犬の行動学とは
日ごろ愛犬が取る行動に「何でそんなことをするの?」と疑問になることが多々あるかと思います。そんな時に役立つのが、犬の行動学というものです。
犬の行動ひとつひとつを研究することで、その時に抱いている犬の感情に近づくことができるという内容。「こう思っているんじゃないのか?」という予想ではなく、大学の研究に基づいた結果です。
そんな犬の行動学は一体どんな内容なのでしょうか。
動物行動学について
動物行動学とは、動物が見せる行動にはどれも意味があることを、大学の研究や専門医によって明らかにしたものです。
動物行動学を知ることで、ペットが病気になった時や苦しんでいる気持ちをいち早く察知できることから「ペットのための資格」として取得する飼い主や動物に携わる職業の人が増えています。
犬は人間の言葉が話せない代わりに、しっぽを振ったり吠えたりして気持ちを表現するなど色々な行動を見せてくれます。それが時には、飼い主に早く気づいてほしいというサインであることも時にはあるでしょう。
飼い主が犬の出すサインに気づけず未然に防げなかった・・・という結果にならないためにも、少しでも犬の気持ちを知るきっかけになる行動学を学んでみてはいかがでしょうか。
犬の習性とは
「こんな時は何を考えているの?」と思う、犬のこんな習性とその時の気持ちについて、動物行動学に乗っ取った意見をまとめてご紹介していきます。
尻尾を振る
犬が尻尾をフリフリする時は喜んでいる時・・・だけではなく、興奮している状態を表しています。振っている位置や振る速度でも犬の気持ちは異なります。
尻尾を振っているから好意的に思っているとつい誤解しがちですが、イライラして振ってしまう犬も多いので注意深くみてください。
口を開けている
犬が口を開けている時は、リラックスしている状態です。ただし、ハアハアと息切れしていたり、あくびばかりをするといった異変がある時は他に原因があります。
耳を立てている
耳をピンと立ててやや前のめりになっている時は、何かを察知して集中している状態です。反対に、犬の耳が両サイドにペタンと寝ている時は、好きな人がいて喜びを感じている状態を表しています。
地面を掘る行動を取る
床を掘るような行動を取る時は、犬の野性的な部分が表れている証拠です。寝床を作ろうとしている時によく見られるので、掘り始めたら「眠いのかな」と受け取っておきましょう。
犬の行動における気持ち
毎日一緒にいれば何となく伝わる愛犬の気持ちですが、その行動によって微妙に違う気持ちをここで再確認してみましょう。
怖いなという気持ち
犬の尻尾が垂れ下がっている、耳の幅が狭いまま後ろに寝ている時は目の前の何かに恐怖を感じている状態です。
不安な気持ち
犬が不安定な心理状態に陥ると、あまり目を合わせなくなったり、垂れ下がった尻尾の先端が内側に向いていたりします。
甘えたい気持ち
口が開いていてペロペロ舐めてきたり耳が後ろに倒れている時は「遊ぼう」と誘ったり、甘えたい気持ちが強い時です。お腹を見せる行動は、甘えるというよりも降伏を示すという捉え方が正しいです。
犬の行動学についてのおすすめの本
飼い主さんにぜひ読んでいただきたい、犬の行動学のおすすめの本をご紹介します。犬のしつけに悩む方には、行動学を知るだけでヒントが生まれるはずです。
「犬のモンダイ行動の処方箋 ―ケーススタディでわかる犬のしつけ―」
犬のベテラントレーナー「中西典子」さん著書の、吠える・噛む・いたずらといった、飼い主の「犬の困った」に斬り込んだ行動学の本です。
正しいしつけ方法を知りたい方には、実例から学べて分かりやすく解説されているので大変おすすめです。
「犬の行動学」
犬の気持ちに正面から向き合いたい方には、こちらの一冊がおすすめ。
著者トルムラー・エーベルハルトは、ノーベル賞受賞者コンラート・ローレンツの元で学び、生涯に渡り行動学の研究に携わった第一人者です。研究に基づいた意見を知ることができます。
「犬はあなたをこう見ている: 最新の動物行動学でわかる犬の心理」
「犬に対する見方が変わった」という口コミが多くみられるこちらの著書は、全米ベストセラーにも輝いた犬の行動学が学べる一冊。
著者ブラッドショー・ジョンはブリストル大学獣医学部で25年に渡り動物の行動学を研究し続けた人物です。
まとめ
「どうしてそんな行動をするのだろう?」と感じた時こそ、行動学を学ぶに適したタイミングです。犬が飼い主に伝えたい本当の気持ちをぜひ探ってみてください。
これまで見過ごしていた犬のちょっとした行動に気づくことができ、犬のコンディションをより察知できるようになるはずです。
今まで知りたかった犬の気持ちに寄り添えれば、愛犬との生活がより楽しくなるのではないでしょうか。