犬があくびをする理由
犬があくびをする仕草にはさまざまな理由があります。人間のあくびは眠気からくるものがほとんどですが、犬は眠い時以外にも不安を感じた時にあくびをします。これは「カーミングシグナル」と呼ばれる犬が自分や相手を落ち着かせるためのサインです。
さらに人間同士であくびが伝染するように、犬との親密度が高い人ほどその人のあくびが犬にうつることもあります。病気のサインとしてあくびが出る場合もあるので、回数が多いようであれば体調を注意深く観察しましょう。
犬があくびをすることの意味
生理的行動
犬のあくびの多くは、人間と同じく眠い時や疲れている時に見られる生理的行動です。眠そうにあくびをしている時は静かに休める環境を作ってあげましょう。また退屈している際にも犬はあくびをするので、時間を作って遊んであげてもよいでしょう。
争いを避けたい
愛犬が他の犬を前にしてあくびをする時は、相手や自分の気持ちを落ち着かせるためのカーミングシグナルと考えられています。犬がお互いの緊張をほぐすことや、相手に対して敵意が無いことを伝えるためにあくびを出すのです。あくびによって大きく息を吸い込むことができるので、人間が緊張をほぐす時にする深呼吸と似た行動だと捉えるとよいでしょう。
犬は相反する感情が葛藤している時にあくびが出ることがあり、これを転移行動と呼びます。戦うべきか逃げるべきか迷っている時に、あくびをしたり耳をかいたりするのは気持ちを落ち着けようとする心理からなのです。
ストレスを感じている
犬が普段よりたくさんあくびしている場合は、ストレスを感じているサインである可能性もあります。飼い主に叱られている時や、慣れていない相手とのスキンシップなどにストレスを感じ、「もうやめてほしい」という不快感をあくびで伝えているのかもしれません。
あくびだけでなく、普段と違う行動をしていないかなど、犬の様子をよく観察してストレスを取り除いてあげましょう。
喜んでいる
犬は食事の前や散歩に出かける前にあくびをすることがあります。これは嬉しくて興奮している気持ちを抑えるためのカーミングシグナルだと考えられます。飼い主がお散歩に行く準備をはじめた時に犬が大きなあくびをしたら、気が乗らない訳ではなく準備運動のようなものだと捉えるとよいかもしれません。
犬があくびをする時注意すべき病気
低血糖症
低血糖症は、犬の血液中の糖分濃度が低下することによって起こる病気です。低血糖症によって血液中の糖分が減少すると、脳の働きが低下してしまいます。この結果、脳へ酸素を送り込むためにより多くの空気を吸い込もうとしてあくびが増えるのです。
低血糖症は子犬の時期や超小型犬などが特に発症する確率が高いと言われています。成犬の低血糖症は5歳以上の犬に多く、ホルモンバランスの低下や膵臓の機能低下、重度の感染症などによって起こることがあります。病気が進行すると、歩行困難や昏睡な重篤な症状が現れる可能性があるので注意が必要です。
貧血症
貧血症は犬の体内にある赤血球が破壊されることで起こる病気です。赤血球に含まれるヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ働きをしていますが、貧血によって摂家球が減り全身に酸素が行き渡らなくなると、酸素をたくさん取り込むためにあくびが増えます。あくびと共に歯茎がいつもより白っぽい、呼吸が早い、血尿が出るといった症状がある場合は早めに獣医師に相談しましょう。
うつ病
犬は長時間の強いストレスによってあくびをすることがあります。あくびの他に元気がなく食欲がない、診察を受けても体の不調が見つからない時はうつ病の可能性が考えられます。犬にうつ病のような症状が現れる原因には、長時間のお留守番やコミュニケーション不足、生活環境の変化などがあります。犬の中には、精神的なストレスから家具を噛んだり粗相したりする子もいます。一方的に叱ることはさらに犬へストレスを与えることになるので、注意深く判断することが大切です。
口腔内のトラブル
犬がいつもと違うあくびをする時には、口腔内にトラブルを抱えている可能性があります。歯槽膿漏による痛みがあったり、歯石がたまって不快だったりする時には口をもごもごとさせます。飼い主さんは定期的に口臭がないか、歯石が溜まっていないかなど犬の口の中を観察しましょう。
犬があくびをする時の注意点
ストレスの少ない環境を作る
犬はストレスによる緊張状態をほぐすためにあくびをすることがあります。そのため飼い主さんは、日頃から犬になるべくストレスを感じさせない環境を用意してあげることが大切です。犬が出すメッセージをしっかりキャッチしてあげましょう。
普段から様子をよく観察する
犬が眠くてあくびをしているのか、ストレスや体調不良によるものか適切な見分け方をするためには、普段から犬の様子をよく観察しておく必要があります。思い当たる原因が見つかれば、対策も取りやすくなるでしょう。頻繁なあくびと合わせて、食欲の低下や散歩に行きたがらないといった異変を感じた時は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
犬のあくびには、さまざまな意味があることが分かりました。あくびには重要なサインが含まれている場合もあるので、犬の様子を見ながら、どうしてほしいのか考えてあげられるよよいですね。犬の気持ちを正しく理解したいという想いがあれば、愛犬との心の距離をもっと近づけられるのではないでしょうか。
ユーザーのコメント
30代 女性 Chappy
20代 女性 ゆり
20代 女性 すず
女性 ムツコ
それにしても、人間があくびをすると愛犬にも本当にうつりますよね。うちは大概一緒に横になっているときに目の前であくびをされるので、口臭を目の前でくらいます。決していいにおいではないので、、くさいです。が、くささの度合いによって歯の汚れ具合も感じられるような気がして今ではなれました。愛犬との生活は飼い主初心者なので毎日が勉強です。
女性 さき
女性 ゴン吉
人の行動をよく見るわんちゃんなら、あくびがうつることもあります。以心伝心ですね。昼寝をしているといつの間にか隣で愛犬も昼寝をしていたなんてことも多いと思います。飼い主と同じ行動をとることで安心感を得られるのだと思います。
好奇心旺盛な子犬ならあくびを真似しようとすることもあります。愛犬がまさにそれでした。最終的に「ごはん」を言わせる訓練に変化しました。
気を付けたいのが、低血糖からくるあくびです。糖尿病のインスリン治療をしていたり他の疾患からの低血糖などで、酸素を多く体に取り込もうとあくびをすることがあります。頻繁にあくびをするようになったら早めに動物病院に連れて行ってあげてください。
低血糖は命に関わります。他に震えなどが出ていないかも確認してください。
女性 コロ
もう1頭の愛犬は性格がやや短気なので、おやつをなかなか出さなかった時やしつこくされた時、抱っこされっぱなしの時などに大あくびを出します。顔もムッとした表情なので不機嫌なのが丸わかりです。
女性 わんこ
50代以上 男性 匿名
40代 女性 S mama
眠くなった時のあくびは実際にその後お腹を丸出しのヘソ天姿でスヤスヤ眠るので、この時のあくびは本当に眠いからでリラックスしていますね。
ただ、そんなウチの子も動物病院での待合室や、洗面台でシャンプーをしてる時にあくびをします。
特にシャンプー中のあくびは、もうやめて〜〜と訴えるかのように何度もしています。
でもシャンプーしない訳にも行かないので(笑) 「シャンプー気持ちいいねぇ」「もう少しだけ頑張ろうね」などとニッコリ微笑み語り掛けながら、頑張って貰っています。
私の命とも言える愛しいこの子に、シャンプーや病院でのあくびは仕方ないとして、平常時でもストレスであくびをするような事がないように、これからも変わらずリラックス出来る環境作りを努めて行きたいと思っています。