犬の耳掃除を怠ると起こるトラブル
人間も耳の汚れが溜まると気持ちが悪いように、犬も不快感に襲われその不快感から耳がかゆくなってしまいます。また、ただの不快感でかいてしまうだけならいいのですが、汚れが溜まることで通気性が悪くなり、雑菌が繁殖しやすい環境へと変化することで外耳炎を起こします。
外耳炎と一口に言っても軽度なものから重度なものまでさまざまですが、どの段階であっても必ず言えることはかゆみに襲われるということと、ひどくなるとかゆみから痛みへと変わり耳を触られるのを非常に嫌がるということです。
いつもは触っても嫌がらないのに耳の付近を触ったり触ろうとすると怒るといった場合は、症状としては重度であり痛みを伴っているので治療も簡単ではなくなります。
しかし、これがまだ炎症とかゆみだけの軽度であれば痛みはないため、不快感はあっても耳を触ることで怒ることはありませんし、比較的治療も簡単に進めることができます。
愛犬のために月に1回の定期的な正しい耳掃除
耳掃除を怠ると外耳炎を引き起こし、かゆみだけではなく時には痛みまで伴い非常に辛い状況に陥ってしまいます。そうならないようにするためには、定期的に耳掃除をしてできるだけ清潔な状態を保つことが大切です。
しかし、耳をきれいにしようと頑張りすぎて必要以上に耳をいじってしまうと、逆に耳を傷付けて炎症を起こし外耳炎になってしまいます。
耳掃除をするタイミング
耳掃除をするタイミングは月に1~2回のトリミングに合わせて行なっていれば問題ありません。トリミングに連れていけなかったとしても、月に1~2回定期的に耳掃除だけでもしてあげれば耳の中は清潔に保つことができます。
ただし、耳治療の一環で耳掃除が頻繁に必要な場合は、獣医師の指示に従って無理なく行なうようにしましょう。
また、汚れが溜まりやすい体質というだけであれば汚れが目立ってきたかな?と感じたときに耳掃除をしてあげるといいですね。
耳掃除のためのアイテム
耳掃除をするタイミングが分かったら次は耳掃除に必要なアイテムを揃えましょう。必要なものは以下になります。
- コットンor犬用綿棒
- イヤークリーナー
犬の耳は皮膚というよりも粘膜でできているため、ゴシゴシ擦ったりイヤークリーナーを使わずに耳掃除をするのは厳禁です。また、コットンならまだ柔らかいのですが綿棒は人間用だと硬さが出るため、必ず犬用の柔らかい綿棒を使用するようにしましょう。
もしこれらのアイテムで耳掃除をするのに不安がある場合は、イヤークリーナーシートを使うのもおすすめです。イヤークリーナーシートであれば、すでにシート自体が湿っていて指に巻いて拭くだけなのでささっと終わらせたいときにも使えますし、軽い汚れのときにも簡単に使うことがてきます。
正しい耳掃除の仕方
耳掃除アイテムが用意できたら次はいよいよ耳掃除です。間違ったやり方をすると耳を傷つけてしまいますが、正しく耳掃除を行なえば清潔な耳にできるので、ぜひ覚えてチャレンジしてみましょう。
1.耳の中を見やすい状態や位置につく
垂れ耳の犬種であれば耳を捲りあげますが、このとき耳を引っ張らないように注意しましょう。ペランっとめくって支えておくだけで大丈夫です。
そして、飼い主さんが座って耳掃除する場合も立って耳掃除する場合も、配置的には横ではなくやや後方に位置することをおすすめします。
そうすることで耳の奥まで見ることができるため、耳掃除も比較的やりやすくなりますが、耳の奥が見えればいいので真横に位置する場合は少し上から覗き込む感じになると見えやすいです。
2.コットンまたは綿棒をイヤークリーナーで十分湿らす
耳の中がよく見える位置を把握したら、次はコットンまたは綿棒を
イヤークリーナーで十分に湿らせます。ここでポイントなのは、「十分に湿らす」という部分です。
イヤークリーナーをたくさんつけるとよくないのでは?と思う飼い主さんも少なくないのですが、むしろセーブして少ししか付けない方が耳に刺激を与えて良くありません。
また、コットンや綿棒だと耳掃除を嫌がる子もいるので、そうした時はイヤークリーナーを直接耳の中に入れ洗浄して耳掃除をします。この方法は犬の耳の中の作りがL字になっているためできる方法で、ブルブルしてもらえれば全て液も出るので鼓膜に行ってしまうのでは?という心配はいりません。
3.耳の中を内から外へ掃除する
コットンや綿棒を十分に湿らせたらいよいよ耳掃除です。耳掃除は奥までぐいぐいする必要はありません。コットンであれば人差し指に巻いて指の届く範囲、綿棒であればコットンを指で巻いて届く範囲を目安に掃除をします。
このとき、ぐいぐい力を入れて掃除をすると汚れが更に奥に行ってしまったり、耳を傷付けてしまうため優しくソフトタッチで行ないます。
また、掃除をするときは内から外へ向かって汚れをかき出すようなイメージで行なっていきます。内から外へ、内から外へと進めていき、最終的には耳の周りの汚れをきれいにふき取っていくような感じです。
また、一度掃除するごとに綿棒やコットンが汚れたらその都度新しくイヤークリーナーで浸したものを用意し、きれいなもので耳掃除を進めていきましょう。
イヤークリーナーを使って耳掃除が終わったら、最後に乾いたコットンや綿棒で軽く水分をふき取って完了です。
かゆみや炎症がひどい場合はすぐ動物病院へ
耳掃除を定期的に行なっていたとしても、シーズーやマルチーズといった耳のたれた犬種では体質的に外耳炎になりやすい場合もあります。
また、耳掃除をやり過ぎたり無理に押さえつけてしてしまうことで耳が傷つき、その傷が原因で炎症が起こり痛みが生じてしまうことも少なくありません。
そうなると、耳を頻繁に振ったりかいたりすごく気にしている様子が見られ、症状がひどいと耳の内側が腫れて耳の穴が狭くなってしまうことも。
このように、炎症や痛みを伴う場合はできるだけ早く動物病院へ連れて行くようにしましょう。いつまでも様子を見ていては状態が悪化するだけですし、普通に耳掃除をするだけでは決してよくなりません。
しかし、早い段階で適切な処理をすることができれば炎症を鎮め、かゆみから痛みになる前にケアすることができ、ひどくつらい思いをさせずに済みます。
まとめ
犬の耳掃除を怠ると汚れによって雑菌が繁殖し、通気性も悪くなるため結果として外耳炎を引き起こしやすくなってしまいます。
しかし、だからといって頻繁に耳掃除をしすぎたり間違った方法でしてしまうと、逆に耳の中を傷つけ炎症を起こしてしまうことも。
だからこそ、正しい耳掃除の方法知り適切なタイミングで耳掃除をして、健やかな耳の状態を保つことができるように飼い主としてケアをしっかりしてあげるようにしましょう。