【獣医師監修】カーリーコーテッド・レトリーバー|犬種の特徴と性格、飼い方や価格相場まで解説

【獣医師監修】カーリーコーテッド・レトリーバー|犬種の特徴と性格、飼い方や価格相場まで解説

カーリーコーテッド・レトリーバーは、細かな巻き毛が特徴の希少な大型犬です。性格や大きさ、毛色、飼い方、運動量、しつけ、被毛ケア、価格相場、ブリーダーの探し方、寿命や注意したい病気まで、お迎え前に知っておきたい情報を解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

カーリーコーテッド・レトリーバーの特徴

芝生の上に立っているカーリーコーテッド・レトリーバー

  • 犬種名:カーリーコーテッド・レトリーバー(Curly-Coated Retriever)、またはカーリーコーテッドレトリバー
  • 原産国:イギリス
  • 大きさ:大型犬
  • 体高:オス 64〜69cm前後、メス 59〜64cm前後
  • 体重:27〜36kg前後
  • 被毛:細かく密な巻き毛
  • 毛色:ブラック、レバー
  • 性格:明るい、賢い、家族思い、自立心がある、初対面にはやや慎重
  • 寿命:10〜12年程度
  • 役割:鳥猟犬

カーリーコーテッド・レトリーバー(Curly-Coated Retriever)は、全身を覆う細かな巻き毛が印象的な大型のレトリーバー種です。

すらりとした体つきと深い胸、長めの四肢を持ち、力強さと上品さをあわせ持つ外見が特徴です。

ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーと比べると日本で見かける機会は少なく、国内では希少な犬種として扱われています。

ここでは、カーリーコーテッド・レトリーバーの大きさ、被毛、毛色といった外見上の特徴を中心に解説します。

カーリーコーテッド・レトリーバーの大きさ

カーリーコーテッド・レトリーバーは、成犬になるとしっかりとした体格に育つ大型犬です。

体高の目安は、オスで64〜69cm前後、メスで59〜64cm前後とされ、レトリーバー種の中でもすらりと背の高い印象があります。

体重は個体差がありますが、27〜36kg前後がひとつの目安です。骨格は丈夫で引き締まっており、見た目には重々しさよりも、しなやかで活動的な雰囲気が目立ちます。

子犬の頃は丸みのある体つきですが、成長とともに脚が長くなり、成犬らしいスマートな体型へ変化していきます。

大型犬であるため、室内で暮らす場合は、寝床や移動スペースに十分なゆとりを確保しておくことが大切です。

カーリーコーテッド・レトリーバーの被毛タイプ

カーリーコーテッド・レトリーバーの最大の特徴は、名前の通り、全身を覆う細かく密な巻き毛です。

被毛は小さく締まったカール状で、体に沿うように生えており、他のレトリーバー種とは異なる独特の存在感があります。

この巻き毛は見た目の個性だけでなく、水辺で作業してきた犬種らしい機能性も備えています。水を弾きやすく、冷たい水や悪天候から体を守る役割があり、皮膚を外部の刺激から保護する助けにもなります。

被毛は比較的抜け毛が少ないとされますが、まったく毛が抜けないわけではありません。
季節の変わり目や生活環境によって抜け毛の量は変わるため、日頃から毛の状態や皮膚の異常がないかを確認しておくと安心です。

細かなカールには泥や草、小さなゴミが絡むことがあります。
過度にブラッシングしすぎると巻き毛の質感が崩れやすいため、普段は汚れの確認や軽い手入れを中心にし、必要に応じてコームなどでやさしく整えるとよいでしょう。

カーリーコーテッド・レトリーバーの毛色の種類

カーリーコーテッド・レトリーバーの毛色は、ブラックとレバーの2色が基本です。ブラックは深みのある黒色で、密な巻き毛と合わさることで、引き締まった精悍な印象を与えます。

レバーは濃い赤茶色からチョコレートのような色合いで、光の当たり方によって見え方が少し変わることがあります。

写真で見る色味と、実際に屋外で見たときの印象が異なる場合もあるため、お迎えを検討する際は実物の毛色も確認しておくと安心です。

全身が白い毛色や大きな白斑は、この犬種の標準的な毛色とはされていません。胸元などにわずかな白い毛が見られる場合はありますが、基本的にはブラックまたはレバーの単色として考えるとよいでしょう。

なお、毛色だけで性格が決まるわけではありません。価格についても、毛色だけで判断されるものではなく、血統、月齢、健康状態、繁殖状況など複数の要素によって変わります。

カーリーコーテッド・レトリーバーの性格

芝生の上を楽しそうに走るカーリーコーテッド・レトリーバー

カーリーコーテッド・レトリーバーは、明るく活発で、家族に対して深い愛情を向ける犬種です。レトリーバーらしく人と協力して動くことを好み、飼い主とのコミュニケーションを楽しみながら生活できます。

賢く物覚えがよい一方で、自分で判断して行動しようとする自立心もあります。
そのため、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーのように誰にでもすぐ愛想よく接するタイプというより、家族との信頼関係を大切にしながら、初対面の人や慣れない環境には少し慎重に向き合う傾向があります。

家庭犬としては愛情深く、落ち着いた一面もありますが、退屈な時間が長く続くとストレスをためやすい犬種でもあります。

日常の中で声をかけたり、一緒に遊んだりする時間を確保することで、精神的にも安定しやすくなります。

子どもや先住犬との関係は、個体の性格や育った環境によって差があります。子犬の頃から人、犬、生活音、外の刺激などに無理なく慣れさせておくことで、家庭内でも落ち着いて過ごしやすくなります。

カーリーコーテッド・レトリーバーの歴史

水辺に立っているカーリーコーテッド・レトリーバー

カーリーコーテッド・レトリーバーは、イギリスで発展した古いレトリーバー犬種です。19世紀には鳥猟犬として活躍しており、水辺に落ちた獲物を回収する犬として重宝されていました。

その特徴的な巻き毛は、見た目の個性だけでなく、冷たい水や悪天候、草木の刺激から体を守るためにも役立ってきました。

水辺や茂みの多い場所で作業する犬として、機能性のある被毛と丈夫な体つきが受け継がれてきたと考えられます。

レトリーバー種の中でも、カーリーコーテッド・レトリーバーは早い時期から公認された犬種の一つとされています。

現在ではラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーほど広く知られてはいませんが、長い歴史を持つ由緒あるレトリーバーとして、独自の魅力を保ち続けています。

もともと人と協力して働いてきた犬種であるため、現代の家庭でも、ただそばにいるだけでなく、飼い主と一緒に何かに取り組む時間を好みます。

こうした背景を知っておくと、この犬種の活発さや作業意欲の高さも理解しやすくなります。

カーリーコーテッド・レトリーバーの価格相場

花のそばに立って正面を見つめるカーリーコーテッド・レトリーバーの子犬

カーリーコーテッド・レトリーバーの子犬を迎える場合、子犬本体の価格は30万〜60万円前後をひとつの目安として考えておくとよいでしょう。

ただし、この金額はあくまで子犬本体価格の目安です。
国内では流通数が少ない犬種のため、常に販売情報があるとは限らず、実際の価格は血統、月齢、性別、毛色、親犬の健康検査の有無、ブリーダーの方針などによって変わります。

また、海外から迎える場合は、子犬本体の価格に加えて、輸送費、検疫に関わる費用、各種手続きの費用などが発生します。そのため、国内で迎える場合よりも総額が高くなる可能性があります。

お迎え前には、表示されている価格だけで判断せず、ワクチン代、マイクロチップ代、血統書の有無、健康診断の内容、引き渡し後のサポートまで含めて確認することが大切です。

カーリーコーテッド・レトリーバーのブリーダーを探す方法

カーリーコーテッド・レトリーバーは日本では珍しい犬種のため、一般的なペットショップで出会える機会は多くありません。

お迎えを考える場合は、まず犬種名で子犬販売サイトやブリーダー検索サイトを確認し、掲載情報があるかを探すところから始めます。

販売中の子犬が見つからない場合は、カーリーコーテッド・レトリーバーを扱った実績のある犬舎を探し、今後の出産予定や予約の可否を問い合わせてみましょう。

犬舎の公式サイトやSNS、過去の出産情報、ドッグショーでの活動実績なども参考になります。

問い合わせる際は、価格だけでなく、親犬の性格や健康状態、遺伝性疾患への配慮、子犬が育っている環境についても確認してください。可能であれば犬舎を見学し、親犬やきょうだい犬の様子、清潔な環境で飼育されているかを自分の目で確かめると安心です。

信頼できるブリーダーは、犬種の魅力だけでなく、運動量の多さやしつけの難しさ、飼育にかかる費用についても丁寧に説明してくれます。

反対に、親犬の情報を教えてくれない、見学を極端に避ける、契約内容の説明が不十分といった場合は、慎重に判断しましょう。

すぐに迎えられる子犬がいないこともありますが、希少犬種では待つ期間が必要になることも珍しくありません。焦って探すよりも、犬種への理解が深く、引き渡し後も相談しやすいブリーダーを選ぶことが大切です。

カーリーコーテッド・レトリーバーの飼い方

水鳥のおもちゃをくわえて運ぶカーリーコーテッド・レトリーバー

カーリーコーテッド・レトリーバーと暮らすには、大型犬としての生活スペースと、活発なレトリーバー種らしい欲求を満たせる環境づくりが大切です。

室内では犬がゆったり休める場所を確保し、滑りにくい床材やマットを敷いて、日常的な動きで足腰に負担がかかりにくいよう整えておきましょう。

食事は、年齢、体格、運動量に合った総合栄養食を選び、体重が増えすぎないように管理します。大型犬は食事量が多くなりやすいため、フード代や日用品代などの継続的な費用も見込んでおく必要があります。

また、知的で人と関わることを好む犬種のため、ただ飼育スペースを用意するだけでは十分ではありません。毎日の散歩や遊び、声かけ、簡単なトレーニングを通じて、心身のエネルギーを発散させることが大切です。

カーリーコーテッド・レトリーバーの運動量

カーリーコーテッド・レトリーバーは、体力があり運動欲求も高い犬種です。

毎日の散歩は、1日2回を基本にし、それぞれしっかり時間を取って歩かせるとよいでしょう。年齢や体調にもよりますが、成犬では合計1〜2時間程度の運動時間を確保できる家庭に向いています。

ただ歩くだけでなく、ボール遊びや引っ張りっこ、ドッグランでの自由運動などを組み合わせると、満足しやすくなります。

レトリーバーらしく物を持ってくる遊びを好む個体も多いため、回収遊びを取り入れるのもよい方法です。

運動が不足すると、退屈から家具をかじる、落ち着きがなくなる、要求吠えが増えるなどの行動につながることがあります。

体を動かす時間だけでなく、においを嗅がせる散歩や知育玩具を使った遊びなど、頭を使う時間も取り入れると、より落ち着いて過ごしやすくなります。

暑い時期は熱中症のリスクがあるため、日中の散歩は避け、早朝や日が落ちてから出かけるようにしましょう。水遊びを取り入れる場合も、遊んだ後は体をしっかり乾かし、耳や皮膚の状態を確認することが大切です。

カーリーコーテッド・レトリーバーのしつけ方

カーリーコーテッド・レトリーバーは賢く、人と協力することを楽しめる犬種です。一方で、自立心もあるため、力で押さえつけるようなしつけではなく、できたことを褒めながら教える方法が向いています。

子犬の頃から、人、犬、車の音、生活音、知らない場所などに少しずつ慣れさせておくと、成犬になってからも落ち着いて行動しやすくなります。

怖がっている様子があるときは無理に近づけず、安心できる距離から慣らしていくことが大切です。

大型犬に育つため、引っ張り癖、飛びつき、甘噛み、拾い食いは早めに対策しておきたい行動です。特に散歩中に強く引っ張る癖がつくと、飼い主が制御しにくくなり、転倒や事故につながるおそれがあります。

日常生活では、「おすわり」「待て」「おいで」などの基本的な指示を、短い時間で楽しく繰り返しましょう。

退屈な反復練習は飽きやすいため、遊びの中で教えたり、ごほうびを使って成功体験を積ませたりすると、意欲を保ちやすくなります。

家族の間でルールが違うと犬が混乱しやすくなります。ソファに乗せるかどうか、食事中に近づかせるかどうか、来客時にどう待たせるかなど、家庭内のルールはあらかじめそろえておきましょう。

カーリーコーテッド・レトリーバーのケア方法

カーリーコーテッド・レトリーバーの巻き毛は、ほかの犬種にはない大きな魅力です。

日頃のケアでは、毛並みを必要以上にとかしすぎるよりも、汚れやゴミが絡んでいないか、皮膚に赤みやかゆみがないかを確認することを意識しましょう。

散歩や外遊びの後は、草の実や泥、細かなゴミが被毛に入り込んでいないかをチェックします。毛玉や絡まりが気になる部分は、無理に引っ張らず、指や粗めのコームでやさしくほぐしてください。

シャンプーは汚れやにおいが気になるタイミングで行い、洗った後は被毛の根元までしっかり乾かします。

湿気が残ると皮膚トラブルの原因になることがあるため、タオルドライだけで済ませず、ドライヤーも使って丁寧に乾かしましょう。

垂れ耳のため、耳の中が蒸れやすい点にも注意が必要です。水遊びやシャンプーの後は、耳の周りの水分をやさしく拭き取り、におい、赤み、耳垢の増加がないかを確認してください。

異常がある場合は、自己判断で耳の奥を触らず、動物病院で相談しましょう。

爪切り、歯みがき、足裏のチェックも、子犬の頃から少しずつ慣れさせておくと成犬になってからの負担が軽くなります。

体に触られることを嫌がらないよう、短時間から始めて、落ち着いて受け入れられたら褒めてあげましょう。

カーリーコーテッド・レトリーバーの寿命と病気

遠くを見つめるシニアのカーリーコーテッド・レトリーバー

カーリーコーテッド・レトリーバーの平均寿命は、10〜12年程度がひとつの目安です。

大型犬としては一般的な範囲ですが、日々の体重管理、適度な運動、定期的な健康診断によって、健康に過ごせる期間を伸ばしやすくなります。

若いうちからかかりつけの動物病院を決めておき、歩き方、食欲、皮膚や耳の状態、目の見え方などをこまめに確認することが大切です。

特に大型犬に多い関節や胃のトラブルは、早めの気づきが重症化の予防につながります。

カーリーコーテッド・レトリーバーのかかりやすい病気

カーリーコーテッド・レトリーバーで注意したい病気には、股関節形成不全、胃拡張・胃捻転症候群、外耳炎、皮膚トラブル、進行性網膜萎縮などがあります。

股関節形成不全は、大型犬に見られやすい関節の病気です。腰を左右に振って歩く、立ち上がりを嫌がる、階段を避けるといった様子があれば、早めに動物病院で相談しましょう。

体重を増やしすぎないことや、室内の床を滑りにくくすることも予防につながります。

胃拡張・胃捻転症候群は、胸の深い大型犬で特に注意したい緊急性の高い病気です。

何度も吐こうとするのに何も出ない、お腹が膨れる、落ち着きなく歩き回る、大量のよだれが出るといった症状がある場合は、夜間でもすぐに救急対応の動物病院を受診してください。

外耳炎や皮膚トラブルは、垂れ耳や巻き毛の構造によって湿気がこもりやすいことが関係します。

耳のにおい、耳垢の増加、皮膚の赤み、かゆみ、脱毛などが見られたら、自己判断でケアを続けず獣医師に相談しましょう。

進行性網膜萎縮などの眼疾患にも注意が必要です。暗い場所で物にぶつかる、段差を怖がる、目の様子がいつもと違うといった変化があれば、早めに検査を受けると安心です。

健康管理では、年1〜2回の健康診断に加え、日頃の観察が欠かせません。少しでも「いつもと違う」と感じたら、様子を見続けず、早めに動物病院へ相談することが大切です。

まとめ

屋外で伏せているカーリーコーテッド・レトリーバー

カーリーコーテッド・レトリーバーは、細かな巻き毛とすらりとした体型が印象的な、国内では珍しい大型のレトリーバー種です。

明るく家族思いで、人と一緒に活動することを好みますが、自立心もあるため、子犬の頃から社会化と基本的なしつけを丁寧に行うことが大切です。

毎日の散歩や遊びで十分に体を動かし、退屈させない環境を整えましょう。被毛は過度にとかしすぎず、汚れや皮膚、耳の状態をこまめに確認することがポイントです。

股関節形成不全や胃拡張・胃捻転症候群、外耳炎、眼疾患などにも注意し、定期的な健康診断を習慣にすると安心です。

希少犬種のため、迎える際は信頼できるブリーダーを慎重に探し、費用や飼育環境も含めて準備しておきましょう。

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