンドの大きさ
グレーハウンドの理想的な体高は、オスが71cm〜76cm、メスが68cm〜71cmです。かなり背の高い犬種であり、立ち姿には大型犬らしい存在感があります。
体重は個体差がありますが、30kg前後を中心に、体格の大きな個体ではさらに重くなることもあります。細身に見えるため軽そうな印象を受けるかもしれませんが、実際にはしっかりとした体格を持つ大型犬です。
イタリアン・グレーハウンドやウィペットと似た体型をしていますが、サイズは大きく異なります。迎える際は、寝床や移動用のクレート、車での移動スペースなども、大型犬として考える必要があります。
グレーハウンドの被毛タイプ
グレーハウンドの被毛は、短くなめらかなスムースコートです。体に沿うように密着して生えているため、筋肉質で引き締まった体のラインがはっきりと見えます。
長毛種のように毛が絡まりやすい犬種ではありませんが、短毛でも抜け毛はあります。特に季節の変わり目には、ラバーブラシなどを使って不要な毛を取り除くと、皮膚の状態も確認しやすくなります。
被毛が短いぶん、皮膚は外部からの刺激を受けやすい傾向があります。強くこすりすぎるブラッシングや、硬い床で長時間同じ姿勢で過ごすことには注意が必要です。
グレーハウンドの毛色の種類
グレーハウンドの毛色は非常に多彩です。ブラック、ホワイト、レッド、ブルー、フォーン、ファロー、ブリンドルなど、さまざまな毛色が見られます。
単色の個体もいれば、白い斑が入る個体もいます。ブリンドルのように縞模様が入る毛色では、同じ色名でも個体によって印象が大きく変わります。
黒いグレーハウンドを探す方もいますが、ブラックも代表的な毛色のひとつです。毛色によって見た目の雰囲気は変わりますが、性格や健康状態が毛色だけで決まるわけではありません。
グレーハウンドの性格
グレーハウンドは、走っているときの力強い姿とは対照的に、家庭内では穏やかで落ち着いて過ごす傾向があります。家族に対しては愛情深く、静かな環境でゆったり過ごすことを好む犬種です。
比較的無駄吠えは少ないとされていますが、個体差はあります。知らない人や大きな音、急な環境の変化には慎重になることもあるため、無理に慣れさせようとせず、安心できる距離感を保つことが大切です。
また、サイトハウンドとして動くものに反応しやすい一面があります。猫や小動物、小さな子どもがいる家庭では、相性を見ながら接し方を整える必要があります。
穏やかで優しい性格が魅力の犬種ですが、大型犬としての力強さと繊細さをあわせ持つため、性格を理解したうえで接することが大切です。
グレーハウンドの価格相場
グレーハウンドは日本国内での流通量が非常に少なく、一般的なペットショップで見かける機会はほとんどありません。そのため、トイ・プードルやチワワのように、販売事例をもとにした明確な価格相場を出しにくい犬種です。
国内で子犬を迎える場合は、生体価格だけで50万円以上をひとつの目安として考えておくとよいでしょう。ただし、これは常にその価格で販売されているという意味ではなく、希少犬種を探す際の準備予算の目安です。
実際の価格は、血統、月齢、性別、親犬の実績、繁殖状況、引き渡し前の健康管理の内容によって変わります。
国内で希望する子犬に出会えない場合は、海外の犬舎から迎える選択肢もありますが、その場合は生体価格に加えて輸送費、検疫関連費用、代行手数料などがかかるため、総額で100万円を超える可能性もあります。
また、グレーハウンドは大型犬のため、迎えた後の費用も小型犬より高くなりやすい犬種です。
購入価格だけで判断せず、クレートや寝具などの初期費用、毎月の食費、医療費、ペット保険料まで含めて検討することが大切です。
グレーハウンドのブリーダーを探す方法
グレーハウンドのブリーダーを探す場合は、まず犬種名で検索するだけでなく、「グレーハウンド ブリーダー」「グレイハウンド ブリーダー」「Greyhound breeder Japan」など、表記を変えて調べてみましょう。
国内では情報が限られるため、犬種クラブやドッグショーの情報、ブリーダー紹介サイト、愛犬団体の登録情報などを複数確認することが大切です。
気になるブリーダーが見つかったら、すぐに購入を決めるのではなく、見学が可能か、親犬に会えるか、飼育環境が清潔に保たれているかを確認しましょう。
あわせて、子犬の健康診断、ワクチン接種、マイクロチップ、血統書の有無、引き渡し後の相談体制についても事前に質問しておくと安心です。
グレーハウンドは常に子犬が生まれている犬種ではないため、出産予定を待つ形になることもあります。希望する時期にすぐ迎えられるとは限らないため、焦らずに信頼できるブリーダーを探す姿勢が大切です。
海外から迎える場合は、現地ブリーダーとのやり取りに加えて、輸入条件や検疫の確認が必要です。
マイクロチップ、狂犬病予防注射、抗体検査、輸出国の証明書などが関わるため、個人で進める場合は動物検疫所の条件を必ず確認しましょう。
不安がある場合は、輸入経験のある専門業者や犬種に詳しい人へ相談する方法もあります。
グレーハウンドの飼い方
グレーハウンドを飼う際は、大型犬としての体格と、短毛で体脂肪が少ない体質に合わせた環境づくりが大切です。
室内では落ち着いて過ごすことが多い犬種ですが、体が大きいため、ゆったり横になれる寝床や安全に移動できるスペースを確保しましょう。
床が滑りやすいと、細く長い脚や関節に負担がかかります。フローリングには滑り止めマットを敷き、段差や階段からの飛び降りを避けられるように整えておくと安心です。
また、被毛が短く寒さに弱い傾向があるため、冬場は室温管理や防寒着の活用も必要です。屋外飼育ではなく、家族のそばで安心して過ごせる室内飼育を基本に考えましょう。
グレーハウンドの運動量
グレーハウンドは非常に速く走れる犬種ですが、毎日長時間の全力疾走をさせる必要はありません。日常の運動としては、30分〜1時間程度の散歩を朝夕に行い、年齢や体調に合わせて調整するのが目安です。
散歩では、歩く時間に加えて軽いジョギングや安全な場所での自由運動を取り入れると、よい気分転換になります。ただし、動くものに反応して急に走り出すことがあるため、一般の公園や道路でのノーリードは避けましょう。
ドッグランを利用する場合は、フェンスの高さや出入口の管理がしっかりしている場所を選ぶことが大切です。短時間でも思いきり体を動かせる機会をつくると、ストレス発散にもつながります。
グレーハウンドのしつけ方
グレーハウンドのしつけでは、強く叱るよりも、安心できる環境の中で少しずつ学ばせることが大切です。繊細な面があるため、大声で叱ったり力で抑え込んだりすると、かえって不安を強めてしまうことがあります。
迎えたら早い段階から、リードをつけて歩く練習、人や犬との距離の取り方、室内でのルールを教えていきましょう。動くものを追いやすい性質があるため、散歩中の急な飛び出しを防ぐリードワークも重要です。
呼び戻しの練習も大切ですが、屋外で確実に戻ってくると過信するのは危険です。安全が確保された場所以外ではリードを外さず、家族全員で同じルールを守るようにしましょう。
グレーハウンドのケア方法
グレーハウンドの被毛は短く、日々の手入れは比較的シンプルです。ラバーブラシや柔らかいブラシで優しくブラッシングし、抜け毛を取り除きながら皮膚の状態も確認しましょう。
皮膚が薄く、肘や腰まわりなど骨が当たりやすい部分はこすれやすい傾向があります。硬い床で長時間休ませず、厚みのあるベッドやクッションを用意して、体への負担を減らしてあげることが大切です。
爪が伸びると歩き方に影響し、脚への負担にもつながります。定期的な爪切りに加え、耳掃除や歯磨きも習慣にしましょう。特に歯のケアは、若いうちから慣らしておくと日常的に続けやすくなります。
シャンプー後は体が冷えやすいため、タオルでしっかり水分を取り、室内を暖かく保ちながら乾かしましょう。冬の散歩では、気温に応じて犬用の防寒着を使うと安心です。
グレーハウンドの寿命と病気
グレーハウンドの平均寿命は、10年〜13年ほどがひとつの目安です。大型犬としては比較的長生きする傾向がありますが、健康に過ごすためには体型管理や日々の観察が欠かせません。
細身で体脂肪が少ないため、痩せすぎや筋力低下には注意が必要です。体重だけで判断せず、肋骨や腰まわりの状態、歩き方、食欲、元気の有無を日頃から確認しましょう。
また、胸が深い体型や短毛で皮膚が薄いことなど、グレーハウンドならではの体の特徴に合わせた健康管理も大切です。
異変がなくても、年に1回以上の健康診断を受け、年齢に応じて血液検査や歯科チェックも取り入れると安心です。
グレーハウンドのかかりやすい病気
グレーハウンドは、胃や骨、歯、麻酔時の管理などに注意したい犬種です。日常生活で予防できることもありますが、症状が出た場合は早めに動物病院へ相談しましょう。
胃拡張・胃捻転症候群
胃拡張・胃捻転症候群は、胃にガスがたまったり、胃がねじれたりする緊急性の高い病気です。グレーハウンドのように胸が深い大型犬では注意が必要で、対応が遅れると命に関わることがあります。
落ち着きがない、吐こうとしても吐けない、よだれが増える、お腹が張るといった様子が見られた場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
予防のためには、一度に大量に食べさせず、食後しばらくは激しい運動を避けることが大切です。
骨折
グレーハウンドは脚が細く長いため、転倒や高い場所からの飛び降りによって骨折するリスクがあります。特に滑りやすい床や急な方向転換には注意が必要です。
室内では滑り止めマットを使い、ソファやベッドから勢いよく飛び降りないように環境を整えましょう。歩き方がおかしい、足をかばう、触ると痛がるなどの異変があれば、早めに診察を受けることが大切です。
歯周病
歯周病は犬全般で多い病気ですが、グレーハウンドでも注意したいトラブルのひとつです。歯垢や歯石がたまると、口臭や歯ぐきの炎症、歯のぐらつきにつながることがあります。
若いうちから歯磨きに慣らし、口の中を定期的に確認しましょう。口臭が強い、歯ぐきが赤い、食べにくそうにするなどの変化がある場合は、動物病院で歯科チェックを受けると安心です。
麻酔時の注意
グレーハウンドを含むサイトハウンドは、体脂肪の少なさや体質の関係で、麻酔時の管理に配慮が必要とされることがあります。
手術や歯科処置などで麻酔を受ける場合は、事前にグレーハウンドであることを伝え、犬種の特徴を踏まえて対応してもらえる動物病院に相談しましょう。
グレーハウンドに似た犬種
グレーハウンドに似た犬種としてよく挙げられるのが、イタリアン・グレーハウンド、ウィペット、ボルゾイ、サルーキなどです。いずれも細身で脚が長く、すっきりとした体型を持つサイトハウンド系の犬種です。
特に混同されやすいのはイタリアン・グレーハウンドですが、こちらは小型犬であり、グレーハウンドとはサイズが大きく異なります。ウィペットは中型犬で、グレーハウンドを小さくしたような印象を持つ犬種です。
ボルゾイやサルーキは、グレーハウンドと同じく優雅な雰囲気を持つ大型のサイトハウンドですが、被毛の長さや飾り毛、顔立ちなどに違いがあります。
見た目が似ていても、大きさや飼いやすさ、運動量、入手しやすさは犬種ごとに異なるため、迎える前にそれぞれの特徴を確認しておきましょう。
まとめ
グレーハウンドは、イギリスを原産国とする大型のサイトハウンドです。細身で優雅な体つきと世界最速級の走力を持つ一方、家庭内では穏やかに過ごす傾向があります。
ただし、体が大きく、動くものに反応しやすい性質があるため、安全管理やリード管理は欠かせません。日本では流通量が少なく、迎えるにはブリーダー探しや費用面の準備も必要です。
短毛で寒さに弱く、胃拡張・胃捻転症候群や歯周病などにも注意が必要なため、犬種の特徴を理解したうえで慎重に検討しましょう。



