サマーカットとは?
「サマーカット=丸刈り」というイメージを持っている方も多いと思いますが、サマーカットの本来の意味は夏に向けて毛を少し短くしてあげることです。
丸刈りにしなくても少し風通しがよくなるぐらいに整えてあげるものもサマーカットといいます。
しかしペットサロンなどでもサマーカットをお願いすると丸刈りにされてしまうことが多くあるので、一般的に「サマーカット=丸刈り」というイメージでも不思議ではありません。
サマーカットをお願いする際には具体的にどれぐらい切るのか、どういった形になるのかなどを言っておくと良いでしょう。
犬の被毛の役割
犬の被毛にはちゃんとした役割があります。
- 体が濡れることを防ぐ
- ノミやダニなどから皮膚を守る
- 体温を調節する
- 紫外線や日光から皮膚を守る
このような大事な役割があります。
「体温を調節する」という役目は被毛が断熱材と同じような役割を果たしているためです。
被毛の隙間に空気の層を作ることでそれが断熱材となり、直射日光などが直接皮膚に届かないようになっています。
被毛があるから暑い、というわけではないのです。
被毛があるからこそ厚さに耐えられる、とも考えられます。
そのため単純にすべての毛を刈ってしまうのは、逆に愛犬を危険な目に合わせている可能性があります。
また丸刈りでなくても、極端に短いサマーカットは犬にとっては危険であることもありますので、長さはトリマーさんや獣医さんに相談してみてください。
サマーカットをする時期
サマーカットをするのは暑くなり始める4月から6月くらいがオススメです。
この時期は換毛期になり、抜け毛が少ないシングルコートの犬も怪我抜け始めるので抜け毛対策もできます。
サマーカットと呼ばれるぐらいなので冬に毛を短くしてしまうのはやめてあげてください。
体が冷えやすくなり、体調を崩す原因になる可能性があります。
サマーカットのメリットとデメリット
メリット
シングルコートの長毛種などの場合はトリミングのときに少し短めにカットすることがあります。
シングルコートは被毛の間に熱がこもりやすいため、被毛を少し短くすることで空気の流れをよくして、皮膚病になりにくくする効果があります。
また皮膚や被毛が皮脂で汚れるとどうしてもお風呂にいれる回数が多くなってしまいます。
その際、被毛が短いと早く乾燥させることができ、手入れも簡単で常に清潔に保つことができます。
犬のサマーカットは皮膚病の予防や改善を目的としたものであれば有効である可能性もあります。
とくに夏場は効果があるでしょう。
デメリット
犬の被毛の役割は皮膚の保護です。
夏は日光や紫外線から、冬は寒さから守ってくれます。
そのため、バリカンなどで丸刈りにしたり、極端に短くすると皮膚を守ってくれるものがなくなるので皮膚に問題を起こす可能性が出てきます。
丸刈りや極端な短さなどでなければメリットでも書いたとおり、皮膚病の予防などで有効ではあります。
飼い主さんだけの判断ではなく獣医さんにも相談してみてください。
毛質が変わってしまう可能性も
サマーカットをすると次に生えてくる毛が以前のものと異なる場合があります。
短く切る程度ではほとんど変わらないのですが、丸刈りなどすると毛質が変わることがあります。
また毛がまったく生えてこなくなることもあるので注意が必要です。
毛質が変わる原因はまだよくわかっていないのですが、次のような理由で毛質が変わるのではないかと言われています。
- バリカンによる毛穴へのダメージ
- 皮膚炎
- 紫外線によるダメージ
紫外線によるダメージは皮膚だけではなく、ホルモンバランスにも影響を与えている可能性があります。
犬の皮膚は人間の5分の1程度の厚さしかなく、人間の赤ちゃんよりも薄くなっています。
そのため傷つきやすく、デリケートになっているのですが「犬だから大丈夫」という思い込みもありあまり気にしない方が多いようです。
しかしサマーカットをしただけでも毛穴や皮膚が傷ついたり、被毛がないことで皮膚に直接紫外線があたり炎症を起こしたりするほど弱いということを覚えておいてください。
まとめ
犬のサマーカットには賛否両論あるかと思います。
犬や飼い主さんそれぞれ状況は異なるため、絶対によくない!ということは言えません。
サマーカットが必要な犬もいれば、必要のない犬もいます。
それぞれのメリット、デメリットを考え、愛犬にとって何が必要なのかを考えてみましょう。
またサマーカットにも様々な種類があり、丸刈りをすることだけがサマーカットとは言えません。
少し短くしたり、部分的に毛を短くしたりすることもサマーカットのうちに入ります。
犬に合ったカットをすることで、犬も過ごしやすくなるのでどういったカットがあるのか、サマーカットをする必要があるのかなどを調べてみましょう。
ペットサロンや動物病院で相談してみるのも良いかと思います。
犬にとって何が1番良いのか考えてあげることが大事ですね。